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「人間の血を吸って何が悪い!生ける屍にして何が悪い!」


プロフィール編集

真名バーヴァン・シー
クラスアーチャー
性別女性
身長170cm
体重54kg
出典イギリス妖精史、及び異聞帯ブリテン
地域妖精國・ダーリントン付近
属性混沌・悪・地
好きなもの月の光
嫌いなもの太陽
設定担当奈須きのこ
ILLUST望月けい
CV和氣あず未

概要編集

Fate/Grand Order』に登場する妖精騎士トリスタンの真名。

妖精國の女王であるモルガンの一人娘(妖精は子孫を作らないため、その関係は養子縁組)であり、「予言の子」に対抗してか妖精には不要とされる魔術を習っている。


真名編集

悲しみの子など偽りの名。其は男を誑かして破滅に追いやる吸血妖精、「バーヴァン・シー」。

汎人類史の伝承ではスコットランドの高地地方に伝わる妖精で、孤独な男を誘惑し、血を啜って無残に殺してしまう存在。バン・シーという名前の似たという妖精も存在するが、両者は全くの別物である(仮名の元になった人物が悲しみの子なので勘違いされやすいが)。


これは、北欧圏の妖精には名前に「◯◯・シー」とつくものが多いためである。「シー」はスコットランド、アイルランド等北欧の言葉で「〜の妖精」という意味になり、バーヴァン・シー(女の妖精)のほかに、ケット・シー(猫の妖精)、クー・シー(犬の妖精)、リアノン・シー(妖精の恋人)など、似たような命名則の妖精に纏わる伝承が多数存在する。


同時期の妖精サーヴァントに共通することだが、本来は「種族」を指す名称であり、英霊に昇華される「個人」を現す名では無い。これは同異聞帯における妖精種の在り方が関係している。


本来ならバーヴァン・シーは緑色のドレスを履いているが、本人曰く「上品すぎて履いてられねーよ」とのこと。また、鹿の足を持つともされるが、どう見ても足の形状は人間のそれであり、鹿の要素は第1再臨のブーツの爪先に蹄の要素が見られるくらい。


人物編集

一人称は「私(わたし)」

本人が公私共に平常運転なので、性格は妖精騎士トリスタンの時と全く変わらないが、バーヴァン・シーとしての正体を表した際の姿は上記イラストのように露出度の高い服装に変化する。


センシティブな作品


頭には黒いローブを被っており、どことなく『Apocrypha』に登場したモルガンを思わせる。


人格は高圧的で冷酷で加虐的。口が悪く粗暴で、女性的なお淑やかな口調と男性的な乱暴で粗雑な口調が入り乱れている。他者の苦悩や苦悶を好み、それを聞くと興奮するサディスト。

ただ根は意外と素直でお人好しで寂しがり屋。一度気に入った相手を疑おうとはせず、また口は悪いが彼女なりの気遣いや忠告を行うことも有るなど親切心を見せることも有る。アルトリア・キャスターの妖精眼によるとかなり素直な性分らしく、妖精國の妖精特有の邪気がない。


汎人類史に触れてからは靴文化に大いに感化され、自らもそれを作ろうとする芸術家・職人肌なところを見せる。カルデアでは同じく職人気質のガラテアに師事し、靴作りに夢中になっているため、上記の悪逆な部分は少し鳴りを潜めている。趣味は踵のコレクションで、気に入った敵の足首を切り落とし、魔術で保存し、お気に入りの靴を履かせて部屋に飾ること。


バレンタインの個別シナリオでは、モルガンの命令で他のサーヴァントのチョコレートを調査しており、調査内容をモルガンに報告するべくパワポで資料を作る描写がある。

前述の靴作りの件も踏まえると、現代の電子機器も使いこなせる程度の手先の器用さと適応力はあるようだ(本来、機械は妖精にとって毒であるのはさておき)。


センシティブな作品逃げないで


ところが、第三再臨に霊基再臨するとそれまでの自信満々で他者を煽りまくる態度は何処へやら、貴婦人を思わせる純白のドレス……が無惨にボロボロとなった装いになり、瞳孔さえ判別し難いほどに虚ろな目の周囲には深いクマやアザが出来、セリフも卑屈で弱々しい狂人じみたものに変化。


