アニエス・クローデル
あにえすくろーでる
プロフィール
概要
共和国きっての名門校である『アラミス高等学校』に通う一年生。
シリーズ常連キャラクターのレン・ブライトの後輩であり、彼女が生徒会長を務める生徒会に所属しており、役職は庶務。クラスでは学級委員も務めている。
人物
一見大人しい清楚なお嬢様といった風貌だが、前述の事のように芯の強い部分がありポリシーに反した行いや間違った物言いに対して毅然と言い返すといった気概も持ち合わせている。また一度決めたら頑として譲らない部分があり、意外と押しが強い。
多忙な“父親”と向き合おうとしているのと本人が勉強熱心であることからカルバードと周囲の国の情勢を一通り把握しており、偶に高校生らしからぬ意見を述べることがある。
それに加えて頭の回転が速く洞察力などにも優れており、スウィンとナーディアの戦闘スタイルの特徴を言い当てたり黒芒街が存在する理由などもすぐに理解してキンケイドを驚かせていた。
淑やかな振る舞いと学生離れした発育の非常に良い美少女(フィーからは委員長並と言われている)であるため校内では幼馴染みのアルベールを含め多くの男子生徒から人気を集めているが、本人が鈍感なのと意識している相手がいるせいかその事には一切気付いていない素振りを見せている。
そっち方面には無頓着、自分の肉体的魅力にあまり気が付いていないと言われることもある。
通っているアラミス高等学校では選択科目で護身術を履修しており導力杖を使えて、最新型の戦術オーブメントであるXiphaもなぜか所有していた(おそらくは父の意向で、CIDから護身具として手渡されたものと考えられる)。
回復術なども使用できるのだが実戦経験は皆無であり、シャードも防御シールドくらいにしか使ったことがない。
他の解決事務所のメンバーと違って武術や戦闘技術があるわけでもないのに何度も修羅場を潜り抜けているので裏解決屋の仕事に関しては自分たち以上に本気と言われたこともある。
戦闘能力は全くと言っていいほど持っていなかったが強い意志は最初から宿しており、最初の依頼でも同行して初めての実戦をこなすアニエスを見てヴァンも驚いていた。
それ以降もゲネシスを探す危険性を知っても一人で捜索を続けようとしたりするなど、ヴァンやアーロンからは「あり得ないくらい意志が強い」や「最初からあり得ないくらい肝が据わっている」などとも言われたことも。
当初はアニエスがヴァンの助手になった時に大反対して、ヴァンへの依頼も遊撃士協会に変更するように促した遊撃士のエレインですら後々何も言わなくなっている。
なお当然ではあるがこれはエレインがアニエスを目の敵にしているわけではなく危険な裏解決屋の仕事に一般人のアニエスを関わらせたくないという遊撃士として真っ当な意見で、彼女よりも遥かに優れた遊撃士も同じ指摘するほど。どちらかと言えばエレインはアニエスを雇ったヴァンに対して怒っていた。
幽霊等といった恐怖モノが苦手。ホラー映画の鑑賞に誘われた際には見終わった後に気絶する程。
幼馴染みで同級生のオデットがディンゴ・ブラッドがライターを務めるゴシップ誌「メルド」を愛読しており、たまに読んでいる模様。そのため意外と耳年増な面を持っており、男性陣(主にアーロン)の口から飛び出す下ネタ発言やセクハラ発言に対して首を傾げるフェリとは違い、意味を理解し咎める場面がみられる。事務所のメンバーの中では常識人の類であるためか、同僚のカトルとともにツッコミ役になることが多い。
読書家でこれまでのシリーズで登場した小説「カーネリア」や「3と9」を読んでおり、セリス達との会話や「庭園」の情報を聞いた際に既視感を覚える描写がある。
『碧の軌跡』でも登場した小説「陽溜まりのアニエス」が一番の愛読書で、幼い頃に両親に買ってもらった初版本は今でも彼女の宝物の一つ。
主人公の“アニエス”が自分と同じ名前で興味を持ち買ってもらったものだが、その“アニエス”に憧れていたから大切にしていた。
自分の危険も省みずに守りたいものに対して真っ直ぐな彼女の姿に憧れて、挫けそうになった時は小説を読み返し“アニエス”のような魔法使いになったつもりで頑張っていた。
