概要
ヘリック共和国とゼネバス帝国が存在する中央大陸から離れた北方にある暗黒大陸と呼ばれるニクス大陸に存在する軍事国家。
第一次大陸間戦争時代の首都はダークネス(チェピン)。
厳冬地帯に位置する北国であり、大陸全体が極めて過酷な環境であることから、住民は常に温暖で住みよい地域を渇望しているというどこかで聞いた事情を持っている。一方で地殻活動は活発で地熱に恵まれているなど北欧神話に絡まった地名も相まって地球のとある島国を彷彿とさせる。
歴史
トローヤ遺跡の存在から古代文明等も存在したようだが、中央大陸統一時代には戦いに明け暮れる蛮族が暮らしており、一度は中央大陸侵攻も図った(これは初代ヘリックが中央大陸統一に彼らを利用するための工作でもあった)が、この時は中央大陸の全民族の抵抗に加えて同地の環境に兵士もゾイドも適応できずにまもなく撤退を余儀なくされた。その中央大陸より地底族長ガイロス(ゼネバス皇帝の母方の伯父にあたる人物)の移住後、ガイロス皇帝1世がこれをまとめて一代で帝国勃興・大陸統一にまで至った(なお旧地底族長ガイロスと当時のガイロス皇帝1世との関係は不明であるが、「何らかの繋がり」「関与」があることは示唆されている。また、族長ガイロスは2人の部下のみを伴って中央大陸を離れたとされている。ガイロス帝国にはプロイツェン家とシュバルツ家がそれぞれ政治と軍事の名門として並び立っていたが、これとも関係しているのかもしれない)。トローヤ遺跡とそれがある大陸東部・テュルクはガイロス帝国発祥の地とされる。尚、大異変によって大陸の一部が水没したため、それ以降のテュルクはニクス本土から細い内海で隔てられた小大陸と化している。
当初は中央大陸デルポイの覇権をへリック共和国と争うゼネバス帝国を支援していたが、ゼネバスがへリックに敗れると、その敗軍を吸収し、今度は自らがへリックとの戦いを繰り広げることになる。互いに超強力なゾイドを投入した全面戦争となるも、ZAC2056年の惑星Zi大異変によって巨大隕石の衝突という予期せぬ事態を迎え、大打撃を受けた両軍は休戦を余儀なくされる。
ZAC2099年には復興しており、軍事費に国家予算の6割を捻出する、かつてよりもさらに軍事色の強いお国柄となる。同時代では旧首都のダークネス改めチェピンは軍需産業の拠点となっており、首都はヴァルハラに遷都された。
同年にはヘリック共和国への侵略橋頭保の確立を名目に西方大陸エウロペに進出。翌年ZAC2100年に敗戦し本国へ帰還。ZAC2101年には本土決戦を挑むが、内心では両軍の共倒れを狙っていた帝国摂政プロイツェンの陰謀によって首都ヴァルハラが崩壊し大きな痛手を受ける。その後は新たに勃興したネオゼネバス帝国への対抗としてヘリック共和国との連合に加盟した。
バトルストーリー
中央大陸での戦争で、苦戦するゼネバス軍を支援する形で登場。
当時のバトルストーリーでは「暗黒軍」と呼称されていた。
ゼネバス側の敗戦が決定的になるとゼネバス軍を裏切り、残存戦力を吸収して暗黒大陸へと撤退。同時に共和国に対して宣戦を布告し共和国軍との間で第一次大陸間戦争が勃発する。
しかし、惑星Zi大異変(グランドカタストロフ)によって決着の着かぬまま休戦、40年余りの平和な時が過ぎる。
その後、皇帝ガイロス1世の死去により幼い皇太子のルドルフ・ツェッペリンが帝位を相続、ギュンター・プロイツェン元帥が摂政として、まだ年若いルドルフに代わって権力を握ると軍備の再編が優先され、それから間もなくヘリック共和国に対し宣戦布告。中央大陸へ向かうルートとして西方大陸に進撃し第二次大陸間戦争が勃発する。
開戦当初は優勢で戦いを進めるも豊かな国力を持つヘリック共和国が徐々に戦局を握り、暗黒大陸への撤退を余儀なくされ、共和国軍の暗黒大陸上陸に伴い本土決戦が開始される。