目の黒いアザはさながら泣いているように思え、この点で言えば「悲しみの子」のトリスタンらしくなってはいる。さみしがり屋な本音を吐露し、食事が人間の真似事であるはずの種族な妖精でありながら、人間のように「空腹」を訴えたりと、見るも痛ましい姿に落ちぶれてしまった。


セリフの端々から記憶能力が半壊しているのが窺え、マスターに対しても「見知らぬ人」と発言したり、他のサーヴァントへの反応が無かったり、何かを思い出したと思った直後に忘れる等非常に不安定。戦闘中の掛け声は満身創痍の身体を無理矢理駆動させているような悲痛さで、エクストラアタックでは身体の崩壊を厭わず振る舞っているような発言も。戦闘勝利後のボイスの一つは特に悲惨で、最初は呆けているのだがやがて発狂したような悲鳴をあげる。勝利ボイスとしては異様な悲壮感を漂わせ、また声優の演技も相まってあまりにも痛々しい。


最終再臨まで進めると、こうなった経緯を思い出したらしく怨嗟を挙げるのだが……


本編中でこの姿が披露されることはなかったため、なぜこうも劇的な変化を迎えたかは不明。ストーリー本編のある場面では第二再臨の状態で第三再臨のセリフを発する。理由についてはユーザー間でいくつかの考察が出ているが、どれも確定的な証拠に欠ける為、下記の余談も参照。


総じて「誰がここまでしろと言った」「わからせってそういうのじゃない」と多くのユーザーから思われ、本編でヘイトを稼ぎながらも、その末路に戦々恐々される奇妙な状況を生み出した。


能力編集

吸血妖精として、他者のスキルを吸収する事が可能。

モーション中でも分かる通り、戦法に関しては妖精騎士時と変化はない。


スキル補足編集

グレイマルキン(A)イングランドに伝わる魔女の足跡、猫の妖精の名を冠したスキル。猫の特性を「足音を無くす、体重を軽くする、速度を上げる」と妖精風に解釈したもの。バーヴァン・シー自身はそれなりの使い手であるが、このスキルの元の持ち主は一日で世界を一周する程のスピードを出したと言われている。
妖精吸血(A)吸血鬼としての力。「吸血」の亜種スキルと思しい。今は失われているが、嘗てのバーヴァン・シーはこの神秘を嫌い人前では使う事はしなかった。

関連人物編集

妖精國編集

モルガン

大好きなお母様にして、彼女を後継者としている異聞帯の女王。

トリスタン卿の霊基着名させ、またニュー・ダーリントンを領地として与え、更には女王モルガンへ異議を申し立てられるほどの妖精領域(マナの支配権とも)を与えているなど立場としてはかなり優遇しているが、その割に愛情などはなかなか見えてこない。その真意は……?

マイルームでは、カルデアのモルガンが丸くなっていることについて「猫被るどころかライオン被ってる」と評している。しかし、モルガンはこっちのほうが素に近いわけで……


妖精騎士ガウェインバーゲスト

同僚。悪趣味な視点から割と好ましく思っているが、同時に実力も認めており、本能に苦しみながら葛藤する彼女の事は内心気に掛けてはいる模様。なお、妖精騎士全員に言える事であるが、彼女に対して、思い切り正体である妖精の名前で呼んでいるため安直に解放すると危険である。


マイルームでのバーヴァン・シーは「愛した相手を食べるのが性癖のくせに、必死に騎士ぶってるところとか。可哀想で楽しい」という理由でバーゲストが好きと述べているが、これはあくまでその部分だけが好きということらしい。モルガンのバレンタインシナリオではバーゲストを体格や体重のことで煽り倒した挙句、モルガンからバーゲストの靴を作るよう命じられた際にはものすごく嫌がっていたため、内心では嫌っている・見下している部分もあるようだ。


妖精騎士ランスロットメリュジーヌ

バーヴァン・シーとしては、メリュジーヌについて最高に最低な女とのどうしようもなく終わってる関係が好きだったのでメリュジーヌ単体だと興味ないとカルデアでは述べている。逆にメリュジーヌとしては、バーヴァン・シーが妖精國において無軌道な殺戮者だったことについて、同じ穴の狢だった自分は弾劾する資格はないとしている。


