「弱え連中を貶すのは強え奴の役目だ!俺等がしなけりゃあ、誰がするってんだ!でなけりゃあ勘違い野郎どもが益々増えやがる!冗談じゃねえ!」
「強え奴は弱え奴から全てを奪える、それが強者の特権だ。それがこのクソッタレな世界だ──だからァ!!俺がてめェをブチ殺そうが何も問題は無ェって事だッ!!!」
プロフィール
概要
【ロキ・ファミリア】所属の狼人(ウェアウルフ)の男性。
Lv.6の第一級冒険者で、ファミリア内では幹部を担っている。二つ名は【凶狼(ヴァナルガンド)】。
元は【ヴィーザル・ファミリア】の団長を務めており、当時は【灰狼(フェンリス)】という二つ名で呼ばれていた。
人物像
容姿
灰色の毛並みをした長身の青年で、狼人(ウェアウルフ)特有の耳と尻尾を持つ。
容姿は端麗と言えるが威圧的な雰囲気を常に放っており、左頬には牙を思わせるような刺青を入れている。
性格
極端なまでの実力主義を掲げ、自分が格下や弱者と見なした者を『雑魚』と見下して嘲笑い、時には罵声や暴力による恐怖で押し付けようとする自己中心的な振る舞いが目立つ。この為、ファミリア内では屈指のトラブルメーカーとなっており、作中で「乱暴で我儘で面倒臭い狼」と呼ばれている。
実力主義的な考えは元々狼人特有の傾向でもあったのだが、ベートの場合は過去にあった幾つかの経験も関係しており、その結果、従来の狼人以上に極端に先鋭化されてしまったものとなっている。もっとも、普段の罵詈雑言で勘違いされやすいが、作中では窮地に陥っている弱者を助けようとしたり、自分より下位の団員達を気遣う描写を見せたりと、根は決して悪人ではなく、主神のロキからも優しいと評されている。
「弱い女が一番嫌い」と言い張り、女性に対して距離を置こうとする傾向があるが、これは初恋の少女レーネや【ヴィーザル・ファミリア】時代の恋人セレニアなど、好意を寄せていた女性はみんなモンスターによって殺された過去を持ち、その事から女性に対してトラウマになっているため。彼女たちを奪った世界の理不尽への憎しみは、ベートの『魔法』の詠唱文として刻まれている。
モンスターによって大切な者を奪われてきた過去から、モンスターに対して激しい嫌悪感を抱いているが、知性と感情を持ち人類との共存を望んでいる『異端児(ゼノス)』に対しては、『異端児』を巡る騒動の際にウィーネの涙や覚悟を見たこともあってか思うところがあるらしく、【ロキ・ファミリア】が彼らと協力する事態になった際も、何も言わず受け入れていた(ティオネからは、全く反発しない事に驚かれていた)。
元々【ロキ・ファミリア】の団員達からは、普段の態度や口の悪さもあって人望は殆ど無かったが、後にロキやフィン達からベートの罵詈雑言の真意を聞かされたことや、ベートの本心を聞いたことで関係は好転し、団員達から慕われるようになる。…と言うより、「ツンデレ」と見られるようになる。
弱者への想い
弱者が弱者であり続ける事を嫌い、戦場にいてよい人間は強者と強者の嘲笑に吠え返し『弱者の咆哮』を上げる事の出来る者のみという持論を持ち、弱者で居続ける事を拒む者、弱者から強者となろうとする者、弱者でありながらも強者に抗う覚悟を示す者などが現れた際には内心で歓喜している。
上述にある通り弱者を見下すような言動を常にしているが、本心では弱者が戦場に出て死んでほしくないと思っており、彼が放つ罵倒と侮蔑には、極論的に発破としての意味が込められている。
自分の本心を素直に話す事が出来ず、暴言でしか人を奮い立たせる術を持たない彼を首脳陣は「不器用すぎる」「勘違いせずにはいられない男」と称しており、ロキやフィン達を除けば、ベートの不器用な優しさを理解していたのは彼に好意を抱いていたリーネのみであった。
また、【ロキ・ファミリア】は都市最大派閥と言う名声と団結力の高さから、気の緩みや仲間に甘すぎる一面があり、口が悪くてもベートのような派閥を引き締める役は必要不可欠。『冒険者』が夢と希望に満ちあふれた世界などではなく、弱ければ死ぬ過酷な世界だと誰よりも知っているからこその厳しさだと言える。
ベルへの態度