しかし、これはヘリック・ガイロス双方の戦力を消耗させ、共倒れを目論むゼネバス皇帝の息子(この素性は隠されていた)であったプロイツェンの陰謀だった。
その後、自身の出自を明かしたプロイツェンの反乱が発生し、彼の率いるPK師団が帝都を占拠するとガイロス軍は共和国軍と休戦して共同戦線を張り、PK師団を壊滅に追い込んでプロイツェンを追い詰めるも、これこそがプロイツェンの自身を餌にした罠であり、ガイロス・ヘリック連合軍を巻き込んだプロイツェンの改造デスザウラーによる自爆によって帝都に攻め込んでいた戦力の大半を喪失、帝都も焦土となってしまう。
プロイツェンの自決からカール・リヒテン・シュバルツ中佐がルドルフ幼帝をギリギリのタイミングで救出していたため皇族全滅の危機は回避され、その後、ルドルフ幼帝は無事復権するも第二次大陸間戦争とプロイツェンの反乱で受けた深刻な打撃から国力が大きく弱体化、表舞台から退くこととなる。
ネオゼネバス帝国成立以降は鉄竜騎兵団による電撃的奇襲攻撃で本国を奪われたヘリック共和国を裏方で支援し凱龍輝開発の為の援助(野生体の提供)を行うなど裏方に徹した。
このようにヘリック共和国とは極めて良好な関係となったが、先帝時代の所業から中央大陸にいる共和国民衆からは未だに敵視されている。
ネオゼネバス側からは先帝時代での裏切りやそれから続いた度重なる旧ゼネバス系将兵への冷遇から反ガイロスを表明されるほど嫌われ、ガイロス側も第二次大陸間戦争で国土のみならず人員面でも大きな打撃を被っているため、ネオゼネバス帝国との関係は最悪の一言に尽きる。
所属人物
※バトルストーリー、公式ファンブックシリーズに登場、記載された者のみ。
太文字は固有の活躍エピソードがある者、斜文字は旧ゼネバス系関係者と明言されている人間。
<ZAC2051年~ZAC2056年>
- ガイロス
<ZAC2099年~ZAC2101年>
- ルドルフ・ツェッペリン
- ギュンター・プロイツェン
- カール・リヒテン・シュバルツ
- ヴォルフ・ムーロア
- ステファン・スコルツェニー
- リッツ・ルンシュテッド
- キルシェ・ハルトリーゲル
- ブリック・スパンツ
- ペール・ジョルドット
- ドクトルF
- ハンナ・ハンナ
- アンナ・ターレス
- ズィグナー・フォイアー
- クーリム・リン
- ヨハン・ホルスト・シュタウフィン
ガイロス帝国製ゾイド一覧
旧ゼネバス製ゾイドは割愛、斜文字は軍内のゼネバス系派閥が制作した機種。
第一次大陸間戦争 |
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第二次大陸間戦争 |
ゾイド-ZOIDS-
アニメ『ゾイド-ZOIDS-』では西方大陸に所在する国家と設定そのものが異なっており、首都も「ガイガロス」となっている。「ガロス」という通貨が使われている模様。
こちらでは既にヘリック共和国との戦いをほぼ制して西方大陸における大きな覇権を有しており、その共和国とは20年間停戦状態にあったが、皇帝の病臥に伴って実権を握った摂政プロイツェンによる「大陸の完全制覇を成し、自身の権威を揺ぎ無いものにする」という思惑により再度戦端が開かれる。猛攻の末、共和国首都陥落まであと一歩にまで迫るも、共和国軍の反撃と皇帝の死を受け、その場は撤退を余儀なくされる。
さらに次期皇帝の座を巡ってプロイツェンが皇太子ルドルフの命を狙うといった事件をきっかけに彼の本性が露わになり、その彼が引き起こした大規模なクーデターを鎮圧する際に両軍の共同戦線が張られ、それが収められると間もなくして共和国と講和に至っている。
アニメ版における主な所属人物
バトストおよびマンガ共通の登場人物は除く。
- トーマ・リヒャルト・シュバルツ
- ハーディン准将
- ホマレフ
- マルクス
- ラルフ
- ミューラー
- メッテルニヒ
- グロスコフ、ビーピー、ワグナー
- シーパース
- デリス
- ロカイ