手負いの獣は恐ろしいものだが、手負いの猟師はそれ以上に恐ろしいのだということを、その獲物に教えてやらんとなあ
プロフィール
真名 | ウィリアム・テル |
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クラス | アーチャー |
性別 | 男性 |
身長 | 175cm |
体重 | 69kg |
出典 | 『ウィリアム・テル』 |
地域 | スイス |
属性 | 秩序・善・人 |
特技 | 狩猟 |
好きなもの | 当たり前の日々 |
嫌いなもの | 無駄に偉そうなヤツ |
設定担当 | 水瀬葉月 |
ILLUST | 高橋慶太郎 |
CV | 藤井隼 |
概要
『Fate/Grand Order』に登場するアーチャークラスのサーヴァント。レアリティは☆3。
第2部4章『創世滅亡輪廻 ユガ・クシェートラ』と同時に実装された。2019年6月29日以降恒常のストーリー召喚とフレンドポイント召喚の両方に追加される。
数ある欧州出身のサーヴァント達の中でも初のスイス出身である。
ストーリーでは主人公の敵側である異聞帯の王配下の「神将(ローカパーラ)」として召喚されていた。この際に風神ヴァーユの神性を貸し与えられており、能力が大幅に強化されている。
神々に連なる存在たちである「神将」の中で唯一の人間の英雄。汎人類史の英霊であるが、「サーヴァントとして召喚された以上、契約は守らなければならない」という信念から召喚主には忠実に従っていると発言しており、事実本人もそう信じこんでいたのだが……?
真名
スイスの建国伝説や、それを題材とした戯曲に登場する猟師、「ウィリアム・テル」。
広場に掛けられていた悪代官ゲスラーの帽子に礼を示さなかった事で怒りを買い、息子の頭の上に置いたリンゴを射ることを強要されるも、見事にリンゴを射抜いた逸話はあまりにも有名。
息子を救った後、隠し持っていた二本目の矢を咎められ、「もしも失敗したなら即座にお前を射抜いて殺してやるつもりだった」というテルの返答に激怒したゲスラーにひっ捕らえられるが、逃れて彼を暗殺する事に成功。彼の活躍によりスイス独立運動の機運が高まり、のちの建国に繋がったという。実在性こそ確認できないものの、スイスの国民が実在を信じて疑わない程の英雄と称されるまでになった。
弓の名手とされることもあるが、正確にはクロスボウの名手である。
人物
一人称は「わし」。
家族を大切に思っており、当たり前の日常こそ尊いものだと信じている壮年の男性。彼を英雄たらしめているのは「圧政者に立ち向かった勇気」というよりも、「1人の父親としての等身大の正義」であり、彼が代官を討った理由も政治的な危機感ではなく、家族の幸せという個人的な物。
軽薄な面や温かい面を持つなど、正に「父親はヒーロー」という言葉に相応しい人物で、マスターには山の獣と自分の矢だけが止められる悪党のみを射させるよう求めてくる。
かつて迫られた理不尽な試練に対し、息子の頭の上のリンゴを撃つにしても、自分たちを苦しめた圧政者の心臓を狙った時にしても、とても良い気持ちがしなかったと語っている。その時のトラウマからか、頭の上にリンゴを置いている少年を見ると動悸が止まらなくなってしまうとの事。
現代の軍人や傭兵のような恰好をしているが、曰く「使える装備は何だって使う」という性分らしく、彼の時代になかった武器や装備も積極的に取り入れている。
タバコもサーヴァントとなった最近始めたものらしい。生前は狩りの際獲物に気づかれてしまうため吸っておらず、今もタバコの煙や匂いが邪魔にならないよう気を使っているとのこと。
能力
周囲に浮いた赤い矢をクロスボウに装填して敵に撃ち出す戦法が得意。
魔力によって形成された矢らしく、マシンガンのごとく連射や乱射も可能。
伝説通りの腕前であり、直立不動の状態のみならず空中から撃っても外れない程の命中率を誇る。
モーション中では、クロスボウから魔力の矢を放って攻撃し、更にクロスボウで直接殴りつけたり、ギリースーツ様のコートを使って気配を隠し、死角から狙撃する戦法も取る。
ステータス
保有スキル
対魔力(D) | アーチャーのクラススキル。魔術に対する抵抗力。一工程(シングルアクション)による魔術を無効化する。あくまで魔力避けのアミュレット程度の耐性。 |
