「俺は既に未来を掴んでいる。そしてこれからも、掴み続ける!」
「ハイパーキャストオフ!」
HYPER CAST OFF
CHANGE HYPER BEETLE!
概要
『仮面ライダーカブト』の主役ライダーである仮面ライダーカブトのハイパーフォームの通称(第37話でもこの呼称が使われている)。
本作におけるカブトの最強形態である。
頭部は「カブトホーン」が大型化、他の部分は銀色に変化し、複眼は若干緑がかった青色に変化する。
ヒヒイロノカネの2倍の強度を持つ未知の金属「ヒヒイロノオオガネ」で出来た装甲「カブテクター」(名称の由来は仮面ライダーストロンガーの胸部装甲から)が全身各部を覆う。
「ハイパークロックアップ」発動時には胸部・背中・両肩・両前腕・両下腿側のカブテクターが展開した「ハイパークロックアップモード」になり、大気圏内外の飛行も可能になる。
この状態では内部構造である「タキオンプレート」が露出しており、カブトムシが飛ぶ姿をイメージしており、両手足のタキオンプレートはカブトムシの角と翅を合わせたような秀逸なデザインとなった。
また、公式サイトによると、複眼である「コンパウンドアイ」はライダーフォーム時はクロックアップの視認ができるという能力だったが、ハイパーフォームになることで「過去、未来の時空間を見渡すことができ、あらゆる時空の出来事を見逃さない」という新能力を得ており、事実上完全な過去把握と未来予知が可能となっている(作中での言及は見られない)。
登場経緯
劇場版『仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE』
ガタックの作った隙を狙い、コーカサスから奪ったハイパーゼクターを用いて変身。
ハイパーキックでコーカサスを撃破しただけでなく、ハイパークロックアップでZECTが地球に招致しようと目論んだ巨大隕石を7年前に飛来したとされる隕石にぶつけて破壊した。
しかし、この破片が地球に降り注ぎ、"渋谷隕石"として語られる事となる(あくまでも劇場版における設定)。
TV本編
第28~29話、第31話~32話の間に「カブトに似た謎のライダー」として登場、天道を助けるような行動をとっていた。
当初正体は不明だったが、天道は31話において「あれは時間をさかのぼって現れた未来の自分自身である」と勘付く。
その後、第34話においてZECTとワーム陣営によるハイパーゼクターの争奪戦が展開。
一度は天道に餌付けされた高鳥蓮華がゼクターを持ち出すが、蓮華の安全を優先したカブトの判断によりウカワームに手に渡り、それならばと三島正人の手によってウカワームごと爆破されてしまう。
勝ち誇る三島だが、天道は三島が口走った「未来」という単語、以前に見た「カブトに似た謎のライダー」の姿、そしてそれが過去へ遡った自分自身であるという確信、そして「実際に時間遡行した自分自身を確認している=今ここにいる自分が何らかの方法でハイパーゼクターを使用することが確定している」というロジックから、ハイパーゼクターが時間遡行を可能とするアイテムであり、時間に囚われず存在できるという性質を看破。
これにより、「現在のハイパーゼクターは破壊されたが、『天道自身が存在を確認した“時間遡行したカブト”』がまだ存在していない以上、ハイパーゼクターは未来の時間のどこかに確実に存在する」という理屈のもと、未来からハイパーゼクターを召喚するという裏技で初変身を遂げ、過去改変を行った。これに伴い、ガタックがキャマラスワームに殺害された事象がなかったことになった。
以降のエピソードでもカブトの切り札として活躍し続けている。
なお、このエピソードにて天道が全てのゼクターと引き換えにハイパーゼクターとの交換を持ち掛けた際に三島が意味深なセリフを口にしたが、おそらくはパーフェクトゼクターの存在を示唆していたものと推測される。
スペック
身長 | 198cm |
---|---|
体重 | 102kg |
パンチ力 | 10t |
キック力 | 15t |
ジャンプ力 | ひと跳び50m |
走力 | 100m4.2秒 |
ただでさえ戦闘力の高いカブトの戦闘力が底上げされており、戦いの神と称されるガタックを一撃で葬ったキャマラスワームの一撃をあっさりと受け止めた。
劇場版においては作中最強クラスであったコーカサスをいとも容易く追い詰めている(※)。
