曖昧さ回避
本項では主に1.について解説する。後述には2.についても解説する。
1.の内容
2010年10月01日にニコニコ動画へ投稿された、小雨大豆と酔狂倶楽部制作【酔狂文庫:秋の怪談_酔狂都市伝説】のショート動画集における、真(まこと)のネタバレ注意。
これは、少年から大人になった彼が解き明かす真実の物語。
※メイン画・記事内の画像はイメージです。
不思議な冷蔵庫
ゴミ山に置かれていた冷蔵庫を少年は" お化けの冷蔵庫 "と呼んでいた。
なぜならその冷蔵庫は動物を産むからだ。始めは何が入っているのかと、小さな好奇心から扉を開けたのがきっかけだった。
少年は冷蔵庫の扉を開けると中は真っ暗だったが………
その暗闇の中から…
見たこともない変な生き物(⁉)が飛び出してきたのだ。
冷蔵庫の扉は自然に閉まり、少年は逃げていく「その何か」を眺めながらもう一度中を確かめようと再び扉を開けた。
今度は……
中から大きなウサギが飛び出してきた⁉
少年はビックリしながらも、"また何か出てくるのではないか"と、冗談半分でもう一度〝カラッポの冷蔵庫〟を閉め再び開けた。
すると……
ヘビが大きな口を開けながらニョロニョロと飛び出してきたのだった!
今度は大きな少年は流石に我が目を疑った。なぜなら冷蔵庫の中は〝確かにカラッポ〟だった…。
だが、" お化けの冷蔵庫 "は扉を開け閉めする度に
ネズミや
次々に動物を吐き出したのだ…。
怖くなった少年は逃げ出して、それ以来その冷蔵庫に近づかなくなった。
月日は流れ大人へと成長した彼はその冷蔵庫にやって来た。両眉を寄せて緊張した表情の彼は扉に手をかけて、
" きっとあの頃に見た夢だったのだ "
と思いながらも、僅かな期待に胸を弾ませながら、ゆっくりと扉を開いた…。
すると中には…
底の抜けた空っぽの中身と、子どもの頃には気付かなかった地面に空いた大きな穴があった。
そう。
この底の抜けた冷蔵庫は獣道の上に置かれていて、扉を開ける度、その穴の中にいた動物たちが光に驚き飛び出してきただけの話だったのだ。
青年は自嘲気味にふふっと笑い、ネタが割れてしまった事に落胆した様子だった。
" あ~あ。結局、この世には不思議なモノなど何一つないんだな~。 "
ん?
しかしここで彼は、ある事に気づく……
不思議な洗濯機
ゴミ山に置かれていた洗濯機を少年は" お化けの洗濯機 "と呼んでいた。
何故なら、その洗濯機は何でも食べてしまうからだ。
少年はそれに自分のお気に入りの物を何でも入れていた―
- 珍しい漬物石!!
彼のそんな懐かし思い出と
" 漬物石が珍しかったなんて、まったく子どもの頃はどうかしてたな… "
と、やれやれな思い出も振り返った。そして捨て猫や捨て犬もいっぱい入れていた事も思い出していた。
そんな思い入れもたくさん詰め込まれている洗濯機の前には" 不思議な冷蔵庫 "の謎を解いた彼がいた。両眉を寄せて緊張した表情の彼は洗濯機の蓋に手をかける。
洗濯機の蓋を開けるのはいつ以来かと、密かに胸をドキドキさせながら、彼はゆっくりと蓋開けた…
すると…
そこには……
元気にはしゃぐ動物達の姿があった!
彼の視界には洗濯機の丸い蓋から見下ろす風景で木々と芝生の緑が広がる景色。
その中心には大きな石があり、カードやシールらしき物が散らばっている。
その周りには元気に追いかっけっこする2匹の犬や
子猫がトカゲらしき生き物と戯れて、それを見守る大人のネコがいた。
よく見ると石に向かってニョロニョロと動くへビや木にカブトムシがとまっている様子も観れた。
そう。なんて事はない。
この洗濯機の入り口は別の地球とワームホールで繋がっていただけなのだ。
その別地球から空を見上げる動物達の視界にはー
雲が広がる青空にポッカリと空いた丸い穴から手を振る人型の男性が映っていた。
この世の中のありとあらゆる不思議な事とはー
例えば、
謎が解明できたように、蓋を開ければそこには必ず原因と真実がある。
動物を産む"お化けの冷蔵庫"の扉を開けてその真実を解明する術(すべ)をこの世界では"科学"と呼んでいるのだ。
だから科学で解明出来ないからと言って、それがすなわち全くの不思議というわけではない。
例えば、
子どものために泥棒をする" 意思のある不思議なコインロッカー "がいたとしても、それはまだ現代の科学では解明出来ていないというだけであり、全ての神秘には必ず原因と真実が潜んでいるのだ。
例えば、
理解できるのだ。
何でも食べてしまう" お化けの洗濯機 "が、科学の進歩によって実は別の地球とワームホールで繋がっていたとそう。結局この世には不思議なモノなど何一つ……
ないのである。
そんな見た事もない生き物や聞いたこともない場所がある夢だけど夢じゃないような世界…
そう。例えば少年時代には見たこともない変な生き物が、大人になった彼の頭の上に乗って〝当たり前のように〟仲良くしている未来だってあるのかもしれないのだ。
2.の解説
主に百鬼夜行シリーズから発端となり、とある神社と古本屋を営んでいる男の話。彼は宗教、口碑伝承、民俗学、妖怪等に造詣が深く、知識と理を尊び、根拠のない事は語らず、無知や偏見による誤解を何よりも嫌う。
そんな彼の元に知人たちを始め、怪事件などの相談事が寄せられる。そして事件解決の為に拝み屋に扮すれば、妖怪の話を交えて謎に関する「解体」を行い、これを「憑き物落とし」と呼んでいる。基本的に事件解決に暗躍する立場ゆえに深入りするのを嫌っている。
そんな彼の座右の銘は『この世には不思議なことなど何もないのだよ』であり、彼と血縁があるような感じの男も言っている。
さらには先祖にあたる人物の言葉は『この世に不思議な事などあろうはずもない』である。
🎥京極夏彦さんが妖怪文化を語る 怪フォーラムin徳島 - YouTube
また後年ではこの世には不思議でない事など無い。
などとも言っている。
関連動画
1.の関連動画
🎥【ショートショート】秋の怪談 酔狂都市伝説 - ニコニコ動画
a・不思議な冷蔵庫 0:00~
b・駅の階段 2:22~
c・??? / コインロッカーベイビー 9:18~
d・不思議な洗濯機 21:50~
2.の関連動画
🎥この世には不思議なことなど何もないのだよ - YouTube
著・京極夏彦の百鬼夜行シリーズに登場する男・中禅寺秋彦(演:堤真一)の台詞。
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" この世には不思議なことなど何もないのだよ "