概要
Pixivコミックのゆりひめ@ピクシブレーベルで連載されていた。
正義のヒーロー(女性)と嘗ての敵組織の女幹部の日常を描く。基本的にはギャグがメインだが「今週の怪人」にはしっかりと名前と能力の詳細が付けられていたり、変身シーンやバトルシーンは力の入った物になっている等バトルものとしても非常に見応えのある物となっている。また歴代特撮作品のパロディやオマージュも含まれており、特撮好きなら一見の価値あり。
作者のツイッターアカウントでは不定期でスピンオフや舞台裏ともとれるショート漫画が掲載されている。
あらすじ
人類滅亡を目論む異次元の悪の組織「アンチノイド」と正義のヒーロー「ラピッドラビット」の戦いが続いていたある日。ラピッドラビットはアンチノイドの幹部「ハニィ・トラップ」に敗れてしまう。止めを刺す前にラピッドラビットの素顔を見ようとするハニィであったが、変身者である「本城颯」の素顔を見るとなんと彼女は一目惚れしてしまい、止めを刺すことなく逃げ帰ってしまう。その後、ハニィは組織のボスである「X」から突然のクビを言い渡されてしまい、組織から追われる身となるが、危ないところを颯に救われ、以降行動を共にするようになる。
ヒーローと元女幹部という異色すぎるコンビの共闘と生活の行方や如何に…?
登場人物
ハニィ・トラップ
本作の主人公。嘗てはアンチノイドの女幹部であったが、Xの気まぐれで解雇され、以後一目惚れした颯の元に身を寄せるようになる。語尾に「ですわ」と付けるのが特徴。巨乳。
颯への愛情は非常に大きく(というか過剰であり)、彼女の何気ない言動から様々な妄想を爆発させては赤面したり、卒倒しかけたりしている。元々は金髪で肩出し・タイトスカートに緑とピンクの毒々しい色のマントと派手な格好をしていたが、人間側に寝返って以降は茶髪に眼鏡とパンツスーツというフォーマルな姿になっている。戦闘形態は蜂や蜘蛛、クラゲの要素を併せ持ったセクシーな怪人。
本城颯(ほんじょうはやて)/ラピッドラビット
本作のもう一人の主人公にしてヒロイン。21歳女性フリーター。本編開始半年前から隣町で偶然拾った変身ブレスでラピッドラビットに変身する。普段はアパート「凪穂野荘」に住んでおり、ハニィと同居することになる。
黒髪ショートヘアのボーイッシュな雰囲気の持ち主。正義感が強くまた、敵味方関係なく困っている人は助けようとする心優しい人物。一方でどこか抜けていて天然気味。趣味はヒーロー鑑賞。ヒーローショーの司会のアルバイトもたまにやっているが、その時の衣装を恥ずかしがっている為知り合いに見られるのは嫌がっている。(本当は密かな楽しみとなっている)
X曰く嘗ては隣町の大学に通っていたようだが……?
アンチノイド
「自分達の行動は人間達の記憶に残らない」という特殊な能力を持った異次元からの侵略者。しかし、その実態は主人公側に負けず劣らずの個性派集団である。幹部核は銃型テバイス「アンチディバスター」を使用し、戦闘形態に変身できる。
その正体は人間の負の感情によって高次元から発生した「人間を滅ぼすための存在」であり、ネガティブな感情のエネルギーを使って兵器や怪人を生み出している。
X
組織の首領。フード付きのマントで素顔を隠しており、分かりづらいが女性である模様。
表面上は大物ぶっているが、実際のところ非常にマイペースで気まぐれでな性格であり、滅茶苦茶な言動で周囲を振り回したり、セコイ制裁を下す等の行為を連発している困ったちゃん。
故にカリスマ性と人望は皆無であり、ハニィからはゴミ呼ばわりされている始末である。
ハニィを解雇したのも冗談であり、刺客に半殺しにさせた後に連れて帰らせる目算であり、本当は巨乳故に気に入っていた。
しかし、これらは単なる気まぐれだけでなくエネルギー源であるマイナス感情を生み出すことも兼ねていたことが後に分かる。
第6話にて自身に啖呵を切った颯に興味を持ち、彼女との接触の為に女子高生の様な姿に変身した。
第7話にてその腕には漆黒のR.Rリング「X.X(イクシス)リング」が巻かれていた。
メルト・アウト
組織の頭脳派にしてアンチディバスターを始めとした「次元ツール」やアンチノイド怪人を制作するマッドサイエンティスト。
ポーカーフェイスで男性的な口調で話す。変人揃いの組織においてほぼ唯一の常識人。
一方で自身の個人的な欲求を満たすために怪人を作ってそれにXを攻撃させる等、時折悪の一員(?)らしい部分も見せる。自由人過ぎるキョーカのことは表面上は厳しい態度を取りながらも内心では気に入っており、時折甘えるような言動を取ったり、逆に甘やかすこともある。
戦闘形態は狐火を操る狐や、サラマンダーのモデルとなったトカゲのような炎を連想させる鳥人を思わせる姿であり、飛行能力を持つ。
キョーカ・スイゲツ
メルトの相棒。人間態は和服と右側に結ったサイドテールが特徴の侍や和風の女剣士を思わせる少女。一人称も「拙者」で語尾に「ござる」と付けるのが口癖。
ハニィ曰く「冷徹な剣士」であり、彼女よりも以前から人間界で諜報活動に励んでいたとのこと…なのだが、その活動の影響からか今となっては身も心も重度のオタクと化しており、アニメ鑑賞とギャルゲのやり込み、フィギュアの開封ブンドドが趣味と、ある意味人間界を非常に謳歌している。他にも、(二次元・リアルを問わず)人のパンチラを狙う悪い癖もある。
このように筋金入りのインドア派であり日常生活では引きこもってばかりな為頭からキノコが生えている。(ちなみに食用)
メルトの真意には気付いていないものの、「彼女と一緒にいるからこそ自身の趣味が楽しい」と言っており、大切に思っている。彼女のことは「メルト氏」と呼んでいる。
戦闘形態では編み笠とマントを羽織って、剣士の要素がより色濃くなっている怪人。
武器は太刀とマントを分割して生成する触手。
クール・ダウン
第7話より登場。
人間態は軍服を着た男装の麗人であり、どこか芝居がかった凛々しい口調で話す。(所謂「ヅカ系」)
普段はXらとは別行動をとっているが、Xに招集された。
「百合とは女性同士の魂の共鳴」と言い切るほどの大の百合好きで、「コミック百合娘」を愛読している。
戦闘形態はクリオネ、マンモス、イルカ、ペンギン、セイウチ、シロクマといった氷や氷河期を想起させる動物の意匠が入った怪人。
屈強な見た目に違わぬパワーと防御力を誇る他にも、冷気を操る能力を持ち、周囲を一瞬で凍てつかせたり、氷山を出現させて奇襲をかけることが可能。