概要
「偉大なる航路(グランドライン)」後半の海「新世界」にある巨人族の王国。作中では「村」という規模の地域名として扱われることもある。
有望な巨人族の戦士を数多く輩出してきたことで有名であり、100年以上前の『巨兵海賊団』の伝説も相まって、世間では『世界一の強国』、『巨人族の総本山』とも称される。
詳細
国の特徴
ワノ国の東に位置するウォーランドという島を拠点としており、北欧を思わせる気候・植生・文化を持つ。周囲の海域には、巨大な魚が生息しており、危険な環境となっている。また、遠景であるが山の数百倍もある超巨大な木が生えているのがわかる。
巨人族の住む地域ということもあって、建築物もすべて彼らに合わせたサイズになっている。
「冬至祭」という太陽への感謝を示す行事があり、その際にはセムラを食してから12日間断食し、期間を終えると盛大な祭りを開くという。
また、世界政府が存在そのものを隠し続けた太陽の神「ニカ」の伝承がある。
60年程前まではマザー・カルメルが開いた「羊の家」という孤児院があり、そこには後に四皇に名を連ねるシャーロット・リンリンも一時期身を寄せていた。
世界政府に加盟しているかは現時点では明らかになっておらず、新世界編の世界会議には未出席である。
巨人族
世間一般では「巨人族」と言えば誇り高いエルバフの戦士が有名であり、ビッグ・マムによれば「エルバフの巨人族を味方にできれば、他の四皇たちを倒して海賊王になれていた」らしい。海軍が人間の巨大化実験に躍起になるのもうなずける。
100年以上に『巨兵海賊団』がとあるきっかけで解散してからはマザー・カルメルの進言を得て人間との平和的な交流へと移行していき、その有り余る力と豊かな自然を生かし、材木の輸出を手掛けていることが窺える(ただし50年以上前の描写)。
しかし、戦士としての誇りを忘れ去った訳ではなく、現在も若い戦士たちが新巨兵海賊団を結成したり、赤髪海賊団が上陸すると快く受け入れて宴会を開くなどしている。
全巨人族がエルバフの出身というわけではなく、エルバフの影響で巨人族全般が闘争心が高いと誤解も受けているらしい。他の巨人族の国出身のハグワール・D・サウロは同じ枠に入れられるのを嫌がっていた。
しかし、巨人族の国同士の繋がりは強固な様で、エルバフで起きたビッグ・マムと英雄ヨルルの一件は瞬く間に全世界の巨人族の国に伝わっている。
主要人物
エルバフ出身者
巨兵海賊団
元巨兵海賊団の二人の船長。通称「青鬼のドリー」「赤鬼のブロギー」。作中で初めて登場した巨人族たち。
些細なことから102年に渡りリトルガーデンで決闘を続けてきた。
元巨兵海賊団の船員。エニエス・ロビー編で登場。
リトルガーデンに滞在し続けているドリーとブロギーを心配し52年前二人の元へ赴こうとしたところを海軍に捕らえられ、「インペルダウンに捕らえられたドリーとブロギーを解放したくば100年ここで門番をせよ」と嘘を吹き込まれていた。50年目に麦わらの一味(とその協力者)が攻め込んで来て敗れてしまうがウソップからドリーとブロギーが今でも2人がリトルガーデンで決着のつかない決闘を続けていると言う真実を聞かされ世界政府を裏切る。
エニエス・ロビー崩壊後は二人で新世界に旅立った。
- 山ひげのヤルル、滝ひげのヨルル
元巨兵海賊団船長。世界最高齢の戦士で、巨人族の英雄。
ヤルルはエルバフ出身。345歳(63年前)。誕生日は12月8日(英(1)雄に(2)なったヤ(8)ルル)。身長20.5m。いて座。血液型F型。好物はウォーランド近海の巨大魚、ラム酒。
ヨルルはエルバフ出身。344歳没。誕生日は12月4日(英(1)雄に(2)なったヨ(4)ルル)。身長21.5m。いて座。血液型F型。好物は海王類の肉、ラム酒。
地面につくほどの長いひげを生やした2人の老戦士。ヤルルは戦士としての誇りを重んじ、長生きではなく死に様こそが戦士の証としている。笑い声はヤルルが「ボジャジャジャ」、ヨルルが「ザバババ」。
ヨルルは幼い日のビッグ・マムことシャーロット・リンリンが正気を失い暴れたのを止めようとするも、返り討ちを受け死亡してしまった。それがきっかけとなり世界中の巨人族はリンリンを憎悪している。
新巨兵海賊団
新巨兵海賊団船長。
エルバフ出身の新世代の戦士。例の事件で彼もまたリンリンを憎悪している。
かつてはバギーズデリバリーに勤めていたが、ドレスローザでの一件後にバギーの元を離れ、ルフィの子分として麦わら大船団の傘下に加わる。
