「ワシは 近江連合郷龍会二代目の……
郷田龍司……と申します」
「そないなことはわーっとりまんがな
────ワシ等はクーデター起こしに来とんのやから……」
「ワレのような計算高い男には 所詮天下など取れんのや…」
CV:岩崎征実
概要
主人公・桐生一馬が在籍していた関東最大規模の暴力団組織「東城会」と対をなす、関西の大組織「近江連合」の五代目会長・郷田仁の息子であり、直参「郷龍会」二代目会長。
組織内では「近江四天王」の一角として数えられる他、背中の刺青から「関西の龍」の異名でも知られ畏れられている。
人物像
容姿
筋肉質で大柄な体格が特徴。髪は金髪のオールバックで、顎まで伸びた長いモミアゲを蓄えている。眉間にシワを寄せた厳めしい顔立ちに加え、上唇の左側に切り傷跡があり、強面により一層の迫力を増している。
この刺青は、蒼天堀で彫師を営む四代目風彫の有力な弟子である女性・明菜が彫った物である。本来は風彫を継承した者しか彫る事は許されない絵柄である事から、当初は四代目風彫が彫る予定だったが、スジ彫りの際に手が動かなくなってしまった事から、明菜が代わりに続きを完成させたのだと言う。
衣装は、ブラウンのシャツに白いスーツを着用し、さらにその上に黒毛のファーの付いたベージュのロングランチコートを羽織っている。また、得物として常に日本刀を携行している。
性格
「目的のためには手段を選ばない」事を豪語しており、作中では大々的な策謀により桐生をはじめ東城会を苦しめるが、そうした行動の中にもある程度は線引きがあるらしく、子供を人質に取るなどの卑怯な行為に激昂したり、桐生に一対一の勝負を挑むという正々堂々とした一面も見られる。
前述の「関西の龍」という異名だが、本人は「龍の二つ名は、唯一無二の存在であるべき」という身上から、その異名が「関西の」と限定的なことを理由に嫌っており、それを口にした者にはたとえ自分の子分であろうとも容赦はしない。
戦闘スタイル
バトルスタイルは大振りな拳打ちや豪快な投げ技、体当たりなど力任せな攻撃を得意とする。
また日本刀「慈安懸雲法院」を武器として用いることもあるが形式張った剣術は使わず、腕力と勢いに任せて片手でブンブン振り回す。
本編での活躍
龍が如く2 / 龍が如く極2
2006年(当時30歳)。東城会五代目会長・寺田行雄を襲撃した近江連合の動向を探るべく大阪を訪れた桐生と、蒼天堀のキャバレー「グランド」で出会うことになる。同じ「龍」の異名を持つ桐生に対し挑戦的な言葉で挨拶し「神室町に派手な花火が打ちあがる」と桐生に告げ、翌日のミレニアムタワーの爆破テロを仄めかした。
翌日、桐生が近江連合と盃を交わそうとしているところに乱入。東城会と近江連合の五分の盃に納得がいかず、本部でクーデターを起こし、育ての親である郷田仁を誘拐した。その後、関東へ勢力を伸ばすために東城会のいる神室町へと侵攻する。
中盤、実は1980年に壊滅させられた韓国マフィア「真拳(ジングォン)派」のボスの子供で、大阪府警の刑事・狭山薫とは異父兄妹である事が発覚する。
26年前の事件後、母の鄭秀淵(ジョン・スヨン)と共に仁の支援を受け、後に彼に引き取られ郷田龍司と名付けられる(スヨンは瓦次郎と結婚して瓦祥子を名乗り薫を授る。又、母の顔はぼんやりと覚えており、薫にそっくりだったと語った)。しかし真拳派の復讐には興味がなく、あくまで利益を求めて手を組んだのみで、構成員として行動することは頑なに拒んだ。
神室町ヒルズ建設予定地での最終決戦では、同じく真拳派であった寺田と手を組み、彼すら裏切り全てをものにしようとした近江四天王の1人・高島遼を止める為、真っ向から銃撃戦を行い殺害。そして自身も重傷を負いながらも、最後に「伝説の龍」を求めて桐生と死闘を繰り広げる。桐生に敗れた後には妹である狭山の腕の中で意識を失った。
この時の生死は不明で、当時の総合監督・名越稔洋によると「その後どこかで生き延びているらしい」との事だが、脚本家・横山昌義は「死亡した」と意見が食い違っている。
なお、本編と似て非なるパラレル時空が舞台のスピンオフ作品『OF THE END』では、『2』の騒動の後も生きている設定が採用され、その後の龍司の姿を見る事が出来る。
また、本編では『5』で、龍司を超えた武闘派極道を目指す七代目近江連合若頭・渡瀬勝が登場する。
『6』ではこれまでシリーズで死亡したキャラクターが写真に写る心霊写真システムに龍司は登場しない上、桐生は今まで誰一人殺した事が無い設定になっている。
