「冥黒に染まれ……!」(第35話)
「私はあらゆる人間の理解者だ」(第36話)
データ
身長:240.3cm
体重:126.0kg
特色/力:空間錬金術
概要
『仮面ライダーガッチャード』の登場人物。
ウロボロス界にある暗黒の扉の最奥から現れる災厄で、肩書きは「冥黒の王」。
120年前に暁の錬金術師が封印したとされる「悪魔」の正体であり、グリオンが暗黒の扉を開いたことで解放され、グリオンを連れ去ったのち冥黒の三姉妹の新たなる主として活動を再開した。
尚、グリオンが成し遂げようとした悲願・エルドラドはあくまでも彼の力を利用した先にある自らが目指した理想郷のことであり、ギギストそのものを指す名前や異名ではない模様。
マルガムとも仮面ライダーとも異なる姿の持ち主で、黒い衣装や帽子のような尖った頭部は錬金術師というよりは魔導師を連想させる。
顔や身体には金のバイザーや装飾が施されており、胸元には眼球のような三つの球体が埋め込まれている。
胴体部分はマルガムのベースとなる銀色の身体と酷似しているが、全身が無数の腕で構成されているなど不気味な雰囲気を併せ持つ。
人(?)物像
現時点では不明だが悍ましい姿とは裏腹に、落ち着いた威厳のある若い男性のような声色の持ち主であり、その言動から高い知性を持っていることが確認出来る。
「全ての人間の理解者」を自称し、他者の精神を図ったような言動(場合によっては、何かしらの試練を与えたのち)ののち「褒美」と称して相手に望み通りの力を与えるものの、それをどう扱うかはあまり強制しておらず、例え世界が消滅しようとも全く意に介さないなど、人間では計り知れない独自の視点を持っている。
能力
神働術(テウルギア)に由来すると言う、常軌を逸した空間錬金術を操る。
これはグリオンや冥黒の三姉妹が使用していた禁術である空間操作と同じ系統のものだが、彼らはケミーや錬金具を媒介としていたのに対して、人間を超越しているギギストは詠唱すら行わずに異なる空間を生成して対象を閉じ込める、一部の空間に限定して重力を操る、空間転移で宇宙空間にまで干渉するなど、規格外の力を秘めている。
空間錬成以外の能力も秀でており、かつて始祖のケミーたるガイアードとドラゴナロスの2体を創り出した、いわばこの2体をもとに人間が模造したほか98体を含めた、計100体のケミーの創造主でもある。
それゆえかマルガムの錬成すら人智を超えた技術を持ち、属性を超えた4重のミクスタスを実現できるほか、ケミーそのものの悪意を増幅させて人間やホムンクルスといった依代も抜きで冥黒のマルガムへと変貌させることも可能。
この他にもパーツの一部から一人分の生命体を錬成して擬似的な蘇生を行ったり、原理こそ不明(万物に疑似生命を与える応用?)なものの他者に力を与えることも可能と、生命そのものにいとも簡単に干渉することすら可能としている。
そして黒鋼スパナと同じ冥黒の炎の力を持っているが、その火力はスパナを遥かに超えており、スパナもギリギリ自我を耐えるのがやっとの状態になっている。
活躍
第31話の終盤にてウロボロス界の扉から突如として出現。その後は第32話にてクロトーと宝太郎を並行世界からの侵略者もろとも異空間に閉じ込めた。
この時、ギギストの錬成した異空間は扉を開ける度に別の場所へ転移されるもので宛ら迷宮のような構造となっていた。
「お前が望む物を与えよう」
その後はアトロポスを引き連れて戦闘を終えた二人の前に現れ、自ら生成した異空間の迷宮を突破したことを称賛。有無を言わさずにクロトーの望みを曲解して彼女に新たな力と姿を与えると、呆然とする宝太郎を捨て置いて撤退。
第33話ではクロトーの報告から超兵器の存在に興味を持ったのか、当たり前のように彼女たちを自分の部下として扱うと、クロトーに対して探って来るように指示を出していた。
第34話では、超兵器が金色の仮面ライダーに渡ったことをアトロポスから伝えられるが、本人は全く意に介しておらず、何かを察知して「これは……!」と呟いてその方向へと立ち去って行った。果たして、ギギストが察知したものとは……。
冥黒の王が探すモノ
「世界の終末、それも面白いが……」
第35話では、アークワンプログライズキーを軸にハンドレッドのサイゲツを錬成して復活させる。
その後も暗躍を続け、仮面ライダーレジェンドの戦闘で劣勢となっていたサイゲツの変身する仮面ライダーアークワンを自身の錬金術で助けると、冥黒の三姉妹が所持していたセイゾンビ、ギガロドン、ナンモナイトに加え、宇宙に漂っていたゴキゲンメテオンを空間錬成で強制的に捕獲し、詠唱と共に彼をアークワンマルガムへと変異させる。
圧倒的な戦闘力でレジェンドたちを撤退に追い込んだサイゲツからは、世界が滅びても良いのかと問われるも「壊れたら作り直せば良い」と破滅を受け入れていた。
アークワンマルガムの撃破後、宝太郎の中に謎の卵が眠っていることを察知した。
実はこの卵こそギギストの狙いであり、超兵器に興味を持ったのも自分が探していた物である万が一の可能性を考慮して探らせたのが真相。
「見つけたぞ…!」
第36話では、自ら錬金連合へと姿を現し、幹部の1人に人間には到底制御できない力を無理やり与えて消滅させた。
その後、仮面ライダーヴァルバラドと交戦するが圧倒的な実力差で一捻りにし、自身は全くダメージを受けないまま変身解除へと追い込んだ。しかし、自身の攻撃を以てしても人の形を保っていられた黒鋼スパナや"仮面ライダー"に興味を持ち始めた。
その後、狙いを本来の目的である宝太郎の中にある謎の卵に狙いを定めた。ギギスト曰く、「砕かれた我が身体の一部から成る分身」とのことでその力を取り戻すためにあえて覚醒の兆しが出る機会を伺っていた。
「我が力を返してもらう…!」
しかし、その卵はギギストを拒否。直接奪取ができないと判断し、スケボーズとアントルーパーを強奪し、スケボーズをスケボーズマルガムへと変貌させた。
また、ケミーの起源についても、上述の真実を語り、「ケミーは元々人間に害をなすもの」と断じた。
スケボーズマルガムはプラチナガッチャードに撃破されたが、ギギストは再錬成時に一仕掛け加えていたようで、スケボーズは真っ白になり、反応しなくなってしまう…。
余談
- 演じる置鮎氏はドレッドライバーのシステムボイスも兼任している。
- スーツアクターは、ヴァルバラド(第3話~第7話)を担当した今井氏が担当。『仮面ライダーリバイス』のギフ以来の黒幕ポジションのキャラクター担当となる。
- 名前の由来は不明だが錬金術と関係があり、且つ数字の「3」を意味する名前ならヘルメス・トリスメギストスが妥当か。
- 公式サイトの怪人紹介にて、ギギストの扱う空間錬金術は神働術に由来するとされている。所説は色々とあるが、簡単に言ってしまえば神々のいる層に働きかける高尚な魔術のことであり、これが事実ならギギストの正体は明らかに人間、そして錬金術の範疇を超えた存在ということになる。
- またギギストがケミーを生み出した事が判明した事によりガッチャードもまた敵と同じ力を根源としている要素があったと言える。