それを聞いたヴァンはそれが彼女の芯の強さの一因かもしれないと考えている。
ヴァンが私費で購入した車のパーツを把握している等、彼に対してはかなりべったりである。
出自
母方の曽祖父は「導力革命の父」と言われるクロード・エプスタイン博士。(養子の孫娘であるので血縁関係はない)
三高弟の一人であるL・ハミルトン博士と邂逅した際には養子であるリリヤ(アニエスの祖母)の面影があると評されている。
エプスタイン博士の手記を祖母の代から受け継いでおり、この手記に書かれた最後の一文が物語の発端となる。
スタッフによると「血筋に大きな謎がある」との事らしく今後大きな秘密が明かされると思われる。
本編
創の軌跡
アップデートで追加されたサブエピソードである「創まりの先へ」の一編「ある少女の学校生活」で「寮でレンの隣に住む後輩の女生徒」として顔が出ない形で登場。
学校で話題になるレンを快く思わない男子生徒と取り巻きに絡まれた彼女を恐れながらも助けた事が縁となり、生徒会に誘われる事となった。
黎の軌跡
物語には序章から登場。先輩であるレンから紹介された情報を元に「手土産」を持って《アークライド解決事務所》を訪問したところから物語は始まる。
「曽祖父の遺産」の捜索を所長のヴァン・アークライドに依頼し、その依頼の中で首都の地区を巡り様々な人々やヴァンの幼馴染み二人と出会ったり、「遺産」の行方を知る情報屋が殺害される事件といった数多のトラブルに巻き込まれたりしたが最終的には曽祖父の遺産である《オクト=ゲネシス》の一つを奪還に成功。
その後今後の依頼方針について、ヴァンとアニエスの間で押し問答があったが、最終的に《アークライド解決事務所》の押しかけ助手という形でアルバイトをすることになり今後も事務所に関わっていくこととなる。
ただしヴァンはゲネシスの捜索に関してはともかくバイトを続けるかどうかについては思う所があり、自分の流儀にアニエスまで染まってしまうのではないかと心配して後に改めて続けるかどうかを問いただした。
その際には「ヴァンの流儀に染まらずに自分ならではの“色”でヴァンに寄り添って支えることは出来る」とバイトも続けることになった。
ヴァンもアニエスの覚悟に納得したのか、それからはバイトをやめるようには言われていない。
当初は普通の一般人であった事から、ヴァンが平然と行うグレーなやり方と時折見せる「ズルさ」に顔を顰めたり頭を抱えたりしていた。
しかしアークライド解決事務所でアルバイトを始めてから彼のやり方に感化されたのか、グレーなやり方をスルーし自身も「ズルさ」や強かな面を見せるようになっていく(バーゼルでの視察研修のレポートをレンに誤魔化してもらい、オラシオンの出張業務では平日に行動する必要があったため“家庭の事情”とそれらしい表情で欠席届を出して受理させるなど)
それでも後ろめたさは残っているようで「一線は守っている」「ヴァンさんよりは厳し目に」と仲間達に弁明しているが、一連の行動を見たアーロンからは「良い感じに染まっている、その繰り返しが不良の第一歩」と茶化されている。
中盤からは羽目を外しやすいアーロンや、あらぬ誤解をして騒ぎ立てる同級生に対して笑顔で威圧するといった気の強さを見せるようになる他、裏解決屋の仕事に対して自分なりの遣り甲斐や楽しさを見出し始め、誇りをもって業務に励むようになって行く。
その仕事ぶりとしては混乱する相手に対して冷静な態度と口調で守秘義務の有無などを話し落ち着かせたり、所長であるヴァンの言葉を継いで状況の補足説明を行ったりなど助手として業務上のやり取りも自然と行えるようになっている。
前述の通り戦闘においては学校で導力杖の護身術を履修しているだけで実戦経験はなかったが、最初の依頼で同行した際にヴァンからシャードの戦術指南やS.C.L.Mの扱い方をレクチャーされた事と、道中の戦闘を通じて急速な成長を見せその飲み込みの速さを彼からも称賛されている。
また様々な事件を通して実戦を経験した事で状況判断能力が上がり、度胸もついたのか敵に対しても怯まず啖呵を切るまでになっている。
