概要
ソニックシリーズのスピンオフ作品としてメガドライブの追加オプション「スーパー32X」用のゲームソフトとして発売された。
「ソニック&ナックルズ」で本格デビューを果たしたナックルズが主人公であり、シリーズメインの主人公であるソニックはテイルスと共に真エンディングでの登場のみに留まっている。更に隠しコマンドを入力するとサウンドテストでエミーが登場するなど、メガドライブソニックの集大成とも言える。
但し、発売されて以降他機種への移植の機会がないため、本作を知っている者はそう多くなく、独自の操作性を採用していることもあってソニックシリーズ馴染みのハイスピードアクションを楽しめないという不満を漏らしているプレイヤーもチラホラいる。
ストーリー
「ソニック・ザ・ヘッジホッグ3」、「ソニック&ナックルズ」で起きた事件から数か月後、マスターエメラルド・ピラー(3と本作のみに登場する名称)の力によってとある島が海面に浮上した。そしてただの岩の塊だったその島は、ピラーの力によって急速に緑の楽園へと姿を変えていった。その事に気づいたナックルズはピラーの力を増幅させる何かがあると感じ、単身調査へと向かう。
しかし、島を目指しているのはナックルズだけではなかった。Dr.エッグマンはいち早く島に乗り込み、古代文字が彫られたリングや太古に使われていたスペシャルリングを発見し、この島が古代文明の一部である事を確信する。スペシャルリングによって行ける空間からはカオスエメラルドは消失していたが、ピラーのエネルギーが充満した結果「カオスリング」というエネルギー体が結晶化していた。エッグマンはエネルギーを自ら結晶化させることに成功し「ダークリング」と命名、島を「ニュートロジックハイゾーン」というリゾート地兼巨大要塞に改造し、着々と計画を進めてゆく。
ナックルズは島の調査に訪れていたチームカオティクスと共にエッグマンの野望を阻止するべく活動を開始した!
操作システム
主人公であるナックルズの他にチームカオティクス含める6人のキャラクター達から1人を選びパートナーと共にステージを進む(但し、ナックルズ以外のキャラに変更することは可能)。パートナー同士は、お互いが持つリングから出る光の帯でつながっており、その帯を引っ張った反動で障害をクリアする。
- Cボタンでキャラクターが回転ジャンプをする。このジャンプの性質は他のソニックシリーズと変わらないが、リングの帯につながれている間、キャラ一人一人のジャンプ力やダッシュ力は従来より低めとなっている。
- Bボタンを押すことでパートナーキャラをその場に固定する「ホールド」ができる。これを使って光の帯を引き伸ばすと、ホールドを解いたときに急加速が可能となる。
ホールドボタンをパートナーキャラと重なった状態で押すと、パートナーキャラを持ち上げることができる。この状態で方向キーを押しながらBボタンを離すと、パートナーキャラをその方向に向かって放り投げる。
- 二人プレイ時はホールドが不可能で、Bボタンはパートナーキャラを持ち上げて投げることしかできない。
- Aボタンを押すとリングを10消費してパートナーキャラをプレイヤーキャラの元に呼び寄せることができる。リングが1以上あれば使用できるが、0を下回ると回復し切るまでダメージに抵抗できなくなる。
- リングが0以下のときに敵からダメージを受けるとパートナーがいなくなり、一定時間たつまでパートナーは戻ってこない。パートナーがいないときにさらにダメージを受けるとミスとなり、ステージが中断されてエントランスに戻される。ただし、本作では残機の概念がなく、ゲームオーバーは無い。
これらの操作はソニックシリーズ馴染みのスピードを押し殺してしまう要因となってしまい、残念ながら本作以降「ソニックヒーローズ」までチームプレイは、採用されることはなかった(そのヒーローズもファンからは何故か不評でシリーズでチームプレイをする作品は「ソニック・ザ・ヘッジホッグ4EPISODE2」を除いて作られなくなった)。
登場キャラクター
操作キャラクター
本作のみ
- ヘビー
エッグマンが作ったメカの一つ。ロボットではあるが、パートナーキャラ専用としてナックルズ達と協力してステージを攻略できる。ダメージをほとんど受け付けない頑丈なボディを持つが、単独でステージを進むのは困難なほどに移動能力が低い。
- ボム
ヘビーと同様パートナーキャラ専用のロボット。ヘビーとは逆に機敏な動きが出来るが、ダメージを受けると一定時間赤くなり、その間にプレイヤーが触れると爆発してプレイヤーにも危害を加える。
敵キャラクター
厳密には「ソニックCD」で破壊されたメタルソニックの残骸からCPUを回収し、予備の機体に搭載されて復活したメタルソニック改。冒頭でエッグマンを回収して以降は終盤のステージでエントランスにある機械と合体して攻撃してくる他、ダークリングの力により赤い大型タイプとしても登場する。
その他
余談
- 前述通り、ナックルズの主役作品でありながら「スーパー32X」のソフトとしての発売以降、一切移植が行われていないため、本作をプレイする機会が中古で入手する以外なく、最新機種への移植を望んでいるファンが多く存在している。
- 「ソニックヒーローズ」での設定の一新で本作で登場したマイティー・ザ・アルマジロはメンバーから外されてしまったが「ソニックジェネレーションズ」で彼の捜索届が登場していたため、再登場自体は検討されていたと思われる(その後、「ソニックマニア」で念願の再登場を果たした)。
- 元々、同時期に発売されたセガサターンとの競合で売り上げが散々だったスーパー32Xのソフトであったためでもあるが本作以降ソニック以外のキャラクターを主役に置いたスピンオフ作品は「シャドウ・ザ・ヘッジホッグ」まで見られなくなった。
- カオスリングは開発中の段階では「ホーリーリング」という名前だったが、何らかの理由でカオスリングに変更された。
関連タグ
ソニック&ナックルズ:前作。
ソニックヒーローズ:カオティクスの再出演作品。
ソニック・ザ・ヘッジホッグ4:本作と同じく「&ナックルズ」の続編として制作された。
ソニックフォース:こちらでもプレイヤーが切り替わるステージが存在するが本作のように選ぶ機能はない。