概要
自らを『異端児(ゼノス)』と称するモンスターの一派。
他の迷宮(ダンジョン)のモンスター達と異なり、高い知性や心といった理知を備えているのが最大の特徴で、人間の言葉を理解し話す者もいる。
また、容貌が元の種と大きく異なる者もおり、特に性別が女性(メス)となるモンスターの場合は、並の人間よりも美しい外見をしているケースも少なくない。
その存在は、ダンジョンについて何らかの知識を持つ神々にとっても全くの未知であるとされている。特に、神々の一人であるロキは、ヘスティアから異端児について聞かされた際、存在が公になれば闇派閥(イヴィルス)の残党によるオラリオ崩壊計画以上に世界全体を揺るがしかねない異常事態(イレギュラー)になり得ると評しており、ウラノスが止む無く隠し続けていたのも当然だと納得している。
人間の冒険者だけでなく、迷宮の意志に反映してなのか、同じモンスター達からも「異端の存在」と認識されて命を狙われる身となっている。それ故に、生き残っている者は40体程と少ないが、冒険者の遺品となる武器や防具で武装したり、モンスターを倒して得た魔石を喰らい強化種となる形で何とか生き永らえている。そこに知性が加わる事によって多くが上級冒険者も凌ぐ程の戦闘力を備えており、Lv.5クラスの第一級冒険者に匹敵する者もいれば作中最強クラスまで成長したものまでいる。
迷宮内の安全な「隠れ里」を拠点としており、迷宮巡回し複数の隠れ里を行き来しつつ、新たに迷宮から生まれ出る同胞を探している。
ダンジョンの事を「母」と呼んでいる。
アステリオスを除く全員に共通して地上や人類に対する強烈な憧憬を持ち、いつか地上に出ること夢みており、その為なのか自身が怪物だった頃の時代、つまり前世の記憶を憧憬として夢にみることがあるらしい。
一方、アステリオスだけはベル・クラネルとの再戦こそが望みである為、完全な例外…つまりは「異端の中の異端の存在」と言える。
ウラノスとフェルズは、異端児の存在が人間とモンスターの途方も無い年月を経た戦いの歴史に変化をもたらす希望として期待されている。
が、現状において彼等の存在意義等は何も証明出来ておらず、特に神々の一人であるヘファイストスは、「異端児全体が人類に害をなす「毒」でしかなく救済するに値しない存在」とまでバッサリと切り捨てており、ヘルメスもまた「ベルを『異端の英雄』に落とす厄介な存在」と認識され、ウラノスやフェルズを裏切るだけでなく、べルの大切な人間(エルフ)であるエイナ・チュールを人身御供にしてまで、異端児との歩み寄りをぶち壊そうとしていた。
しかし、レイがベル達だけでなく【ロキ・ファミリア】のアリシア・フォレストライトやティオネ・ヒリュテと交流を持ち僅かだが確かに友好と呼べる関係を築き、上記のクノッソス攻略において秘密裏に連携したりと少しずつだが良好に進展しているようである。
また、ティオナ・ヒリュテは彼等と戦うのには、最初から忌避感を抱いており、ダイダロス通りの攻防戦の際ウィーネが瓦礫からルゥを庇ったのを目撃した際は見逃している。
フェルズによると、彼等との問題を解決するにはダンジョン最下層の攻略が必須であるらしいが…?