ベルを初めて見かけた際は、ダンジョンでミノタウロスに襲われて恐怖から半ば錯乱して逃げる姿で、その後は【ロキ・ファミリア】のメンバーに酔った勢いでベルの醜態を教えて笑い者にするという悪態を見せていたが、これがきっかけでベルは一念発起する事になり、結果的に彼の覚醒に一役買う事になった。
その後の遠征の途中で、再びベルがミノタウロスに襲われている姿を目撃した際は、当初こそ扱き下ろす悪態を見せていたが、ベルがLv.1でありながらLv.2相当のミノタウロスを単身で倒して見せた際にはかつてない程に心が震え、以降ベルの事を高く評価するようになる。もっとも、口では決して認めようとせず、ベルが誰かに負けるのも腹立たしいが、ベルが成長するのも腹立たしいという、かなり面倒くさい状態になっている。
余談だが、『敏捷特化のステイタス』『短剣二刀流』『魔法の属性が炎』と、登場人物の中で一番戦闘スタイルがベルと酷似している。その為、アイズはベルが目標と掲げている人物はベートなのではないかと勘違いする事になり、軽くショックを受けていた。
人間関係
自分に好意を寄せてくれた女性。ベートの罵倒の本質にも気付いており、彼のことを優しい人と称していた。作中でヴァレッタの凶刃に掛かって命を落とすが、死の間際にベートの「お前の手に、十分救われた」という言葉を聞き、「この人を好きになれて良かった」と思いながら息を引き取る。
自分を打ち負かした相手に惹かれるアマゾネスの習性から惚れられてしまい、積極的なアプローチをされるようになってしまう。鬱陶しくなって本気で殴る事もあるが、殴られたらむしろ喜ぶ性質をしているので全く応えない。もっとも自分の罵倒の本質に気づき、純粋に好意を寄せてくれる彼女のことを本気で毛嫌いしているというわけではなく、何だかんだ言いながら気にかけている。
上述にある通り「弱い女は嫌い」と言い張り、女性と距離を置こうとするベートだが、アイズに対しては、自分以上の実力を持っている事や「貪欲に強さを求める」といった自身に通じる理想を持っている事もあってか想いを寄せている節があり、ちょくちょくアプローチを掛けている。しかし、仲間としての意識は持たれているものの、そのアプローチに気付かれない所か、弱者を見下す傲慢な言動の多さから、逆に不快感を抱かれることが多い。
普段の口と態度が悪さもあって、彼女からよく注意をされているのだが全く耳を貸そうとせず、それどころがリヴェリアの事を「クソばばあ」とまで呼ぶ始末。リヴェリアの方からは、ベートの罵倒の本質を知っていることもあって、「口と行動が一致しない男」と思われている。
同じ幹部である彼女たちとは仲が悪く、日常茶飯事的に喧嘩をしている。これは自分とは逆で、仲間に対して甘すぎる彼女たちの性質と反りが合わない事が大きな要因となっている。
敵対派閥【フレイヤ・ファミリア】の副団長である彼とは、互いに無愛想かつ凶暴極まる過激な性格のためか非常に仲が悪く、ベートは彼の事を『糞猫』と呼んでいる。もっともアレンと自分が似た者同士である事を、ベート自身も不本意ながら認めている。
本編・外伝と合わせると奇妙な縁がある人物。メレンでの抗争時に初めて会った時は守られる弱者側の存在だったが、異端児編でウィーネを守る為に自身に怯まず啖呵を切った姿を見た際は笑みを浮かべ、雑魚ではなく1人の敵と認め潰そうとした。
作中の動向
本編開始前
獣人部族である平原の獣民の族長の息子として生まれ、「弱肉強食」という父親の教えに従い、幼いころから鍛錬を続けていた。しかしベートが12歳の時に、ダンジョンと並ぶ世界三大秘境の一つ「竜の谷」からやってきた一匹のモンスターによって、家族と幼馴染みを含む部族全員がベート一人を残して全滅する事になる。
故郷を滅ぼしたモンスターを倒す強さを得る為、オラリオにて獣人が大半を占める【ヴィーザル・ファミリア】に入団。当時は今とはまるで違う好漢児で、ファミリアのメンバーからの人望もあり、後にファミリアの団長となり、オラリオで最も勢いのあるファミリアとして名を馳せていった。
