ひみつ道具としての解説
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ、及び同作品のエピソードの一つ。TCカラー作品集1巻収録。
このロープの両端を繋いで輪にして地面に置き、ボタンを押すと輪の中から水が湧き出す。赤色のボタンを押して湧き出た赤い水をコップ1杯分飲めば1年歳を取り、青色のボタンを押して湧き出た青い水をコップ1杯分飲めば1年若返る。
エピソードとしての解説
ドラえもんとのび太が部屋でくつろいでいると、ママがやってきて「子供のくせに昼間からゴロゴロして!」と怒り出し、そのまま部屋の片づけと勉強とおつかいを言いつけてきた。
のび太が「そんなにいっぺんにできないよ!」と反論すると、ママは「口答えは許しません!子供のくせに!」と怒鳴ってのび太の言い分を全く聞かず、ドラえもんたちは仕方なく文句を言いながら部屋の片づけをし始める。
「どうして大人はあんなに威張るのかな。早く大人になりたいな」と不満を言うのび太に対して、ドラえもんはポケットから「としの泉ロープ」を取り出す。ロープから湧き出た赤い水を飲んでのび太は大人になり、パパの服を借りて遊びに行くことにする。その途中でママに会うも、彼女は目の前の青年がのび太であることに気づかず、そのまま彼を見送る。
大人の姿で町を歩くのび太は先生に「子供たちにあまり、宿題を出してはいけませんよ」と告げたり、タバコ屋の店長に自分が大人であることを確認してもらうなど、大人としての生活を満喫する。
その後、スネ夫から携帯ゲーム機を取り上げようしていたジャイアンを叱りゲーム機を取り返すが、「おじさんに貸しなさい」と自分がそのゲームをやり始めてしまうのび太。そこにしずかが現れ、のび太はしずかにもロープの赤い水を飲ませる。するとしずかも大人の姿になったが、結果服がつんつるてんになってしまい「みっともないから嫌!」と恥ずかしがったため、のび太は青い水を渡して元に戻すことにする。
しずかと別れた後、ドラえもんがのび太と合流し、勉強が終わっていないのに外出したことでママが怒っていることを伝える。元の姿に戻ったのび太は「ママが怒っている」と怖がるも、ドラえもんは彼を連れて家へ戻る。
すると、ママは小じわや白髪が増えたことで気が滅入っていた。そこでドラえもんはママに青い水を飲ませると、少し若返って小じわと白髪が消えていき、ドラえもんは「ご機嫌が直ったからもう大丈夫」と言いながらのび太を安心させるのだった。
余談
上記のエピソードは大山のぶ代版アニメで映像化されている。基本的には原作版通りの展開だが、以下は原作版と大きく異なる部分を記述する。
サブタイトルが「としのいずみロープ」に変更されている。それだけでなく、のび太がサッカーの試合に参加させてもらえない場面から始まり、その後は原作版の序盤と繋がる展開になっている。
のび太がしずかと別れた後、空き地でサッカーをしている子供たちを見かけ、飛んできたボールを蹴り返すが誤って神成さんの家へ向けてしまい、窓ガラスを割ってしまう展開が追加されている。
その後、ドラえもんがママに青い水を飲ませて機嫌を直すのは原作版と同様だが、彼女がドラえもんに「青い水をバケツに入れてほしい」と頼むオチが追加されている。