カルデア編集

藤丸立香

契約した暇人雑魚マスター。

同僚2人や母が召喚後即恋人扱いや伴侶扱いしてくる中、彼女は嫌いなものを聞かれた際にハッキリと主人公を嫌う発言をしている。絆が深まってもシニカルな言動は変わらず気分次第で相手を殺す彼女はかなり危険……なのだが、誕生日にはプレゼントをちゃんと渡してくる。

更に絆礼装のテキストはそれなりに付き合いが良い様に思える書かれ方となっている。


エリザベート・バートリー

属性がやや被っている相手で、特に己の業と向き合う前の彼女とよく似ている。

彼女の別側面の多さと、それら分身達が共存していることには引いている。


カーミラ

目障りと思いつつそのファッションセンスは参考にしている。

上述のエリちゃんの未来の姿ということには気づいていない模様。


トリスタン

襲名元の円卓の騎士。

赤色の長髪で芸術家気質、とある理由で反転したなど共通点は多い。

後に『カルデア妖精騎士杯』にて、セリフ無しで一緒にいる場面が描かれたが、なぜかトリスタンの側が冷や汗を流して逃げてしまった。何があった?


宮本武蔵(狂)ナイチンゲール〔サンタ〕アストルフォ(剣)

聖杯を自分のハイヒールにしようと考えたが、各々のエピソードによるろくでもない使われ方(聖杯ごはん、クリスマスベル)を知って止める事にした。


ガラテア

マイルームにて、妖精騎士ガウェインから、妖精騎士トリスタンはどうしているのかと訊かれた際に語られ、何故か一緒に靴を作っている模様。芸術家肌の彼女にとって感銘を受けるような出来事があったのだろうか。ちなみに彼女も初登場イベントにて間違った聖杯の使い方をした一人で、下手すると前述の3人より無茶苦茶な事をしている。これを知ったらどんな反応をするだろうか……


メルトリリス

加虐的な性格、ヒール、芸術家肌、トリスタンと関係があるなど共通点が多い相手。

ただし「母親」に対する態度は真逆である。某イベントでの言及では彼女の存在を認識はしているらしく、自分とは異なる脚線美に惚れ込んでいる模様である。


グレイ

2021年クリスマスイベントでセリフ無しだが彼女と一緒にパーティー会場にいるカットがある。『カルデア妖精騎士杯』でも彼女に話しかけていた。実際のところ銀髪のアルトリア顔で「最果てにて輝ける槍」の所有者とモルガンとの共通点がある為、気になって関わったのかもしれない。


余談編集

  • 吸血妖精として語られる彼女は、クラスがアーチャーかつ属性が「悪」で自衛手段が「無敵」なので、吸血鬼の汚名を背負わされたランサー宝具には為すすべなく格好の餌食になってしまう。「地獄の具現こそ、不徳の報いに相応しい」という宝具詠唱も妖精國の歴史を考えると言葉の重みが違って聞こえるだろう。
  • 彼女を相手に宝具の連発を狙うのであれば等倍ではあるものの(防御面では有利)、悪特攻宝具を持ち、キャストリアとも相性のいいアストライアを使うのが良い(クリ殴りを狙えるのも大きい)。
    • また、お母様の宝具も妖精特攻を持ち、相性も有利だが、こちらは宝具レベル次第で威力に差が出やすい。なので、威力や安定性を狙うのであれば前二者を取ると良いだろう。
    • もし彼女がランサーだったら、混沌・悪特攻を持つ紅閻魔にいとも容易く切り捨てられていただろう事は想像に難くない。
    • また、強化クエストが実装された事により汎人類史における義理の叔母上のifの姿も天敵となっている。
  • よく見てみると「月の光を好む」「精霊種と妖精には深い関わりがある」「吸血を行う」など、どことなく『月姫』を連想させる要素が多い。
  • また、スキルになぜか魔女の使役する猫の名である「グレイマルキン」が存在しており、これが彼女本来のスキルであると解説されている。そのことから本当は「バーヴァン・シー」ですらないのではないかと一部ファンから疑惑の目を向けられていたが、後述する経緯からその可能性は無いに等しい。
  • 2022年のお正月に更新された竹箒日記の与太話において「お屠蘇に酔ってダウン」という記述があったことから下戸疑惑が浮上。以降の二次創作で下戸設定が定着しつつある。
    • そして様々なアーチャー達が活躍するイベント、『南溟弓張八犬伝』のエピローグにセリフ付きで登場した際、汎人類史の果実酒を飲みながらふて腐れており、上記の記述が正式な設定として描写される事に。因みにこの時の話していたことを要約すると「自分は前線に出られなかったので皆と話を合わせられない」といった事をぼやいていた。
  • カルデア・サテライトステーション 2021-2022にて「最も多くLV.120にされたサーヴァントランキング」星4部門第4位に輝いた事が発表された。