新巨兵海賊団船医。ハイルディンの幼馴染で、例の事件以前はリンリンと仲良しだった。
巨人族の女性。
- スタンセン
新巨兵海賊団船大工。かつて人間屋で売られそうになっていたが、麦わらの一味とシルバーズ・レイリーの大暴れにより難を逃れた。
なお同名のキャラがアニメオリジナル回でも出ているがこちらは人間。
- ロード
新巨兵海賊団航海士。63歳。
- ゴールドバーグ
新巨兵海賊団コック。63歳。
詳細不明
エルバフの王子。63年前に誕生した。
ビッグ・マムの娘シャーロット・ローラに一目惚れして政略結婚が進んでいたが、ローラが脱走したため、ビッグ・マムとエルバフの関係は再び断絶することとなる。
- ライディーン
詳細は不明だが幼少期のハイルディンを鍛えていた人物のことだと思われる。
元ネタは昭和のロボットアニメ、勇者ライディーンと思われる。
エルバフ関係者
四皇の一人。通称ビッグ・マム。幼少期に国外追放されエルバフに置き去りにされた。その後はマザー・カルメルに引き取られ彼女の元でしばらく暮らしていた。
エルバフで孤児院「羊の家」を開いていたシスター。
カルメルが人間と巨人族の間の交易・交流を取り持ったことで誕生した初の巨人族の海兵。
出身地不明。
原作での関わり
麦わらの一味はまだ訪れていないが、偉大なる航路の前半の島リトルガーデンで元巨兵海賊団の2人の船長ドリーとブロギーに出会い、彼らからエルバフの存在を聞いている。その後エニエス・ロビーでは門番をしていたオイモとカーシー、新世界にあるドレスローザではハイルディンと出会い、それぞれ共闘している。
麦わらの一味の狙撃手ウソップは何度かエルバフに行きたいと話しており、いつか麦わらの一味も上陸するかもしれない。
ホールケーキアイランド編では四皇の1人である"ビッグ・マム"ことシャーロット・リンリンが彼女の恩人マザー・カルメルと共に暮らした場所として登場。当時にはマザーが営む「羊の家」があり、島の主な外観や「冬至祭」という催しがあることも判明した。
エッグヘッド編では、麦わらの一味の前に現れたベガパンクによってロビンに縁のある人物がエルバフで生存していることを示唆され、同時にオハラの学者たちが残した大量の本もエルバフに保管されていることが明かされた他、ベガパンクの提言により、麦わらの一味の次の目的地はエルバフに決定となった。
そして、エッグヘッドで戦闘が始まった頃にユースタス・キッド率いるキッド海賊団がエルバフの海域に到達。だが、島を目前にして先に上陸していたシャンクス率いる赤髪海賊団とその傘下たち、及びリトルガーデンから帰還していたドリーとブロギーに道を阻まれ、キッド海賊団は手に入れていたロード歴史の本文の写しを全て奪われ、ヴィクトリアパンク号も破壊されて海に沈んでしまった事で、キッド海賊団は壊滅し、ひとつなぎの大秘宝の争奪戦から脱落する事となってしまった。
余談
- 国の元ネタについて
このエルバフについて、元ネタだと思われているものについてだが、何かと北欧に伝わるものが多い。例えばバイキングはおそらく国、もといそこの出身の人々の雰囲気共々元ネタになっているとおもわれる。また、王子の名も北欧神話随一のトリックスター「ロキ」に因むと思われる。
さらに、先述した冬至祭で食べられていお菓子「セムラ」は、実はスウェーデンやフィンランドといった、北欧にメジャーに広がっている実在のお菓子である。
そして、サメを発酵させて作るエルバフの非常食「ハカール」も、独特な臭いを放つところまでアイスランドで作られるものと全く同じである。
- ついに明かされるその強さ
ワンピースのグランドライン突入時期から登場し、しばらく出番のなかったドリーとブロギー。
当時はMr.3の狡猾な罠によって本来の力を出し切れず絶体絶命の危機に追いやられたがルフィ達の船出を邪魔する島喰いを一撃で撃破し、その力を見せつけた。
そして現在………エッグヘッド編にて再登場した彼らは自分達が崇めていたという神……ニカの力を解放したルフィを援護する為に参戦。
ニカの力を解放したルフィでも一筋縄では行かない実力を誇る五老星と渡り合い、古の海賊団としての力を存分に振るい大暴れ。
巨兵海賊団、引いてはエルバフの伝説的な強さを示す結果となった。
もしもカイドウやビッグマムと戦う機会があればどんな戦闘を繰り広げていたのか気になるところである。
関連タグ
ネフィリム:旧約聖書に登場する巨人種。「エルバハ」なる異称が存在し、おそらくこれが国名の元ネタ。