概要
2001年10月~2003年9月にかけて放送された星のカービィを題材としたアニメ版『星のカービィ』(通称アニカビ)。一見アニポケやドンキーコングのように全国の子供達に受けるアニメかと思いきや、第一話でそれはひっくり返された。
- メカメカしいワープスターと思われる機体
- カービィ、デデデ大王などの原作キャラは一部だけで性格も異なり(後述)、ほとんどがキャピィと言われるもののアニメオリジナルキャラ。
- アドレーヌ、リボンなどヒロイン候補は十分にいたのに、出てきたのはフームという三白眼のキツいアニメオリジナルヒロイン。
- 初っぱなから羊が魔獣に喰われて骨になるというショッキングな展開
など、大部分はアニメオリジナルで、ゲーム版とアニメ版では全くの別物となっている。
(特にカービィとデデデは、ゲーム版では一人称「ぼく」で若者であるカービィと俺様口調で根っ子は良い奴であるデデデであったが、アニメ化の際にそれぞれ上手く喋れない幼年期みたいであったり、悪行が目立ち言葉遣いも全然違ったりと変更点が多い)
更に社会風刺系や大人にしかわからないネタ、パロディに満ち溢れた話も多い。そのため「和製サウスパーク」と呼ばれることもあり、中でも第49話『星のデデデ』や第89話『星のフームたん』はストーリーもさることながら、当番組やアニメ業界の現状を皮肉ったようなセリフや演出が多く、そのカオスっぷりはもはやアニメ界の伝説となっている。
なぜこんな作風になったのかというと、もともとカービィシリーズは幅広い層に楽しんでもらうことを念頭に置いたコンセプトを持ち、それがアニメにも引き継がれたからである。
カービィの幼児化やオリジナルヒロインであるフームも幅広い層に対しての対応あってのものであり、前者はカービィの人格を固定して一人一人のカービィ像を壊さないために、後者は人間キャラを置いて世界観を壊さないようにするための配慮である。
もうひとつは吉川惣司監督の作風。代表作が今では放送禁止用語連発で編集しないとテレビ放送できない怪作ルパンVS複製人間であるということからも分かるだろう。
結果、アニメカービィはゲームを原作にしたアニメの中でも有数の結果を残し、後世のカービィ作品に大きな影響を及ぼす事になる。
主な例としては
- 一部能力(ウォーター、メタル)、キャラクター(カスタマーサービス、エスカルゴン等)、デザイン(デデデ城、デリバリーシステム)の逆輸入。
- メタナイトのキャラクターの方向性決定、知名度の上昇。
- ネタ(デビルカービィ、星のデデデ)を与え、カービィの作品の幅を広げる。
などが挙げられ、特にメタナイトはアニメがなければ一敵キャラで終わった可能性も高く、昨今の活躍もなかったかもしれない。
バトルスタイルも、原作に登場する敵キャラをモチーフとした魔獣一話ごとに登場する等、「カービィ版のデジモンシリーズ」とも呼ばれることもあるそうな。