「私は幸夢のピアニー。あなたたちの見る夢が幸せでありますように…」
CV:和氣あず未
概要
純真な心を持つ人だけが見ることができるという「夢の国アルフ」に住まう妖精の少女。人に幸せな夢を見せる能力を持ち、その力でみんなが幸せになれるよう願っている。
紫目。金髪だが髪の先は橙色に変色していて、2つの花のようになっているのが特徴。
耳は尖っており、背中からは蝶のような羽が生えている。イラストでは履いていないようにも見えるが、ムービーで見ると履いている。
一人称は「私」or「ピアニー」、二人称は「あなた」。口調は基本的にてよだわ。夢の王フロージと悪夢の王フレイヤに対しては様付け、妖精やシャロンに対しては呼び捨て。「悪夢さん」など名詞+さんで呼ぶことも。
純真で人懐っこく、前向きな性格で子供と遊ぶのが好き。人間が目覚めると妖精を忘れてしまうこと、大人になって夢を忘れてしまうことを寂しく思っている。
フロージとフレイヤの魔力で妖精となり、気がついたらアルフにいたそうだ。
同じ妖精のルピナスとは友人関係。眠たがりな彼女のために子守唄を歌ってあげるなど仲良しな様子。
シャロンからは「どこかで会ったような気がする」と言われているが、ピアニー本人に覚えはないらしい。
ちなみに妖精はFEシリーズ初めての種族となる。背丈は普通の人間と同じで、人間界に来ることもできる。
第4部のメインヒロインであり、アルフに攻め込んできた「悪夢の国スヴァルトアルフ」の軍勢に対抗する。
第4部の間はアプリのアイコンも担当。
『サイファ』では固定職の「フェアリー」となっている。
真実
※以下ネタバレ注意
ルピナス、スカビオサ、プルメリアと同じく、フロージとフレイヤの手によって妖精として転生した元人間。
天真爛漫な人間の少女として生きていた頃は、血の繋がらない父と、実の姉と3人で暮らしていた。しかし父親は姉妹を毎日のように虐待し、寝食もままならぬ状態で顔を殴り続けられたピアニーはほとんど失明してしまう。このままではピアニーの命が危ないと判断した姉は、妹を守るために義父を手にかけた。
義父を殺害して居場所をなくした姉妹は、フレイヤたちに導かれて夢の世界へ迷い込んだ。そしてフレイヤたちから、滅びようとする夢の世界を救う英雄にならないかと持ちかけられる。妹を守るための力を欲していた姉は夢の蜜を飲み、後にピアニーも蜜を飲んだ。
姉妹は生前の記憶を消されて、ピアニーはフロージのいる夢の国アルフへ行き、姉はフレイヤのいる悪夢の国スヴァルトアルフへ行き黒妖精として転生したのである。
「おねえちゃん…おねえちゃん…こわいよ…おねがい…たすけて…おねえちゃん…」
「だいじょうぶ、だいじょうぶだからね。おねえちゃんがまもってあげる。何があっても…おねえちゃんが、ぜったい…」
メインストーリーで黒妖精との戦闘が激化していくなか、ピアニーは徐々に生前の記憶を取り戻してく。
そして黒妖精との決戦の時、ピアニーは確信を持って真実を告げようとするが、スカビオサはそれを制止し己の任務を全うした。ついに決着がつき、消滅するスカビオサに対してピアニーは言う。
「…お姉…ちゃん…」
ピアニーの生前の「姉」とはスヴァルトアルフの黒妖精スカビオサだった。
また、同じく夢の世界に迷い込んだ少女であるシャロンとピアニーは最も親しい仲だった。そっくりだった二人はよく「とりかえっこ遊び」をして、お互いに成り代わっていた。
フレイヤたちから英雄にならないかと持ちかけられた時、「シャロン」だったピアニーは二人分の夢の蜜を飲んだ。二度と人に戻れないそれが英雄という名の犠牲であると知っていたピアニーは、シャロンの身代わりとして妖精になったのである。彼女がいなければシャロンも転生していたため、ピアニーはシャロンにとって命の恩人ともいえる。