しかし16歳の頃、Lv.3となり部族の敵である平原の主を倒すためにオラリオを離れ、これに勝利し凱旋するも、ベート不在時に彼の恋人であった副団長のセレニアがダンジョンで死亡し、他の団員も深手を負う程の惨状を見て、強者が傍に居なければ弱者が簡単に死んでいく現実に怒り絶望する。その後、【ヴィーザル・ファミリア】の面々をオラリオから追い出し、自身は一人でオラリオに残ることを選択。ただひたすらに強さを求めてダンジョンに単独で潜り、周囲の冒険者には喧嘩を売り続ける日々を送る。そんな壊れたように戦い続ける姿から、周囲からは【凶狼】の二つ名で呼ばれるようになる。
ある日、酒場で偶然出会った【ロキ・ファミリア】の面々に喧嘩を吹っ掛けるも、ガレスに殴り飛ばされて敗北。目を覚ましてすぐにベートに興味を抱いたロキにスカウトされ、ベート自身も「真の強者達」と見なした者が集う【ロキ・ファミリア】に希望を抱き、入団を決意する。
本編
ベルがミノタウロスに襲われていたところを目撃し、遠征終わりに宴をした『豊穣の女主人』で彼の醜態をメンバーに教え、ベルを笑い者にする。しかし、ダンジョン遠征中にミノタウロスとの戦いを制したベルの姿を見た際は、自身に怒りと羞恥の感情を覚えた上、偉業を成し遂げた彼に一目を置くようになる。
その後の遠征ではベルの姿に触発された事もあって、ティオネやティオナらとともに、モンスターを片っ端から倒して奮戦し、59階層にまでたどり着く。そこにいた『精霊の分身(デミ・スピリット)』との戦いでも活躍し、ダンジョンから帰還後はLv.6に昇格する。
ベルがヒュアキントスに甚振られた際には助け舟を出し、【ヘスティア・ファミリア】と【アポロン・ファミリア】の『戦争遊戯(ウォーゲーム)』では、ベルがヒュアキントスとの一対一の決着を望む姿勢を言い当てる等、ベルのことをよく理解している言動を見せている。
人造迷宮クノッソスへの進攻で殺された仲間達にかけた侮蔑と罵倒が原因で、ファミリア内で孤立。その後、街を彷徨っていた所に元イシュタルの眷族のレナに絡まれる。クノッソスの鍵を探すために不承不承ながら彼女とのデートに付き合う羽目になる。そんな中、レナを狙った闇派閥の幹部のヴァレッタが率いる暗殺者から襲撃を受け、レナが致命傷を負わされ、さらにヴァレッタがリーネ達の殺害した張本人であることを聞き激怒し、殺意を向けるも、逃げられてしまう。
アミッドの治療を受けた後、単身で歓楽街に乗り込み、ヴァレッタら闇派閥の残党と対峙する。事前に施されていたヴァレッタの結界魔法で弱体化させられ徐々に追い詰められるも、自らの戒めを破り、切り札の魔法【ハティ】を発動し、命乞いするヴァレッタらを容赦なく消し炭にした。『アマゾネス狩り』の事件の収束後は、レナの無事も確認され、またロキの一芝居により自身の罵詈雑言が弱者への叱咤激励の意であるとファミリアに直接伝わり、孤立は解消される。
『異端児』を巡る騒動では、ベルがモンスターに与している様子を見せた時は自分でも良く分からない程に苛立ちを見せている。ウィーネを救助に向かったベルの前に立ちはだかるも、春姫とアイシャに邪魔をされてベルとウィーネを取り逃がしてしまう。騒動の終盤に、ベルとアステリオスの再戦が行われた際は、ベルの気持ちを汲んだのか手を出さず最後まで見届けた。
クノッソス攻略の『第二進攻』では、第五部隊を率いて『精霊の分身』の祭壇の支柱(スピリット・オルター)の元に侵攻するも、怪人エインにより、レフィーヤ達と共に分断されてしまう。エインと交戦するも、Lv.7相当の力に圧倒される。最終的にレフィーヤ、援軍として駆け付けたアスフィ、リュー、アイシャの援護、春姫の魔法の強化により、エインを追い詰め【ハティ】の魔法で瀕死に追い込んだ。
『女神祭』でフレイヤがオラリオ中に『魅了』を施した際は、自身も魅了されてベルの記憶を改竄される。ヘスティアによって『魅了』が解除されると、魅了されて記憶を改竄された事実に怒り狂い、本拠へ戻ろうとするアレンの前に立ちはだかった。
【ヘスティア・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】の『派閥大戦』では、『ギルド』から【ロキ・ファミリア】の参戦を禁じられたことに不満を隠せず荒れるも、『派閥大戦』が行われる前に、ロキの指示で『豊穣の女主人』で引き籠っているアーニャを無理矢理連れ出し、【フレイヤ・ファミリア】の本拠で眠るシル(ヘルン)の助けを求める声を聞かせ、『豊穣の女主人』の参戦を促す。その後、バベルの三十階にて神々とともにベル達の戦いを見届ける。