オラシオンの謝肉祭では幹部達との対決の前にヴァンから自身を含めた仲間達に対し“命を奪う覚悟”と、直接手を下さなくても当事者になる事を避けられない事を問われた際には毅然とした表情で「背負ってみせる」と答えた。
物語が進むにつれて自身が背負う重荷や家庭の事情など様々な場面で迷う事となるが、ヴァンの言葉や事務所の仲間達に背中を押される形で大きく成長していく。オラシオンの出張業務ではある考えを持ってパーティを一旦離脱し、結果として仲間達からもその成果を称賛されている。
出会った直後からヴァンを異性として意識している節があり、彼と自分の年齢差を確認し気にする素振りを見せていたり、ヴァンに対して「知りたい」「気にしてほしい」と思うようになっていくようになり中盤以降はその気持ちに自覚してはいるようである。そのため彼が他の異性を気にかけたり仲良くしたりするのを見るのはやはり面白くないらしく、その際には若干不機嫌な表情を見せハイライトの消えたジト目で睨む事もある。
最初に事務所に加わった為かヴァンの補佐役になることが多く本人もその事に自負を持っている面があり、後にサルバッドで出会うリゼットが自分以上に彼の補佐役をこなすのを見て嫉妬に似た複雑な感情を抱く。しかしそれでも自身の感情よりもヴァンの身の安全を優先し、彼女に同行を申し出ている。その後リゼットが事務所の正式なメンバーになった後もその有能さに劣等感を覚える場面があったが、後に諭される形で言葉をかけられた事でコンプレックスをある程度解消した。
※終盤のネタバレ注意。
本名は『アニエス・グラムハート』
実は現在カルバード共和国の大統領を務めているロイ・グラムハートの娘である。
『大統領息女』という立場から危険が及ぶ事を考慮し、保護プログラムを適用しており2年前から母方の旧姓である「クローデル」を名乗り普段はその立場を隠している。
この事は学園内でも秘匿されており幼馴染みであるアルベールやオデットを含む一部の者にしか知られていない。
母のソフィーが亡くなり大統領という立場になって父と話す事が少なくなってしまった事を気にしている。
ヴァンとエレインの会話の内容と心理的な距離の近さ、有事の際に見せる抜群の連携から二人が昔馴染み以上の関係であった事を早い段階から見抜いていた。後に二人の会話とアラミスの日程からヴァン達がアラミスの先輩である事を確信する。
ヴァンを想い彼の傍に居続けた為か、物語が進むにつれて彼の表情を窺うだけで何を考えているのかを理解できるようになっている。
そして心の内に秘めている気持ちや何らかの変化も見通せるようになり、終盤で彼がとある発言をした際に仲間達が落ち込む中、アニエスだけは誤魔化したりはぐらかしたりせずに自分達と向き合おうとしている事に気付いていた。
終盤に汎魔化が起きた際にはレンと共に魔球に取り込まれてしまう。その際に正気を失いかけていた彼女に声をかけて正気に戻すと、救援に駆け付けたヴァン達と共にレンを救出した。
その後多くの協力者の力を借りて父にも後押しされ、仲間たちと共にゲネシスタワーへと突入。ジェラールと対面してヴァンの過去を知るが、彼を“抜け殻”呼ばわりするジェラールに、仲間たちと共にヴァンは抜け殻ではないと啖呵を切った際にヴァンは驚きながらも嬉しそうにしていた。
しかし戦いのさなかでヴァンはメアを呼び出してアニエスの制止も届かずに夢から覚めることを選択してしまう。
ジェラールとの戦いに勝利して魔核を取り戻した彼から七番目のゲネシスとヴァンのXiphaを手渡されると、依頼を途中で投げ出すことになったことを謝罪される。
そしてヴァンは魔王の姿となって次元の狭間に消え去ってしまった。
ゲネシスタワーが消滅してもエレインが駆け付けた際にアニエスはヴァンから渡されたXiphaを手にその場にへたり込んでいたが、仲間の中で彼女だけがどうすればヴァンを追いかけられるのかということだけを考えていた。
なので彼女の言葉に「行ってません」と強い意志を宿した目で返事をしている。
ヴァンのXiphaからメアに呼びかけて彼の居場所のヒントを得ると、仲間たちとアークライド解決事務所へ向かい、屋上からヴァンの元へとたどり着く。
ヴァンの黒でも白でも灰色でもない“選択”を聞いたのち、自分たちも“選択”してここに来たことを伝えるが、その最中に魔王の人格が目を覚ましてしまう。
