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ノロイ(ガンバの冒険)

のろい

ノロイとは、1975年に放送されたアニメ『ガンバの冒険』に登場する最凶最悪の敵にして、悪の総大将。底なしの悪意を持つ殺戮狂のイタチで、多くの視聴者にトラウマを植え付けた。別名『白い悪魔』
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「ようこそ、薄汚いネズミどもよ…ようこそ。私がノロイだ。ようこそ…ようこそ…」


CV:大塚周夫/野村萬斎3DCG映画版)

概要編集

普通のイタチの三倍の巨躯を誇るアルビノイタチ。

性格は残忍・冷酷・狡猾。狂気じみた殺戮好きで、気に入らなければ手下をも平然と殺してしまう非情さを持っており、主人公ガンバ達を幾度となく絶望の淵に叩き落とした劇中最強最悪の難敵。ネズミ語が話せるうえ、催眠術も使える。


「まだまだ殺すな。いつでも殺せる。ゆっくり殺せ。楽しく殺そう。薄汚いネズミどもを」


ネズミが主役の本作においては正に絶対の捕食者だが、その力はイタチのレベルすら超えており、自分より大きな馬を爪の一振りで殺傷するなど、膂力も並外れている。

しかし、真に特筆すべきはその恐怖である。陰湿な罠を張り巡らし、一思いに殲滅できる状況でもじわじわと追い詰めて希望を踏みにじり、流血を楽しむその様はお茶の間の子供達にトラウマを植え付けるのに十分すぎるものがあった。


特にネズミたち(および視聴者)の精神を着実に削りながら惨殺する辛辣な策謀は屈指の恐ろしさで、兵糧攻めを子供向けアニメで完遂している様は正しく"白い悪魔"と呼ぶに相応しい。

  • 後述の硫黄の弱点に気付いたガンバ達が火山近場の岩場に砦を築き籠城戦を仕掛けた時には、周辺が食糧に乏しい地形である事を見抜き、あえて島中のネズミたちを殺さずに追いたてて砦に流入させて数を瞬く間に増やすことで統制・団結力を低下させ、同時に食糧の消費量を増やさせている
  • あるネズミの弟を人質ならぬネズミ質に取り、その兄ネズミを内通者に仕立て上げることで食糧保管庫を襲撃させて食糧を喪失させている。この時ガンバ達の仲間が1人崩落した足場から岩場に叩きつけられて死亡している。
  • 更にこの兄弟ネズミをあえて殺さずに生かし、「裏切者など殺す価値もない。放っておいてもどうせ野垂れ死にする。裏切者には帰るところが無いからな」と言い放つことで部下のイタチに裏切りへの釘を刺しつつ、裏切者がガンバ達の所へ戻った時にその処遇を巡って分裂するよう仕向けている
  • 飢餓に苦しみ、統制が取れなくなったネズミたちが耐え切れなくなって砦から出てくるところを部下を率いて嬲り殺しにし、追撃から逃れたネズミたちを四方を海に囲まれ、食糧補給などできようもない岩場に追い詰める
  • 追い詰められたネズミ達が空腹に喘ぐなか豊富な食料をこれ見よがしに見せつけて和解を持ちかけ、罠だと止めるガンバ達と対立させている。更にガンバ達が偵察を買って出た際にはあえて何もせずに帰すことで罠と言い張るガンバ達の信用を失わせている

これほど見事に兵糧攻め・心理戦を仕掛けて、そのほぼ全てを成功させるという狡猾さでお茶の間に恐怖を植え付けた存在も早々いないだろう。


大塚周夫の無機質で非常に恐ろしい演技もキャラクターのインパクトに拍車をかけており、これらのことから日本アニメ史上最凶最悪の悪役かつトラウマキャラとも言われているほどの恐ろしさである。ほんとにイタチですかあなたは…。


意外な弱点は火山から噴き出る硫黄の臭いを嗅ぐとたまらずに逃げ出してしまうという事である。他のイタチもそうなのだが、それだけ硫黄の臭いが嫌いだという事だ。

また、残虐な性質ながら白く美しい色を自身の体色と重ね合わせて愛でる独特の美意識があり、手下のイタチが白い花を誤って手折り散らしてしまった時は怒り狂い、容赦なくその爪で引き裂き処刑している。


「お前たちはこの世で一番美しい白い花を汚した。わかっているはずだな。白を汚したものはどうなるか!」


演じていた大塚周夫は、インタビューにおいて悪役に同情は不要と語った時期があった。しかし、ノロイについてはこれだけの悪逆非道を絵に描いたような外道でありながら死に様を憐れんだようで「最後くらいは哀れに思われるように演じたが、思うようにいかなかった」と語っている。


ゲームパワポケシリーズでは彼をモチーフにしたと思われる、イタチの姿の呪いの人形が登場する。


2015年公開の3DCG映画「GAMBA ガンバと仲間たち」にも、ラスボスとしてバッチリ登場。性格も原作と全く同じである。声は野村萬斎。スタイリッシュな体型になったが、悪魔としか言いようのない凶悪面は健在である。ただし、オネエ言葉で話したり、手下の踊りを披露するなど、陽気な悪役になっており、テレビアニメ版とはかなり違う。全体的にピクサーアニメの悪役といったところ。また、テレビアニメ版ノロイのアイデンティティともいえる流血表現は無い。


余談編集

上記のようにノロイは正しく悪魔のような怪物であったが、実は現実のイタチも捕食目的とは別にネズミや小鳥等を殺害したり自分より体格が大きい動物に対しても躊躇なく襲いかかる凶暴な一面がある。

理由は諸説あり、「凶暴性が高く目につく獲物や外敵にはとりあえず攻撃する習性がある」とか「殺戮衝動が他の肉食動物よりも強く一度狩りのスイッチが入ると抑制できず必要以上に獲物を殺してしまう」等の説があり、はたまたノロイのように「殺戮行為そのものを楽しんでいる」という説も存在する。



関連イラスト編集

最強にして最恐「ようこそ薄汚いネズミどもよ」


関連タグ編集

ガンバの冒険 イタチ 白い悪魔 ラスボス サイコパス モンスター 怪獣

悪のカリスマ 悪の美学 みんなのトラウマ 兵糧攻め


ブラック…次作ガンバとカワウソの冒険に登場する悪役。白い悪魔だったノロイとは対照的な『黒い悪魔』で、行動原理も異なる。


マモー…本作で脚本を書いた吉川惣司が監督のアニメ映画『ルパンVS複製人間』の悪役。映画を見ている人達に衝撃を与えた。声は別人(西村晃)なのだが非常に似ている。


ピングー24話トドしまっちゃうおじさん…ノロイ同様、視聴者によってトラウマになった動物キャラ達。


赤カブト…ノロイと同じ動物系ラスボスであり、同族を上回る巨体と知能、終盤で見せた生命力等共通点が見当たる。

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