概要
ナランチャ・ギルガ(シルバー・チャリオッツ・レクイエムの効果で身体がジョルノ・ジョバァーナと入れ替わっている)のセリフ。
ディアボロを倒す最後の手段・スタンドの矢を手に入れるためにチャリオッツを探す護衛チーム。そんな中チャリオッツに接近して走ってきたのは何とディアボロ。
だがそこから出てきたスタンドは矢を持ったチャリオッツの腕を手刀で斬るスティッキィ・フィンガーズだった。そう、ディアボロと入れ替わった人物はブローノ・ブチャラティであり、人間の感覚を一時的に取り戻していた。
ブチャラティは自分の近くにいた人間から逆算し、横たわっているブチャラティの肉体こそ中身がディアボロだと推測。そのディアボロは眠ったまま動かない。
ナランチャは自分たちの勝利を確信する。
ナランチャ「やったぞ…ブチャラティは無事だ…そしてすぐに「矢」を追っていた…!!ボスより先に!!………これで……これで終わるぜ!!」
ナランチャ「オ…オレ…故郷に帰ったら学校行くよ…頭悪いって他のヤツにバカにされるのもけっこう いいかもな…アツアツのピッツァも食いてえ!ナラの木の薪で焼いた故郷の本物のマルガリータだ!ボルチーニ茸ものっけてもらおう!」
しかしチャリオッツは完全暴走状態に入り、ブチャラティやミスタの攻撃を防御し矢を奪うのを阻止、そのままコロッセオとは別方向へと逃げて行ってしまい、さらにその隙にディアボロが目覚めてしまう。
チャリオッツの偵察をナランチャのエアロスミスに任せ、ミスタはディアボロを狙撃するが、トリッシュが落とした弾丸で「時が消し飛んでいる」事を悟る。
狙撃を受けたディアボロの肉体は動いていないのにキング・クリムゾンが作動している事に動揺するメンバー達。
慌ててブチャラティはナランチャの方を向くと、そこにナランチャの姿はなく、あったのは血だらけになったテントウムシのブローチ。
さらに上を見上げるとそこにいたのは鉄格子に串刺しにされたナランチャの姿だった。
ミスタ「ナランチャーッ」
ナランチャはブチャラティによって降ろされ、ジョルノもすぐに治療を行ったが間に合わなかった。すでにナランチャの魂は向こうの世界に飛び立ってしまい、体は「空洞」になってしまっていたのだ。
あまりに突然のナランチャの死にひどく悲しむ他のメンバー達。ポルナレフはこの事からチャリオッツの能力でディアボロともう一つの人格が分裂しそれぞれ別個の肉体に宿り、もう一つの人格のほうがブチャラティの肉体に、本体のディアボロはそれとはまた別の肉体に宿りナランチャを襲った事を確信するのだった。
だが、悲しむ余裕はない・・・去っていった者達のためにできるのは、その人のために祈るのではなく、その人のために未来(まえ)へと進まねばならない。
ジョルノ「君は……ここに…おいて行く……もう誰も君を……これ以上傷つけたりはしないように…………決して……だが君を必ず故郷に連れて帰る」
ジョルノは去り際、せめてもの弔いにナランチャの周りに草花を宿し、ディアボロ討伐と矢の捕獲に仲間達と向かっていった…
アニメ版では
35話でこのシーンもついに映像化されたが、原作からは色々と変更されている。
まず「故郷に帰ったら~」のシーンを言うタイミングが変更され、原作では走ってきたディアボロの中身がブチャラティだと知ってすぐだったのに対し、アニメではミスタがディアボロが憑依していると思っていたブチャラティの肉体を撃ち抜いた直後に遅められ、『俺・・・・故郷に帰ったら学校に行くよ!』という台詞は『俺・・・・ネアポリスに帰ったら学校に行くよ!』と変更された。
※恐らく、故郷のままだと『ナランチャ自身が生まれ育った場所』に捉える事も出来てしまい、その故郷にいる『仲が悪い父親の所へ帰る』表現にもなってしまう為に、ネアポリスへと変更されたと思われる(後述の変更の影響もある)。
そして原作では「頭悪いって他のヤツにバカにされるのもけっこう いいかもな…」とクラスメートから馬鹿にされることだったセリフから「そんで…もしフーゴのやつに会えたら頭悪いってまたバカにされるのも・・・けっこういいかもな!」と友に馬鹿にされることに変更され、新たに「・・・アバッキオはいなくなっちまったけど」とプラスされた。
その後覚悟を決め、トリッシュに対し「トリッシュー!あんたは最後まで護り抜くぜー!俺たちが!」と告げるアニオリの台詞が追加されナランチャの義理深い性格がよく表現された改変がなされた。
救出時もスティッキィ・フィンガーズの能力で鉄柵にジッパーを付けて切り離す演出が追加され、鉄柵の残骸を引き抜きジョルノが治療を施した後、 「『貫かれた傷は、僕のゴールド・エクスペリエンスが治した。だが・・・ナランチャは、もう・・・』」 とナランチャとジョルノの声が同時に発声する演出が組み込まれた。
