- アメリカ製TRPG『AD&D』に登場する種族「Dero」。
- 1943年にアメリカのSF専門誌『アメージング・ストーリーズ』に掲載された「シェイヴァー・ミステリー」に登場する邪悪な地底人「Dero」。
- ヤナギ科ヤマナラシ属の落葉樹「ドロノキ」の別名。木質が柔らかすぎ、それどころか芯が硬いので加工の際に刃物が痛むため現在では木材としては利用されない。
- ドイツのミュージシャン「デロ・ゴイ(Dero Goi)」のこと。
※地底人をモチーフにしたエルミナージュのオリジナルキャラクター
TRPGの『アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ』から登場。
地下世界アンダーダークに住む、歪められたドワーフであるといわれる邪悪な種族で、元ネタはアメリカで一世を風靡をした2.の地底人であるとされる。
初出は1982年に発表された未訳のシナリオ『ツォジャンスの失われた洞窟』で、その後もシナリオやモンスターマニュアルなどの設定資料集で言及されている。
その姿は通常のドワーフより小柄で(平均身長91㎝、体重31㎏)、肌は薄い水色や紫色をしており、目は虹彩が無い白目である。さらに髪はボサボサで黄褐色か浅黄色、もしくは白髪である。
属性は“混沌にして悪”であり狂気が魅力であるという価値観を持つ、誇大妄想や加虐衝動にまみれた信用ならない残忍な種族として描写されており、同じくアンダーダークに住む種族ドラウ達からも忌避されている。
鉤がついた槍と6本の矢を放つ連弩を武器とし、それぞれが奇行をともなった狂気を宿す代わりに精神に影響を与える魔法に耐性を持つが、太陽光には非常に弱いため、浴びてしまうと全身に火傷を負う、もしくは死亡してしまう。
しかし、地上の環境を羨んでいるために、活動できる方法を見つけ出すため他種族を捕らえ人体実験を行うとされる。
種族全体としては高位魔術師であることが多い「デロの碩学」という狂信者に統治されており、彼方の領域の力を復活させようと邪悪な実験も繰り返している。
そのため彼方の領域からの訪問者であるビホルダーやマインド・フレイヤー、アボレスには積極的に奉仕しており、さらに頻繁に奴隷狩りを行って人体実験の結果生まれた触手や目玉に覆われた肉塊ウォープト・スレイブ(歪められた奴隷)をも造り出す。
デロ達自身は、信仰する魔術と残虐性を司る混沌の神ディーリンカによって創造された種族であると信じているが、「フォーゴトン・レルム」においてはマインド・フレイヤーによって歪められたドゥエルガル(邪悪なドワーフ族)が正体で、「グレイホーク」ではスエル帝国によって歪められたドワーフと人間の奴隷の子孫である。
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リチャード・S・シェイヴァーという男がSF専門誌『アメージング・ストーリーズ』に1943年に投稿した、古代言語マンタングを発見したことで知った真実を記述したという、「シェイヴァー・ミステリー」という怪奇説話に登場する邪悪な地底人で、有史以前から高度な文明を築いていた古代種族の子孫である。
なお、シェイヴァー自身もデロに捕らえられていた経験があるとされている。
賢明であった古代種族の多くは、太陽から注がれる有害な放射線を避けるために他の惑星に旅立ったが、取り残された者たちの中でも退化して邪悪な怪物になってしまったものがデロ(Dero:detrimental robots)であるのだという。
太陽光が当たらない洞穴都市に住み、古代種族が残した高度な機械装置を用いて航空機の事故や、天災はまだしも、ささいな怪我や病気すらも彼らが引き起こしており、そのテクノロジーで人類の精神にも邪悪な想念や音声を投射して苦しめているともされる。
シェイヴァーの投稿を編集長であるレイ・パーマーがリライトした「I Remember Lemuria !(レムリアの記憶)」が掲載された1945年3月に発売された同誌は話題となってたちまち完売となり、シェイヴァーの証言は真実であるという読者投稿が1949年頃まで大量に送られるようになった。(第二次世界大戦による社会不安もブームに拍車をかけたとも)
その中でもパリの女性から届いたとされる手紙では、デロの姿は全裸でガマガエルを思わせる青白い皮膚をしており、醜悪なたるんだ肉体にがに股、蛸のような坊主頭に尖った耳、象のような垂れ下がった鼻に落ちくぼんだ猫のような目であると描写される。
その女性はエレベーターでデロに捕らえられて、同様な30人ほどの被害者とともに監禁された上、拷問や強姦といった被害を受けていたが、善良な古代種族の末裔で銀色の防護服を着た「テロ」に助け出されたのだという。
しかし「シェイヴァー・ミステリー」は雑誌の売り上げに貢献した反面、あまりにも記事の方向性が偏向してしまったために、多くのSFファンからは「シェイヴァーのデマ(Shaver Hoax)」として批判されるようになった。
またシェイヴァー自身が精神病院に入院歴があったとされることから、現代では信憑性が低下しており、マイナーなオカルトネタとなっている。
なおUFOの形態を一般化したのは、同誌のデロが用いる宇宙船の挿絵が起源という説がある