魔王はアニエス達を威圧するが、アニエスは真っ先に魔導杖を構えて「ヴァンさんを返してください!」と啖呵を切るほどだった。
その直後にゲネシスが光りだして魔王の霊圧を抑える。魔王との戦いの中ヴァンが戻ってくると全員で戦って勝利して現実の世界へと帰還した。
それから3週間後に仲間たちが首都を離れる際にはヴァンと共に見送ったが、この際に彼に嘘をつかれたお返しもきっちりしている。
黎の軌跡Ⅱ
本作ではデフォルトの私服衣装がマイナーチェンジしており、スカートが前作よりも短いものに変更され、長かったブーツもロングブーツになり、中に着ている赤のシャツや襟元のファーなどヴァンの服を意識して合わせた意匠になっている。ヴァンに似合っていると褒められた際には嬉しそうにしていたが、その時の反応でナーディアにはヴァンへの好意がバレてしまった。
前作の終盤で首都を離れた仲間達を見送った後、ヴァンの車で自宅に送られた際にこれまで同様週2でアルバイトに通いたいと彼に進言する。しかしヴァンからは『アラミス学藝祭』の準備と勉強に集中するようにという理由で、アルバイトを月1に減らすように諭されるが交渉の末に月2で通う事となった。
その後に発生した連続猟奇殺人事件を調査しているヴァンとエレインと会い、犯人がゲネシスらしきものを持っており紅黎い魔装鬼に変身したことを知る。
同行を申し出るもヴァンに断られてしまったが、後にここが決定的な分岐点だったことが判明する。
ちなみに前作ではアニエスが裏解決屋の仕事に関わるのを止めることがあったエレインは、ヴァンがアニエスの同行を断ったことに対して「本当に良かったの?」と聞くほどであり、アニエスへの認識もとっくに改めている事がわかる。
夕方頃にキンケイドと共に駆けつけるが、そこでアニエスは殺されたヴァンとエレインを目の当たりにする。その瞬間、ゲネシスによる巻き戻りが起きて、ヴァンとエレインは同日のアニエスに会って同行を断った時まで巻き戻される。
ヴァンはアニエスを呼び止めるだけで同行を頼まなかったのだが、アニエスは何かあると察してキンケイドに連絡、4人でグレンデル=ゾルガと戦って二人の死を回避した。
アルバイトの傍ら未だ行方知らずである8番目のゲネシスの行方を捜している。また、事務所の業務を予てアラミスに編入したスウィンとナーディアとも良好な友人関係を築く。
二人が裏解決屋代行として4spgをこなす際には同行しているのだが、アニエス自身が学校で毎日裏解決屋のアルバイトを行えるわけではなく、さらには学藝祭などの準備も忙しいので、ナーディアにはゲネシスを一つお守り代わりに渡しており、出張業務に向かうことになったヴァンにも同じように一つ預けた。
前作では詳しく描かれなかった学校生活も描かれており、短期留学してきたスウィンとナーディアと共に《C》から送られてきた謎のメールに書かれた悲劇を食い止めるために行動した。また、生徒会で設置している目安箱の頼み事などにも対処している事が明かされる。当然だが依頼人は全員一般人なので依頼内容はヴァンが裏解決屋として受ける4spgというよりは、学生時代のリィンが生徒会の手伝いをしていたものに近い。
ネメス島でレンとカトルのトラウマを知り、ハーウッドから第八のゲネシスの3つ目の外殻も取り戻したのだが、ガーデンマスターとグレンデル=ゾルガが現れて、第一のゲネシス以外のゲネシスを奪われてしまう。
ゲネシスを奪還しながら首都を調査する最悪の3日間の最中にフェリとリゼットが侵蝕されて自分たちの命を狙ってきた際には、特にフェリに銃口を向けられたことに誰よりもショックを受けていたが、最後には仲間たちと共に二人を取り戻す。
父親であるグラムハート大統領の命を狙うテロが起きた際にもそれを引き起こした首謀者であるコーディの元に駆け付けると、自分と彼の状況を重ねて本当にそれでいいのかと問いただしたことで彼の意識に揺らぎが生まれた。
しかし事態を収束させてゲネシスを六つ取り戻した際に最大規模の“侵蝕”が発生してアニエス以外の仲間たちが消えてしまう。
