「私のことは忘れて。その方が幸せよ」
演:井咲奈々
CV:寺崎裕香
概要
『仮面ライダーギーツ』第7話の冒頭で登場し、第14話でその名前が判明した、浮世英寿の母親。
英寿は前述の言葉を言い残し去っていった彼女に出会う為に『デザイアグランプリ』に参加し続けている(英寿曰く、『命がけで戦う価値のある存在』との事)。
DGP運営である晴家ウィン曰く、『デザイアグランプリ』のナビゲーターを務めているツムリの前任者であったらしいが、それ以外についての詳細は不明。ツムリは動揺しながらも「何も答えられない」と返答しており、英寿が以前デザイアカードに「母親に会いたい」という願いを書いたところ、受理されず文字そのものが消去されたため、ミツメが「運営側にとっては存在が公になってはならない人物」であるということは確かだと言える。
二ラムとサマス曰く「彼女が英寿の母親であることは本来あり得ない」らしく、ジーンも身辺調査をした上で母親が浮世美歌であることを断定していたようだが…。
余談
- 名前の由来は「見つめる」だと思われる。
- 声を演じる寺崎女史は今作が特撮初出演であり、ニチアサ枠としては『ドキドキ!プリキュア』のラケル以来、9年ぶりの登板となった。
関連タグ
ソフィア(仮面ライダーセイバー):初登場時、服装が彼女に似ていると言う声が多数あった。
この先ネタバレ注意
『MOVIEバトルロワイヤル』で英寿は「この時代の者ではない」とギロリの口から語られたが、ミツメもその可能性も高いと思われており、後にテレビ本編でも「創世の女神」と呼ばれる謎の存在が明かされ、関連性が疑われていた。
そして27〜28話において英寿の正体が、「前世の記憶・名を保持し続けて輪廻転生を繰り返す存在」であり、ミツメは「『エース』として最初に生まれた時の母」であることが判明した。
さらにスエルが持つヴィジョンドライバーにより創世の女神の石像に変えられた事が判明した。
「母親に会いたい」という願いが叶えられなかったのも、それを叶えればデザ神の願望実現が出来なくなる上、その母親=ミツメが創世の女神そのものである為にその願い自体が自己矛盾を引き起こしてしまうからであると考えられる。
また彼女の夫、即ち英寿の最初の父親は現代から2000年ほど前に開催されていたデザグラにおけるデザ神であり、彼女はその人物と禁断の恋に落ち子供のエースを儲けた。
本来、未来人である彼女は現代人と身体の構造が異なるため、子供を授かる事それ自体さえ有り得ないとされていた。だが彼女が三日三晩祈り続けたことで奇跡が起き、その身に新たな命=エースを宿したという。
つまり、「子を産めない」はずの未来人が「子を産める」ようになる、という世界の改変が起きたことになり、この「奇跡」こそ「世界を作り変える力」=創世の女神の力そのものである。だが、この力を発現させた結果、事態を重くみたデザグラ運営により夫は幽閉されて存在を抹消された上、自身はその力に目を付けたスエルにより創世の女神に変えられ、誰かの幸福を糧に別の誰かの幸福を叶え続ける願望器のように扱われる事となった。
なお、これ以降長きにわたり女神の石像としての姿を保ち続けているものの、その精神は内部に未だ残されており、自我の片鱗らしき悲鳴のような音を時々発している。これらの経緯から英寿の前から去ったのも、デザグラ運営からエースを守ることや、これ以上はデザグラ運営から逃げ切れないと考えたが故の行動と考えられる。
この「母が創世の女神に変えられている」という事実を知った英寿は、ミツメを取り戻しその苦しみから解放すべく、デザグラ運営へ戦いを挑むこととなった。
創世の終わり、母の愛
デザグラの根源たる「創世の女神」として幾多の幸福、幾多の不幸に関わってきたミツメであったが、デザ神やデザグラ関係者の願いを長い年月叶え続けてきた事で女神の力は限界を迎えており、加えてジャマト陣営による騒動に収拾がつかなくなっていた事、ミツメの後継となる存在が力に覚醒したことも相まって、第37話にてスエルはグランドエンドの決行を宣言する。
それはグランドエンド完遂と同時に女神の石像が破壊され、同時にミツメの精神も消滅してしまう事を意味していた。
無論英寿は阻止に動くも、スエルの命を受けたニラムに足止めされ、その間にも石像は崩壊の一途をたどってゆく。想定外の事態による一時中断などの紆余曲折を経つつもグランドエンドは進み、母と息子の再会はもはや叶わぬ夢かと思われた。
しかし、自分自身との対峙の末に覚悟を決めた英寿は、創世の力を開花させることに成功。
そしてミツメは、その能力を以て精神世界へ足を踏み入れた息子と、遂に2000年ぶりの再会を果たすこととなった。
女神の石像が崩壊するまでの残されたわずかな時間の中で、英寿に過酷な運命を歩ませてしまったことを謝罪しつつ、自分と夫はエースが生まれたことを心から幸せと感じていたこと、自分の意志ではないとはいえ、多くの人間の人生を奪ってしまったことから自分の罪を償う意志があることを英寿に伝えた彼女は…
「あなただけは生きて、幸せになって!それが私の幸せでもあるから…」
「離れていてもあなたがいてくれるだけで私は幸せだった…」
「エース…愛してる…」
悠久の時の中で息子を見守り続けてきた母として最期に我が子への深い愛を伝え、創世の女神本体の崩壊と同時に消滅した。
こうして創世の女神の喪失とともにグランドエンドは完遂されたかに見えたが、つかの間の再会、そして永遠の別離を通し決意を固めた彼女の息子「英寿」は、彼女の後を継ぐかのように破壊と創造の力を顕現させ…。
更なる余談
- 演者の井咲奈々氏は2005年生まれの18歳。息子である英寿を演じる簡氏が2002年生まれの20歳であるため、親子役なのに年齢が逆転するというとんでも現象が起きている。