とはいえ、カッシスワームのような純粋に強い敵やグリラスワームのようなパーフェクトゼクターにも耐える類い稀な硬さ(というより執念か)を持つ相手には苦戦する事も。
基本的には徒手空拳でゼクトマイザーやカブトクナイガンといった基本形態の武装は用いない上にハイパークロックアップの汎用性の高さからカブトエクステンダーに乗る事もない。
物語終盤からはパーフェクトゼクターを武器にしており、純粋な火力で殲滅するだけでなく、
「ハイパーシューティング」などを用いた奇策で相手の意表を突くといった戦法も見られた。
補足
(※)ただし、コーカサスはハイパーゼクターを失って大幅に弱体化している上、ハイパーフォームとは違って宇宙空間を自在に動けないというハンデがあったことには留意されたし。
ツール
ハイパーフォームへの変身に用いるカブトムシ型のメカ。カブトムシの角に相当するゼクターホーンを押し倒すことで「ハイパーキャストオフ」を発動しハイパーフォームへの変身が行われる。ハイパーフォームに変身時にスラップスイッチを叩くとクロックアップの上位互換である「ハイパークロックアップ」を発動。ハイパークロックアップについては上記リンクを参照のこと。
もう一度ゼクターホーンを押し倒すと『Maximum Rider Power』の電子コールと共にマキシマムライダーパワーを開放し、必殺技待機状態に移行する。
ただし、劇場版では変身直後にカブテクターが展開している。
ハイパーフォームの力を手に入れたカブトの元へ突如飛来した、対ワーム用の究極武器。大剣型のソードモードと銃型のガンモード、2つの形態を使い分ける。また、ザビー・ドレイク・サソードのゼクターを呼び出し、合体させてパワーアップさせる事が可能。当然、その間、3人のライダー達は変身不能となる。3つのゼクター全てを合体させると「All Zector Combine」という電子音声を発し、この状態を「パーフェクトモード」と呼ぶ。
必殺技
ハイパーライダーキック
ハイパーゼクターの発動する「マキシマムライダーパワー」を加えた、ライダーキックの強化版。破壊力は30t。通常時の回し蹴りと異なり、こちらは基本的に飛び蹴りで放たれる。
通常のライダーキックの時点でタキオン粒子を波動に変え威力を強化、当たった敵は原子崩壊して消滅するという代物だが、それにマキシマムライダーパワーの発動を加え、更なる威力増強が行われているという仕組みである(詳しくは公式サイト参照)。
ハイパーゼクターのゼクターホーンを押し倒し、ライダーキックの手順を踏む事で発動するが、劇場版ではフルスロットルを押す行程が省略されている他、第35話ではハイパークロックアップによる突撃の直後に放っている(あまりにも早すぎて行程が見えていないだけのようにも見えるが)。
天道は毎回「ハイパーキック」と呼んでおり、最終話にてガタックとの同時攻撃のみ「ライダーキック」と呼ぶ(ただしこちらは「マキシマムライダーパワー」を発動していないので通常のライダーキックである可能性が高い)が、ゼクター側の音声は変化なくライダーキックと鳴る。そのためか、技名は両方を組み合わせたものになっている。
なお、『仮面ライダーディケイド』においてディケイドコンプリートフォームに召喚された際にはカブテクターを展開せずに発動した。
『仮面ライダーウィザード』最終回ではゼクターの操作なしでシンプルなライダーキックを放っている。
初代仮面ライダーにて仮面ライダー1号がベルト「タイフーン」のツマミを操作して「ライダーパワー」なる力を発動させ窮地を脱したシーンがあり、それが「マキシマムライダーパワー」の元ネタとなった可能性がある。
マキシマムハイパータイフーン
「パーフェクトゼクター」(ソードモード時のパーフェクトモード)で発動する技。カブトホーンを模した巨大な光子の刃で敵に斬り付ける。
「パーフェクトゼクター」(ガンモード時のパーフェクトモード)で発動する技。無数のワームを一掃する程の範囲を持つ竜巻状の超巨大エネルギー波を放つ。
発射の際にはカブテクターが「ハイパークロックアップモード」へ自動展開し、反動を相殺する(それでも数メートル程下がる程の反動がある)。
ガンバライジングカードG1-026のフレーバーテキストや当時の児童書では、射程距離が最大100㎞と記載されている。
しかし、現時点では超全集などの公式資料には掲載されていない為、完全な公式設定とは言い難く、話題にする際には注意していただきたい。
立体化
