概要
『スパイダーマン』で登場したヴィラン。後にヒーロー。
媒体によってはプロウラーと表記されることもある。
その正体は媒体により異なるが、以下初登場時の設定を中心に記述する。
本名はホビー・ブラウン(Hobie Brown)。
黒人の青年で、ピーターと年齢は同程度。
紫のスーツとデッドプールに似たマスクが特徴で、様々な自作した装備を駆使する(以下参照)。
元は発明家を目指す若い窓拭き清掃員だったが、発明品を悪用するようになった。
スパイダーマンと出会った事で改心し、以後スパイディの良き理解者となる。
超能力を持たない一般人だが、テコンドーを心得ており(実力は緑帯)、接近戦ではそれを用い戦う。
装備
- 壁登り用鉤爪:元は作業用の滑り止め道具で、鉤爪の付いた鉄製の手袋に改造。これを壁に引っかけて登るだけでなく、接近戦でも武器としても用いる。
- リスト・ブラスター:手首部分に装備。元は窓拭き用道具で、窓に様々な種類の液体洗剤を吹き付ける装置だった。手首からガス弾を発射し、ガスで敵の目をくらましたり、呼吸困難にさせたりする。ガス弾以外にも、鉄製ダーツ、マグネシウム弾、小型爆弾、催涙ガス弾、幻覚誘発液といった様々なものを発射可能。
- 圧縮空気ランチャー:同じく手首部分に装備。圧縮された空気を発射し、分厚い木の板やレンガなどを破壊する。
- 特殊ブーツ:気泡ゴムと圧縮空気カートリッジを内蔵している。それらを用い、高所から飛び降りても、その衝撃を和らげる事が可能。圧縮空気は足から発射して、不意を突く事も可能。
- マスク、マント:マスクは内部に、自身のガスを吸い込まないようにエアフィルターを内蔵している。また、マントには中空の細い金属線が織り込まれており、広げて固定すれば即席の翼となって、高所からの滑空が可能。
来歴
元は窓拭き清掃員であるが、発明家を志していた。その才能を用い、窓拭き用の清掃用具の改良を雇い主に申し出るが、理解されずに終わる。
この発明品を活用し、様々な装備を自作。最初はヒーローになろうとするも、スパイダーマンを見て「人を救っても叩かれるだけで儲からない」と思い、むしろヴィランになろうと考える。
プラウラーとなって金や物品を盗み、ホビーがそれを取り返すという狂言強盗を行おうと企むが、スパイダーマンが絡み計画が狂う。
結果、スパイダーマンに諭され、ホビーはプラウラーのコスチュームを封印する。
その後、ピーターが自らスパイダーマンの正体をばらしてしまいそうになった時、スパイダーマンのコスチュームを着て、ピーターが正体ではないかという疑いを晴らした。
その後、グウェン・ステイシーの父、ジョージ・ステイシーの死の際、スパイダーマンが殺したものだと誤解し攻撃した事もあったが、この誤解はすぐに解ける。だが、自身の装備とコスチュームを盗まれてしまう。
また、自身の弟分である少年、マニー・ロペスがギャング事件で射殺された際。その原因を作ったと思い込んで、クライムファイターのヒーロー、ヘクター・アヤラことホワイトタイガーに戦いを挑んでいる。
後に、ガールフレンドのミンディと結婚したが、彼女の勤める会社が横領の罪を押し付けようと、彼女を告訴する。良い弁護士や探偵を雇う金が無いために、ホビーはプラウラーとなって事件を独自に調査。その際にスパイダーマンと偶然鉢合わせした事から、協力して事件を解決させた。
その後、ホビーはヒーローを引退。しかし盗まれていたプラウラーの衣装と装備は、女性ヴィラン「ベラドンナ」が雇った泥棒「キャットバーグラー」が身に付けていた。プラウラー姿のキャットバーグラーは、盗みに入った際に偶然警備員を殺してしまい、しかもそのコスチュームのデザインが似ている事からスパイダーマンと間違われていた。
警備員殺しの冤罪を被ったスパイダーマンは、ホビーに食って掛かり、この時点で彼はコスチュームが盗まれた事に気が付く。かくしてスパイダーマンはベラドンナとプラウラー姿のキャットバーグラーを捕え、ホビーにコスチュームを返している。
ヒーローに復帰したホビーは、傭兵の女性「シルバー・セーブル」が経営する民間傭兵会社「ワイルドパック」に入り、改心した元ヴィランたちとチーム「アウトローズ」を結成する。
スパイダーマンの助けになったりと、色々活躍するも、ホビーはプラウラーとして人間同士の戦いによる賭博「グレートゲーム」に参加していた。その際に相手の傭兵、エル・トロ・ネグロにより脊髄に損傷を負って半身不随に。その際に、プラウラーの衣装と装備をまたも盗まれてしまった。
