「確かに今度のクウガは骨があるな。これほど強い拳が有ればたくさんの獲物を殺せるだろうに」
データ
呼称 | 未確認生命体第45号 |
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身長 | 213.0cm |
体重 | 223.0kg(格闘体) / 248.0kg(剛力体) |
主な犯行現場 | 池袋駅地下街 |
死亡場所 | 埼玉県内の造成地 |
特色/力 | 怪力、形態の変化、メリケンサックを利用したパンチ(格闘体)、胸の装飾品の武器への変化(剛力体) |
人間体/CV | 桜井顕生 |
登場話数 | EPISODE37「接近」~EPISODE42「戦場」 |
概要
未確認生命体(グロンギ)のうち、ゴ集団に属するバッファロー種の怪人。警察からは未確認生命体第45号(人間態としては未確認生命体B群12号)と呼称されている。
頭側部から生やした一対の角や毛に覆われた二の腕など、モチーフの要素をストレートに反映した怪人態と、赤いバンダナを頭に巻いた、浅黒い肌の精悍な人間態の2つの姿を併せ持つ。後述するゲゲルでの豪快な殺害方法も含め、その立居振舞はどことなくあの帰還兵を彷彿とさせるものとなっている。
リントの言葉を流暢に喋るゴ集団の他の面々に比べ、寡黙な上に喋り方も抑揚のなさが目立つゆえに、ともすれば脳筋とも取られかねない雰囲気を漂わせているが、その実かなり知恵の回る方であり、「飛び道具を用いない分、標的の数が多く逃げ道を塞ぎやすい場所を狙う」という、自身の特性の長所・短所を心得た効率のいい作戦を立案・実行し、超スピードでゲゲルの達成に王手をかけている辺り、見た目とは裏腹な知能派な側面を有しているのも確かである。
自らの実力に対し並々ならぬ自信を持っている一方、同格の存在であるジャーザ、それに敵であるはずのクウガに対してでさえ、その力量を冷静に見極め称賛を惜しまぬ、鋭い慧眼の持ち主でもある。バルバやダグバを除けば、作中に登場したグロンギの中では唯一、リントであるクウガのことを単なるゲゲルの獲物でも障害でもなく、自分と対等の「敵」として認めた上でその力を賞賛したのがバベルであり、グロンギとしては珍しく戦士としての気質が強いと言える。
クウガ(=五代雄介)には挑発と受け止められたとはいえ、バベルにとっては純粋に実力を賞賛する言葉であり、ここからも人間とグロンギの価値観の違いが改めて浮き彫りにされたと言っても過言ではない。同時に、これは現代のクウガである五代や現代のリント達が、着実にグロンギと同じ存在になりつつあるということをも示唆する台詞でもあり、それを五代に対して最初に直接指摘したのがこのバベルである。
(※1 実は作中において、クウガとグロンギが初めて会話を行ったくだりでもある。もっともクウガの方は、上記の台詞に対して「何ぃ!」と返したに過ぎないのだが)
能力
その体躯に見合った、ずば抜けた怪力と桁外れのタフさが自慢のパワーファイターで、単純な戦闘能力だけで言えば、それまでに登場したどのグロンギの追随を許さぬものがある。
また、ジャーザと同様に状況に応じた形態変化能力も備えており、マイティフォームのようなバランス型の「格闘体」から、より筋骨隆々となったパワー特化型の「剛力体」へと姿を変えることができる。
両形態の外見上の変化は、ジャーザと比べるとそこまで目立ったものではないものの、茶色だった体色が浅黒くなり、両肩からは鍵角が生えるなど、変化の方向性としては彼女(そしてクウガ)とも共通していると言える。
(上記のイラストは剛力体)
武器として、格闘体では手にはめたメリケンサックを武器とし、正面切っての殴り合いで相手を圧倒する戦い方を得意とする。持ち前のパンチ力の高さに加えて、メリケンサックに生えている鋭い爪で破壊力が上乗せされており、クウガの生体鎧も容易に抉り流血させるだけの威力を発揮する。
剛力体では、胸の装飾品を変化させたスレッジハンマーを振るい、増強された筋力を活かした重い一撃を相手に叩き込む。こちらも打面に複数の棘が配されており、ダイナマイトの直撃にも無傷で耐え、ガメゴの鉄球攻撃にも(少なくとも表面上は)目立った外傷を負わなかったタイタンフォームの生体鎧にも、深々と凹ませ痛々しい痕を付けてみせている。
後述の通りゲゲルやクウガとの戦闘が1週分、それもAパートのみしか描かれなかったこと、それにライジングフォームのクウガとは殆ど対戦していないことから、その実力が十全に描写されたとは言い難いところもあるものの、ダグバを除けば、判明している中では単独での殺害人数が多い(※2)のも事実であり、先に述べた攻撃の痛々しさたっぷりの演出、そして一条の加勢抜きではクウガも敗北を喫していたかも知れないことを考えれば、バベルもまた紛れもない強敵の一人であったは疑うべくもない。
(※2 同じ最強3人衆の中でも、ジャーザは243人、ガドルも判明している分だけで108人(と数十人)に留まっている)
作中での動向
ゴ集団によるゲゲルが大詰めを迎える中、ジャーザと共にリーダー格のガドルに招集される形で物語の表舞台に姿を現す。ダグバ抹殺を期して自己強化に及んだゴオマの動きを気にかけながらも、一方では「いずれにせよ、ザギバスゲゲルに進めるのは、俺達だけだ」とも豪語し、いずれ回ってくる自らの番を待ち続けていた。
