概要
ドラえもんプラス2巻及び、藤子・F・不二雄大全集14巻に収録。
このペンで描いた絵の生き物は描いた人のペットになる。その動物らしいしぐさも見せ、餌も絵で描いたものでよいが排泄もし、これにはペンのインクの成分が混じっているため、床などにつくとなかなか落ちない。
ペンの本体には「Pet Pen」と書かれているが、1983年版のみイニシャルを取って「PP」と書かれている。
ストーリー
のび太はママにペットを飼いたいとお願いするものの、またもダメと断られてしまう。その様子を見ていたドラえもんは、今日が断られて100回目だと言って記念にとクラッカーを鳴らし、のび太はこれに怒るもののドラえもんはペットペンを取り出す。ペンの説明とペットを飼う際の注意事項をドラえもんから聞いたのび太は早速、大きな犬の絵を描き出すが足が5本になってしまい、専用の吸い取り紙でやり直すことに。
今度はちゃんと図鑑を見てコリー犬を描き見事完成させ、お腹が空いているようだったので、ドッグフードを描いて食べさせようとしたが下手すぎたため、石ころとしか認識されず、代わってドラえもんが骨付き肉を描くと喜び夢中で食べ始めた。しかしそこに鳴き声を聞いてママが注意しに来たため、絵に描いた犬だと言い張り何とか買うことを許してもらう。
これに喜んだのび太はこの犬をラッシーと名付け散歩に連れて行こうとしたが、昼寝を始めてしまい、昼寝から覚めると小便も始めたため、のび太に怒られラッシーは外に逃げ出してしまう。ドラえもん達は小便の後始末を始めるがサインペンの成分が混じっていたため中々落ちず、そんな中ラッシーが庭にいたママに吠え始めたため慌てて外に連れ出す。
けれどものび太は諦めずラッシーを立派な犬に育てがあげることを宣言し訓練を開始する。手始めに匂いをボールの臭いを嗅がせ、投げたこれを取って来るよう指示するが結局取って来れず、ドラえもん達がボールを探している最中ラッシーは猫に襲われてしまい、家に引き返してしまった。
そして入り込んだのが吸い取り紙だったため消えてしまい、このことに悲しんだのび太はこのペンのせいだと決めつけ、しずか達にこれを貸してしまった。しかしこのペンでしずかはコアラ、ジャイアンはオウム、スネ夫はジャイアントパンダを描き楽しんでいたため、この様子を見たのび太は悔しがるのだった。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1983年12月9日に、水田版は2011年1月21日及び、2024年1月6日にそれぞれ放送している
1983年版
- のび太はふすまに隠れながらママにペットをねだっており、ママものび太の方は見ないでアイロンがけをしていた。そしてのび太が同じことをしつこく聞いたため、怒鳴り返してもいた。またのび太が来た時ドラえもんは本を読んでいた。
- ドラえもんの忠告に対しのび太は「分かった分かりましたよ」と聞き飽きたような態度をとっていた。また、初めに書いた絵に対しドラえもんは「下手くそ」とクスクス笑っていて、足が5本になっていることもドラえもんが指摘している。そしてこの後のセリフも「いい加減な絵を描いちゃ可哀そう」に変更されている。
- のび太が再チャレンジして描いた絵の犬の種類は言われておらず、右前足が白くなっていない代わりに、全ての足首と尻尾の先が白くなっていた。ちなみに名前もラッキーに変更されている。
- 小便を掃除する際のび太はドラえもんの指示で洗剤を持ってきたが、誤って蹴っ飛ばしてしまいドラえもんに降りかかってしまった。
- ドラえもん達がラッキーに拾ってくるよう投げたのは木の棒で、ラッキーはのび太が自ら咥えて拾う真似をしたことで、これを学習しできるようになった。
- この直後ジャイアンとスネ夫に出会い、原作にあったボールを投げてから猫に追い回されるまでの下りはここで描かれ、ペットペンを貸したのもジャイアンが投げた自分のボールをラッキーが見つけられなかったになっている。
- のび太がこのペンにケチをつけたため、ドラえもんはこれに怒りのび太を放っておくおことにしたが、ジャイアン達にペンを貸した後、先ほどのボールを捜すのび太も前に現れてボールを見つけてあげ、仲直りもしている。
