「ゲヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」
「ついに世界があたしの前に、ひれふす時がきたようだねぇ…」
概要
『マリオ&ルイージRPG』における黒幕。一人称は「あたし」。
キノコ王国の隣の国、「マメーリア王国」の親善大使に扮してピーチ姫から声を奪い取り、バクダン声に変えていった悪い魔女。海外名:Cackletta(カッケレッタ)
リメイク版に当たる『マリオ&ルイージRPG1DX』のCMでは月亭方正から「マメのお化け」と呼ばれている。
彼女自身もマメーリア人であるようだが、悪しき魔女だけあって、電撃を放ったり、無数の蝙蝠に分身したり、果てには牙むき出しの凶悪な形相と共に身体を巨大化させ足元に亜空間に通じる落とし穴を作ったりと、お化け呼ばわりもふさわしい凶悪な力を持つ。
魔法を操り、他者の声を「バクダン声」に変える、【ゲゲララ虫】を操ってモンスター化させる等、目標のためなら手段を選ばない冷酷かつ邪悪な性格で、悪役らしい残虐な行為や策略を平然と行う。
また倒れてもエネルギー体だけで生き延び、他人の体に入り込んで操るというしぶとさや執念深さを併せ持つ。
強大な悪役という位置づけの悪役にしては間の抜けたところが多いためどこか憎めないが、女性でありながら汚い言葉遣いや顔芸をするのでインパクトは大きい。悪事そのものは同じ悪役であり、ピーチ姫をしつこく浚うクッパの方が悪質と言えるが言動は彼の方がコミカルであり寧ろクッパは近年悪役というカラーは薄れつつある。
また、当初こそ間の抜けたところが目立ちつつ、序盤の段階でマメラ女王にゲゲララ虫という毒虫を飲ませてモンスター化させるというマリオシリーズに例を見ない外道な悪事を働いており、終盤には上空からマメーリア王国を爆撃するなど、次第に過激さをエスカレートさせていくが、ほとんどの決め手となる部分で出し抜かれて失敗する事は少なくない。
「ゲヒャヒャヒャヒャ!」とボイスつきで笑うのが特徴的。驚くと「ゲッヒャーーーッ」と叫ぶ癖がある。
天才科学者のゲラコビッツはそんな彼女の部下である。
『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』では本シリーズの大ボスがラスボスの前座であるアックームも含めてスピリットとして登場している中彼女のみ何故か未登場。似たような境遇のキャラに星のカービィシリーズのドリームフレンズ第三弾で唯一未登場のタランザがいる。
活躍
目的はわかりやすく世界征服。
その目的を叶えるための手っ取り早い手段として、あらゆる願いを叶える力を持つと言われているマメーリア王国の至宝スタービーンズの強奪を目論んでいる。ピーチ姫の声を狙ったのは、眠りについたスタービーンズを目覚めさせる力があったからである。
ピーチの声を奪い去った後、マメーリア城に保管されていたスタービーンズを手中に収め、アハハ・アハデミーにてスタービーンズに奪ったピーチ姫の声を聞かせて覚醒を促すも、なぜか似ても似つかぬ酷い声を出したため、スタービーンズが激怒して暴走し、床に穴をぶち明けた末に落下というアクシデントに見舞われ、動揺している隙にマリオたちに追いつかれる。
更に隙をついたルイージの一撃によりゲラコビッツが戦闘不能に陥ってしまったため、ゲラゲモーナ単身で迎撃。圧倒的な魔力を以て二人を苦しめるもマリオブラザーズのコンビネーションを前に敗北。肉体を切り捨て、ゲラコビッツの持つバキューム状の機械にエネルギーとなって格納されることで一命をとりとめ、ゲラコビッツに命じて最後の一撃をくわえようとするものの、駆けつけてきたマメック王子の一撃を食らい、ゲラコビッツとともにアハデミーの外へ吹き飛ばされる。
その後、満身創痍の状態で当てもなく彷徨っていたものの、ゲラコビッツの力によって気絶していたクッパに憑依してゲラクッパ(マメばあ命名)となり、もう一度スタービーンズとピーチ姫の声を手中に収めようと行動を開始する。
今度はピーチ姫本人を誘拐し、彼女を人質にマリオたちにスタービーンズを持ってこさせようとするものの、ルイージが女装して本物のピーチ姫とすり替わるという奇策を見抜けず、スタービーンズとピーチ姫の両方を取り戻されてしまう。
その後、クッパ城を占拠して上空からマメーリア城下町や城を襲撃し、武力行使で国を強奪しようとする。クッパ城に乗り込んで来たマリオ達にはコクッパをけしかけるも突破され、遂に最終決戦を迎える。大魔王の肉体を得た魔女の力はすさまじく、以前よりもマリオブラザーズを苦戦させる。しかしまたしても追いつめられ、二度目の敗北を喫するかに思われたが――
何と背後からのじげんボムへいによる奇襲で二人を戦闘不能にさせる。「どんな手を使っても勝てばいいのさ!」と勝ち誇り、そのままクッパの体内へと吸い込んで自らの手で捕食しようとする。
が、マリオ達のしぶとさとコンビネーションの前にまたしても敗北し、爆散霧消。クッパの体内から飛び出すと、仰向けにのたうちまわり、こぎたない二人に負けたと恨み事を声高に叫びながら今度こそ消え去った。
