概要
ウルザに時間逆行実験のための先鞭となるプローブ1号(探査機)として、機械で出来たファイレクシア人・ザンチャの人格マトリクスと、時間の門を潜り抜けることのできる唯一の物質銀で作られたゴーレム。
レガシーにおける最初のアーティファクト。レガシーとはアーティファクトの一群で、その神秘の力は人工の機械次元、ファイレクシアに対抗する手段。
キャパシェン家→ザルファーの名将シダー・コンド→怪物退治の記念碑として小さな村の広場に飾られる→レガシーを探していたシッセイ艦長によってそのままウェザーライト号へ保管
といった多くの人間の手に渡りキャパシェン家最後の生き残りであるジェラード・キャパシェンと再会、以後はウェザーライト号のメンテナンスを担当するようになる。
ファイレクシアがドミナリアの次元に侵攻した際、カーンは同じレガシーのアーティファクトと共にファイレクシアの機械の始祖を倒すことで、その使命を果たし、カーンは自らの創造主ウルザの灯を引き継ぎ、プレインズウォーカーとなる。
その後は金属次元アージェンタムを作る・ドミナリアへ探査機ミラーリを送るといった活躍を見せたが時のらせんブロックの背景ストーリーで行われた灯を代償に行われた大修復の際、自身の内側に急速に広がり始めた邪悪な異変に気付く。
このままでは最悪の結果を免れないと悟ったカーンは仲間らに決して、誰も私を追って来てはならないと固く戒めると次元と次元の間に広がる久遠の闇へと姿を消した。
その後、カーンの行方を知るものはいない・・・
カーンが再び姿を現したのはミラディンの傷跡ブロックの時代。
そごで発見されたのはファイレクシアの油に侵され、新たな機械の始祖としてファイレクシア人たちに祭り上げられているカーンの姿だった。
実はザンチャの人格マトリクスを体内に持つが故、カーンの体内にファイレクシアの油が残っており新生ファイレクシアはそこから誕生するという自身の作った世界を自身で汚すという皮肉としか言えない真実があったのである。
プレインズウォーカーの灯を持つことで油に対する耐性を持っていたのだが、先で述べた大修復の際に灯を失ってしまい油が活性化、自身も油に感染してしまうのである。
しかし、カーンを師として慕うヴェンセールが自らの命と引き換えに灯を映したことで再びプレインズウォーカーとして復活。
カーンは現在、ミラディンの運命と友人の死を悲しみながらも、汚染を絶つべく自分の足跡をたどり、その源を見つけ出そうと再び多元宇宙を旅している。
その後は『ドミナリア』の背景ストーリーで再び姿を現すのだが、カーンの動向は
- 無二の友人であるヴェンセールに命を失わせてしまう元凶となった新ファイレクシアに復讐すべく、かつて兄弟戦争において「ウルザの殲滅破」と呼ばれる多元宇宙にすら影響を与えてしまうほどの壊滅的な大打撃をもたらした強大なアーティファクト、「ゴーゴスの酒杯」こと「サイリクス」を回収すべくドミナリアを訪れている。
- 『時のらせん』での旅以来に再会し、カーンの目的を聞いた旧友であるジョイラから「多元宇宙の脅威に対処するならば新ファイレクシアよりニコル・ボーラスと戦う方が成すべきことであるはず」、「ヴェンセールの意志を尊重する」といった旨の言葉を告げられる。
など新ファイレクシアへの復讐のあまりやや不穏な点が見受けられる。
カーンの創造主であるウルザはかつて
- ウルザの弟であるミシュラがファイレクシアによって既に人ならざるものに改造されてしまっていた事に対する後悔などからサイリクスを用い、大惨禍をもたらした。
- ウルザは兄弟戦争においてミシュラを陰から操っていたファイレクシアの存在を知って以来、ファイレクシアへの復讐と憎悪に取り憑かれるあまり、次第に非情な手段を厭わなくなるなど正気を失っていき道を踏み外した。
経緯があるのだが……。
「ウルザの後継」の行く末はいかなるものとなるのであろうか?