先にゲゲルを開始したジャーザの敗退の後、一月近くもの間を空けてバベルにもゲゲル挑戦の時が訪れることとなる。目標人数は729人(※)、期間は2日、そして「4か所の閉鎖空間を襲い、その中のリント達を殺害する」という追加ルールを掲げ、作中における2000年11月3日に開始されたバベルのゲゲルは、翌4日朝までの1日余りの間に目標の9割強に上る682人の犠牲を生む結果となった。
その手口は、地下街などの出入口全てに大型トラックを突っ込ませ、逃げ道を塞いだところで標的一人ひとりを確実に、その拳で仕留めるというものである。ここにも、小細工を弄することを好まぬバベルの豪快な気質が表れており、ゲゲルの成り行きを注視していたガドルからは「バベルの得意なゲゲルだ。ザギバスゲゲルの開始も近いな」と評されている。
バベルの行ったゲゲルのうち、作中でその様子が描かれたのは4件目の現場――池袋駅地下街での犯行が粗方済んだ直後からであり、09.17.a.m.に地上へと姿を現したバベルは、ここで現着したクウガと相まみえることとなる。
ビートチェイサー2000を駆っての攻撃に圧され、渾身のパンチを頬に叩き込まれながらも、相手を称賛するだけの余裕を残していたバベルは、自らも拳を見舞ってクウガを流血させ、さらに強化マイティキックさえも容易く受けきると、剛力体へと変化してさらなる追撃に及んだ。
周囲が市街地であるため、被害を懸念してライジングフォームが使えないクウガは、タイタンフォームに超変身しながらも一方的に叩きのめされるばかりであり、バベルも地に伏した彼に止めの一撃を叩き込もうと、ハンマーを振り上げるのだが・・・その圧倒的優位を打ち崩したのは、新装備である「筋肉弛緩弾」を引っ提げ駆けつけた一条による狙撃であった。
この一撃によりバベルの動きがにわかに鈍ったことで、クウガにも反攻のチャンスが到来する。被害を避けるべく、ビートゴウラムで追い込みポイントである埼玉の造成地へとバベルを移送したクウガは、マシンに乗ったまま金の力を発現させるとそのまま突撃を敢行。対するバベルも移送中に弛緩弾の効果が薄れたのか、向かってくるクウガを真っ向受け止める構えを示したものの、必殺のライジングビートゴウラムアタック(※3)の威力はバベルにも耐えきれるものではなく、そのまま壮絶な爆死を遂げるに至った。
この顛末を前に、プレイヤーとしてただ一人残される格好となったガドルは、必勝を期して「新たな力」の会得へと動き出そうとしていた・・・。
(※3 作中では「金のゴウラム合体ビートチェイサーボディアタック」と命名。戦闘終了後、連絡を受けた一条は「長すぎないか?」とツッコミを入れている)
派生作品
『仮面ライダーディケイド』
同作では、第2話で描かれた「クウガの世界」に登場。ここではズ・ミウジ・ギに代わって未確認生命体第9号として扱われており、得物も穂先が2つに分かれた、ジイノと同型の槍を携えている。
「王の復活」を目指し、婦警を標的にしたゲゲルを行っていたが、ディケイドとの戦闘の末にディメンションキックを受けて倒された。
HEROES版
「リントはハイジャックというのだろう? 要求は一つだ」
「墜落しろ」
同作でもやはりゴ集団に属しており、人間体はTVシリーズにおけるワイルドさをより協調するかのように、顎髭を生やした精悍な出で立ちの男性として描かれている。
ジイノのゲゲルの際など、名前が判明する前から作中にもちょくちょく姿を見せていた。
魔器「ガダガガガ」の所持者を選定する集団同士の殺し合いで生き残った、ベ・ゴドの一体をハンマーの一振りで瞬殺できるほどの力量を持つなど、同作でもゴ集団屈指のパワーファイターとしての側面は健在であり、。怪人体もTVシリーズにおける剛力体のそれを概ね踏襲したものとなっている。
ヌ集団が自分たちへの反逆を企てていることを知り、ベ・ゴドとヌ集団を粛清し、物のついでとばかりにガダガガガを奪おうとするも、暫定的にンの座に昇格したガドルに勝手な判断で間引きをするなと釘を刺され、バルバからもまだンへの挑戦権がないとしてその場を退く。
その後自ら挑戦者に立候補し、ゲゲルの資格を取得。目標は7日間で50人。
一見、ゴ集団のゲゲルとしては目標数が少なく思えるが、その標的は飛行機やバスなどの交通網を乗っ取って事故を起こさせ、そこで生き残った者達(バベル曰く勇者)であり、標的以外にも大量に死人が出ることが前提である大規模なゲゲルを開始する。
備考
デザインは石森プロの飯田浩司が担当。公式な言及はなされていないものの、スーツはジイノそれを改造したものではないかと指摘する向きもある。
第42話の次回予告では、山中にて変身前の五代にタックルするカットが挿まれている。前述した動向からも察せられるように、これは『クウガ』では最早お馴染みとなった「嘘予告」の一つであり、ここでバベルに吹っ飛ばされる五代の後ろ姿は伊藤慎が吹き替えている。またこれ以外にも、クウガがバベルにマイティキックを見舞って跳ね返されるカットも併せて撮影されたものの、ちょっと昭和っぽいとの理由から没とされている(参考リンク)。
関連タグ
未確認生命体第○号
ゴ・ジャーザ・ギ(44号) → ゴ・バベル・ダ(45号) → ゴ・ガドル・バ(46号)
ゴ・ガドル・バ(B群11号) → ゴ・バベル・ダ(B群12号) → ン・ダグバ・ゼバ(B群13号)
外部リンク
Web archive「仮面ライダークウガ」公式サイト kuuga dimension GURONGI