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単独行動(A) | アーチャーのクラススキル。マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。生前から狩人であった為、山の中、そして自ら動かずに獲物をじっと待っているような状態であれば、より自立の効果は上昇していく。 |
ウーリの狩人(B) | 現スイス中部のウーリ州、そこで自然と共に暮らしていた彼が身につけた狩りの技術。音に聞こえた名狩人であった彼の根幹にあるもの。弩の扱いは勿論の事、視力の良さ、視覚での標的捕捉能力、罠の作成など、狩りに関わる数多の能力や技術を総合的に含んでいるスキル。ウーリの山においてはEXランク相当。知らない山でも時間をかけて慣れていく事でランクは実質的に向上する。 |
不動の忍耐(C) | 暑いときも寒いときもじっと動かずに獲物を待つような、巨岩の如き忍耐力を示したスキル。第一スキル「ウーリの狩人」に内包されている部分もありながらこのスキルが独立しているのは、派手な暮らしをせず、無骨に自然と付き合い家族を養ってきた彼という生き方の根幹にこの忍耐力があり、そして伝説においてこれを狩り以外にも用いたからである。息子の頭の上に乗せられた林檎を撃ち抜いた出来事の後、彼はじっと山中に潜み、隘路を通る悪代官ゲスラーを射殺する為に彼を待ち続けた。今までの事と、これからの事。すべき事、しなくてはならない事。これらを考えながら、じっと、じっと待ち続けた。 |
機へ至る忍耐(B) | 「不動の忍耐(C)」が変化したスキル。詳細不明。 |
エイミング(EX) | 飛び道具の狙いをつける能力を示すスキル。息子の頭の上に置かれた林檎すら射貫ける。呼吸や鼓動すらも完全制御下に置く高い集中力に加え、それらを意識せずに外界環境と完全に同化させる事により、「当てる」のではなく「自然と当たる」結果を手に入れる。これは東洋における弓道の精神性にも通じるものだという。宝具「放たれし信力の一矢」にも関係していると思われる。 |
宝具
放たれし信力の一矢(アプフェル・シーセン)
- ランク:C
- 種別:対人宝具
- レンジ:1~50
- 最大捕捉:1人
「わしは外さんよ……」
「外しちまったら?ああ、その時もまた……腕の見せどころだ!『放たれし信力の一矢(アプフェル・シーセン)』!!」
読みは「林檎撃ち」を意味する。
息子の頭の上に載せた林檎を見事貫いた、弩での伝説的な一矢に由来する。その名の通り、息子の父親に対する信頼を受けて放たれたこの一矢は決して外れず、目的のものを「必ず」刺し貫く。
宝具へと昇華されたこの逸話は因果律にも干渉し、基本的に回避は不可能という、かの「刺し穿つ死棘の槍」とよく似た性質を有している。
そして仮に、この宝具が外れてしまった場合、後述の宝具が発動する。
演出としては赤く巨大な矢を放って敵を射抜き、命中の瞬間射抜かれたリンゴが浮かび上がる。
放たれじ次善の二矢(ツヴァイテ・シーセン)
- ランク:C+
- 種別:対人宝具
- レンジ:1~50
- 最大捕捉:1人
「絶対に外せない矢ならわしは当てるとも。だがね……外した場合の事も、勿論考える。その第二の矢こそがわしの真の宝具だ。」
基本的に外れない「放たれし信力の一矢」が外れた際に使用される宝具。
万が一息子を殺めてしまった場合、報復に即代官を撃ち殺すための二本目の矢を、予め用意しておいたという逸話が由来になっている。
この矢は「一の矢を外した場合に次に撃つべきもの」に同時に放たれる。つまり一矢に概念的に重なって多重存在している宝具である。一矢がちゃんと当たった場合には決して発動しない。
「息子の頭の上の林檎(第一狙い)を外したら、その命令を出す代官(第二狙い)を撃たねば」というように、状況に応じてどこに飛ばすかを決めて放つ宝具。
第一狙いと同じ対象を選択することも可能であり、同様に因果律にもより強い干渉をし、対象を必ず射貫く。ただし魔力消費が激しいため乱発は難しいという弱点があり、「刺し穿つ死棘の槍」との違いはその燃費の悪さとも言える。
そもそも「絶対に当たる第一の矢」が外れるという状況がそうそうないのでこの宝具が御目に掛かる機会は少ないのだが、第2部4章のストーリー上では重要な役割を果たした。
ちなみに過去作でもかの赤槍が直感Aのサーヴァントによって躱された事があるので、必中の宝具といえど、何があろうと外れないとは言いがたいだろう。
