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「お前に新しい体験をしてもらう。意見は求めん」

演:兼崎健太郎

概要

未来改変を目論む謎の集団タイムジャッカーのリーダー格でツクヨミの兄。

時を操る力は元々彼以外持っていない。

同じタイムジャッカーのウールオーラに対してはワザと動きを停止させたり、子ども扱いする等、見下した態度を取っている。

人物像

目的の為なら手段を選ばない、冷酷非情な性格。

ウールやオーラのように「契約」するのではなく、有無を言わさず相手にアナザーウォッチを埋め込みアナザーライダーにしてしまう。

その姿勢は仲間に対しても同じであり、EP23では「キカイの力を安定させる為」と称してアナザーキカイをウールに寄生させ、そして何の罪悪感もなくキカイの力の争奪戦を持ちかけている。

リアリストの側面も持ち、EP07ではソウゴとの意見の食い違いから単独行動をするゲイツの時を止めて転落死させようとしたり、EP12では時間停止でソウゴから奪った鎧武ライドウォッチを異次元の森に投げ捨てている。

危険性

だが、彼の一番恐ろしいのは異常なまでにマイペースな点だろう。

劇中では何の脈絡もなく登場してはウールたちに無断で平行世界の2022年に行き、そこで手に入れたアナザーシノビウォッチを「お年玉」としてウールに渡すなど、突拍子もなくフリーダムに振る舞うことが多い。

そのためウォズですら彼の考えを把握しきれていない上、白ウォズに世界を滅ぼす手段であるアナザーブレイドウォッチも与えた他、「ジオウにライドウォッチを集めさせるわけにはいかない」としてアナザーアギトを生み出したのにも拘らず、ウールがアギトライドウォッチを手に入れると、ライドウォッチを取り上げるわけでもなく「お手並み拝見」と任せる等、タイムジャッカーの目的と反する行為、さらには『オーマジオウを生み出す動機となりうる行為』さえも平然と起こす。

2000年生まれの子供達の中から、時の王者の資格を持つ者の捜すためにいちご狩りツアーのバスを制御不能にし大人達の時を止め、未来から来たツクヨミの介入も振り切って子供だけを「王となる為の試練」として、ダイマジーンが暴れる「オーマの日」の時間へ誘拐し、謎の力を発揮した常磐ソウゴを見出すと「お前は王となり、世界を破滅から救う使命がある」と語って何らかの力を与え、元の時間に子供を戻しバスを炎上させて、ソウゴと飛流以外の全員を事実上殺害した。

EP41では加古川飛流を再び焚きつけてアナザージオウⅡとし、その臣下として振る舞い歴史を書き換えた上、翌EP42ではアナザージオウⅡウォッチを狙う仮面ライダーディエンドを一蹴し、時間停止能力を与える見返りにグランドジオウライドウォッチを奪って来るよう指示する等ソウゴ自体の排除に乗り出したとも取れる挙動を見せるが…。

秘めたる野望

その真の目的は自らが「王」として君臨する事

彼とツクヨミ=アルピナはソウゴの世界とは違う時間軸の世界の出身であり、時を操る力を持つ王家の一族であった。

スウォルツは「一族の中でも特に力の強い自分こそが王にふさわしい」と思っていたが、自分ではなく妹のアルピナが王に選ばれてしまう。

納得できないスウォルツはアルピナの記憶を奪った上、別の時間軸の世界へと追放する。

スウォルツは彼女が既に命を落としたと思っていた為、EP27でのツクヨミとの遭遇時にも気付かず初対面のような態度を取っていたが、ツクヨミが王家の一族にのみ与えられた「時を操る力」に覚醒していった経緯から、彼女が自らの妹であると認識するに至ったのだった。

スウォルツはツクヨミが持つ「王家の力」を奪い、自らの力を分け与えた海東大樹に他のタイムジャッカーを始末するよう命じる。

そしてアナザージオウⅡとジオウ達が戦っている間にディケイドの力を奪い取り、アナザーディケイドの力を手にしたのだった。

ジオウの世界の真実

スウォルツの世界には滅びが迫っており、仮面ライダーがいる他の世界を全て滅ぼすことで世界を救おうとしていた。

そのためにライダーの世界を1つに融合し、更に世界の融合を完全にする為に、ライダーの力を一手に引き受ける依り代に時空を操る力を与え、王となるよう促した。

それが常磐ソウゴ=「仮面ライダージオウ」であった。

更にソウゴにライドウォッチを継承させてオーマジオウにして、仮面ライダー達の力をまとめて奪い取り、自らの力とする目論みまであった。

『救国の王』になろうとした悪魔の暴君の末路

崩壊が加速する世界でゲイツを喪い、遂に仮面ライダーオーマジオウと化したソウゴを見て歓喜の笑いを上げるスウォルツは、「この為に常磐ソウゴを追い詰めてきた」と語りつつその力を奪おうとしたが、その力は『全ての平成仮面ライダーの歴史』そのものであり、その一介の端役に過ぎず、ましてや仮面ライダーでもなければライダーとしての正しき心も自分がどんな罪を背負っても守りたい取り戻したいと願う程大事な人や存在も持たない男には到底御せる代物ではなかった。