そのことを気に病むシャロンに、「人の幸せが自分の幸せ」だから安心するようにピアニーは言った。何度も入れ替わったため、二人が元々どっちだったのかは知る由もない。ピアニーとシャロンは半分ずつで、二人とも同じなのである。
活躍
メインストーリー
第4部1章から登場。
特務機関は「眠り病」を解決しようとアスク王国辺境の村を訪れるが、近づいた途端に全員が眠りに落ちてしまう。そして、夢の国アルフに迷い込んだ彼らを助けたのがピアニーだった。
夢の世界で一人はぐれた召喚師を探すため、夢の王フロージに会いにいく。彼から貰った助言のもと、夢の門に辿り着いた一行は【グリンカムビの角笛】を吹いて夢から目覚め、ピアニーと別れる。
しかし、フロージが悪夢の国スヴァルトアルフに連れ去られたことで、「夢現」により現実世界にまで悪夢が侵攻していた。フロージを救出し、世界を元に戻すためにピアニーは特務機関に助けを求める。
合流したルピナスの力でスヴァルトアルフに乗り込むが、フレイヤに追い詰められてしまった。唯一の解決策としてフロージが自らの命を差し出すとフレイヤは激昂。ピアニーたちはフロージの願いを守って元の世界へ戻るが、悪夢の軍勢は追いかけてくる。
今いる場所は現実世界ではなく、自分たちが最初から夢の世界に囚われ続けていることに気づいたアルフォンスは、今度こそ現実に戻るため角笛を吹くが、何も起こらない。そこに現れた召喚師のフードをピアニーが脱がせると、その顔は紛れもなくアルフォンスだった。
つまり、これまでの出来事は全て、アルフォンスになったと思い込んだ召喚師が見ていた夢の中のものなのである。現実のアルフォンスは既に亡くなっており、ここは召喚師の願望が作り出した夢の世界なのだとフレイヤは言うが、ピアニーは希望を捨てない。召喚師を待っている人のために、夢から目覚めることを勧める。
現実に戻ればピアニーたち妖精はフレイヤに殺されてしまう。幼少期の記憶を思い出したシャロンはそれを厭うが、ピアニーはそんな彼女を宥め、昔シャロンが作ってくれた花の指輪を渡した。そして、もし現実に戻っても自分のことを憶えていたら再会できるかもしれない、そうなったら嬉しいとピアニーは笑う。
角笛を吹き、ついに現実に戻ってきた特務機関。しかし、シャロンは手に持っていた花の指輪を見て心が張り裂けそうになる。
すると、シャロンの幼馴染だという人が訪ねてきた。そこに現れたのは……。
「おはようございます! 私、幸夢のピアニー! 夢の国アルフの妖精よ。」
虚無が、悪夢を
第4部完結から約3年後に開催された「戦渦の連戦+ ~虚無が、悪夢を~」では、ピアニーはフレイヤの悪夢の中に導かれる。
そこでプルメリアと出会ったピアニーは、虚無のしもべであるアイトに襲われるが、命令に縛られている彼女を信じ、協力することに。虚無の王ギンヌンガガプがフレイヤを滅ぼして全ての夢を虚無にしようと目論んでいることを知ると、かつて倒した虚無と再び戦うと決めた。
スカビオサとルピナスとも合流し、虚無の王を倒せる唯一の存在であるフレイヤを見つける。しかし、フレイヤは虚無の王に貫かれて消滅してしまい、スカビオサは酷く絶望した。そんな彼女をピアニーが抱きしめると、アイトから新たな力を授かる(後述の響心英雄の姿へ)。
虚無の力を前に仲間たちが諦めかけるなか、希望を信じるピアニーは真実を見破った。
