「俺が見えるか?スパイダーマン。俺達の運命と対峙する時が来た・・・」
「俺は全てを支配する、俺は神の如き存在になる・・」
―「アメイジング・スパイダーマン2」(2014)
概要
本名はマックスウェル”マックス”・ディロン。初登場は『AMAZING SPIDER-MAN』#9(1964年2月号)と古参の部類に入る。
元々は電気会社の作業員だったが、電線の修理作業をしている時に起きた落雷が原因で感電事故に遭う。一命を取り留めた後に自在に高圧電流を出せる特異体質になった事が判明し、それ以来その力を使って悪事を働くようになる。スパイダーマンにとって最強の敵。
ドクター・オクトパスの呼びかけで結成された悪人軍団「シニスター・シックス」のオリジナルメンバー。
「ニューアベンジャーズ」の創刊号及び「スパイダーマン:ブレイクアウト(2005)」にて、ある人物にそそのかされてライカー島にあるラフト刑務所のセキュリティを破壊。投獄されていたヴィランたちを世に放つというとんでもない事をやらかした(その後、別れた妻を頼りに逃亡していたが、ニューアベンジャーズの第4号で御用となる)。
能力
莫大な量の電気を発生させることができ、電撃を発射して攻撃するのが常套手段。また、周囲の環境から電気を奪い取ることも可能。さらに、この電撃は最大出力なら感電死させる事もおろか、スパイダーマンのウェブも分解する事も出来る。
実写版
アメイジング・スパイダーマン2
初登場。「史上最強の敵」という触れ込みでスパイダーマンの前に立ちはだかることになる。
体全体が透き通る青色に染まっており、血管や体内の電気の流れが透けて見えるなど、クリーチャー染みた恐ろしい外見へとデザインされている。
演じたのはジェイミー・フォックスで、日本語版吹き替えは声優としても活躍中の歌舞伎俳優・中村獅童が担当。
ちなみに中村獅童氏はのちにSSUでヴェノムの日本語吹き替えも担当した。
元々はオズコープ社に努める几帳面で心優しい黒人の電気技師であり、市内の電気をつかさどる配電システムを設計するなど優秀な腕前の持ち主だったが、冴えない風貌と気弱な性格のせいで、周囲からは全くと言っていいほど評価されておらず、使い走りのような扱いを受けるなど鬱屈した日々を過ごしていた。そんな中、誕生日に上司からたった一人残業を命じられ、危険な配線の修理をしていたところ感電事故に遭ってしまい、原作同様電気を発生させることが可能な特異体質へと変貌してしまう(感電の衝撃で実験ラボラトリーの水槽に転落した際、遺伝子操作を施されていた電気ウナギに噛みつかれたことも原因となった)。
当初は自分の体の変化に戸惑って、周囲に助けを求めたものの、後述の一件をきっかけにして、今までの恨み辛みを晴らすかのごとく凶暴な人格に変貌してしまい暴れまわるようになる。
スパイダーマンに対しては、以前車の下敷きになりそうになったところを助けられ、「君が必要だ」と諭されたことで大ファンになっていたが、エレクトロとなって再会した際に、力に戸惑う彼に歩み寄ろうとしたスパイダーマンの制止を無視した警官に狙撃されたことと、周囲の野次馬が自分を罵倒し、スパイダーマンを応援しているのを見て、「結局スパイダーマンは、自分をヒーローとしての売名行為に利用しているだけだった」と誤解して逆上。それ以降は一転してスパイダーマンを憎悪の対象とするようになる。
最初の戦いでは持ち前の高圧電流でスパイダーマンを圧倒するが、彼の咄嗟の気転により敗北し、そのまま刑務所に収監される。そこで人体実験を受けるなど非道な扱いを受けていたが、ハリー・オズボーンに唆されて彼の計画に加担し、新たに肉体を電気エネルギー化する能力を得て刑務所から脱走。
オズコープ社を襲撃した後、自らが開発した配電システムを襲撃して一時的に使用不能に陥らせ、都市機能をマヒさせた。その後、駆けつけたスパイダーマンと再び戦闘になり、一進一退の攻防を繰り広げていたが、最終的にグウェンの作戦によって体内へ許容量を上回る電流を一気に流しこまれたことで、体が限界を迎えて爆死した。
「最強の敵」の異名は伊達ではなく、スパイダーマンもグウェン・ステイシーの手助けがなければ負けていた可能性が高い。心に弱さを持った人間が、その弱さを攻撃に向けると非常に恐ろしいことになるという好例だと言えるだろう。
MCU版
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』では、なんと『アメイジング・スパイダーマン2』と同一人物のエレクトロが登場。