関連タグ編集

Fate/GrandOrder アーチャー(Fate)


わからせ:第三再臨の惨状をこう評する声も。それにしてはやりすぎな気もするが……

そのためか、彼女に“わからせる”ことは大抵「立場」ではなく善意100%の「幸福」だったりする。













ネタバレ注意(第2部6章24節以降の重大なネタバレを含みます)編集

























このブリテンで、唯一、唯一 ────おまえだけが、私に感謝をしてくれた。


必ず救う。おまえだけは必ず救ってみせる。

次代のおまえが妖精どもに拾われる前に、必ず見つけ出す。

そして────今度こそ、幸福に。




実は彼女は元々、どこまでも善良であり純粋な妖精だった。

ブリテンを平和にしようと尽力しても多くの妖精に裏切られ、絶望し擦り切れていくトネリコ=モルガンに対し、彼女が魔女であった時からずっと感謝し続けた唯一の妖精。

だが、善良すぎるが故に他の妖精に好かれすぎて、使い潰されボロボロになってしまう。騙されても怒ることもできず、暴力を振るわれても逃げることもしない。ボロ雑巾にさせられた挙句に捨てられて死に、次代として再発生しても変わらない善良さ故に同じ道を辿ってしまう。

そのためモルガンが再発生後に急いで彼女を見つけても、既にボロボロになることを繰り返していた。純粋に善を、そして悪を楽しむ妖精の中で、他にないその純粋な善性は「汎人類史のモルガン」から受け継いだ夢すら超えるくらいに、モルガンの心の助けとなっていた。


そして100年前、今代で最後となるほどに死に過ぎた彼女がこれ以上酷い目に遭わないようにするために、モルガンがトリスタンの霊基を着名させた上で加護を与え、同じ道を辿らないようにするために真逆の道を行くように教育された。それが今の暴力的で加虐的な性格である。

正しく言うなら、全ての妖精に嫌われるほどの暴力的で加虐的にならないと、彼女は生きていくことができない、モルガンはそう考えたのである(本来の性格では耐えられないためにそこからかけ離れざるを得なかったという点では第六特異点でのトリスタンと似通っている)。



悪逆に生きるがいい。残忍に生きるがいい。おまえはそうでなければ生きられない。

たった一度。たった一度でいいのだ。おまえが幸福である生き方ができるのなら────

私はその為に、私の夢を捧げても、良い。



そして母親(モルガン)に喜ばれる為に努力して悪事を働き続けてきた結果、元が純粋だったバーヴァン・シーは見事に心から悪を楽しめるくらいに変質し、純粋に悪を謳歌する振る舞いが見られるに至った。元が善性でありながら属性が混沌・悪である点も、善性から悪性へと変質した結果なのかもしれない。さらに悪性に至った賜物によるのか、現在のバーヴァン・シーは今まで人間・妖精双方に使い潰されてきたことで彼らに対して積年の恨みと憎悪を抱えてしまっており、人間も妖精も心の底から嫌悪するようになった。それは主人公に対しても例外ではない。


ただし、楽園の妖精出身であるアルトリア・キャスターに対しては、その生い立ちや特性からむしろ逆に好意的な感情すら示している(本人も疑問に思っていた)。同じ楽園の妖精出身のモルガンを母親と呼び慕うのも、上述の件も一因に入ってるのかもしれない。