代表的なもののみ取り上げる。
ソフビ
『ライダーヒーローシリーズK11 仮面ライダーカブト(ハイパーフォーム)』として販売。
『てれびくん 2007年1月号』では応募者100名を対象に「仮面ライダーカブトハイパーフォーム(ブラックバージョン)」がプレゼントされたが、こちらのカラーリングはどう見ても仮面ライダーダークカブトのそれである。
C.O.R(キャストオフライダー)
『C.O.R 7 仮面ライダーカブト(ハイパーフォーム)』として販売。
ボタン操作でハイパークロックアップを表現しており、別売りのカブトエクステンダーにも乗せられる。
装着変身
2006年10月下旬に販売。
ハイパークロックアップギミックが搭載、パーフェクトゼクターも付属している。
後継シリーズの『S.H.Figuarts』ではギミックは据え置きながら、プロポーションと可動域が見直され、2010年12月11日にリリース。
2017年09月08日にはより造形面を追求した『真骨彫製法』版がリリースされた。
装動シリーズ
2020年10月5日に販売された『SHODO-X 仮面ライダー10』にラインナップ。
拡張パーツセットにハイパークロックアップ用パーツとパーフェクトゼクターが付属している。
2022年10月24日には『SO-DO CHRONICLE 仮面ライダーカブト2』にラインナップ。
造形物の塗装もさることながら、シールが付属しているので『SHODO-X』と比べると本体・パーフェクトゼクター共に色彩が豊かになった印象を与える。
通常形態はアーマーとボディを購入すれば完成するいつもの仕様でクオリティも中々に高いが、劇中の完全再現をやろうとなるとかなりハードルが高い。
番号 | 商品名 | 付属パーツ |
---|---|---|
④ | 「仮面ライダーガタック ハイパーフォーム【アーマー】」 | エネルギー翼 |
⑤ | 「仮面ライダーダークカブト【ボディ】」 | 手足のタキオンプレート、サソードゼクター |
⑥ | 「仮面ライダーダークカブト【アーマー】」 | 肩部のカブテクター |
⑦ | 「仮面ライダーキックホッパー【ボディ】」 | ザビーゼクター×2 |
⑧ | 「仮面ライダーキックホッパー【アーマー】」 | 角を倒したハイパーゼクター |
⑨ | 「仮面ライダーパンチホッパー【ボディ】」 | ドレイクゼクター |
⑩ | 「仮面ライダーパンチホッパー【ボディ】」 | パーフェクトゼクターガンモードの刀身とガンモード仕様のパーフェクトボディー |
とこのようにハイパークロックアップ用パーツとパーフェクトゼクター(オールゼクターコンバイン状態)用パーツは「③ 仮面ライダーガタック ハイパーフォーム【ボディ】」を除いた7種のパッケージを購入しなくては揃わないのだ。端的に言えばオプションパーツセットが存在しないということ。
とはいえ、全てのパーツが別売りというわけでもなく、背中の翅は左右に展開、胸はスライド式ではないが、別位置にドッキングすることでタキオンプレートが表れる仕様。
収集難易度に見合ったプレイバリューは担保されており、ディケイド(コンプリートフォーム)と並べたり、グランドジオウやゼインにパーフェクトゼクターを持たせるといった遊び方も可能である。
ライドウォッチ
超スピードで時を越えろ!虹色の翼で羽ばたけ!カブト ハイパーフォーム!
羽ばたけ!超速!ハイパーカーブトー! HYPER BEATLE!
「DXカブトハイパーフォームライドウォッチ」として一般販売。
必殺技は「ハイパークロック」。
さらにこのライドウォッチ自体は登場していないが、恐らくディケイドアーマーの状態でカブトライドウォッチを装填すると「ディケイドアーマーカブトフォーム」に変身でき、ハイパーカブトの能力を駆使する事が可能と思われる。
余談
正式な名称は「仮面ライダーカブト ハイパーフォーム」だが、劇中ではしばしば「ハイパーカブト」と通称される。
ハイパーバトルビデオにて仮面ライダーガタックもハイパーフォーム化したため、区別のために近年ではこちらが使用されることも多い。
また、本編中盤において過去を改変するために何度か登場した、未来の天道を指す場合もある。
関連タグ
ハイパーゼクター ハイパーフォーム ハイパークロックアップ カブト(仮面ライダー) パーフェクトゼクター ウンメイノー
チャージアップ:カブトムシがモチーフの主役ライダーの最強形態の元祖。