「 私は、私の『ミッション』を探している 」
解説
CV:渕上舞
美しい黒髪と孔雀色の瞳を持つ、クールな雰囲気の女性ダイバー。アバターは脚線美の眩しいサイバー風スーツ。白いジャケットの下はノースリーブのスーツという大胆なデザイン。
GBNでフレディの助けを求める通信を聞きつけ、居合わせたパルヴィーズ、カザミ、ヒロトらと共に遺跡へと召喚された。
人物
口調も態度も素っ気無く、感情の起伏も口数も少ない。周囲とは必要最低限の事務的なやりとりしか行なわず、交流も持とうとしない謎多きダイバー。他者の言葉を額面どおりに受け取ってしまうような、妙に素直なところもあり、冷淡な態度の裏側にはある種の無垢さをも感じさせる。
最初のミッションを終えた直後にUI上でフォース名を確認され、表示されたデフォルトの「BUILD DIVERS」に周囲が戸惑う中で、気を利かせて「BUILD D“i”VERS」と一字だけ置き換えた。野良ダイバーの寄せ集めであるフォースにこだわりも無く、当初は解散するならそれでも構わないという立ち位置だった。
マイヤに「小さい子たちを誑かさないでほしい」と注意されてうろたえるパルヴィーズに「誑かしたのか」と混ぜ返したり、山の民をはじめとするエルドラの人々の情緒を感じ取るなど、決して冷たい人物ではない様子。意外にも他者をよく見ており、間近で少しずつ変わっていくパルやカザミの姿を目にしながら、一方では常に物憂げなヒロトに探るような視線を向けたりと、BUILD DiVERSの在り様に何かしらを見出そうとするようなしぐさも目立つ。
ソロプレイが信条で、戦況から最善手を割り出し、即断即決で敵を追い詰める戦い方をする。必要な連携は取る一方で、邪魔になる味方を積極的に援護しようとはせず、あわよくば敵もろとも撃破しかねない冷徹ととれる行動も見せる。腕部が小さい機体の都合もあってか、近接戦闘においては非常に足癖が悪い。
実力は高く、序盤では戦力として不安要素の見られるカザミやパルに対し、ヒロトと共にエルドラの敵への苦戦描写は控えめなほうだが、チーム戦の経験のなさが影響してか眼前の敵に集中しがちで、戦況を好転させにくい面が見られた。
GBN内でバーを仕切っているベテランプレイヤーのマギーとは顔馴染みで、マギーの依頼で“ある機体とダイバー”について調査しているらしい。不可解な点の多いストーリーミッションについても進捗を報告しており、「運営への問い合わせ」などの込み入った作業は任せている。
ぶっきらぼうな雰囲気や有無を言わせぬバトルスタイルを指して、パルやカザミには「ヒロトと似ている」と評され本人も認めている一方、フレディの「『わからないこと』と『やらないこと』は違う」という解釈を聞いて、チームの一員としての自身の在り様に思いを巡らせた末に、ヒロトの自己犠牲的な気質に真っ向から異を唱える。ちなみに戦闘スタイルは機体の特性もあってかメイのほうが突っ込み気味なところがある。
また、山の民との交流を経て、ストーリーミッションに自分なりの目的を見出し、衛星兵器攻略戦では自機の損傷も顧みずに砲門へ突撃するといった、強い意志に基づく行動を見せるようになった。
リアル
GBNで発生した電子生命体「EL(エル)ダイバー」の一人で、名前の綴りは「May」。サラと同じように模型の身体へ意識を宿し、マギーの店のバーカウンターに設えられたドールハウスで暮らしている(専用サイズのバーカウンターや椅子も用意されている)。
後見人であるマギーを、周囲に倣って「ママ」と呼んでおり、自身の在り様や望みについて親身になってくれるマギーを本人なりに敬い、良い関係を築いている。外出用のドレスを仕立ててもらったりしているが、お洒落をすることにあまり興味がないのか、出で立ちをパトリックに褒められても反応は薄い。アバター姿と同じボディースーツも持っているが、第2期ではほぼドレス姿で通している。
自分たちの存在が広く認知されてはいないことを承知しており、対面する相手によっては人形のふりをしたり、同行者に耳打ちしたりする。
サラやビルドダイバーズ、シバといった面々とも顔見知りで、彼女の言によれば現時点で87名ものELダイバーが認知、保護されている模様。サラのことは「姉さん」と呼んでおり、関係は良好ながらも敬意をもって接している。