そんな彼女は時々善性がフラッシュバックし罪悪感を抱いてしまうのか、壊した後に泣いてしまう癖が起きる模様。また、これら悪性を以っての活動の動機のひとつとして、モルガンからの期待に沿いたい・モルガンの後継者になりたいという望みはあり、一見するとただ謳歌しているだけのように見える悪性も、深層心理では「そのように振舞う」よう心がけ、悪性がどのようなものかを手探りで自分なりに身に着けようと懸命になっているが故に過ぎない。その本心は、モルガンがいなければ何も残らない自分を拾い上げてくれたことへの感謝であり、期待に応えられず敗走した時の悔いなどに特に良く現れている。おまけにそこへバーヴァン・シーに気に入られたベリル・ガットが、そんなモルガンへの思慕と、モルガン自身の過去のトラウマによって愛情表現が気薄になり不器用になってしまっていた事実を逆手に取り、自分の目的に利用すべく「こうすればお母様(女王)はもっと褒めてくれる」という口実のもと、より残虐で悪辣な殺し方を教え込んだ結果、承認欲求と罪悪感の板挟み状態となって今度は精神的に追い詰められかかっていたのだった。


次はちゃんとしてみせるから。

次はもっと殺してみせるから。

私は自由(ワガママ)で、優雅(ざんこく)で、冷酷(かわいい)、ブリテンの人気者。

みんなに愛されたバーヴァン・シー。

その通りに振る舞うから。

女王の後継者らしく振る舞うから。


そもそも妖精國ブリテンの妖精は、本来のあり方を変えることのできない存在でもある。

どれだけ悪逆に生きても彼女にはその意味を本当の意味で理解できなかったのはそのためであり、どれだけ残虐に生きても嘘をつくこともなければ他人を騙すことも心から恨むこともできない。実際、アルトリア・キャスターは、彼女が正直者であることを妖精眼で見抜いており、また大穴に落ちていく際も妖精たちを恨むのでなく、大切な人がぐちゃぐちゃにされているのに、怖くて痛くて、飛び出していって庇えなかった自分を悔やんでいたほどであった。


なお、前述のスキル名「グレイマルキン」とは、かつて彼女を召し抱えていた旧ダーリントン領主の名前であり、グレイマルキンの “動く屍を見てみたい” という身勝手な好奇心から吸血妖精であるバーヴァン・シーはひとりの人間の血を吸い、動く屍を作り出した。領主グレイマルキンはそれをダーリントン地下でネズミ算式に増やし、結果的に溢れだした屍人による「蘇り」事件によって領地もろとも滅びる惨状を招いてしまった。これが蘇りの厄災である。彼女はその屍人たちを、悪逆に生きる今代となっても、自分の手足が腐り落ちても、彼らを「助けてあげて」と叫んでいた。


善良で純粋で感謝を忘れない彼女は、絶対的な女王モルガンの唯一の弱点となってしまった。モルガンの特別な存在のための感情は、結果的に夢=ブリテンを終わらせる一因となったのである。


詳細な解説は個別記事に譲るが、妖精達により大穴に放り捨てられた結果、(その他諸々の描写を合わせて考えると)その中で眠り続けていたケルヌンノスに、復活のための核として取り込まれたようであり、現界に当たり一緒に殺されたその祭神の巫女の性質も引き継いでいる可能性がある。

それを示唆するかのように、第三段階の姿では彼女の首元に縫い目を思わせる刺青が見えるだけでなく、再臨時に「首から下がなくなってしまったよう」と発言する(ブリテンでは手足が腐り落ちる以上に症状が進行した描写はないため、仮にバーヴァン・シーの性質のみを持っていると仮定した場合、この発言は不自然であり、祭神の巫女が受けた仕打ちの形容と捉えた方が筋が通る)。


また、彼女の色を色相反転させるとドレスの色が伝承通りの緑色になる。


そして何の因果か、2023年水着イベント『サーヴァント・サマー・フェスティバル2023!』にて水着サーヴァントになった彼女の姿は、かの厄災をその身に纏っていた


関連人物(ネタバレ)編集

モルガン

バーヴァン・シーにトリスタンの名を与えた冬の女王。

蓋を開けてみれば何より深くバーヴァン・シーを愛していた妖精。自身に唯一感謝してくれた彼女のために、モルガンは妖精國を優しく設定し、笑いを、楽しさを、繋がりを、発展を許した。