- しずかはスケッチブックを持ってのび太の家のそばに来たところをジャイアン達に誘われている。またラストでのび太はジャイアン達からペンを返してもらい再びペットを描こうとしたがインク切れだったため、ドラえもんにもう一度ペンを出してと泣き付いている。
2011年版
- サブタイトルが「のび太のペットは紙の犬!?」に変更。
- のび太がママにペットの件を相談したのは、外国人の子供が子犬とじゃれ合っているテレビ番組を見たから。ちなみにのび太が来た時ママは皿洗いをしてた。
- のび太が来た時ドラえもんは机で漫画を読み爆笑していて、のび太が100回ペットを飼う件を断られたとこを発表する際には、目をスロットにして100を出している。
- のび太は何回も描くのを間違えていて、そのたびにドラえもんが「これ何て言う動物?」や「分かったウサギイヌ」、「オオアリクイ」だのと口を出したため、のび太から黙るよう言われている。そしてのび太はパパに犬の図鑑を借りようとしたが、その前に絵が完成し動き出したため、そのまま買うことにした。
- のび太が描いたこの絵は最初何と吠えたらいいか分からず、のび太は「ワン」と吠えるよう教えたが、ワニに似た見た目にだったため「ワニ」と吠えるようになってしまい、のび太もワニ―と名付けることにした。このため、この後注意しに来たママもこの絵が何の動物か分かっておらず、のび太もそこについては説明しなかった。
- ワニーはのび太に叱られたことでタンスの裏の隙間に隠れてしまった。またこの後のび太の決心を聞いたドラえもんは感動のあまり号泣している。
- のび太はワニーを散歩させる際は紐でつないでいて、ワニーは女性が水まきのために撒いた水に怖がりどこかに走り去ってしまい、道の真ん中で昼寝をしていたところを通りかかった女性に見つけられ、掲示板に張り付けられてしまった。更にジャイアンとスネ夫に落書きもされてしまったが、小便をかけて巣の隙にのび太と共に逃げ、この後すぐのび太に落書きも落としてもらった。だがその後ジャイアン達が放ったムクに襲われ行き止まりまで追いつめられるが、ワニーがムクの顔に絡まり壁に衝突させたことで撃退に成功した。
- ワニーはその後夕食中のび太に食べ物をのねだり吠えるなどして家族に迷惑をかけ、野比家に盗みに入ろうとした泥棒にも吠え噛みついて撃退したが、この時はこの男性が泥棒だとは誰も分からなかったため、のび太からこっぴどく怒鳴られ彼との楽しい思いでを思い出しながら、これ以上迷惑をかけないため出ていくとこにした。
- しかし翌日、この泥棒は逮捕され警官と共に野比家にやってきたため、のび太は自分の過ちに気付きドラえもんと共にワニーを捜すことにした。だがその最中に雨が降り出し、のび太は誤って川に落ちてしまい、そこをワニーとドラえもんに助けられるが、ワニーはこのことでにぐちゃぐちゃになってしまった。
- けれどものび太達に修復され、ボールを拾おうとしたところを猫に追い回されたりしたが、同じく皆がペットペンで動物を描いたやのび太と楽しそうにじゃれ合っていた。
2024年版
- ドラえもんはクラッカーを鳴らすだけでなく、「祝100回目!!」と書かれた幕が仕込まれたくす玉も割っている。
- のび太が動物図鑑を見ながらコリー犬を描く様子の描写が追加され、描いたコリー犬は1983年版と同じく胸の模様が修正されているが、足は原作と同じ色になっている。また絵が完成した後ドラえもんは先ほどの図鑑でコリー犬の特徴を調べている。
- ママはラッシーに吠えられた後2人には怒鳴っておらず、ラッシーはのび太が決心を語っている間に吹いた風に乗って川まで飛ばされている。そしてのび太はジャンプしたラッシーを捕まえようとし、失敗し川に落ちてしまったが、ラッシーは何とか無事で蝶を追いかけまわしていた。
- ラッシーを特訓したのもこの川辺になっている。
- 皆が動物を遊ばせていたのは過去のバージョンと同じく空地になっていて、ジャイアンのオウムは翼に色々な色があるタイプで、スネ夫はパンダに玉乗りを刺せていた。またラストは「僕もああいうペットが欲しかったんだよー!」というのび太のセリフにドラえもんが呆れ溜息をつくというものになっている。