怒りと動揺が入り交じったかのように、召喚した怪人達をソウゴにけしかけるも瞬く間に一掃され、その圧倒的な力に驚愕と怖れを顕にしつつ、「オーマジオウの力の一端は手に入れた」として、ソウゴを倒すのを諦め本来の自分の時間軸に逃げようとした(普通なら後の追撃を恐れそうなものだが、「自分の世界で相当な暴政でもしない限り、ソウゴは自分を見逃す可能性が高い」と楽観視たのかもしれない)。

オーロラカーテンが展開され、スウォルツを包みこまんとした瞬間、背後から現れた仮面ライダーツクヨミがこの隙を逃すまじと「あなたのような王はいらない」と叫ぶや彼の腹部を貫く。

深手を負ったものの、悪足掻きにツクヨミを手に掛けたスウォルツだったが、それが引き金となり、怒りを爆発させた仮面ライダーオーマジオウの必殺の一撃が放たれ、どうにか受け止めようとするも耐え切れず、直撃を食らってしまった。

死の間際、手に掛けたツクヨミからかつての故郷との決別を聞かされるも、「妹よ……お前の意見は……求めん……!!」と、息も絶え絶えになりながら何時もの口癖を漏らし、断末魔と共に爆散。同時に彼が召喚した怪人達は全て消失し、融合した平成ライダーの世界もオーマジオウの力により、元通り分離されてソウゴの望む形に修復されていった。

最期から窺える真の人間像

オーマジオウを前に「この力さえあれば妹を凌駕できる、真の王位を継承することが出来る」と語っている通り、スウォルツの根底にあったのは妹に対するコンプレックス王位を継承できなかった劣等感、そしてそれを絶対に認めない高いプライドだと窺える。

他人を見下す傲慢さは、絶対的な王家の地位に由来しているのだろう。

そもそも「王になって世界を良くしたい」と願うソウゴに対し、スウォルツの目的は「王になる」行為そのもの。王になる為に力を求めていた時点で、彼に王たる器は無かったのだ。

利用していた加古川飛流に言い放った「お前の役目は終わりだ。お前には王たる資格等…無い。一時の夢を見られただけでもありがたいと思え。」という言葉も最後の最後に自分自身に返ってくるのも皮肉なものである。

最期まで他人の意見を求めず、自分だけの力で進もうとしたスウォルツだが、彼には2つの誤算があった。

1つは、自ら見出した「器」が本当に王としての素質を備えていた点。

もう1つは、その器に満ちたライダー達の力を、自らが手に入れられると侮っていた点。

仮面ライダー達の歴史は、目的もなく王となろうとした男の器には到底収まりきらなかったのだった。

NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ』にも登場。ソウゴによって再編された世界では、光ヶ森高校にて進路指導の教師になっている。威圧感はあるが選手生命を絶たれ、進路に悩むゲイツに「人助けがしたいなら、警官なんかどうだ?」と提案するなど教師として真っ当に生きているようだが……?

RIDER TIME ジオウVSディケイド』では(恐らく再編後の世界の)スウォルツが登場。学園の周囲を初級インベス(の姿をしたモンスター)が蔓延る閉鎖空間の中、精神が摩耗している生徒達を現実逃避させる為にソウゴに恋愛感情を抱くウールの姿を見て『恋愛部』なる部活を立ち上げる

人物像は『ゲイツ、マジェスティ』や『補完計画』、『スペシャルイベント』等の外伝作品での性格を混ぜ合わせた、キャラ崩壊著しいコミカルなキャラクターとなっている。その一方で、極限状態に置かれた影響で女子生徒を人質に食事を要求する生徒達を説得しようとする等、教師としてはまともな方であり、戦闘力も高く、凶器を持った生徒達をあっさりとあしらった。

尚、恋愛に関しても女性に有無を言わせず、グイグイ行くタイプらしいが、色仕掛けには弱い。

しかし、タイムジャッカーとしての記憶を取り戻したオーラに対し、意味深な表情で「ようやく思い出したようだな……お前の力を」と言う等、本編での記憶が蘇っているかのような素振りを見せている……。

が、終盤の行動からオーラよりも先に記憶が蘇っている。しかし、その様相はかつてのスウォルツらしさを残しながらも憑き物が落ちたかのように、オーマジオウと戦うソウゴを激励しながら、アナザーディケイドに変身して初級インベスを排除している。歴史を改編した自分達に「居場所は無い」と判断し、世界が元に戻るどさくさに紛れてオーラと共に姿を晦ました。

RIDER TIME ディケイドVSジオウ』では(恐らく別世界の)スウォルツが登場。謎の男が開催した王様ゲームに強制参加させられた人物の1人で、バッジの類から弁護士と思われる。特殊能力の類は持っていない。