演者は、同様にジェイミー・フォックス氏。吹き替えも中村獅童氏が続投する。彼の時系列は『アメイジング・スパイダーマン2』の終盤で爆死する直前。相変わらず支配欲に満ちており、自分のいる世界とは別の世界の技術を駆使して、スパイダーマンに戦いを挑む。また、同じ世界からやって来たリザード とは互いに面識があった事が本作で明らかとなった。以前と変わらず、かなりの強敵でスパイダーマンを苦しめていたが、そこへまさかの助っ人が現れた事で劣勢となる。最終的にはスパイダーマンが作ったデバイスによって、電気の力を失って本来のマックス・ディロンへと戻り、スパイダーマンとも無事に和解した。
この作品で再登場したヴィランの中で最もデザインが変更されており、電撃が青色から黄色に変化したほか、電撃攻撃を行う際には原作コミックのマスクを思わせる模様が頭部に浮かび上がる。
なお容姿が激変した理由についてメタの域に突っ込めば、ジェイミー・フォックス氏が実は以前のエレクトロの姿をあまり気に入っておらず、ノー・ウェイ・ホームへの出演の条件として「青肌のハゲじゃなければいい」とリクエストをしたからである。
アニメ
マーベル・スーパーヒーローズ
声:不明(日本テレビ版)⇒不明(東京12チャンネル版)⇒不明(CS版)
顔が見える灰色のマスクをしている。
初代アニメ版スパイダーマン
声:不明(東京12チャンネル版)⇒広瀬正志(独立局版)⇒不明(CS版)
シーズン1のみ登場、最初は宝石を奪って遊園地の倉庫に隠れていたことがあり、
後にタイムズスクエアの電気を奪ったことがある。
スパイダーマン&アメイジング・フレンズ
声:不明
青色と黄色の服装をしている。
ビデオマンを使ってフラッシュ・トンプソンやファイアスターを画面の中に閉じ込めたが、
アイスマンもスパイダーマンも閉じ込められたが、スパイダーフレンズの力で脱出に成功している。
平成アニメ版スパイダーマン
シーズン5より登場、カートゥーンネットワークでは未放送。
スパイダーマン新アニメシリーズ
声:不明
原作とは異なるイメージで、本来の姿とは異なる。
スぺクタキュラースパイダーマン
声:不明
頭が電気になっている。
アルティメット・スパイダーマン
声:志村知幸
60年代コミック版に寄せた姿だったが、エレクトロVer2.0にアップしている。
マーベルスパイダーマン
声:不明
おしえて!スパイダーマン
声:志村知幸
銀行強盗をしていたが、スパイダーマンによって止められた。
アトラクション
アメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド
声:ジム・ワイズ(英語版)/中尾隆聖(吹替版)
フロリダの「アイランズ・オブ・アドベンチャー」で1999年3月に、大阪の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」で2004年1月にオープンしたアトラクションに登場。
ホブゴブリン、スクリーム、ハイドロマン、そしてリーダーのドクター・オクトパスら「シニスター・シンジゲート」のメンバーとして登場する。
体験者が乗る「スクープ号」がニューヨークの征服の為に人質として盗んだ自由の女神像を隠している倉庫に迷い込んだことに真っ先に気づき、巨大なコンセントや放電攻撃で襲い掛かる。
その後スパイダーマンとの乱闘中に誤って仲間のハイドロマンを攻撃してしまい、最後はシンジゲートのメンバー共々捕らえられた。
ちなみに、アトラクションの最後はスパイダーマンがカメラを向けて記念写真を撮ってくれるようなシーンがあるが、本当に撮影されているタイミングは上述の最初にエレクトロが襲いかかってくる場面であった。
USJ版は2024年1月下旬をもって運営終了となった。
ゲーム
Marvel's Spider-Man(アース1048)
本編開始時点で既にスパイダーマンによってラフト刑務所に投獄されていたが、ドクター・オクトパスからの交渉により「シニスター・シックス」に入り他メンバーと共にラフト刑務所を脱獄した。
自身の望みは『純粋なエネルギー体』になることで、オクトパスに協力する条件として提示している(上記のアメイジング・スパイダーマン2での自分を見たらさぞ喜ぶことだろう)。
Marvel's Spider-Man2
続編にあたる本作では、ヴィラン狩りを行っているクレイブン・ザ・ハンターに殺されており、「心身ともにひ弱な男だった」と吐き捨てられている。また、エレクトロから奪ったスーツはハンター達の武器の試験に使用されている。
日本独自の漫画
池上遼一版スパイダーマン
こちらもヴィランとして登場するが、設定はスパイダーマン同様だいぶ異なる。
スパイダーマン/偽りの赤
ミステリオが作り出した幻影として登場する。
関連イラスト
関連タグ
エレキマン:デザインが類似しており、エレクトロを参考にしたのではないかという意見もある。
電気ミミズ:東映版スパイダーマンで登場した電気属性のヴィラン。
エレクトラ:一文字違いのMARVELキャラ。こちらは逆にヒーロー寄り。