概要
企画のみ存在していた特撮『ミラーマン』の続編。
ウルトラシリーズのようにミラーマンのシリーズ化を目指し、本編の最終回後の世界を舞台に、鏡の世界へ帰った鏡京太郎の弟・拓也(企画書では)が変身するミラーレッドの戦いを描く予定だった。
当時の企画書によると鏡拓也 役はのちに『ジャンボーグA』でPAT隊員を演じた中村ブンが予定されていた。
しかしこの時期は、仮面ライダーの大ヒットによって「怪獣ブーム」が「変身ブーム」へと移り、子供たちの興味が怪獣からヒーローに移った時期であり、巨大ヒーローよりも低い予算で作れ、伸びしろもある等身大ヒーローが群雄割拠している時代だった。(もっとも『ウルトラマンA』が『変身忍者嵐』に視聴率で勝利したり、ミラーマンの裏番組『シルバー仮面』が『シルバー仮面ジャイアント』という巨大ヒーローになったり、ピープロが『スペクトルマン』を製作するなど巨大特撮が完全な劣勢だったわけではない。仮面ライダーも最初は視聴率が取れず巨大化する案もあった(仮面ライダーの巨大化は仮面ライダーJで実現した。))
さらにこの時期はアニメの本数が少なく、製作してもヒットしない時代であった。
このままいけば子供向け番組が等身大ヒーローばかりになるかという中、ミラーマンの放送局であるフジテレビが毎週日曜夕方18時から20時までの2時間を子供向けアニメ番組の枠にするという思い切った改編を行う。
その時に各アニメ会社がこぞって売り込みを行い、負けじと円谷プロもミラーマンの放送枠である日曜19時を狙って売り込みを開始するが、もともと18時枠であったタツノコプロが番組改編を受けて張り切って製作した『科学忍者隊ガッチャマン』を試写で見て奮起した東映製作の『マジンガーZ』にプレゼンの段階で敗北。ミラーマン兄弟は日の目を見ることなくお蔵入りとなった。
まさに子供向け番組のトレンドが巨大特撮から等身大ヒーロー、そしてアニメへと移動する時代(今も変わらないかもしれないが)の変化に押し流されることになったのである。
関連項目
ジャンボーグA:世界観がミラーマンと同じである為、ある意味ではミラーマンの続編的な作品である。
電撃超人グリッドマンF/グリッドマンⅡ:同じく放送局の都合でお蔵入りした円谷特撮作品。のちにアニメで回収した。