アストレア・レコード
本編から7年前の『闇派閥(イヴィルス)』との戦いが書かれた「アストレア・レコード」でも、ほんの少しだが登場。ロキから「ヴィーザルのところに活きのいい狼人がおる」と言われており、『大抗争』に派遣されていた。後に加筆された書籍版にて、フィンから指示を受け『闇派閥』と戦い、凶刃に掛かりかけたリリの命を意図せずして救った描写がある。
能力
ファミリアでは前衛を担い、魔法を吸収し威力を高める力を持つメタルブーツ《フロスヴィルト》による蹴り技で敵を屠っていくのが主な戦闘スタイル。場合によっては、短剣二刀流を駆使する事もある。
ステイタスは全体的に見ても高めだが、『敏捷』のアビリティはSの領域に達しており、さらに速度を強化するスキルを二つ所持しているので、足の速さに関しては本来のLv.の領域を超えており、自分よりLv.が上のフィン達をも凌駕するファミリア最速を誇る。
他にも条件付きだが戦闘能力を大幅に強化できる『獣化』や、奥の手である強力な魔法も有しており、もし全ての力を振るうことが出来れば、【ロキ・ファミリア】の中でも圧倒的な力を発揮する事が可能。作中でガレスからも「全ての本領を発揮したあやつは誰よりも強い」と称されている。
また、『組織』としての力に秀でている【ロキ・ファミリア】の団員なだけあって、戦闘の中でアイズやレフィーヤの魔法を借りて攻撃を繋げたり、普段いがみ合っているヒリュテ姉妹とも共闘して前線に出るなど、意外にも他者との連携戦闘に優れている。
ステイタス
Lv.5(最終判明ステイタス)
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
B766 | C647 | B729 | S956 | I0 |
狩人 | 耐異常 | 拳打 | 魔防 | |
G | G | G | H |
Lv.6
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
? | ? | ? | ? | ? |
スキル
- 月下咆哮(ウールヴヘジン)
狼人が発現する『獣化』のスキル。月の光を浴びることで、身に宿る獣性と力が解放され、身体能力が上昇し、全アビリティに超高補正がかかり、状態異常も無効化する。非常に強力なスキルではあるが、月の下でないと発動不可能のため、ダンジョンでは発動しない。このデメリットから、「狼人はダンジョン探索に最も向いていない種族」とされる由縁である。
- 孤狼疾駆(フェンリスヴォルフ)
走行速度を強化するスキル。
- 双狼追駆(ソルマーニ)
加速時に『力』と『敏捷』のアビリティが強化されるスキル。
発展アビリティ
- 狩人
Lv.2ランクアップ時にのみ発現するレアアビリティ。一度交戦し経験値を獲得したことのあるモンスターとの戦闘時に能力値が強化される。
- 耐異常
状態異常の症状を防ぐ事の出来るアビリティ。
- 拳打
作中で詳しい詳細は説明されていない。おそらく、殴打技全般に補正のかかるアビリティかと思われる。
- 魔防
作中で詳細は出ていないが、魔法攻撃に対する耐性が強化されるアビリティかと思われる。
魔法
- ハティ
詠唱式:【戒められし悪狼(フロス)の王】【一傷拘束(ゲルギア)。ニ傷痛叫(ギオル)。三傷打杭(セピテ)。飢えなる涎(ぜん)が唯一の希望。川を築き血潮と交ざり涙を洗え】【癒せぬ傷よ、忘れるな。この怒りとこの憎悪、汝の惰弱と汝の烈火】【世界(すべて)を憎み摂理(すべて)を認め涙(すべて)を枯らせ】【傷を牙に慟哭(こえ)を猛叫(たけび)に——喪いし血肉(ともがら)を力に】【解き放たれ縛鎖(ばくさ)、轟く天叫(てんきょう)。怒りの系譜よ、この身に代わり月を喰らえ、数多を飲み干せ】【その炎牙(きば)をもって平らげろ】