ちなみにマリオが主人公を務める本編シリーズ作品における初の女性ラスボスである(スピンオフ作品にはキャプテン・シロップがいる)。
また戦闘時のゲラクッパ体内には人工物らしきものがあるが、彼女の魔力によるものなのか、クッパの体内が某冥府神や某破神の体内のように異世界になっているのか不明。
戦闘では
- 通常形態
「そっちがその気ならうけてたつまでよ! オマエらなどキノコ王国までふき飛ばして くれるわい!」
足元にブラックホールの様な物(落とし穴)を出現させて床を這い回らせてマリオ達を吸い込む、天から雷を落とす、分身して惑わせる、無数のコウモリに分裂して突撃するなどの攻撃を行う。
- ゲラクッパ
「あたしの新しい国に古いスーパースターはいらないのさ! スーパースターはあたし1人で十分だよ!!」
メラメラという名の火炎弾を連射、マリオ達の頭上にブロックを出現させて回避を妨害した上で超極太の熱線を吐く、連射したメラメラを取り込んで回復等の行動を取る。
HPが減ると真っ黒な姿に変身。口から吐き出した無数の星屑を大粒の流星群に変化させてマリオ達へ激しく降り注がせるという技を使う。また、通常色のときとハンドパワーの弱点が逆になるので注意。
- ラストバトル
「さっさとくたばってあたしのエサにおなり!」
ゲラクッパの体内で最終決戦に挑む際には禍々しい巨大な悪霊の様な姿をとっており、この姿は海外のプレイヤーにはCackletta Soul(ゲラゲモーナの魂という意味)等と呼ばれる。
日本語版ゲラコビッツのセリフではあくまでエネルギーであるらしく、デザインの割に幽霊的なニュアンスは薄いようだ。
身長はなんとマリオとルイージの3倍以上もある。
前述のじげんボム攻撃により、マリオ達はHP1の状態で戦闘が始まるので、すぐに回復アイテムを使わねば一撃で二人ともゲームオーバーである。
幸い、戦闘開始時は必ず1ターンの猶予があるので、MAXナッツ等で回復して体勢を立て直す余裕はある。
また、プレイヤーのアクションの腕前さえあれば相手の攻撃をノーダメージで避け続けることも決して不可能ではないため、HP1のままで最後まで戦うという縛りプレイも可能。
頭部、右腕、左腕、そして胴体のハートが別々に行動する。その為、1ターンに4回も行動する。
片腕のターンにもう片方の腕が行動回数を消費せずに連携してくる事もある為、腕の行動回数は更に多くなる事もある。
頭部は巨大なエネルギー弾の発射、マリオとルイージの動きを止めた状態でのビーム発射、エクトプラズム・ゲラコビッツを作り出して砲撃、幾度もワープを繰り返しながら接近してくる光弾の乱射、一定時間攻撃力上昇、体力回復、等の多彩な行動を取る。
また両腕はデコピンや腕を振り回す攻撃の他、右腕は電撃、左腕は炎の攻撃を使う。DXでは区別が付いて分かりやすくなり、また頭上から叩きつける攻撃も追加されている。
腕が場に残っている間に頭部を攻撃するとこちらのターンに割り込んで反撃してくるため、基本的に頭部への攻撃は厳禁。両腕を先に倒すのがセオリーとなる。
こちらの攻撃力が十分に高い場合であれば、リメイク前はサンダーブロスのアドバンスコマンドやファイアブロスが2倍ダメージで通るようになっており、リメイク版でも装備を整えてスイングブロスなどを放つなどして頭部を真っ先に撃破する事も可能。
この場合、頭部が不在のまま両腕だけで暴れまわるというホラーチックな戦況になる。
弱点は胴体のハートである。
戦闘開始時は体内にいて目立たず、攻撃を加える事も出来ないが、ゲラゲモーナの頭部と両腕が倒されると表面に露出して、消失した頭部と両腕を一瞬にして再生させてくる。
幾度頭と腕に攻撃を加えても無限に再生する為、攻撃対象の選択肢としてハートが追加された事に気付かないと、延々とゲラゲモーナの不死性を味わわされる事になる。
露出したタイミングを狙ってハートを攻撃することで、ようやくダメージを与えることができる。この仕様や相手の攻撃の多彩さもあって長期戦になりやすい。
また右腕が電撃、左手が炎を吸収するのも地味に厄介でハートに至っては両方吸収してしまう。
余談
後の作品に登場するアックームとは直接的な接点こそないものの、念入りに立てた作戦が失敗する、蝙蝠の姿に変身できる、願いを叶えるアイテムに執着するなどやや似ている部分が見られ、一緒に描かれたイラストも存在している。また、同作品にはなぜか多数のマメーリア族の人間も登場している。
スーパーマリオくん5巻には、テレサ一族でも超怖い「モンスターテレサ」という軍団が登場する。ほとんどが突如として現れた星のカービィによって吸い込まれてしまったが、ゾンビテレサだけは残りマリオたちと勝負を展開する。
このゾンビテレサは物体に憑依して自在に操るという能力を持っており、屋敷そのものに憑りついて崩壊させることでマリオたちを始末しようとした。しかしマリオの気転で屋敷を爆破されて失敗に終わる。
だがしぶとく生き延びており、今度は煙に憑依してしつこくマリオたちに付きまとうのだった(ヨッシーには「うっとうしいヤツですね」と文字通り煙たがられている)。
「物体に憑依して操るオバケ」「吸い込む」「倒されてもしつこくマリオたちに勝負を挑む」などなどゲラゲモーナに通じる部分がある。