組織を裏切ったブチャラティ達に置いてかれたっきり出てこないフーゴも、アニメ版では声なしではあるが登場している。ネアポリスの何処かの路地を彷徨っていた途中、自分の頭上を小型飛行機が飛んでいったのを見て何かを察するような素振りを見せた。
そして置いて行った仲間を迎えに行くように、エアロスミスに似た影と共にアバッキオが命を落としたサルディニア島まで羽ばたき、雲海を抜けて行き、まるで全てから解放されたナランチャの魂のように広々と大空へと飛び立っていった。
・・・Volare via -ボラーレ・ヴィーア-(飛んで行きな)
境遇が似ているためかジョルノが死亡時に唯一涙を流したキャラであるが、ミスタとトリッシュも号泣し雄たけびを上げるシーンが新たに追加されている。
そして、35話のエンドロールでは ナランチャと山下大輝氏の名前が一番上に配置された。
原作においてはこのシーンはどちらかと言えば「ナランチャの死による悲しみ」よりも「どこからかいきなり攻撃を受けたことによる驚愕と恐怖」という雰囲気が強調されていた感があったのだが、アニメ版においては追加シーンとアニメオリジナル演出によって原作以上にナランチャの死が重く受け止められている雰囲気となっていた。
また、離反後は外伝小説を除いて誰一人として気に掛けることがなかったフーゴの存在に明確に触れたことで、少なくともナランチャは自分達と道を違えたフーゴのことを責めても恨んでもいないことが判明した。そこは一つの救いだったのかもしれない。
小話
小説作品『恥知らずのパープルヘイズ』では、ディアボロとの決戦時に「故郷へ連れて帰る」とジョルノが誓ったとおり、決戦後はジョルノによってネアポリスの教会へ多額の寄付とともにナランチャの葬儀が行われたことが語られている。
ファンの間では
ナランチャの新たな目標として『学校に通う』というものは、息子に無関心な父と向き合うという決意とブチャラティとの約束を果たし彼を安心させるためという意味が込められているという推測されている。
ネタとして
あまりにも唐突かつ脈絡のないタイミングで切り出し、テンプレ通りなまでにフラグ回収したため、一部の間では「奴への恨みならツェペリさんとは共に苦行を乗り越えた20年来の親友である自分が先にはらす権利がある」「来週ですねドイツへ帰ったら結婚するんスボクたちー」と合わせてジョジョ三大死亡フラグとも呼ばれる(ただし前者は人によってはアヴドゥルや花京院だったりする事も)。
同時に彼を象徴するこのセリフ自体が盛大なネタバレとなってしまっているため、第5部を読んでいない人にもナランチャ=フラグ回収して呆気なく死ぬキャラというのがほぼ代名詞的に知れ渡ってしまっている。さよナランチャ
アニメにおいてもセリフを差し替えられたことでネットで肥大化させられた通りセリフ直後のフラグ回収になってしまったのも事実であり(セリフから死亡までおよそ3分)、アニメ版に限りマルクより早くフラグ回収したのが現実のものとなってしまった。
そして最期のセリフも上記のアニオリで追加されたトリッシュに対するセリフとなってしまった。
しかし本当にポッと出てすぐ退場した上記二人と違い、ナランチャは物語序盤から登場し主人公のジョルノと最終決戦の場であるローマまで生き残り行動を共にしている。一応これでも劇中で肉体的に生きていた期間はブチャラティやアバッキオよりも上だったりする。
ひどい場合だとあたかもマルクと同じくらいのスピードでフラグ回収したと誤解される事も多いが、タイトルのセリフから死亡が確定するまで30ページ近くあるため、さすがに「マルクと同じ」は言い過ぎである。
また、上記のような誤解が出回っているためこのセリフがナランチャの最期の言葉だと勘違いされがちであるが、これも誤りである。実際はミスタがディアボロと思い込んでいたブチャラティの肉体の狙撃に成功した際の「やった!………」。
一部ではネタとして扱われやすいこのセリフだが、ナランチャの生い立ちや組織を裏切ったブチャラティたちに同行していった理由(自分と似た境遇のトリッシュを救うため)から普通に涙腺崩壊したという読者も多い。
ちなみにジョルノもノトーリアス・B・I・G戦にて「そういや、ぼくもピッツァが食べたいな…故郷ネアポリスに帰って…シンプルなマルガリータ(アニメではマルゲリータ)を…」と似たような発言をしている。
なお、二次創作―パッショーネ24時―では「オレ…これが終わって故郷に帰ったら買い物行こうと思ってたんだ…(以下省略)」に差し替えられている。
この後の語り手ポジションと化したブチャラティとの会話は必見。
関連タグ
さよナランチャ この戦争が終わったら/故郷に帰ったら〇〇するんだ