カーンが創造した次元のついてはこちらの記事を参照。
カード性能
彼をカード化したものは4つあり、片方はアーティファクト・クリーチャーとして、片方はプレインズウォーカーになった後をカード化している。
Karn, Silver Golem / 銀のゴーレム、カーン
マナコスト | (5) |
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カードタイプ | 伝説のアーティファクト クリーチャー — ゴーレム(Golem) |
パワー/タフネス | 4/4 |
能力 | 銀のゴーレム、カーンがブロックするかブロックされた状態になるたび、それはターン終了時まで-4/+4の修整を受ける。 |
(1):クリーチャーでないアーティファクト1つを対象とする。それはターン終了時まで、パワーとタフネスがそれぞれ自身の点数で見たマナ・コストに等しいアーティファクト・クリーチャーになる。 |
カードとしての性能は、銀のゴーレム時のクリーチャーとの戦闘になるとパワーが0になる能力は、生物を殺さないというカーンの信念を表したものであり、単純に攻撃要員としては使いにくい。
だが0マナのアーティファクトを次々と破壊したり、装備品を外したりとなかなかの活躍を見せる。
Karn Liberated / 解放された者、カーン
マナコスト | (7) |
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カードタイプ | プレインズウォーカー — カーン(Karn) |
初期忠誠度 | 6 |
能力 | [+4]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札からカードを1枚追放する。 |
[-3]:パーマネント1つを対象とし、それを追放する。 | |
[-14]:解放された者、カーンにより追放された全てのオーラ(Aura)でないパーマネント・カードを別にした状態にしたまま、ゲームを再び開始する。その後、それらの別にしたカードをあなたのコントロール下で戦場に出す。 |
解放された者の方は、元々がアーティファクトであるためマナ拘束が無いため入れようと思えばどの色のデッキにでも入れられる。
7マナと少し重いのでどんなデッキにも入れられるわけではないが、初期忠誠度が6もあり能力もデメリット無し、使えばほぼ勝ちが決まる3番目の能力などを持ち、コントロール系のデッキであれば簡単に場所を見つけられるだろう。
Karn, Scion of Urza / ウルザの後継、カーン
マナコスト | (4) |
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カードタイプ | 伝説のプレインズウォーカー — カーン(Karn) |
初期忠誠度 | 5 |
能力 | [+1]:あなたのライブラリーの一番上から2枚のカードを公開する。対戦相手1人は、そのうち1枚を選ぶ。そのカードをあなたの手札に加え、他の1枚を銀(silver)カウンターを1個置いた状態で追放する。 |
[-1]:追放領域から、あなたがオーナーであり銀カウンターが置かれているカード1枚をあなたの手札に戻す。 | |
[-2]:「このクリーチャーは、あなたがコントロールしているアーティファクト1つにき+1/+1の修整を受ける。」を持つ無色の0/0の構築物(Construct)アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体生成する。 |
ドミナリアに収録された久々の新バージョン。同エキスパンションでのトップレアどころか、スタンダード以外のフォーマットでも活躍できる便利な能力を持つがゆえ、発売して間もない時期では各カードショップで6000円~8000円台で取引されるほどの高額レアに膨れ上がり、多くのプレーヤーが目を丸くした1枚。
対戦相手側に選択肢があるドロー能力を持つ。相手に選ばせるとはいえ、忠誠度を上げつつ確実に手札が増やせる。また、それを連発すれば、[-1]能力で優秀なカードを手札に加えるチャンスが増える。
それらに加えてトークンも精製可能。やはりアーティファクトが並んだ状態で真価を発揮するが、手札補充のおまけに場の頭数を増やす用能力が付いたと割り切っても問題なく仕事できる。
マナ・コストが下がった分性能は無色らしいマイルドなものになった。とはいえ色を選ばずカード・アドバンテージとボード・アドバンテージに直結する能力を持っている非常に優秀なプレインズウォーカーカードである。
Karn, the Great Creator / 大いなる創造者、カーン
マナコスト | (4) |
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カードタイプ | 伝説のプレインズウォーカー — カーン(Karn) |
初期忠誠度 | 5 |
能力 | 対戦相手がコントロールしているアーティファクトの起動型能力は起動できない。 |
[+1]:クリーチャーでないアーティファクト最大1つを対象とする。あなたの次のターンまで、それはパワーとタフネスがそれぞれそれの点数で見たマナ・コストに等しいアーティファクト・クリーチャーになる。 | |
[-2]:あなたは、ゲームの外部か追放領域にありあなたがオーナーであるアーティファクト・カード1枚を選び、そのカードを公開してあなたの手札に加えてもよい。 |
2019年発売のエキスパンション、灯争大戦収録のカード。
自プレーヤーのアーティファクトとのシナジーを持つ忠誠度能力のほかに対戦相手のアーティファクトの使用に制限をかける能力を持つ。
登場時のスタンダードではアーティファクトをフィーチャーしたデッキが存在しないため、いささか使いづらい部類には入る。
しかしモダンのような範囲の広いフォーマットだと-2能力でチョイスできるアーティファクトの種類も増えるので相手のデッキに刺さるカードをダイレクトに引き込むといった手も可能。また、(10マナかかるものの)対戦相手のアーティファクトの使用に制限をかける能力を生かし、土地から何まで無理やりアーティファクト化させる『マイコシンスの格子』(カードテキストは外部リンク参照)を-2能力で持ってきてロックコンボで身動きを封じ込めるといった策も可能。
2019年8月より、あのパワー9が使用できるヴィンテージにて制限カードに指定される。(外部リンク参照)
リンク先でも解説されている通り、各種アーティファクトを使用した無限ターンコンボに加え、MoxやBlack_Lotusといった超強力なアーティファクトのマナを楽しむことができる唯一のフォーマットであるのに、それらを封殺しゲーム序盤のやり取りを減少させていたことが原因であった。
また、2020年1月より、上記でのモダンにおいて『マイコシンスの格子』が禁止カードに指定され、こちらのロックコンボが行える環境も減ることになる。
なお、日本語版のブースターパックに限り、50%の確率で日本イラストレーター描き下ろしのオリジナルアート版プレインズウォーカー・カードが通常版の代わりに封入され、
担当するのは、あの国民的ロボットアニメのカードゲームやプラモデルでもおなじみ森下直親氏。