Chapter2にて行われたかくれんぼの最中、謎の殺人者に襲われて致命傷を負い、「毒饅頭が食べたい…!…」と言い残して死亡、作中では5人目の脱落者となった。

生み出したアナザーライダー

力を欲している人間を対象にしており、アナザーライダーへの人選はかなり巧妙である。

また、ウール達にアナザーウォッチを渡し、間接的に生み出している時もある。

名称変身者登場話時代目的備考
アナザーフォーゼ佐久間龍一EP052011年消えかけた力を与える(強制)アナザーファイズを上書き
アナザー鎧武アスラEP112013年邪魔者を退ける力を与える(強制)-
アナザーシノビ神蔵蓮太郎EP172019年弱い人を守る王になる(強制)ウールにウォッチを託した
アナザーキカイウールEP232121年キカイの力の安定キカイウォッチのため無理やり誕生させた
アナザージオウ加古川飛流EP252019年ソウゴを亡き者にするタイムジャッカーが敵視するはずのジオウの力
アナザーブレイド栗原天音EP292019年世界の破滅白ウォズにウォッチを託した
アナザーアギト不明EP312019年アギトライドウォッチの入手ウールがアギトRW入手後は手を引いている
アナザーディケイドスウォルツEP442019年王として君臨する自らが王となるための力
アナザードライブオーラ?EP442019年自分がオーラに成り代わる変身者はアナザーディケイドの力で呼び寄せたと思われる

※スウォルツが他の人物に与えたアナザーウォッチで生み出されたアナザーライダー。

考察

「鎧武の世界」を例に、世界融合までの過程を順を追って眺めると次のようになる。

  1. アナザー鎧武が誕生し、不完全に融合していた「鎧武の世界」からライダーの物語が消える。
  2. 「鎧武」と「ジオウ」が重なり合った世界で、ソウゴが紘汰から鎧武ライドウォッチを継承。アナザー鎧武を倒す。
  3. だが、鎧武の物語は復活しない為、鎧武の存在はソウゴの持つライドウォッチのみに残る。
  4. 結果、鎧武は「ジオウが持つ仮面ライダーの歴史」の一部となり、世界は完全に融合する。

アナザーブレイド以降の新たなパラドックスが起きたライダーでも、物語が消えるのがアナザーライダーの出現時ではなく、ライドウォッチの継承時に発生すると考えられる。

明らかにジオウ本編以前から存在していた鼓屋ツトムが、桐矢京介の弟子だった事情からも、物語の開始時点で既に世界の融合は半ば完了していた事実が窺える。

余談

  • TTFCで配信された「補完計画」EP12.5ではいきなりの顔芸変や変な声で喋ったりと、深刻なキャラ崩壊を起こしており、東映公式サイトでも「スウォルツというより兼崎さん」と称される始末であった。イベントやキャストコメンタリー動画でも素の兼崎健太郎としてコミカルな面を見せており、スウォルツから兼崎氏を知った人は素を見て大体驚いている。
  • ファンからの愛称は、白ウォズの呼び方に倣い『スウォルツ氏』、さらに略して『ス氏』『スウォルシ』等。他には最終回にてソウゴが変身したオーマジオウ「お前ごときが(以下略)」と言われた事実から『ごとき氏』とも呼ばれている。
  • モチーフ元になっている時計メーカーは、スイスの時計メーカー「スウォッチ」だと思われる。スウォッチは、スウォッチ・グループのブランドの一つであり、関係元の時計メーカーを見ると、他のキャラの元になっている要素がチラホラと見受けられる。
  • 上記のソウゴとその両親が巻き込まれたバス事故の元凶だったが、最終回の世界修正後の世界でもソウゴは本編と変わらず、大叔父の順一郎の許で暮らしていた。この事実から「バス事故」と「ソウゴの両親の死」は避けられない運命だった可能性が高い。スウォルツが介入したのも「多数の犠牲者を出しても大きな歴史改変を起こさず目的を果たせる」と踏んだ為と考えられる。
    • 或いは『ソウゴ自身にその考えがなかった(=純粋に「ゲイツとツクヨミの2人を蘇らせたい」思いが強く、それ以外の考えに及ばなかった)』のも有り得るかも知れない。

関連タグ

仮面ライダージオウ タイムジャッカー アナザーライダー

黒幕 暴君 エゴイスト

お前さ…王には向いてないよ。:ソウゴから突き付けられた評価。

加古川飛流:暴走させたツアーバスに乗って生き残った子供の1人。スウォルツの死後、最低最悪の置き土産と化した。

花形オルフェノクの王に覚醒する可能性のある存在として、九死に一生を得た孤児達を集めるという似たような行動をしていた過去作の登場人物。ただし、こちらは短命であるオルフェノクの宿命を克服する事を目的とした行動であり、集めた孤児達には深い愛情を注ぎ彼らからも慕われる関係であった。

スーパーアポロガイスト仮面ライダーディケイドのTV本編でのラスボス格。同じように複数存在する世界を融合する事でそれらの破壊を目論んでいた。ただし本人は「世界の融合を促進しただけ」で、そういった事態を引き起こした主犯ではない。

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