「ようこそ、我がベルベットルームへ…」
概要
ペルソナシリーズの殆どに登場するキャラクターであり、バックボーンで重要な位置を占める存在。物語開始時においては大抵の場合「ごく普通の一般人」である主人公が力を身につけ、強敵に挑んでいくための手助けをしてくれる。作品によってはストーリーテラー的役割さえ担うこともある。
血走った目に長い鼻を持つひょろっとした姿の老人。その特徴的な鼻はアンソロジーやスピンオフの主人公どころか、従者にも単に『鼻』と呼ばれてしまうほど、公式でネタにされている。
本来は意識と無意識の狭間の主たるフィレモンにより生み出された被造物であり、主の命に従ってペルソナ使いをサポートしていたに過ぎなかったが(女神異聞録ペルソナ、ペルソナ2)、長きに渡って数多のペルソナ使い達と関わり続けていく内に『自己』に目覚め、人間の心の可能性に興味を持ち、主の元を離れ自主的にベルベットルームの主として生きて行く事を望み今に至る(ペルソナ3以降)。
ペルソナ〜トリニティ・ソウル〜では珍しくベルベットルームから出ている姿が描かれている。
システム上でもペルソナ合体をはじめとする様々なパワーアップの手伝いをしてくれる不可欠の存在……だったのだが、とある理由により後の世代になるほど出番が減り、外伝作品では彼不在の状況の中で力を司る者たちがベルベットルームを代行することも増えた。
(尤も、外伝作品ではペルソナの作成法やベルベットルームの機能自体が作品ジャンルに合わせて変わってしまっており、「イゴールが居ない」という状況がそういったベルベットルームの変化の理由付けとして機能している部分もある)
各作品の主人公はベルベットルームに招かれた「客人」であるので、客人を迎えるに相応しい礼儀正しい態度で対応を取る。
ただし、ペルソナ5の主人公に関してのみは例外。「囚人」である彼を「更生」させるという名目で、少々厳しい口調で対応している。
人の魂のありよう、命の答えを知る事により自分の出すべき答えを探している。
登場作品
- 女神異聞録ペルソナ(1996)
- ペルソナ2罪(1999)
- ペルソナ2罰(2000)
- ペルソナ2 罪と罰~果てしなき青春~(2000)
- ペルソナ罪と罰(2000)
- ペルソナ3(2006)/ペルソナ3ポータブル(2009)/ペルソナ3リロード(2024)
- 女神異聞録ペルソナ 異空の塔編(2006)
- ペルソナ~トリニティ・ソウル~(2008)
- ペルソナアインソフ(2008)
- ペルソナ4(2008)/ペルソナ4 ザ・ゴールデン(2012)
- ペルソナ5(2016)/ペルソナ5 ザ・ロイヤル(2019)
- 大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL(2018)
- Persona5:ThePhantomX(2024)
担当声優
- 青野武(ペルソナ2ドラマCD)
- 田の中勇(ペルソナ3・ペルソナ4)※各作のアニメ版及び『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』から『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』までの作品ではライブラリ出演。
- 島田敏(ペルソナ3リロード)
- 津嘉山正種(ペルソナ5)
- 大塚芳忠(Persona5:ThePhantomX)
関連イラスト
関連タグ
力を司る者 エリザベス マーガレット テオドア カロリーヌ/ジュスティーヌ
!!!警告!!!これより先は『ペルソナ5』及び『ペルソナ5ザ・ロイヤル』の物語全体に関する重大なネタバレが書かれています。
『ペルソナ5』のイゴールが過去作のイゴールと毛色が違うのは、このイゴールは「メメントスのオタカラたる聖杯」が化けた偽物であるため。
終盤、偽物が正体を明かした後に封印が解除されて目覚めたイゴールこそ本物のイゴール(CV:田の中勇、ライブラリ出演)である。
本編が始まる前に偽物はベルベットルームを襲撃し、本物を封印してラヴェンツァを双子の看守に仕立て上げて従属させていたのだった。
封印される直前、本物のイゴールが「希望」を集めて創ったのが怪盗団を諸悪の根源へ導く使命を帯びていた「トリックスターを導く者」だった。
復活後
偽物が悪神としての正体を明かしベルベットルームを去ったことで、本物のイゴールが主としての権能を取り戻した。
これ以降、主人公は『囚人』では無く、晴れてベルベットルームの『客人』として迎え入れられることになる。
また、『ペルソナ5ザ・ロイヤル』では3学期でも主人公を手助けする。
『イセカイナビ』も新たに作り直したようで、偽物のイゴールが作ったものは赤色に対して白色になっている。
とはいえ、ライブラリ出演で間に合わせるのには限界があったようで『ペルソナ5』の関連作でイゴール本人が登場するのは『ペルソナ5』と『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』のみとなり、続編の『ペルソナ5スクランブル』をはじめとするスピンオフ作品ではむしろ異変に巻き込まれてイゴール本人が居なくなる(双子の看守、もしくはラヴェンツァだけが残され主人公のサポート役を担う)のが日常茶飯事と化してしまった。
伏線
今作のイゴールが偽物である伏線は随所にあり、主なものは以下の通り。
- 過去作のコミカルな老紳士の声質とは打って変わり、ハードボイルドな渋男の声質となっている(発売当時は逝去された田の中氏の後任が決まっていなかったため、声優交代のためだと思い込むファンも多くミスリードとして機能していた)。
- 部屋の説明をする際「我がベルベットルーム」ではなく「わたくしのベルベットルーム」。
- 「愚者」のコープを担当する。
- ペルソナ合体を従者が行なっている(他作品などでイゴール不在の場合を除き、質が落ちるという理由で従者は行わない)。
- ベルベットルームにはじめて来た時にいつも渡していた『契約書の鍵』がない。
- 過去作では『机に両肘を立てて寄りかかり、両手を口元に持ってくる姿勢』なのに対し、今作では『左手で頬杖をつき、右手の五本指で机を叩いている』。
- 復活後の本物のイゴールは過去作通りの姿で座っている。なお、『ペルソナ5』単独特番内で放送されたTVアニメでも過去作通りである。
思い返せば、おかしいところはあったのだ。
「双子の看守」のコープを進めると分かるが、カロリーヌとジュスティーヌはイゴールを主としつつも本能的に心を許していない素振りを見せていた。
ところが『Persona5:ThePhantomX』のイゴールはパラレルワールド出身であるため本人じゃないことは間違いない。
前述の通り、発売当時には田の中勇氏逝去に伴う声優交替の可能性は十分にあり(しかもペルソナ4のアニメ版の大ヒットにより、田の中勇氏が存命でないことも多くのファンが知っていた)、現在よりミスリードが巧妙になっていた。
ただし『5』の予約特典には「イゴールからの手紙」というものがあり、その文面は本物のイゴールが書いた丁寧な口調による文章となっている(宛名も「お客人へ」となっている)。
この手紙も今思えば伏線であり、事前に読んでいたプレイヤーならばミスリードに騙されず本編の口調が違っていると違和感を持てたかもしれない。
手紙には「物語の中で会える時を楽しみにお待ちしております」と書かれていたが、実際は終盤からであった。
『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』ではACEランクのスピリッツとして登場。効果は「たまに切り札もう一回」。憑依ファイターはルフレだが、彼は他にも闇落ち司祭やイカサマたまごなどの憑依ファイターでもある事を思うと納得かもしれない?