曖昧さ回避
概要
CV:木下浩之
漫画『キングダム』の登場人物。アニメでは第3シリーズから登場。
燕の大将軍。北の五十の山岳族の王。血筋自体は平地の民のそれだが、生まれと育ちが山岳地という経歴なため、山岳族も感嘆する程の「山読み」という技術を持つ(このため名前の由来も上記のオルドから来ていると思われる)。
汗明ほどではないが大男であり、闊達で少々子供っぽい性格ながら、劇辛が倒されたのは合従軍を起こすための生贄だったのではと勘ぐっており、呉鳳明には見た目に反して鋭いと評されている。
彼の軍は楊端和のように山岳族で構成されている模様。
李牧と龐煖が王騎や劇辛を倒し、李牧が秦国を滅亡させるための合従軍を企て、彼が燕王を説得したことで、燕国並びに総大将として彼が合従軍に加わる運びとなった。
また、合従軍から数年後、秦軍の鄴侵攻の直前に隙を突いて趙東部に侵攻し猛威を振るう活躍を見せた。
活躍
結論を言えば、かませ犬である。
彼の最初の登場が合従軍編の総大将であるため、大抵の場合は秦国を窮地に陥れる強大な大将軍の一人と考える所だが、実情は全く真逆で合従軍(正確に言えば函谷関の攻防戦)における戦犯と言っても差し支えないほどの大失態を冒している。
合従軍初日から十四日目までは王翦軍が立て篭もる山岳要塞を攻略していた。
十五日目までは王翦軍の戦況についての言及がない(単にオルドが媧燐の作戦に準じ、将軍を前線に出さずに王翦軍の弱体化を図っていた)ことから、一進一退の攻防を繰り返していたものと考えられる。
戦況が大きく動いたのは十五日目。
オルドの主攻隊が山岳要塞の不意を突く形で急襲に成功し、王翦軍は退却を選択した。
このためオルドは山岳要塞を丸々手に入れたことになり、余裕をもって函谷関を落とすことができるようになったのだ。
函谷関に向かうための最後の広大な断崖絶壁を、八千の主攻隊に登らせた。
だがその時、王翦軍が開戦当初から伏せていた弓隊の一斉掃射の罠にかかり、オルドは無事だったものの、主攻隊の八千を失う結果となってしまった。
それから王翦軍は姿を消したが、オルドは山で敵を見失う恐ろしさを理解していることから、軍を後退させ王翦の山岳要塞に立て籠もり、伏兵を含めた王翦軍の捜索を続けることになった。
しかし、そんな兵は最初から居なかった。
王翦軍はオルドが膠着している間、函谷関の裏に向かっており、ギリギリのタイミングながらも媧燐軍の五千を止めることに成功し、函谷関陥落を阻止。
この結果、汗明や成恢の討死、媧燐軍の失敗により、函谷関を落とすことが極めて困難となった(その後媧燐がオルドに対して詰問した)のだ。
オルドの敗因は主攻隊の喪失とそれによる誤った慎重な判断。
李牧から事前に「(王翦は)勝てぬ戦はしない性分」と聞いており、山岳要塞を急襲し即座に退却したことで高をくくっていた。
しかし直後に八千の主攻隊を自分の判断ミス一つで失った上、王翦軍に拘ったあまり函谷関の陥落よりも王翦軍の捜索を優先させたのが誤りであり、心理戦で王翦に負けていたのだ。
結果論ではあるが、王翦軍を無視して燕軍が大挙して函谷関の裏を狙っていれば到達できたのである。
後に秦軍の鄴侵攻の隙をついて、手薄になった趙の東部を侵攻。
オルドが総大将であったものの、青歌に侵攻したことで司馬尚が動き出し対峙。
だが、同じタイミングで趙伯が燕の城に侵攻したことで引き返している。
この時司馬尚は五千の兵でオルド軍二万を止めていた(元々の作戦が趙伯の燕城侵攻に依拠しているものの、燕にとっては本営の戦略に大きく影響することから撤退する見込みがあったため)。
以上から作中では特にかませ犬として知られる人物である。
一応彼の名誉のために言っておくと、彼本人は決して弱くない。
五十の山岳族をまとめる王という設定自体は楊端和を見ても困難な道であることは想像に難くないし、燕国は劇辛や楽毅が居ないことで名のある武将自体が枯渇しており(余談だが、劇辛の敗戦により二十万の兵士も捕虜にされているが、この中には犬戒族も含まれており、後に趙国側として登場している)、それでも合従軍に総大将として排出できる大将軍という立ち位置は偉大なのだ。
また、八千の主攻隊や自身が弓の雨に晒される最中、王翦軍の将校の一人でオルドを捕えるために近づいた孟龍を瞬殺している。
そもそもメタ的なことを言ってしまえば、本作が史実を基に作られる以上史実に存在しない敵キャラクターはかませ犬にしかならない。
彼が戦った相手である王翦や司馬尚はともに、史実に名前のある人物な上、作中でも高い評価を得ている。
王翦は元六大将軍・胡傷に「軍略の才だけで六大将軍の席に割って入ることの出来る」人物、三大天・廉頗から「白起に匹敵」、秦国内では「王騎と同等」と評価されるほどの実力者で、司馬尚は李牧が三大天に推すほどの名将である。
また、鄴攻略が終了した時点の楊端和は、秦の山岳地帯の王であるとともに他国の犬戒族も加わり、五十の山岳族の王であっても楊端和に負ける可能性が出てきている。
史実では三者とも出番が十分にあるため、オルドの場合はむしろあっさり負けて死なない分、今後の活躍も期待できる……かも知れない。
オルドの明日はどっちだ。それはまだ誰も知らない。
関連タグ
ジョージ・クルーニー:『キングダム公式ガイドブック 覇道列紀』にて彼を元に描いていることが判明した。