(仮に龍司が死んでいたとしても、直接的な死因は桐生との一騎打ちよりも、心臓のある左胸を含む2ヶ所を高島に銃撃された事であるため、「龍司は桐生に殺された」とはハッキリ言い難い。タイマン勝負には、法律では推し量れない美学的側面が強いのである)
『7外伝』では、「キャッスル」と呼ばれるコンテナ船内の闘技場にて、伝説の戦いを再現するため龍司とそっくりに仕立て上げられた男が登場し、虎二匹と共に桐生と交戦するが敗北。
その後、気絶した龍司似の男に対して桐生は「あいつは虎の威を借りるなんてことは死んでもやらねえ」と、死闘を繰り広げた龍司へ敬意を表していた。
龍が如く ONLINE
イベント「黄龍伝」では『1』から『2』までの龍司の行動が描かれる。
桐生の出所と神宮京平の死と100億が消えた事で近江連合と郷龍会は東城会を潰すのは仕切り直しとなっていたことが判明する。
この頃は桐生一馬の名前は聞いたことのあるだけであまり知らなかったらしいが、組員から「堂島の「龍」と聞くと喧嘩の火が付いてしまう。「龍」の異名を持つ者が他にも沢山いると聞くと「消さないといけない、極道の世界で龍と名乗るのはこの世で一匹だけ」と異名の「関西の龍」を嫌うようになる。
メインストーリーにおいては第二部「黄龍放浪記」にて春日一番に次ぐ主人公に抜擢される。
舞台は現代ではなく、又しても過去編で龍司が仁から郷龍会を継ぐまでの経緯が描かれる。
PVではタンクトップ姿でチョッパーバイクに乗る龍司の姿や、『2』では常に車椅子に乗っていた郷田仁が立ち上がり龍司と対面する場面などが確認出来る。
外伝・その他作品
龍が如く0 誓いの場所
サブストーリーで登場し、本編の大筋のシナリオに関わることはない。
バブル景気真っ只中の1988年が舞台なので、換算すると当時12歳の小学校6年生となるが、内面こそ年相応なものの、外見は大人になった現在とさほど変わっておらず、さらに大人顔負けの長身であり、そんな状態でランドセルを背負っているという奇抜なスタイルで登場(※)。デザインは違えど当時からロングコートを着用していた。同級生たちからは「ランドセルが似合ってたことは一度もなかった」と言われている。父親がヤクザということで、周囲の同級生からは敬遠されていた。またこの頃から腕っぷしは強く、小学生ながら高校生をフルボッコにしている。
同級生をカツアゲしたヤンキーに報復としてボンタン狩りを行いその一味だと勘違いした主人公・真島吾朗に襲い掛かり返り討ちにされる。
敗北後、真島と和解し周囲の小学生たちとも仲良くなり解決したかに思えたが、今度は集団でヤンキー達が逆襲しに来たのでそれら一人で倒すという本領を発揮する。
その後、東京に修学旅行へ訪れるが、そこである人物とぶつかってしまう、それは、丁度未来が見える占い師からこれからぶつかる人物が将来因縁の相手になると占われた若き日の桐生であった…。
※…実際、公式Twitterからも『日本一ランドセルが似合わない男』と称されている。
龍が如く7外伝 名を消した男
『2』の後である本作でも死亡扱いとなっている為本人は登場しないが、龍司を騙るものがやたらと出てくる。
ストーリー上では「キャッスル」の闘技場に参加する事になった桐生の相手として登場する。
姿だけは非常によく似ており最初はタイマンだが、不利になれば連れている虎を嗾しかけて自分は高みの見物を決め込む。
最終的には倒されそんな余りにも姑息な戦い方から桐生からは「あいつは虎の威を借るような真似はしない」と、吐き捨てられた。
また浄龍会のメンバーとしても加わりこちらでの名前は「郷田小龍司」。正体は龍司のモノマネ芸人らしい。
サブクエストでは郷龍会の残党と名乗る者達が、組再興の手段と龍司の名を再び世に轟かせる為に偽者を使って好き放題振る舞うと言った事をやっている。
龍が如く OF THE END
本編と似て非なるパラレルワールド。当時34歳。主人公の一人として登場。
桐生との死闘の後、右腕を失い、近江連合からも破門され、更には恨みを持つ者に命を狙われ続ける様になり自暴自棄になって、神室町のガンスミスに右腕をガトリングガンに変形する超高性能の義手「黒鉄丸(くろがねまる)」に改造して貰うが、その右腕を見たことで我に返って後悔し、裏社会から完全に足を洗う事を決め、全国を放浪するたこ焼き屋のおやっさんに弟子入りする。
2011年に発生した神室町のゾンビ騒動直前に、おやっさんと共に神室町まで流れ着き、そこでたこ焼きを作っていたが、そこでかつての弟分で郷龍会三代目会長・二階堂哲雄に声を掛けられる。龍司の近江連合復帰を望む二階堂に対し、それを断るが、二階堂は含みのある言葉を残し去っていく。
