概要
相手の発言を一部だけ切り取る、内容を歪めて解釈する等をして「反論するのに都合の良い極端な理屈」に作り替えてしまう事。そしてそれに反論して相手を論破しようとする事も指す。
以下が一例。
A | 主人公やヒロインを差し置いて、サブヒロインが目立ちすぎるのはどうかと思う。 |
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B | そうは思わない。何故なら女性が活躍するのは良い流れだからだ。A氏は『女性は目立たず男の三歩後ろを歩け』と考えているようだが、そんな性差別を容認する考えこそどうかと思う。 |
Aは「主人公より脇役が目立っていて不自然」と言いたいのに、「女は引っ込んでいるべき」と曲解されているのが分かるだろうか。
こうやって歪めると、論点をコントロール出来る為、非常に反論が容易である。また相手を「差別的な思想を持つ、社会的に好ましくない人格の人間」として一方的に批判するのが許されるかのように思えてくる為「差別思想者を論破する俺カッコいい!」となって、更に都合の良い方向へと話を誘導しようとするようになる。
更に、途中から聞いた第三者にしてみれば、反論が妥当に感じられる為に賛同を得易い。
とは言え、前提が間違ったまま理屈を組み立てている以上、正しい結論にまず至らない。屁理屈でも何でも良いから口論、レスバトルで勝ちたい時の詭弁である。
他方、論に「元来存在する欠点」を指摘された場合に、それを「論の欠点」と認めず「論点すり替えだ!お前の言い分はストローマン論法だ!」と決めつけて自説を正当化する形の詭弁もある。
発展型
最近ではこの論法とチェリーピッキングやWhataboutismの合わせ技のような詭弁もよく使用されている。
「〇〇な奴らは普段△△と言っているくせに⭐︎⭐︎してるのはどうなんだ!」など。
敵対する相手の集団から都合のいい部分だけ抜き出して(チェリーピッキング)それを都合よく解釈/歪めて「お前はどうなんだよ!」と言って論破したつもりになっている(ストローマン論法+Whataboutism)
個々の問題や主張は多くの場合それぞれ独立しているので、「それはそれ、これはこれ」で切り離して考えるべきなのだが、『相手への攻撃』や『論破』『マウンティング』にこだわるネットで議論では、こういった詭弁が当然の如く使用されている。故に「議論」「対話」が不可能な場所になっている事は否めないだろう。
ストロー……?
余談ではあるが、実はこの論法自体が「性差別を助長する」として、性別を意識しない「ストローパーソン論法」への言い替えが進んでいる。
それこそストローマン論法ではないのかな……と思わなくもない。
ならば「ストロードール論法」や「スケアクロウ論法」といったほうが、性差を表さない上に原義の藁人形や案山子を意味しやすくなりそうではある。