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スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師

スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師

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すうぃーにーとっどふりーとがいのあくまのりはつし

『スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師』とは1979年に作詞・作曲家スティーヴン・ソンドハイムと脚本家ヒュー・ホィーラーによって上演されたブロードウェイ・ミュージカルの一つ。もしくは、これを基にした映画作品。

概要

19世紀半ばのイギリスロンドンを舞台に、邪な判事によって家族と人生を奪われた理髪師が売れないパイ屋の未亡人と組んで復讐するべく殺人に手を染めていくという復讐劇。1979年の初演以来、幾度となく上演されており、日本でも歌舞伎役者の松本幸四郎氏主演で上演、最近では宮本亜門氏による演出の下で市村正親氏と大竹しのぶ氏主演で上演されている。

映画版も製作されているが、記憶に新しいのは2007年ティム・バートン監督とジョニー・デップ主演で映画化されたことだろう。実際、pixivで投稿されているイラストのほぼ全てがジョニー・デップ主演のものである。

スウィーニー・トッドは19世紀にイギリスの怪奇小説で活躍していた架空の連続殺人鬼であるが、実在するという説がある。“トッド”という犯罪者が当時のイギリスに実在していたり、似たような話がフランスパリに存在したりするが、裏付けとなる証拠が不足しているため確証が出来ていない。

あらすじ

主人公のスウィーニー・トッドことベンジャミン・バーカーは理髪師として美しい妻と生まれたばかりの娘と仲睦まじい日々を送っていたが、邪悪なターピン判事と部下の役人バムフォードの姦計によって身に覚えのない罪を着せられた挙句、家族を奪われオーストラリアに流刑されてしまう。

15年後、トッドは若い船乗りのアンソニーによって助けられ久しぶりにロンドンに戻る。そこで客足が来ないパイ屋を切り盛りするラベット夫人からターピンによって妻は毒を盛られ娘は養子になったと聞かされる。激怒したトッドはラベットと共に復讐を誓い、そして殺人に手を出す。

登場人物

スウィーニー・トッド/ベンジャミン・バーカー

本作の主人公で、ロンドンで理髪店を営み妻と娘と暮らしている平凡な人生を送っていたが、ターピンによって家族と人生を奪われてしまう。復讐を果たすべくラベット夫人と手を組み、復讐の機会をうかがいながら身寄りのない人を標的に、妻のルーシーと実の娘のジョアンナを懐かしみつつご自慢の“わが友”剃刀によって次々と殺していく。

日本の舞台では松本幸四郎氏や市村正親氏、最近公開された映画ではジョニー・デップが演じている。

ラベット夫人

本作のメインヒロイン。亭主亡き後一人でパイ屋を経営していたが、時の不景気により材料となる肉の値段が高騰したために売れなくなってしまった。しかし、トッドが始末した客人を材料にした人肉のミートパイが売れて大繁盛する。トッドの大事な剃刀を保存するなど彼に思いを寄せているが、復讐一筋のトッドには思いは届いていない。

舞台では大竹しのぶ氏、映画ではハリー・ポッターシリーズのヘレナ・ボナム・カーターが演じている。

ターピン判事

トッドの仇の一人。判事の立場を悪用してバムフォードと共にトッドの家族と人生を奪った張本人。トッドの娘で養子のジョアンナに結婚という名の独占を画策し、彼女に愛を交わすアンソニーを邪魔者扱いする。トッドと一時友情を交わすが、彼がターピンによって人生を狂わされたベンジャミン・バーカーであることはする由もない。

カーター同様、映画ではハリー・ポッターシリーズセブルス・スネイプ役でお馴染みのアラン・リックマンが演じている。

役人バムフォード

トッドの仇の一人。ターピンに忠誠を誓う悪辣な役人で、失明で体が弱っている小鳥をジョアンナのために買ったアンソニーの目の前で殺す等、性格はターピン同等冷酷で無慈悲。ピレリを打ち負かしたトッドに興味を抱くのだが、彼もまた自分達が狂わせたバーカー本人だとは知らない。

舞台では『踊る大捜査線』のスリーアミーゴスの一人である斉藤暁氏が、映画ではリックマンとカーターと同じくハリー・ポッターシリーズのティモシー・スポールが演じている。

ピレリ

自称“世界一の理髪師”だが、その実態はインチキ理髪師で、尿にインクを混ぜ合わせて毛生え薬として販売したり、トッドとの一騎打ちの一つである“虫歯抜き”の際に弟子のトビーに綺麗な歯を下手なやり方で抜いたり、おまけにトビーを扱き使ったりとペテンぶりを発揮。実はトッドことバーカーの理髪店で仕事していたことがあり、バーカーとの対決に負けた後に今後の売り上げの半分をよこすという下品な提案をしたことが彼の神経に触り殺害された挙句肉の材料にされ、哀れトッドの最初の犠牲者になってしまった。

アンソニー

オーストラリアの海流で漂流していたトッドを助けてくれた命の恩人である若き船乗り。ターピンとバムフォードの妨害に合いながら、愛を交わしているジョアンナを助けるべくトッドに協力を申し出るが、彼女がトッドの実の娘だとは勿論知らない。

ジョアンナ

トッドことバーカーの実の娘だが、赤ん坊の頃に母と共にターピンによって誘拐され、養子になってしまった。翌週の月曜日にターピンとの結婚を控えるも乗り気ではなく、思いを寄せるアンソニーと愛をかわしている(舞台では肉体関係を持つかのような描写がある)。彼女も母はおろか父の顔や名前も知らない。

トバイアス

又の名をトビーといい、ピレリの下で扱き使われながらも働いている純真無垢な青年。ピレリは後にトッドに殺されるが、そのことは知らずラベット夫人の下で働くことになる。ピレリの頃とは違って天国にいるかのような気分になり、ラベット夫人に母性を抱き「今後はいかなることでも守る」と彼女に誓うが、ラベット夫人がトッドの殺人に手を貸していることは知る由もない。

ルーシー

トッドことバーカーの美しい妻だったが、ターピンによって娘と共に誘拐される。ラベット夫人曰く「ターピンに毒を盛られ自殺した」らしい…。

乞食女

トッドやラベット夫人たちの周辺でうろつき歩き回る物乞いの女。勿論その素性を知る者はいない。

一応ネタバレになってしまうが、本作の重要人物である

映画版

以前には数多くのスウィーニー・トッドを題材にした映画は存在するが、今日のpixivユーザーの中で最も通りが良いのはティム・バートンジョニー・デップによって映画化された2007年の映画だろう。一部を除いて出演する俳優全員がミュージカル初挑戦だった。特にデップの歌声はファンなら一見の価値ありである。

なお、舞台では遠回しに演出されているトッドの殺人描写が直接的に表現されているため、日本ではティム・バートンの作品で初めてR-15指定となった。

スタッフ

監督:ティム・バートン

作詞・作曲:スティーヴン・ソンドハイム

配役

スウィーニー・トッド/ベンジャミン・バーカー:ジョニー・デップ

ラベット夫人:ヘレナ・ボナム・カーター

ターピン判事:アラン・リックマン

役人バムフォード:ティモシースポール

ピレリ:サシャ・バロン・コーエン

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