概要
謎の現象で全人類が石化し、数千年がたった地球。
文明の遺物はとっくに失われて大自然の楽園と化したポストアポカリプスな世界で、石化から蘇った2人の少年・石神千空と大木大樹が科学文明を再興させようと奮闘するSFクラフト冒険譚である。
何の近代的ツールもないが科学知識だけはあるという状況で、工夫とアイデアを凝らして石器時代レベルの道具だけで携帯電話や自動車などの近代的なアイテムを作り出していく試行錯誤が人気を獲得している。
原作は『アイシールド21』の稲垣理一郎、作画は「週刊ヤングマガジン」にて「第22回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞」を受賞の『ORIGIN』を連載していたBoichi。
SFとファンタジー、そこにジャンプ漫画のお約束であるバトル要素も合わさった複合ジャンル的な作品で千空の頭脳から導き出される予測不能のアイデア、そのアイデアを実現するための現実的な科学技術から形成されるフローチャート、その副産物を利用した予想外の発明など、読者の斜め上をいく発想と少年漫画の王道を征くアツい展開が最大の特徴。
週刊少年ジャンプにて、2017年14号から連載開始し、2022年14号にて完結した。
科学監修について
メインの科学監修はサイエンスライターの「くられ」が担当しており、ジャンプ本誌では枠の間にくられのみ明記されている。しかし、コミックスの巻末クレジットには1~9巻まで「くられ」単独明記で10~14巻までが「くられwith薬理凶室」となり、15巻から「くられwith薬理凶室(亜留間次郎 シラノ POKA)」明記となる。
尚、POKAについてはコミックスのクレジットに載る前に「Dr.STONE 科学部」(後述の「公式動画」の中の科学部参照)にて「ドクターオギノ」名義でくられと一緒に協力している。
簡易的な経緯
2018年9月『次にくるマンガ大賞2018』の第2位を受賞。
2019年1月『第64回小学館漫画賞』の少年向け部門受賞。
2019年10〜12月にはスピンオフ『Dr.STONE reboot:百夜』がジャンプ本誌にて短期集中連載された(48号~4・5合併号まで)。
日本テレビ系列局ほかで放送されているバラエティ番組『世界一受けたい授業』2020年3月21日放送分で「大人気マンガ「Dr.STONE」に学ぶ!文明を作った科学の力」として取り上げられ、講師としてくられが登場した。
2023年には星雲賞のコミック部門にノミネート。同じ集英社からは『ゴールデンカムイ』と『タコピーの原罪』も含まれており、賞レースの行方が注目される。
(ゴールデンカムイに至っては、テレビアニメ放送時期も同タイミングである)
テレビアニメについては後述。
あらすじ
体力バカの高校生・大木大樹は、悪友である科学者の卵・石神千空にからかわれつつも、5年間片思いし続けてきた美少女・小川杠に告白しようとしていた。
だが、その思いの丈を打ち明けようとした時、地球全土が謎の光で覆われ、その光を浴びた人類は全て石と化していった。
そして長い長い年月が過ぎ、大樹は突如石化から蘇る。そこで見たものは、ただの石像となって転がる無数の人間と、元の街の面影などない大自然、そして一足先に石化から目覚めていた千空だった。
今はあれから3700年が経過した西暦5738年。文明は経年劣化で完全に消滅し、石器時代(ストーンワールド)に逆戻りした地球の姿がそこにはあった。
他に石から戻れている人間がいるかどうかもわからず、状況は文字通り裸一貫お先真っ暗。
だが千空は自らの「科学知識」をもってこの石化の謎を突き止め、文明社会を蘇らせようという壮大な作業に取り組んでゆく。
登場キャラクター
本作の主人公。地道に楔を打ち続けられる根性とプロの科学者に勝るほどの圧倒的な科学知識を持つ。ストーンワールドで1から文明を復興し、全人類を救うという大義を抱く。
千空の幼馴染。杠に想いを寄せており、その一心で3700年を耐え切る。あまり頭は良くなく千空からは「デカブツ」と呼ばれているが、代わりに凄まじい体力と耐久力で千空を助ける。
千空と大樹の幼馴染。手芸部で恐ろしく手先が器用。
ストーンワールドにもともと住まう石神村の住人。「雌ライオン」「ゴリラ」呼ばわりされるほど男顔負けの身体能力を持つ。石神村の巫女にして姉のルリを救いたい。
コハクと同じく石神村に住んでいる「妖術使い」。石神村に代々継がれ続けている「百物語」から石などに興味を持ち、自力で「静電気」などさまざまな科学的発見をする発見力を誇る。ルリを救いたい。