炎属性の付与魔法(エンチャント)。発動すると両手両足に紅蓮の炎を纏う。炎には魔力吸収(マジックドレイン)と損傷吸収(ダメージドレイン)の属性があり、炎に触れた魔力を見境無く吸収し、傷を負えば負うほど攻撃力が際限なく高まる。この魔法を全身に纏った状態での突撃は一撃で戦局を覆すほどの力を誇るが、副作用として「敵味方問わず無制限に魔法を吸収してしまい、自分にとって有利な回復魔法や結界でさえも全て破壊してしまう」「損傷を受ける度に攻撃力は上がるが損傷は蓄積されていき回復もできない」など致命的なものが多いため、味方にも大損害を与えてしまうという欠点が存在する。
更に詠唱がベートの過去と弱さを知らしめる文章であることや、この魔法を使う時は反撃の手段を失った状況に追い詰められた屈辱を意味するため、切り札として自ら使用を禁じている。そのため並行詠唱を始めとした魔法の訓練は一切しておらず、使用する場合全くの無防備の状態で詠唱を行う必要があり、長文詠唱なことも相まって発動に時間がかかるため、「仲間に守ってもらいながら詠唱する」、もしくは「攻撃を受けるのを覚悟して詠唱し続ける」事となる。
このようにデメリットこそあるが火力そのものは極めて高く、実際にこの魔法の餌食となったヴァレッタは全身が完全に炭化してしまった。まさにオーバーキルと言っていい。
作者曰く、この状態で『獣化』まですれば、確実にアイズより強いらしい。
装備
- フロスヴィルト
特殊金属「ミスリル」を加工したメタルブーツ。第二等級特殊武器(スペリオルズ)。製作者は椿・コルブランド。値段は9300万ヴァリス。
武器の性能とベートの蹴り技だけでも十分な威力を発揮するが、魔法効果を吸収し特性攻撃に変換する能力を持つ。現在、オラリオ内で魔法吸収の属性を持つ特殊武器は、この装備のみである。劇中ではアイズのエアリアルによる風、炎や雷の魔剣を吸収・変換しており、魔法を纏ったその威力は『深層』の大型モンスターすら一撃で仕留める程に強力。ただし、この装備は上記にある【ハティ】の魔法の劣化版に過ぎない。
初代は24階層の食料庫(パントリー)での闘いで破損したため、現在は二代目を使用している。前作が試験的な側面をもって作られていたため、制作のコツを掴んだ椿が作り直したことで性能が向上し、第一等級武装に値する作品となった。
- 魔剣
魔法に等しい現象を発生させる、短剣型の武器。使用回数に限りがある。値段は100万ヴァルス。作中では《フロスヴィルト》に吸収させる為に使用。地下水路での食人花戦で炎の魔剣を、58階層での『ヴァルガング・ドラゴン』戦に雷の魔剣を使っている。
- デュアル・ローラン
不壊属性(デュランダル)の双剣。椿がシリーズとして作成している《ローレン》の一つ。値段は1億800万ヴァリス。
『巨蟲(ヴィルガ)』の腐食液対策として、椿に作成を依頼した装備。攻撃力が低いとされる不壊属性でありながら、第二等級武装並みの威力を誇る。
前世
本編から数千年前の物語『アルゴノゥト』ではベートとよく似た容姿と声を持つ狼人ユーリが登場しているが、恐らくベートの前世と思われる。
余談
- 元ネタ
おそらくジェヴォーダンの獣( La bête du Gévaudan:仏)の獣を意味する愛称のベートと、狼の牙で狼牙(ろうが)だと思われる。
新旧二つ名の元ネタは、共に北欧神話に登場する狼の姿をした巨大な怪物。フェンリル(Fenrir)と別名のヴァナルガンド(Vanargand)である。
また、魔法は名前と詠唱文から、そのまま同じ北欧神話の月を追い回す狼ハティだろうと思われる。
関連タグ
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ソード・オラトリア
- アクセラレータ…中の人が同じであり、キャラ的にも口が悪い、狂暴、全体的に白、ツンデレなど、とにかく共通点が多い人。アニメ版は制作会社が同じということもあってか顔つきもかなりそっくりで、外伝原作『ソード・オラトリア』の担当絵師もあちらの作品と同じ方なので、これまたそっくりである。
- ガーフィール・ティンゼル…こちらも中の人が同じで、かつ獣人繋がりでもある(こちらは狼ではなく虎だが)。口は悪いが根は善良なところも似ているが、さすがにベートほどひねくれてはいない。
- サンジ…蹴り技を主体とし、奥の手として炎を纏うなど戦闘スタイルが酷似している。また、女性にはモテるのだが、作中では女性絡みで良い思い出がないところも似ている。