自身も“侵蝕”の影響を受けたところで消えていたナーディアが現れて、七つ目のゲネシスを手渡されて巻き戻しが発生して1日目に戻される。
その後は全ての元凶であるガーデンマスターと対峙して彼の本当の名前を突き付けて決着をつけて、とうとう第八のゲネシスの奪還に成功したのだが、なぜか全てのゲネシスから光が失われて機能も停止してしまった。
その原因はハミルトン博士などの力を借りてもわからなかったが全てのゲネシスが揃った事になり、ヴァンも依頼を達成したことになる。
だがそれによりアニエスがバイトを続けるための口実が無くなってしまったのだが、アークライド解決事務所は誰かさん達のせいで有名になりすぎてしまったので、助手の募集をするくらいに人手が足りないことと最初の交換条件が果たされておらず様々な謎も残っているという理由で改めて助手として雇われることになった。
作中当初から準備を進めていたアラミス学藝祭も無事に開催される。
この時にはアニエスにも後輩ができておりクセの強い二人の生徒に助言を送って纏めたりもしている。ルネに対する苦手意識も無くなっているようで、学藝祭の最中に幼馴染3人が学生時代の事を話しているのを見て「やっぱりこの中には入れないなぁ」と感じていた。
生徒会選挙ももうすぐ開催されるのだがアニエスは出馬せずに、アルベールを生徒会長に押している。
しかし特別ステージである『共に、新たな季節を』を開演するが、その最中にヴァンが姿を消してしまう。
元々ヴァンの様子がおかしかったことはアニエス達も全員気が付いていたので事務所のメンバーと協力者も含めて彼のあとを追いかけて、ヴァンを見つけた際に涙交じりで反省してくださいと怒鳴った時はヴァンも素直に返事をしていた。
全員で《C》の元へ向かって決着をつけ、ゲネシスも正常に作動(なお機能を停止していたのは概念だけ抜き取られて《C》に利用されていたから)するようになる。
その際に今回の事件はあくまでイレギュラーであり、手記に記された“最後の一説”とは無関係であると教えられ、同時にお前たちならきっと大丈夫と激励も受けている。
掛け替えない“現在”に戻り特別ステージの“最後”にも何とか間に合ったので最後まで踊りきった。
その出来栄えはヴァンも悔しいが自分たちの時以上と認めるほどだったが、アニエスはみんなの勝利だと思っている。
今回の出来事で様々な人がそれぞれの過去や葛藤を乗り越えて“今”を掴んだのを見て、ゲネシスや父の事はもちろんだが、勝算がなかったとしてもいつかこの想いを大切な人に、そんな一歩を踏み出せる勇気を見習いたいとヴァンに告げると、彼は驚いた表情になり何も言えなくなっていた。
ハミルトン博士によるとアニエスを見ていると彼女の祖母であるリリヤの事をよく思い出すらしい。
エプスタイン博士が設計したトリオンタワーには特別な思い入れがあり大切に思っている事が明かされる。ロイがその展望台でソフィーにプロポーズをした事や、幼い頃に両親がなんとか時間を作ってタワーに連れてきてくれたことなどが理由。
そこでソフィーからいろいろな話を聞いており、幼いアニエスには理解できないことも沢山あったが、自分の知らない父や祖母の話を聞くこと、何よりうれしそうに話すソフィーの顔が大好きだったとのこと。
いつか自分でもそんな大切な人と巡り会って一緒にタワーに来ることができたらと思っている。
裏解決屋の助手を始めてからはそれだけでもなくなり、ヴァン達といくつもの4spgを解決した首都をタワーから見ると、かつて家族みんなで何度も見てきた景色をこの手で守っているのだと誇りに思い、裏解決屋をやっていて良かったと思えるようになっている。
そんな風に思えるくらいに自分を成長させてくれたヴァンには本当に感謝しているのだが、ヴァンのほうもアニエスから影響を受けている部分がある様子だが、詳しくは彼の項目を参照。
バトルスタイル
自身の得物は伸縮式の導力杖。授業で導力杖による護身術を履修しており、導力杖とアーツによる魔法攻撃・援護が基本的な立ち回りとなる。奇しくも、前述の『陽溜まりのアニエス』の主人公・アニエスと同じくアーツ使いである。フィールドバトルでは貴重な魔法攻撃型である事と、相手の攻撃を回避しやすいためアサルトケージを貯めやすい。