なお、感情の薄さはELダイバーとして生まれた経緯も影響しているようだが、外伝を含めたほかのELダイバーと比較しても明らかに控えめ。それでもマギーによれば、様々な出来事を経験して表情が豊かになったらしい。
モビルドールメイの組立説明書では、「ガンプラバトルがしたい」という感情の余剰データから生まれたこと、それ故に無意識のうちにソロダイバーとしてバトルを行っていたこと、ビームシールドすらも攻撃に転用するなどの攻撃的なバトルスタイルが語られている。
サラよりも後に発生したため、活動期間は2年にもなっておらず、バトルやガンプラの技術こそ十分なものの、「お祭り」について全く知識がないなどまだまだ勉強するべきことは多い。
人間社会では覚えた知識をそのまま実行しようとする節があり、ガンプラサイズの身体でタクシーを呼び止めようとして上手くいかずにふくれっ面で憤慨するコミカルな一面も。マギーから教わった「泣いている相手に寄り添う方法」をとった際には周りが動揺することになった。
ガンダムシリーズに関する知識は豊富なようで、TRANS-AMシステムが圧縮粒子を使いきって停止した際に機体性能が低下する危険性、ターンXが背部のウェポンラックに多数の武器を懸架している設定等を知っており、リバースターンXとの戦闘時に相手の武器を奪って使用するなど各所で知識を活かしている。誰からこんな偏った教育を受けたかは不明。
劇中での活躍
GBNにログインしたまま意識不明に陥ったというシドー・マサキと彼のガンプラの捜索を依頼されて様々なディメンションを回っており、エルドラでの「ストーリーミッション」に接触したのも調査の一環だった。
ミッションの合間に遭遇したゼルトザームを操っているのがダイバー・マサキであると確信したことで、エルドラでの活動が大きなリスクを伴うものであると判断。衛星兵器によるエルドラへの攻撃と、地球規模の通信障害が同じタイミングで発生したことから、エルドラが実在する天体であること、GBNを介して実際に異星へと召喚されていた可能性をも考え、リアルにおいてチームのメンバーを召集する。
半年もの間、病院で昏睡状態に陥っているマサキに3人を引き合わせ、上記の推論を語ると、ミッション継続の危険性を伝えた上で、以降の行動については判断を委ねた。
GBNで生まれた彼女にとっては、人間が暮らすリアルも、遠い星・エルドラも等しく「もう一つの世界」であり、その世界を大切に思う者がいるのならそれを助けたい、それが自分の「mission(使命)」であるという認識を示しており、メンバーが参加を拒否した場合は一人でも再度エルドラへ向かう手段を探すつもりだった様子。
クアドルンからアルスの生い立ちを聞かされ、「願いによって人格が形成された」というELダイバーとの類似点や、「使命に基づいた行動理念」という自身の在り方とのシンパシーを覚えたようで、彼を救う手立てがないかというメイの提案は最後の戦いに変化をもたらした。
ヒロトがイヴ消滅の経緯と第二次有志連合戦での過ちに嗚咽を漏らした際には、その涙を唇で吸い、抱きしめて我慢せず泣くように促した。また、ヒロトとイヴの選択で自分が生まれたことへの感謝を伝えている。
GBNでの決戦では共に参戦したサラの機体を庇い、ダメージを受けてモビルドールとしての機体の維持もできなくなると、サラと共にリクとヒロトに受け止められる形でコアガンダムⅡに同乗(この際、勢い任せに手を取り合ったメイ・ヒロトに対し、あまりにもこなれた空中キャッチを見せたリク・サラの姿は「普段から似たような事をやっているのではないか」と視聴者に深読みされている)。
イヴの幻影をも乗せたコアガンダムと、スカイメビウスの同時射撃によってアルスをデータの海へと還した。
その後、新たに生まれた赤ん坊のようなELダイバーを抱き上げながら、赤ん坊が握りしめていたアクセサリーにアルスという存在のほんの一部が引き継がれている可能性に言及しながら、立ち会った仲間たちに自身が生まれた時のことを語る。
自分という存在を認識した時には、覚えのないアクセサリーを携えていたこと、それが何であれ自身を構成する因子のひとつだと考え、肌身離さず身に着けていること。
上着で赤ん坊を包んだ際に露わになったメイの左腕には、彼女の瞳と同じ色のイヤリングがアレンジされて巻きつけられており、期せずして作り手との再会を果たすこととなった。