そしてその後、神室町がゾンビで溢れかえった事から、これらが全て二階堂の仕業だと考え、ケジメとして二階堂を止めるべく単独で彼を追うことになる。バッティングセンターで苦戦する真島と秋山駿の前に現れ、彼らを救い、周辺のゾンビを撃退。
その後、二階堂の旧アジトに向かい印がつけられた神室町の地図を見つけ、その中で唯一バツ印が抜けていたビルに向かうことにする。途中、堅生会の伊吹の協力を得て、中道通りのバリケードを戦車で破壊し隔離エリアから脱出する。その後ビルに着くと、二階堂にアジトにあった地図の印が東城会の組事務所だったことを知る。
そしてその組の組長にゾンビに気をつけるよう忠告するが組長は信用せず、挙句の果てに二階堂の手に落ちたかつての部下・林弘の奇襲により無駄に終わる。
その後、二階堂からショーパブ「エイジア」にいると電話を受け、エイジアに向かうと二階堂の手により遥が捕らわれていることを知る。更に自分の師であるおやっさんが、二階堂らの手により目の前で実験体ヤツカハギへと変貌、そのまま闘うことになる。激戦の末、過去におやっさんから教わった「たこの急所」を突いておやっさんにトドメを刺し、おやっさんのたこ焼き屋の跡を継ぐことを宣言する。
エイジアから出たところ、隔離エリアから実験体やゾンビら押し寄せてくる。彼らを撃退した後、自身の義手の調子が悪くなったため、義手を作ったガンスミスのいるビルに向かうとそこで桐生と再会する。そしてガンスミスに義手のメンテナンスをしてもらった後、桐生と共に二階堂が待つミレニアムタワー最上階に向かう。
途中、実験体へと変貌した林と闘い、義手を奪われたりと苦戦しながらもこれを倒し、最上階に到着。待ち構えていた二階堂が放った最強の実験体を倒し、澤村遥を救出し二階堂を追い詰めるがDDにより完全体オオイカヅチとなった二階堂の巨大化により最上階の天井が崩壊し、身を呈して遥を瓦礫から護った。怪我はなかったが、瓦礫により身動きが取れなくなったため、桐生に二階堂を止めるよう全てを託す。桐生がオオイカヅチを倒したあとヘリで逃走しようとするDDを打ち落とそうとするが桐生に止められる。そしてヘリと共に堕ちていくDDを見て「似合いの最期やな」と呟く。
事件終結後はたこ焼き屋を再開、仕込みの(たこの急所を狙う)途中に来店した桐生と遥にたこ焼きを振る舞った。その時の顔は関西の龍と呼ばれた極道ではなく、優しいたこ焼き屋のオヤジであった。
龍が如く維新!
何故か本編同様金髪姿で大阪弁を喋るが、これは身分を偽る為の擬装であると設定付けられた。
戦闘では力任せな攻撃を得意とする。
銭湯で主人公・坂本龍馬と初めて会い、彼の一言で全裸で喧嘩を繰り広げる事になるが、彼の強さを気に入り和解、祇園で酒を奢る。
その後は勝麟太郎から「もう一人の坂本龍馬」を紹介され、後に新選組に入隊した龍馬に質問されるが、全てを明かす事はなかった。
その後、因縁の相手である長州藩士・桂小五郎と鉢合わせになり決着を付けようとするも酔っぱらった龍馬に阻止され、三人で素手で喧嘩する事になり、勝者となった龍馬の命令で3人で酒を飲みに行き、これがかの「薩長同盟」を結ぶきっかけとなった。
ラスボスとして…
ゲーム序盤から登場しており、ラスボスというよりはどちらかと言えばライバルという言葉が相応しいだろう。
勿論1つ1つの演出はよく出来ているため、ボス戦として見た場合の存在感は文句無しだが、体力や攻撃パターンなどラスボスとしての強さについてはシリーズ最弱候補の筆頭に挙げられる。
更に、中盤のボスとして出てくる彼の部下の林が本作中最大の体力と残体力に応じた戦闘スタイル変化を併せ持った強敵のため、余計に弱く感じてしまう。
なお、リメイク版の『極2』では大幅に体力増加されてバトル面も強化され、名実ともにシリーズNo.1ラスボスになった。
しかし、黒装束の男がそれ以上に強化され過ぎた為影が薄くなってしまった。
(ちなみに前述の林は『極2』でもリメイク前と同様に体力はかなり多いが、攻撃力としてはリメイク前よりも弱くなっている)
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龍が如く 近江連合 極道 武闘派 ラスボス(龍が如く) 黄龍
左近寺竜之介…漫画作品のアニメ版の中の人繋がり。ガタイなども似ており、読み方や漢字は違うが「龍(竜)」の名前を持っている。ただしこちらはヤクザと敵対関係の警察官である。