オーブメントの固定属性は空×2・水×1。シールドラインに空属性の専用スロットがあるため、HPがゼロになった際に発動し復活するシャードスキルの「セラフィムフォース」を組み込みやすく、後述のSクラフトと併用して戦況を立て直しやすい。
またドライブラインに水属性の専用スロットがあるため、アーツ使用後に一定の確率で遅延効果を付与する「アークフェザー」と同じくアーツ使用後にEPを回復する「カタラクトゲイン」を同時にセット出来る。アーツ主体で攻める場合は装備しているホロウコアをEP増加ながら火力アップ型の「ロレイ」かEP節約型の「ライム」のいずれかにすると大きな戦力となる。
パラメータに関しては魔法攻撃力・魔法防御力が登場キャラで最も高い、典型的な後衛型キャラクター。特に魔法攻撃力は主要メンバー中では最も高い。反面物理関係の数値は低く、実際物理防御力は事務所メンバーの中では最低のカトルに次いで2番目に低い。
使用クラフトは最初から使用出来る「ホワイトヒール(状態異常回復付)→イノセントヒール(回復量、効果範囲アップ)」でアーツの回復力が少ない今作では貴重な回復&状態異常回復手段となる。
その後レベルアップで攻撃した相手からEPを吸収する「グロウハンマー(物理攻撃・背面特攻付)」や直線状に放つ魔法攻撃「エトワールレイ→プレアデスレイ(魔法防御力低下付)」を習得し、補助系クラフトとして自分と周囲に耐久型のシールドを張る「ジブリールガード」がある。また、『黎Ⅱ』で追加された「ホーリーブルーム」はEPとブーストゲージを回復できる。
Sクラフト「ブリリアントハイロゥ」は『黎』登場キャラで唯一の回復Sクラフトになる。HP全回復、行動時HP回復の効果で、全滅回避・劣勢時の切り札として使うことになる。
衣装
アニエスの衣装も多く、DLCもわりと多い。
『黎1』の電撃屋店舗特典として「旧カルバード王国風ドレス」が用意されており、100年前の王制時代の伝統的なドレスだという。黎Ⅱでは学園祭の出し物の際にこの衣装を着用している。
『黎1』のDLC水着は白のビキニ・フリルボトムとなり、また麦わら帽子もついているものである。
他にも「4spg UNITE」なるアークライド解決事務所的制服衣装も用意されている。
現在通うアラミス高校制服も用意されているが、『黎1』では基本的に常時着用出来るのは2周目以降になる。『黎Ⅱ』では中盤にて入手可能。
『黎2』のGEOでの店舗特典ではレースクイーン衣装が用意されており、アニエスのはセパレートスタイルで、カラーリングはローズピンクである。カルバードでは盛んなモータースポーツ・Z-1レーシングに、解決事務所が「チーム・スプリガン」として参戦した際のレースクイーンという設定で、この衣装はシェリド王太子が自らデザインしたという。なお、エレイン・シズナは店舗特典で、フェリ・リゼット・ナーディア・セリスのは通常販売ながら色違いであるがほぼ同デザインである。
また通常販売されているレースクイーン衣装「TypeB」もあり、こちらはデザインが違った1990年代風のハイレグタイプで、アニエス仕様はグリーンカラーもあしらったサンバイザーとジャケットが特徴。こちらもエレイン・シズナ・ジュディス・レンと同じデザインとなっている。
『黎Ⅱ』では前述の衣装のうち、仮想空間メルヒェンガルテンの「断片の修復」にて、4spg UNITEは序盤で、DLC水着は中盤、そして王国風ドレスは終章で入手が可能。
対人関係
ヴァン・アークライド――先輩であるレンから紹介され、依頼者として《アークライド解決事務所》に訪問。残りのゲネシスの捜索を無償で手伝うというのヴァンの言葉に恩を覚え、感謝を返すために手伝うという名目でアルバイトを志願する。ヴァンの傍に居続ける事を決め共に行動するうちに信頼関係が芽生え、彼への好意を自覚していく。後にアラミスの先輩である事を見抜いている。
フェリ・アルファイド――バイト仲間。自身にとって初めての後輩。年下であるためか姉妹のように仲が良く、首都暮らしに不慣れな彼女を良くフォローしている。偶に発育の良さを羨ましがられており、冷や汗をかいている。