「君のおかげで、いくつもの思いが繋がれた。だから――
ありがとう 」
引き継がれるもの
アルスと新たなELダイバーの関係について、メイが「わずかに引き継がれるものもある」と口にしているように、端的に「生まれ変わり」と呼べるほどの因果関係があるわけではない。
遡ればエルドラの「古き民」と最初のELダイバー姉妹も、容姿こそ似通っている部分もあるが同一人物にはあたらないし、イヴとメイの関係はさらに遠いものである。作中の描写からメイの由来を述べるのであれば、「イヴの霧散した情報の断片も含まれているELダイバー」と言い表した方が適切だろう。
データの海へと還ったことで、その選択が繋いだあらゆるものに宿るイヴの想いや、ガンプラ同様にヒロトの創作物であるイヤリングに込められた想いが、メイを構成する因子の一つとなってその縁を伝えているものと思われる。
余談
- 投稿数
本作にてピクシブ内で初めてイラストが投稿されたキャラクターであり、放送前の段階では本作関連の投稿はほとんどが彼女のものであった。
- 初投稿
前述の通りガンダムビルドダイバーズRe:RISEの初投稿イラストが彼女のものとなっているが、なんと同時に18禁イラストも初投稿である。
- 前作との繋がり
今作で初登場した人物では、序盤から明確に前作の人物と明確な接点がある事が判明している。
- ウォドムポッドの商品化
メインキャラの乗機のうち、唯一ウォドムポッドだけがキット化を発表されていなかった(第8話放送時点)が、上記の通り第9話で「そりゃ情報出せねえよな……」と思わざるを得ない、ストーリーに密接に関わる事情が明らかになった。
なお9月末のホビーイベントにおけるトークショーで、キットの開発自体は進行中であることが明かされ、二期の放送時期(の新型コロナウイルス感染症の影響による休止時期中ではあるが)であった2020年6月にようやくHGが発売された。
また、ウォドムポッド+のパーツを見ると終盤の展開がある程度予想できるようにもなっていた。
ちなみにメイ(アバター版)のフィギュアが放送開始前から試作版の画像含めて制作されている事が明かされ、2020年2月に各ゲームセンターやゲームコーナーの景品として置かれる事になる。このプライズフィギュアであるEXQフィギュア以外にもガンダムガールズジェネレーションのフィギュアも発売が決定しており、立体化の機会には比較的恵まれている(さすがにプラモがいくつも出たフミナほどではないが…)。
- サイン
第23話、「THE GUNDAM BASE」でガンプラの制作を進める仲間たちの傍らで、マツムラ店長に頼まれてサインを書いているが、これは担当声優の渕上舞氏が実際に書いたサインを基にしたものである。
- キャラクターデザイン
イヴの因子を受け継いだらしいことが判明したメイだが、一方では「目つき・前髪の形や黒系統の髪色」「メイの目の色が、イヤリングの色やコアガンダム(g-3カラー、通常カラー)の目の色とほぼ同じ鮮やかな青緑色」など、ヒロトとの関連性をうかがわせるものも多い。
何と、彼女自身を改造出来るというある意味業の深い遊びが可能になっている。
その為か、色々な作品の女性キャラをメイで再現するというのがネットで話題になっている。
関連イラスト
関連記事
ガンダムビルドダイバーズRe:RISE BUILDDiVERS
アヤメ:前作の登場人物。女性ダイバー、クールな性格、元ソロプレイヤー等共通点が多く、体形にも共通点があるが、ダイバーの格好は正反対である。…と思われていたが、最終話でジャケットを脱いだ姿はある意味おそろいであった。
サラ:彼女とは姉妹のような存在。メイは「姉さん」と呼んでいる。
リゼ:外伝主人公のELダイバー。初対面時に彼から「姉さん」と認定され、メイ自身も彼を弟としている。
イヴ:2nd seasonのOPで手を合わせるような演出が見られたもののELダイバーであるという以外の共通点はないままだったが、最終回でメイの因子の一部となったらしいことが明かされた。
エルドラで二度目となる風と共に舞う白い花びらに対してヒロトが反応した際には同じように見上げており、彼女もイヴの存在を感じることができたのかもしれない。
ちなみに上記のふくれっ面はイヴがヒロトにしてみせた行動のひとつだったりする。