「現代」の霊長類最強の高校生。千空の手により石化が解かれた。ストーンワールドに薄汚い老人は蘇らせず、若者だけの美しいユートピアを創り上げようという思想を掲げており、科学で全人類を救おうとする千空と敵対する。
「現代」のメンタリスト。心身掌握術やマジックなどを買われ、司の手により復活させられた「ペラペラ男」。千空の生死を確認するために散策する中で石神村に辿り着き、そこで千空に交渉を持ち掛ける。
他詳しくは【Dr.STONEの登場人物】を参照。
作中の用語
- 石化現象
21世紀に突如として人類を襲った未知の超常現象。
南米から全地球上にが広がった緑色の光により、人類全員が一瞬で石化したとされる。石化すると身動きできなくなり、すぐに意識が薄れ始めて一種の仮死状態となる。
逆に言えば石化している限り寿命で死ぬことはなく、石化から復活すると石化以前の記憶を保ったまま復活する。詳細は「ドクターストーン」の記事へ。
名前の由来は、「医者代わりの命の石」という意味。詳細はリンク先へ。
千空と大樹の石化を解いたと思われる化合物で劇薬。他の人物は硝酸だけでは復活させる事が出来なかったが、復活した二人で協力して後述の復活液を作り出す。他にも利用方法が多々あり、火薬などが作り出せる。最初は蝙蝠が住みかとして使っていてその糞が硝酸となり、その洞窟を奇跡の洞窟と呼んでいた。洞窟は後に司に抑えられ、さらに司を裏切った氷月とほむらの工作で洞窟への入り口を破壊されたため、千空達は新しい硝酸の確保先を探すことを余儀なくされる。
- 復活液
石化を解除できる「奇跡の水」。硝酸とアルコールを混ぜたナイタール液の事。実際のナイタール液とは配合が異なり、独自の割合の配合が必要でちょっとでも比率が狂うと復活液として機能しない。千空が復活した近辺にあった奇跡の洞窟から取れる硝酸と葡萄酒から抽出したアルコールを元に作られたもの。
発電する為の磁石を作り出したり、はたまたは職人カセキの工具、そして最強の切れ味を誇る日本刀などを作るために必要な物質。
石神村のコハクの姉の病気を治す為に奮闘していた千空たちだったがとうとう今までの土器では手詰まりと考えてカセキを巻き込んでガラスの実験器具作りに乗り出す。作中ではイメージのみだったステンドグラスの千空がACGにより精巧に『実験する漫画展』で実写化され、他にも百夜が考案した重要アイテムのガラスのガラスのレコードも実写化した。尚ステンドグラスの千空は実際の千空とは服に書かれた文字が異なり、「E=mc2」の文字が「AGCT」になっている。
千空たちのサルファ剤作りの物質集めで最高危険度を誇る化合物で劇薬。命賭けで硫酸が溜まっている泉に取りに行きなんとか手に入れる。硫酸そのものも危険だがそこから発生する硫化水素も危険であり、司帝国の戦闘員の何人かは実際に硫酸の由来の硫化水素と思われる毒ガスで命を落とした。結構な頻度で千空の調合に使われる。泉にいた女神リューさんについては『Dr.STONEの登場人物』参照。
- スチームゴリラ号
カセキが「可愛い」といって溺愛する蒸気機関を利用した科学王国初の自動車。最初は司帝国に囚われたクロムを救出するために作られたが、司帝国戦後もカセキだけで改良をしたりしてグレードアップしていき、移動式の科学ラボとなる。一度諸事情により解体されてカセキは大変ショックを受けたが、そのカセキによって復活。
龍水が自分の船乗りの腕と引き換えに千空たちに要求し、発見した最初の油田は龍水の所有物となり、科学王国は龍水から石油売買の取引をすることになった。石炭にかわる新しい動力源。
龍水が船長を務める大型機帆船。蒸気機関部分は石油を動力としている。船内設備も充実しており、移動式科学ラボも収められ、それまでに作ったソナーや望遠鏡なども搭載している。科学船内に山羊も飼っている。龍水のアイディアではカジノ設備も搭載したかったようだが、千空に即却下された。名前の由来はリンク先へ。
奇跡の洞窟にかわる新しい硝酸の生成先となる稀少な金属。また金狼・銀狼の実母の「白金」の名前の由来になってるがこちらは「しろがね」と読む。
ソユーズの産まれ故郷にして百夜たち宇宙飛行士が辿り着いた島の、権力者が所有している機械。
詳細は「ドクターストーン」記事へ。
書籍情報
漫画本編
集英社〈ジャンプコミックス〉より第1巻を2017年7月9日発行(7月4日発売)以降続刊。
巻数を重ねるごとに、表紙の石化部分が解除されていく仕様になっており、13巻で初めて裏表紙まで石化が解かれた。
※コミックス10巻の初版分には166から167ページに一部抜け落ちがあったため、後日当該ページの無料ダウンロードおよび電子版のデータ差し替え配信の措置がとられた。
公式関連書籍
『Dr.STONE 星の夢、地の歌』(小説版 第1弾)