殺されたフレイヤは【夢喰い】という虚無の怪物が化けた姿であり、虚無の王がそれを見せたのはフレイヤの死で妖精たちに全てを諦めさせるため、そして、この悪夢を見ているフレイヤ自身にもフレイヤが死んだと思わせるためだということ。
アイトの正体は幼い頃のフレイヤであること。
それを聞いたアイトは、フレイヤである自分自身を思い出し、姿を取り戻す。全ての夢を司る彼女に虚無の王が敵うことはなく、ついに消滅させられた。
その後、ピアニーはアイトに会いたいとフレイヤに乞う。望みを聞き入れたフレイヤはアイトを出現させ、二人は無事に再会。全ては丸く収まったのである。
性能
炎の祭りにてターナとの双界英雄の後衛としても登場している。性能についての詳細はターナの記事を参照。
幸夢の ピアニー(神階英雄)
「私、幸夢のピアニー。
みんな、あったかいベッドの中で
幸せな夢を見られますように...」
属性 | 青 |
---|---|
兵種 | 魔法/飛行 |
武器 | 幸福の花(専用) |
補助 | やさしいゆめ(専用)→やさしいゆめ・神(専用) |
A | 青の死闘・飛行3 |
B | 曲技飛行3 |
C | 魔防の鼓舞4→魔防の十字紋章 |
2019年12月から光の神階英雄で登場。ヒロインのため、第4部1章をクリアすると確定で仲間になる。神階英雄としては初の再行動英雄。
ステータスは速さがやや高めで守備がかなり低い。
専用武器は魔防3に十字方向にいる味方は戦闘中、攻撃速さ+3で後の十字紋章系効果に該当する。
専用補助スキル「やさしいゆめ」は踊り子でお馴染みの再行動と自分及び踊らせた味方の十字方向にいる味方に全ステータス+3かつ「先導の伝令」の効果を付与させるサポート特化。「死闘」持ちなので闘技場の防衛に放り込みやすく、事故を誘発しやすい。
物理耐久は紙レベルなので近接武器はもちろん、飛行に特効がある弓相手だと一発で倒されるので警戒が必要。
ただし、同兵種の再行動英雄にはA、Bスキルが同じ水の伝承英雄のアクアがおり、バフ強化や専用補助スキルで特定の兵種は移動+1にしたりと競合しがちな点に注意(現在は上方修正で差別化されている)。
2023年2月のアップデートで上方修正が実施。
専用補助スキルは「やさしいゆめ・神」へ。効果と条件はそのままだが全ステータス+4へ跳ね上がり、デバフ無効付与が追加。
Cスキルは「魔防の十字紋章」へ。隣接する必要もなくなり、武器スキルと噛み合うがバフ数値が減るため、どう使うかは召喚師次第。
同時に錬成武器対象に。十字方向にいる味方の攻撃、速さへのバフが+4へと跳ね上がり、十字方向に味方がいると自身の戦闘中、全ステータス+4が追加。特殊錬成効果は自分のHPが25%以上の時は戦闘中、さらに全ステータス+4かつ絶対追撃、戦闘後に自分と十字方向の味方のHP7回復。これで苦手だった戦闘もある程度参加できるようになり、十字方向にいると攻撃とサポートの真価を発揮しやすくなる新たな個性を得た。
夢見る妖精たち ピアニー(比翼英雄)
「私たち、夢の世界から来た妖精なの。
ほらほらスカビオサ。
あなたも元気に挨拶しましょ?」
属性 | 緑 |
---|---|
兵種 | 魔法/飛行 |
武器 | 妖精姉妹の絆(専用) |
補助 | やさしいゆめ(専用) |
A | 攻撃速さの絆4 |
B | 魔防の魅了3 |
C | 攻撃の相互大紋章 |
2021年1月からピアニー初の超英雄。今回は姉であるスカビオサとの比翼英雄。
神階版とステータスを比べると攻撃と速さは上がったが魔防は下がっている。
専用武器は効果条件も神階版と同じだが速さ3に変わり、攻撃のみで速さが消えた代わりに+6へ数値が上がる。サポート型に変わりはないがデバフもばら撒くことが出来るのでバフデバフを両立したスキル構成になった。