アーロン・ウェイ――バイト仲間。当初はアニエス自身が所内で隠し事していたことから訝しがられていたが、ヴァンのフォローと決意表明により和解。その後は小娘とからかわれることが多いが、関係は良好。ただしフェリどころか6歳のユメがいる前でも下ネタを連発する事から、威圧して黙らせる事が多いストッパー役になっている。
リゼット・トワイニング――当初は自分が行ってきたヴァンの補佐役を奪われる形となった事で複雑な感情を抱いていた。が、リゼットと仲間として行動した事で認識を改める。後に本社側から「長期出向」が認められ、正式に仲間になった後は各種手続きのやり方を教わっている。
カトル・サリシオン――アラミスの伝統行事である「視察研修」で向かった「バーゼル理科大学」で出会う。年が近いためか仲良くなり、ヴァンに対して訝しがる彼に「人となりを知れば尊敬できる人」と伝える。後にバイト仲間になる。
ジュディス・ランスター――CIDの依頼で上水道に巣食う手配魔獣の討伐に向かった際に《怪盗》の姿で出会う。彼女の早とちりで戦闘になるが、すぐに中断。その後訪れた映画館での舞台挨拶で観客席越しで姿を拝見。後に依頼人として依頼を受け、事件の中で正体を悟る。龍來で再会した後は事務所の同僚となり、「受け継いできたものを大事にしたい」という部分でシンパシーを感じている。
エレイン・オークレール――アラミスの先輩。元々雑誌などでその存在を知っていた。ヴァンと過去にただならぬ関係であった事を早い段階で見抜く。その人となりを尊敬しているが、ヴァンと彼女の関係に複雑な気持ちになる。
ルネ・キンケイド――同じくアラミスの先輩。CIDの立場から出会った当初から素性を把握されていた。ヴァンの幼馴染みとして信頼はしている一方で、大統領付補佐官の肩書を持っている事から敬遠もしているが、彼の悪い癖を考えるとおそらく気に入られている。終盤で二手に分かれてアルマータの残党を追跡した際にチーム分けでキンケイドと一緒となる。そして道すがらヴァンのアラミス時代の話を聞いた際に、とある言葉を発し彼を感心させている。
レン・ブライト――寮の隣に住む先輩。生徒会長選挙の事件で知己を得たことで、自身の生徒会入りの切っ掛けとなった。レンにとってもティータやエステルと同等のウェイトを占めており、「可愛い後輩」と評されている。アニエスがヴァンに抱いている気持ちを察しており、時々揶揄われている。
オデット、アルベール――アラミス高等学校の同級生にして幼馴染み。年下のフェリにも敬語を使うアニエスが敬語無しで接する存在。幼馴染み故学校内でも秘匿している自身の素性も知っている。
ロイ・グラムハート――共和国大統領の父親。家庭では普通の父親だったが、母の死後に親子の関係は疎遠になる。娘が危険なアルバイトをしている事を知っているが、敢えて口を挟まず好きにさせている。終盤でアークライド解決事務所の面々が窮地に陥った際には援護に現れている。
ソフィー・クローデル――母親だがすでに亡くなっている。普段名乗っている姓は彼女のもの。なお暁の軌跡の主人公であるクロエ・バーネットの母親と同じ名前である。
リリヤ・クローデル――祖母だがアニエスが生まれる前に亡くなっているので面識はない。なおエプスタイン博士が亡くなった直後に簡単な書置きを残して失踪しているのでアニエスの祖父が誰なのかは不明。
クロード・エプスタイン――血のつながりはないが曾祖父にあたる。
関連タグ
エリィ・マクダエル…同じく親族が政治家を務めているヒロイン。両者ともホラーの類が苦手な事、怒った時に笑顔で相手を威圧する点も共通している。
アリサ・ラインフォルト…同じく家庭の事情で親と微妙な関係であるヒロイン。
クローゼ・リンツ、ミュゼ・イーグレット…実家が裕福(ただしクローゼは王家の姫君、ミュゼは帝国貴族家四大名門筆頭の公女と別格であるが)で別名で名門校に通う共通点がある。
女神官(ゴブリンスレイヤー)…主人公の仲間第1号、金髪ロング・碧眼の容姿、得物が杖、回復・補助が得意などの共通点を持つ。但しほぼ同年齢なのにも拘わらずアニエスとは真逆にフラットな体型である。ちなみに『黎の軌跡』において彼女の中の人が演じているのは主人公の仲間第2号の方。