森本市夫(著)・稲垣理一郎(原作)・Boichi(作画)
2019年2月発行(2月4日発売)〈ジャンプ ジェイ ブックス〉
『Dr.STONE 声はミライへ向けて』(小説版 第2弾)
森本市夫(著)・稲垣理一郎(原作)・Boichi(作画)
2020年4月発行(4月3日発売)〈ジャンプ ジェイ ブックス〉
『Dr.STONEの最強自由研究』(児童向けムック)
稲垣理一郎(原作)・Boichi(作画)・くられ(科学監修)
2019年8月発行(8月2日発売)〈集英社ムック〉
『Dr.STONE_reboot:百夜 わたしはここにいます 』(外伝)
稲垣理一郎(原作)・Boichi(作画)/Boichi(ストーリー・作画)
2020年3月発行(3月4日発売)〈ジャンプコミックス〉
他社関連書籍
『カッコイイ男キャラクター漫画教室!』
Boichi(著)〈ヤングキングコミックス〉
アニメ化に合わせて発売された、Boichiの『Dr.STONE』も含んだ作品を元に描き方や作例を解説する漫画。表紙に千空も登場しているが、連載期間からしてほぼ青年誌からの作例が大半であるため少年誌向けとは言いがたい過激なシーンも収録されている。キャラの個別の描き方は載っていない。
TVアニメ
第1期
2018年11月にテレビアニメ化が発表された。
2019年7月から12月までTOKYO MX、KBS京都、サンテレビ、BS11、テレビ愛知ほかにて放送。アニメーション制作はトムス・エンタテインメント。全脚本の監修は原作者である稲垣理一郎が担当している。
第2期
第1期最終回放送終了直後に発表された。
「Dr.STONE STONEWARS」のタイトルで2021年1月から3月まで放送された。放送局は上述の5局のみとなった。
スペシャルエピソード
2021年12月に制作が発表された。
「Dr.STONE 龍水」のタイトルで2022年7月にテレビ愛知以外で放送された。
第3期
「龍水」の制作発表と同時に第3期の制作も発表された。
「Dr.STONE NEW WORLD」のタイトルで第1クールが2023年4月から6月まで放送。第2クールは2023年10月から放送予定。
主題歌
第1期
- オープニングテーマ
「Good Morning World!」(第1シリーズ第1話 - 第13話)
作詞・作曲 - 熊谷和海 / 編曲 - いしわたり淳治、熊谷和海 / 歌 -BURNOUT SYNDROMES
「三原色」(第1シリーズ第14話 - )
作詞 - エンドウアンリ / 作曲・編曲・歌 - PELICAN FANCLUB
- エンディングテーマ
「LIFE」(第1シリーズ第2話 - 第13話)
作詞 - Rude-α、Loren Kaori / 作曲 - shin sakiura、Rude-α / 編曲 - shin sakiura / 歌 - Rude-α
「夢のような」(第1シリーズ第14話 - )
作詞・作曲・編曲・歌 - 佐伯ユウスケ
第2期
- オープニングテーマ
「楽園」
作詞・作曲 - 金澤ダイスケ / 編曲・歌 - フジファブリック
- エンディングテーマ
「声?」
第3期
- オープニングテーマ
「ワスレガタキ」
- エンディングテーマ
「Where Do We Go?」
作詞 - オカモトショウ / 作曲 - オカモトショウとオカモトコウキ / 編曲・歌 - OKAMOTO'S。
公式動画
第1期
本PV
アニメ第1話
科学部第1回
第2期
本PV
第3期
本PV
関連タグ
SF 科学 発明 ポストアポカリプス この世に不思議な事など無い
2019年夏アニメ 2021年冬アニメ 2022年夏アニメ 2023年春アニメ 2023年秋アニメ
Dr.STONE100users入り Dr.STONE500users入り Dr.STONE1000users入り
Dr.STONE5000users入り Dr.STONE10000users入り
QuizKnock:コラボ動画をアニメ製作委員会協力のもと流すYouTuber。
Primitive_Technology:Youtubeの動画チャンネル。題材が本作の前半部と共通する。
棲み分けタグ・編集注意
dcst腐向け(腐向け) dcst百合(百合) dcst男女(NL) dcst夢(夢向け)
※腐向け作品には強制ではありませんが「Dr.STONE」タグを付けず、「dcst腐向け」タグ+CP名のみでの棲み分けをお願いします。
百合作品、NL作品、夢作品にも同様にご配慮をお願いします。
※また記事の編集者も棲み分けタグを使っている、もしくは別な形で検索避けをしている作品を一般向けの記事に絶対に使用しないで下さい。