ゲーム上での性能
最大HP | 9310 |
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最大ATK | 7384 |
コマンドカード | Arts:2/Quick:1/Buster:2 |
宝具カード | Arts |
スキル1 | ウーリの狩人(B) / 敵単体に確率でスキル封印状態を付与(1ターン)&スターを大量獲得 |
スキル2 | 不動の忍耐(C) / 自身のArtsカード性能をアップ&自身に弱体無効状態を付与(各3ターン) |
スキル2(強化後) | 機へ至る忍耐(B) / ↑&敵全体の回避状態(解除不能な状態は除く)の対象に〔マーキング〕状態を付与(3ターン)&敵全体の〔マーキング〕状態でない対象に回避トラップ状態を付与(1回・5ターン) |
スキル3 | エイミング(EX) / 自身にスター集中状態を付与&自身のクリティカル威力アップ(1ターン) |
宝具 | 自身に必中状態を付与(1ターン)+敵単体に超強力な〔回避状態(解除不能な状態は除く)〕特攻攻撃<オーバーチャージで特攻威力アップ> |
「魔境」「レア度詐欺」と呼ばれるほど強キャラが揃う☆3アーチャー界でも屈指の曲者。というのも、特攻の対象が回避状態である事なので、完全に相手の行動に依存するため、扱いにくい。
強化クエストによりランクアップした「機へ至る忍耐(B)」はこの問題を軽減するもので、このスキルで付与された〔マーキング〕状態が付与された相手も同様に特攻の対象となる。また、回避トラップ状態は「ターン終了時に回避状態(解除不能な状態は除く)の時に〔マーキング〕状態を付与する(3ターン)」というもので、これらによって相手が特攻の対象となる期間を延長させられる。
もっとも、相手の行動に左右されるという根本的な問題は解決していないため、回避を連発する敵に狙いを定めて使いたい。
関連人物
生前
ヘルマン・ゲスラー
生前射殺した、オーストリア人の代官。
現在でも嫌いなものに真っ先に彼のことを挙げている。
Fate/Grand Order
契約したマスター。
父親のような態度で接しており、彼/彼女からもかなり懐かれている。
第2部4章で敵対した際は 「あなたが子供を撃ってはいけない!」 と声を荒げたり、幕間の物語でリンゴを譲られた際に大喜びするなど、彼/彼女がマスターになる以前から憧れを抱いていた節が有る。
よく同一視・混同される英雄で、ステータスやスキルなども似通っている。
その為かどこか親近感を感じ、狩人としての能力を高く評価している。
一方で、せっかく獲った獲物をダメにしてしまう毒だけはいただけないとの事。
同じくリンゴに関する逸話のあるギリシャ神話の狩人。
子供を大切に思っている人物という意味でも共通している。
こちらは伝承上では一男の母親として伝わっているが、型月世界では子供がいないとの事。
アルテミスの方に関しては狩りの女神という事もあって縁起の良い存在だと思っている一方、オリオン本人に対しては姿が姿なので危うく狩猟対象にされかかった。
雰囲気も背格好も違うものの、彼らを見ていると自分の息子を思い出すとの事。ラーマはともかく、他がイロモノ揃いすぎて、彼の息子がどんな人物だったのか窺い知ることは難しい。少なくとも、台詞から察するに彼らと似ていない事は事実のようである。
同じく対象に必ず命中する一射に関する逸話を持った英雄。戯曲になるほどの存在だが、残念ながらテルと違って彼は英霊ではなく幻霊。その力はある英霊の力の一端となる。
自身の幕間で共演した。
喫煙ルーム仲間で父親トークも弾むらしく、彼の息子は中々エキセントリックという感想を漏らしている。因みにその息子はテルと同じく眼帯をしている。
自身の幕間で共演した。
喫煙ルーム仲間。ゴチャゴチャした弓はゴールデンという感想をもらっている。
インド異聞帯にて与えられていた神性であるヴァーユの息子。
余談
実装以前に開催された『Apocrypha/Inheritance of Glory』でアタランテがアキレウスにケイローンが出来る事を質問した際にテルの逸話が持ち出されている。それ以前にも『ちびちゅき!』でロビンフッドとテルを混同するネタが出るなど、以前から意外と話題に出ることのあった英霊だった。
演じた藤井氏は『FGO』のアニメに旧カルデア職員・ダストンの役で出演している。