だが、それゆえに妖精たちによる反逆を許してしまい、義娘への愛が彼女に隙を生み死を齎した。

カルデアでは娘の元気な様子を喜びつつも「壊してから泣く癖」には苦言を呈している。

特に後編解放以降、二人は「母娘」として描かれているイラストが多い


ウッドワス

牙の種族の長。かつての戦績を知らないバーヴァン・シーからはロートル呼ばわりされ、そんな彼も彼女を下級妖精と罵っていた。また、戦闘能力も、元々は戦闘しても抵抗するという考えも持てない弱い妖精だった少女と、亜鈴百種の排熱大公であり単体戦をする分にはモルガンよりも強い可能性すらあった極めて強力な暴力の化身、という全く逆の存在でもあった。

しかしそんな関係性でありながらも、最後までモルガン本人に忠誠を誓っていた2人であり、また妖精でありながら自分の本来のあり方に逆らおうと懸命に努力し、最後にはその純粋を利用され、愛するモルガンごと謀殺されてしまったという点では似たもの同士でもある。


ベリル・ガット

異聞帯で汎人類史の話を聞かされた事から懐き、行動を共にする機会が多かったクリプター。

モルガンを喜ばせるべく、ウィッチクラフト(黒魔術)を主とした魔術や人の殺し方を含め色々と教わっていたようだが、当人からは異聞帯ごとモルガンを潰すための都合のいい道具としか思われておらず、後編で彼の母が開発したという「使用者の魂を腐らせる呪術」のスケープゴートにされてしまう。第三段階以降の悲惨な姿は、この事実も関係しているのかもしれない。その一方、話を散々引っ掻き回す外道役かと思いきや、より酷い悪辣に塗り潰されて無力に散った点は同じであり、人、妖精どちらにも馴染めなかった半端者としてお互いシンパシーを感じていた模様。


マシュ・キリエライト

あまり良好ではなかったデミ・サーヴァント。寧ろ主人公同様、彼女に対して敵意を持っている。それもそのはず、第2部6章本編で彼女と遭遇したのは、シェフィールドでベリルと一緒にボガードを嬲り殺しにしていた時エディンバラで主人公を失意の庭を使って異空間に閉じ込めた時の2回だけ。その為、マシュにしてみればバーヴァン・シーの事は、自分の事を本気で好きでいてくれた人物2人を悲惨な目に追いやった張本人にしか映っておらず、バーヴァン・シーは主人公とその大切なパートナーであるマシュを、自分と母親であるモルガンの関係性に重ねており、二人に対して妬みと嫌悪に近い感情を抱いている。故に、バーヴァン・シーからの印象はかなり最悪である。

一方で、彼女たちの生い立ちは互いに第三者から道具として扱われ続けてきた悲惨なものであるため、今後のストーリーや幕間、イベントで和解の機会が訪れる可能性もある。


公式リアイベ『Fate/Grand Order カルデア・サテライトステーション 2021-2022』のメインビジュアルでは2人で仲良くトップを飾っており、『サバフェス2023』でもごく普通に会話していたため、サーヴァントとして役割上味方になってからはあまり険悪ではないのかもしれない。


ガウェインガレスモードレッド

汎人類史のモルガンの実の子供であるため義理の兄弟姉妹とも言える。ファンからバーヴァンシーは四人の中では末っ子扱いされる事が多いがバーヴァン・シーの身長は前述の通り姉と言われている2人より高い。

二次創作では兄弟姉妹仲良くしている事が多い。


アグラヴェイン

上記3人と同じくモルガンの子供だが、バーヴァン・シーとは全てにおいて対極の存在。

互いの性格的な相性も最悪であろうことは想像に難くない。


ブリトマート

イベント『カルデア妖精騎士杯』にて登場したある意味後輩の妖精騎士。

彼女のことは煽りつつも、バーヴァン・シーなりに評価している。


マリー・アントワネット・オルタ

「自分と同じドロドロの復讐者」と称賛して(あるいは皮肉って)いる。

しかも「民衆に殺された者同士」と自分自身の惨たらしい最期をネタにしつつ、復讐対象(それぞれフランスの人間とブリテン異聞帯の妖精?)を人形に変えてやるから、2人でそれらの首を千切ってやろうとまで提案している。

善性の存在となった方の彼女でもある復讐鬼を評価しているので、何かと復讐者にはシンパシーを感じるのかもしれない。

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