なお、「ゼノス(Xenos)」とは、ギリシャ語で「客」、「外国人」、「異分子」、「不思議」、「異邦人」等を意味している。
劇中の様相
本編よりおよそ16年程前、当時ウラノスと深い繋がりがあった派閥によって、初めてその存在が確認された。
人類とモンスターの戦いの歴史が不毛な物でしか無いと考えていたウラノスは、人類との共存を望む彼等こそ、憎み合い殺し続ける戦いに終焉をもたらす為の最後の希望だと考えており、彼やフェルズに保護されて以降は、迷宮(ダンジョン)内で起きている特異な問題を秘密裏に解決すべく動いており、被害や犠牲を払いながらも奮闘し続けている。
その後、本編10巻で【ヘスティア・ファミリア】のベルが新たに生まれた異端児であるウィーネと遭遇し彼女を保護したのを機に、【ヘスティア・ファミリア】と異端児達が交流を結ぶきっかけとなり、彼等やガネーシャ等も、異端児(ゼノス)達が望む人類との共存に対して理解を示している。
だが、異端児達を捕縛し悪用していた【イケロス・ファミリア】が、ウィーネの拉致と仲間達の一部を虐殺された事により暴走。地上を巻き込んだ事件に発展してしまうが、全てを失う覚悟で自分たちを救おうとしたベルの決意と覚悟が異端児達の心に大きな影響を与え、ベルに絶大な信頼を置くようになる。
その後も【ヘスティア・ファミリア】と親交が続き、ウラノスと【ロキ・ファミリア】の協力関係が構築された後には、クノッソス攻略について【ロキ・ファミリア】とも連携している。
主な人物
本作のヒロインの一人。竜女(ヴィーヴル)の異端児。
赤緋色の鱗と雄黄の瞳が特徴的な蜥蜴人(リザードマン)の異端児。異端児のリーダー格。
毛先が青みがかったくすんだ金髪と青い瞳が特徴的な美しい相貌をしている歌人鳥(セイレーン)の異端児。
人間を信用していなかった石竜(ガーゴイル)の異端児。
黒い猛牛(ミノタウロス)の異端児。新参ながら異端児で最強の実力を持つ。
人魚(マーメイド)の異端児。下半身が魚であるため、ダンジョン下層の「水の迷都」から離れられず留守番をしている。
甲冑を着た人蜘蛛(アラクネ)の異端児。グロス同様に人間を信用していない。
【イケロス・ファミリア】に重傷を負わされ、辱められる前に自害した。
チョッキと時計を付けた一角兎(アルミラージ)の異端児。性別はメス。
- レット(CV:竹田海渡)
赤帽子(レッドキャップ)を被ったゴブリンの異端児。
ガネーシャが唯一見たことのある異端児。
冒険者で例えるとLv.4の実力。
丁寧な口調で、『ミスター○○』などと呼ぶ。
半人半鳥((ハーピィ)の少女。
ベル達を『地上のお方』と呼び好意的である。
- ヘルガ(CV:清水彩香)
黒犬(ヘルハウンド)の異端児。
アルルと共にアステリオスを呼びに行った。
地上ではアルルと共にカサンドラに保護されていたため、彼女の匂いがのちに役立った。
- フォー(CV:前田弘喜)
獣蛮族(フォモール)の異端児。
リド、レイ、グロスに次ぐポテンシャルを誇り冒険者で例えるならLv.4ぐらいの強さらしい。
図体に反して性格はとてもやさしい。
【イケロス・ファミリア】のディックスに殺された。
- ユーノ
一角獣(ユニコーン)の異端児。
地上で戦う際に殺傷能力を落とすために切り落とした角の先端をヴェルフが加工してベルのナイフ『白幻』に使った。
- ラウラ(CV:浜崎奈々)
半人半蛇(ラミア)の異端児。
片言で会話できる。ベルが好意を抱くレイをイジっている。
- オード
戦影(ウォーシャドウ)の異端児。
甲冑のような形状をしている。言葉は喋れない。
【イケロス・ファミリア】のグランに殺された。
- クリフ
馬鷲(ヒッポグリフ)の異端児。
【イケロス・ファミリア】に殺された。
- グリュー
木竜(グリーン・ドラゴン)の異端児。
20階層の隠れ里の『番人』の役目を担う。
- シルバ
野猿(シルバーバック)の異端児。
かろうじて単語で会話出来る。
- トロル
トロールの異端児。
言葉は喋れず、雄叫びで会話する。
- カール
カーバンクルの異端児。
- バーバリアンの異端児
ベルがダイダロス通りの孤児院の地下で遭遇した個体。当時Lv.3だったベルが苦戦するほどだったが既に傷だらけであった。その場は最終的にシルの護衛として居合わせたアレンにより倒される。実はディックス達が以前捕らえていた個体が隙をついて逃げ出し地下に身を潜めていたことが後に彼の口から明かされる。
深層編でベルと戦い死んだジャガーノートの異端児。ベルへの強い殺意から異端児として復活した。強い殺意にリドやフェルズも生かしておくことに悩んだがベルの判断によりカールに封じられる形で生存させることが決定した。