概要
『ONEPIECE』第1部「空島編」に登場する用語。
空島では「大地(土)」をヴァースと呼び、白海に無い物として信仰・尊崇する風習があった。
そのヴァース信仰の極致とも言えるのが「限りない大地(フェアリーヴァース)」であり、そこには見渡す限り全てが大地(土)で覆われており、既に無き空島「ビルカ」では神はそこにいるものとされている。ちょうど、青海の民が空に神や天使が住まうと信じている通り。
生まれ育ったビルカを自らの手で滅ぼしたエネルは、自身が「神」(本来は単なる国家元首の呼称であるが、エネルは増長するあまり宗教的な神とも自身を同一視し、他の全人類を見下していた)であるという狂信のあまり、「限りない大地」への到達という夢に駆られることとなった。そのために方舟マクシムを作り上げたエネルは、用済みとなったスカイピアとアッパーヤードを滅ぼすべく破壊の限りを尽くすが、麦わらの一味により倒され、スカイピアとシャンディアの歴史的和解が成立した。
しかし、一命をとりとめていたエネルは、部下たちを見捨て、自分一人だけで「限りない大地」へと向かう事となる。
その正体
限りない大地とは、青海人が言う所の月であった。
この事は空島編の序盤から伏線が張られており、ワイパーが決起するシーンでは「400年前の故郷に!」というコマで下弦の月が大写しになっている。
扉絵連載『エネルのスペース大作戦』においては宇宙海賊により侵略を受けていたが、開拓者を気取るエネルの逆鱗に触れ、全員フェアリーヴァースから追い出された。
そこでエネルは地球からやってきたカラクリ人形のスペーシー小隊と出会い、更に宇宙海賊が掘り当てた地下遺跡に到達。エネルのゴロゴロの実の力により、地底遺跡内部の電力基盤がリブートし、そこでエネルとスペーシー小隊はある壁画を目撃する。
それは過去にフェアリーヴァースに人間がいた証であった。
元々フェアリーヴァースには
の3人(3部族と言うべきか)が、スペーシー小隊に似た小人(ロボット?)と共に暮らしていたのだが、資材不足で青い星(ONEPIECEの舞台となる惑星)に降り立ち、小人たちは3人と別れ、フェアリーヴァースに帰って行ったのだという。
つまりはエネルが言っていた「フェアリーヴァースこそが神(宗教的用語)の住処」と言うのは、彼ら空の住人達が元々フェアリーヴァースからの移民だったという遠い遠い伝承が姿を変えたものであった。
気付けばエネルの後ろには、スペーシー小隊と電力供給により復活した小人ロボットたちがズラリと並ぶ。こうしてエネルは新たな軍団を束ね、フェアリーヴァースの神(役職名)となったのである。
壁画に刻まれた遺跡の元々の名前は、エネルが滅ぼした故郷と同じビルカであったという…。
なお、シャンディア族の先祖らしき人達もこの壁画を見る限りでは空の住人ということになるのだが、800年前の時点ですでに彼らは青海(黄金都市シャンドラ)にしか住んでいなかったようであり、謎に包まれている。
その他、ワンピース世界における月のあれこれ
- ワンピース世界においてはプロペラとジェット噴射しかないマクシムは愚か、風船ですら地球から月までの移動が可能となっている。また、月面でエネルは宇宙服等の装備も無しで普通に活動している。
- ミンク族は満月を直視することにより月の獅子(スーロン)と呼ばれる強化形態に変身する。
- なお、ミンク族と下記光月一族は長らく兄弟分である。
- ワノ国の将軍は代々光月家が襲名しており、配下も霜月、雨月、天月、風月、黒炭と月に因んだ名称の家系が連なっている。(黒炭のみ月の字が無いが恐らく新月を表していると思われる)
- 映画第5作『呪われた聖剣』では100年に1度「赤い満月」が来るという設定だった。赤い月の夜には七星剣の魔力が最大値となる。
関連項目
ルナーリア族:空の人々同様に背中に羽が生えており、名前からして月に関係がありそうな種族。今のところ関連性は不明
古代人宇宙飛行士説:『スペース大作戦』の元となったと思しきオカルト説。