盗んだ男、リック・ローソンは、ヴィラン「ヴァルチャー」と協力し、プラウラーとなって強盗に使用。紆余曲折あってスパイダーマンはヴァルチャーと共にリックを捕え、なんとか衣装を取り戻す。
脊髄損傷から回復したホビーは、シビルウォーがらみで逃亡した時期があった。
後に、パーカーインダストリーズに入社。しかしライバル会社にて、ヴィラン・エレクトロと化した女性、フランシーヌ・フライにより重傷を負い、ヴィラン・ジャッカルにクローンを作られる。
本人はカプセル内で眠ったままで、クローンのホビーはパーカーインダストリーズを探るスパイとして活動。やがてクローンホビーは劣化、オリジナルは回復カプセルから復活する。
だがこの事から、ホビーはピーターの元から離れ、トニーにより「フェアグレイ・ペイ(クラウドファンディング組織)」の責任者として任命される。
そして、シンビオートの製作者であるクヌルが、地球規模で民間人を攻撃した際、ホビーはホーネットのスーツを着て行動を開始する。
スパイダーマンを助けるべく、シンビオートの弱点である高周波音を精製するスタークフォンを用い、シンビオートの侵略を阻止する事を、妻のミンディに誓う。
他メディア展開
コミック
正体が別の人物となっている。
映画
- MCU版スパイダーマン
直接登場しないものの、1作目の『スパイダーマン:ホームカミング』では登場を示唆するようなシーンが描かれている。
アニメ
エピソード「第11章 かけがえのない力」に登場。
演じたのはティム・ラス、日本語吹き替えでは高木渉。
日本語吹き替えでは稲田徹
本作ではキングピンの部下として登場。
序盤でスパイダーマンとなったマイルス・モラレスを執拗に付け狙っている。
※以下ネタバレ
その正体はマイルスの叔父であるアーロン・デイヴィスであった。…実は『アルティメット・スパイダーマン』のプラウラーの正体もマイルスの叔父。ホームカミングでもプラウラーでこそないがアーロンが登場し、甥の存在をほのめかしている。
理由は不明であるが、本編開始以前からキングピンに協力しているらしく、中盤でそれを知ったマイルスはショックを受けていた。
もっとも、プラウラーも追っていたスパイダーマンが自分の甥と知った途端に動揺してしまい、その際に運悪くキングピンから抹殺を命じられたが、マイルスを殺す事ができずに戦意を失ってしまう。
直後にキングピンに撃たれて致命傷を負ってしまい、家族を騙していた事を詫びながらマイルスの目の前で息を引き取った。
彼の死が結果的にマイルスにとっての「大いなる責任」となってしまった。
更には偶然その様子を目撃した兄のジェファーソン・デイヴィスが「弟がスパイダーマンに殺された」と思い込んでしまったが、エピローグで誤解が解けた模様。
スパイダーバースの続編。
物語の中盤にマイルスが訪れた異次元のスパイダーマンの連合軍の本拠地で、他の別次元のヴィラン達と共に牢屋に入れられている。
※以下最新作のネタバレ
MCU版のアーロンと同じドナルド・グローバー氏が演じており、しかも実写キャラ。
出番はわずかしかないちょい役ながら、完成直前の2ヶ月前に撮影された新規映像で登場している。
※更にネタバレ
終盤、マイルスが迷い混んだ『アース42』の世界にも登場。
アーロンに拘束されたマイルスの前に現れ静かに口を開く。
「…親父まだ生きてんのか?」
マイルス「………え?」
「お前の親父…まだ生きてるって?」
マイルス「…うん…」
「……ふぅん?」
マイルス「…あんた誰?」
「…マイルス・モラレス。…お前は…『プラウラー』と呼べ。」
その正体はスパイダーマンが存在しないアース42のマイルス本人。
スパイダーマンのマイルスとプラウラーのマイルスが対峙する場面で、物語は次回作へと続く………
ゲーム
本作も正体がアーロンであるが、『スパイダーバース』とは逆に兄が死亡した後に登場している。
前作で兄が死亡した事から、スパイダーマンとなった甥のマイルズまで失う事を恐れている節があり、力ずくでも自警活動を辞めさせようとするが、当のマイルズからは反発されて対立してしまう。
関連タグ
MARVEL スパイダーマン スパイダーマン:スパイダーバース
バロン・ジモ…紫のマスクを被ったヴィラン繋がり。
スポーン…コスチュームのデザインに、一部似ているところがある(マスクの模様とマント程度だが)。
スリンガーズ…ホビーは後に、この中の一人「ホーネット」のコスチュームとともにその名前も踏襲する。
ベーオウルフ…アース42におけるプラウラーと似た者同士と言える他作品のヴィラン。