比翼スキルは周囲1マス以内にいる最もHPが高い行動済みの味方を再行動にし、さらに全ステータス+3かつ先導の伝令を付与。条件は厳しいが組み合わせ次第では強力になる。ただし一回限り。
弱点の飛行特攻は同じだが曲技飛行はないので機動力が低下している。おまけに魔道にも弱くなった。
比翼スキルも隣接しないと意味がないのであまり前に出過ぎないように。活かしたいのであれば聖印の曲技飛行か先導系スキルを装備して補おう。
親愛の夢 ピアニー(響心英雄)
「私、ピアニー! この服、素敵でしょ。
夢の中では、なんでもできる、
なんにでもなれるの。」
属性 | 緑 |
---|---|
兵種 | 斧/飛行 |
武器 | 親愛の花(専用) |
補助 | やさしいひとのゆめ(専用) |
A | 攻撃速さの連帯 |
B | 疾風大地の舞い3 |
C | 速さの十字紋章 |
X | 響・攻撃の信義(響心) |
2023年10月から登場。開花英雄かと思われていたが、まさかの新区分「響心英雄」で登場。アイトの力とスカビオサへの想いでパワーアップした姿で、通常とは異なり髪の先が青紫色になっている。スカビオサも響心英雄で同時実装。
神階版とステータスを比べると全て上回る。
専用武器はキラー武器効果と十字方向にいる味方は戦闘中、攻撃速さ+5かつ戦闘後にHP5回復。もう一つは自分のHPが25%以上の時は戦闘中、全ステータス+5かつ最初に受けるダメージを40%軽減して戦闘後にHP5回復。そして同条件で十字方向に味方がいると戦闘中さらに全ステータス+4。今までピアニーと違い、攻撃に特化している。
専用補助スキル「やさしいゆめ」のグレードアップ版が登場。条件は「やさしいゆめ・神」と変わらないが、こちらはデバフ無効ではなく再移動(1)を付与する。機動力をさらに強化できる。
疾風大地の舞いのグレードアップ版が登場。条件は同じだが対象への強化は速さ守備+6に跳ね上がり、回避付与が追加。そして使用したときは再移動(1)が発動可能で、春スカビオサが持っていた「業火疾風の舞い3」のステータス強化と再移動追加が同じ。
そして響心スキル「響・攻撃の信義」はターン開始時、周囲2マス以内に味方がいれば攻撃+6かつ周囲2マス以内の味方の隣接マスに移動可能を付与。信義4系効果と同じ効果を内蔵している。
飛行特攻に加え、今までとは違って遠距離武器に反撃できないという弱点が増えた。
実装時に開催された「想いを集めて 〜夢の果ての光〜」では、虚無が蝕む夢に襲われたソニアとマイセンをスカビオサと共に助ける。
ピアニー編では、フロージの想いを残すためにみんなの幸せな夢を支えようと新たに決意した。
余談
担当声優の和氣あず未はファイアーエムブレムシリーズ初担当。
名前の元ネタは実在する花「ピオニー」だと思われる(4章のオリジナルキャラはフレイヤとフロージを除き全て花の名前で統一されてる為)。
日本では「芍薬(シャクヤク)」の名前の方が一般的。花言葉は意外にも「威厳」や「はにかみ」などで、おおよそ彼女のイメージに合わないが、白の芍薬の花言葉は幸せな結婚であるため、いつも楽しそうなノリは彼女が白妖精だからだと思われる。一方で紫の芍薬の花言葉は「憤怒」であるため、もしスヴァルトアルフに属していたら全然違う性格になっていたかもしれない。
また芍薬は名前が示す様に薬に使われ主に漢方薬の材料として広く使われている。芍薬が材料に使われる漢方で最も有名な所では葛根湯がある。
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