ほ〜〜〜ら
我が軍隊の美しい幾何学模様が出来てるだろう〜〜〜?
概要
【破壊力:B スピード:B 射程距離:C 持続力:B 精密動作性:C 成長性:C】
第4部「ダイヤモンドは砕けない」に登場する虹村形兆のスタンド。
スタンド名の由来はイギリスのロックバンド「バッド・カンパニー」から。
『ジョジョ』シリーズにおける群体型スタンドの走りとも言える、小さな兵士達が一糸乱れぬ攻撃を仕掛けるというスタンド。
イギリスのバンドから名前を貰っているが、武装や兵科、服装などは米軍がモデルである。
兵隊たちは非常に小さいが火器を装備しており、地雷やミサイルなど高度な兵器を使用する事も可能でスタンド自体の殺傷力は高い。一方で射程距離はC判定(10〜15m程度)とやや短いため、スタンドの持ち主である形兆は仗助を家の中へ誘導して、暗所から本体・スタンド共に姿を隠したまま攻撃する戦法を取った。
構成は歩兵60体、戦車7台、戦闘ヘリ「アパッチ」4機。
戦車のモデルは米軍のM1エイブラムスであると思われるが、途中から作画資料が変わったのかT-55っぽく描かれている部分もある。
戦車とアパッチは歩兵に対して若干スケールが小さく、アパッチのコックピットには歩兵よりも一回り小さい操縦手が乗っているのが透けて見えている。
作中での歩兵はベトナム戦争時のアメリカ海兵隊がモデルになっている、ベレー帽を被り大型のナイフを持っている特殊な個体が1体登場しているが、何体存在しているのか、歩兵60体の内訳に含まれているかどうかについては不明である。
歩兵のスケールは人間の10分の1ほどで、その見た目が仗助に「G.I.ジョー」と形容された(TVアニメ版では商標の問題で「おもちゃの兵隊」とセリフが差し替えられている)。
ただ、大量に存在する点に関しては安価なプラスチック玩具で、兵士人形と小物やビークル等が袋詰されて売られている事が多い「アーミーメン」人形に似ているとも言える。
兵士1体1体の力はそれほど強くはないが、歩兵はミニチュアサイズのM16カービン・ライフルとパラシュートを装備しており、ひとたび集中砲火を行えば、並んだ弾痕が綺麗な直線や図形を形作ってしまうほどの非常に高い攻撃精度を持っている(劇中ではカービンと呼称されているが、持っているのはフルサイズのM16である為誤りである)。
弾丸もミニチュアサイズのため、傷の1つ1つは小さいが貫通力は非常に高く、面攻撃でターゲットに瞬時に重傷を負わせたり、ライターを破壊する、家屋の分厚い壁を破壊するなどの芸当が可能である。
アパッチのミサイルや戦車砲は着弾すればきちんと起爆し、屋敷全体を揺るがすような爆発を起こす。
総じて作中のような閉所での戦いや待ち伏せが得意なスタンドであり、もし形兆が姿を隠したまま包囲戦に終始していたなら仗助ですら敗北していた可能性は高い。
本体である形兆が非常に几帳面な性格をしているため、バッド・カンパニーの兵士達は非常に規律正しく、本体の意思通りの正確無比な攻撃を行う。警戒さえしていればクレイジー・ダイヤモンドが投げた釘を空中で撃ち落とすことも可能。
群体型スタンドであるため、歩兵が2,3体破壊されても本体にダメージがフィードバックしているような様子は無かった。
ただ、本体が想定できないような出来事に対しては応戦が遅れる部分があるのか、仗助がミサイルを直して反撃したり、コンセントから『レッド・ホット・チリ・ペッパー』が奇襲してきた際には防御が間に合わず致命的なダメージを受けている。
実写映画版ではいくつかの点で設定が変更されている。
- 戦車の数が尋常でなく多い。少なく見積もっても数十は存在。
- 戦車がスケールアップされており、歩兵よりも大きくなっている。
- そのため原作とフォーメーションが違い、格子状に配置された戦車の間に歩兵が居るゾーンがある。
- ミニガンにレーザーサイトが着いている。
- 兵士の装備がベトナム戦争風から現代風へ変化。
- 歩兵はM16だけでなく対戦車ロケット(ジャベリン)を装備している個体が存在。
- 「一度命令を出したら完遂するまで取り消す事はできず、他の指示を出す事ができない」という弱点の追加。
など。
特に最後の弱点は「攻撃命令を出したら本体の防御は出来ない」事につながっており、これが劇中において直接的な敗因になっている。
余談
名前の元ネタは、上記の通りイギリスのロックバンドからであるが、スタンドそのものの元ネタは、スティーブン・キングの短編小説からと思われる。
「戦場(原題:battleground)」がそれで、ホテルの一室に泊まっていた殺し屋が、送られてきたアタッシュケース内に入っていた兵士人形の一個大隊に襲われる、という内容。同スケールのヘリも登場し、ジョジョ四部劇中のようなシチュエーションが描かれている。
この兵士人形は、具体的には「玩具」の一種らしい。
更にこのセット内には、「バッド・カンパニー」には無いオマケも付属していたりする。
短編集「深夜勤務(ナイトシフト)」一巻に掲載。更に、キングの短編を映像化したテレビドラマシリーズ「スティーヴンキング8つの悪夢」でも、映像化されている(こちらも日本版DVDが発売している)。興味を持たれた方は、それぞれ目にして、バッド・カンパニーとの共通点を探すのも一興。
さらに余談として、「深夜勤務」内には「灰色のかたまり」という短編も掲載している。
とある少年の父親が、腐ったビールを飲んで怪物に変異した……という一編だが、この作中の怪物の描写もまた、虹村兄弟の父親を彷彿とさせている。
ジョジョ劇中で形兆が、父親の事を「肉のかたまり」と呼んでいた(灰色のかたまりとは呼んでいない)事から、この短編も元ネタにしている可能性は高いと思われる。