概要
てんとう虫コミックス16巻及び、藤子・F・不二雄大全集8巻に収録「シンガーソングライター」に登場。
作曲をしてくれる「お玉」(おたまじゃくし)。水槽の中に数匹のお玉が飼われており、水槽の底に五線譜が書かれている。マイクで歌詞を吹き込むと、それに相応しい曲が作り出され、お玉が泳ぎ出して五線譜の上に音符を描き出す。ダイヤルによる調整で、テンポや曲調はお好み次第。
また、作中にもあったようにタイムふろしきでカエルに成長させることもでき、カエルになると曲調通りに鳴くようになる。
ストーリー
帰宅したのび太はドラえもんに経緯を話し、本人がいる空地まで連れて行くと、お落ち込んだジャイアンの顔を見てドラえもんが吹き出したので、のび太は顔を引っ張て笑うのを止めさせた。そして「メロディーお玉」を取り出して、ジャイアンの言う通り楽しくてテンポのゆっくりな曲を注文し、本人にも曲を歌ってもらってこれを吹き込むと、お玉が動き出し楽譜を作ることができた。
だがジャイアンが楽譜が読めないことに怒り出したので、タイムふろしきでお玉をカエルに成長させ、スイッチを入れて先ほどの曲を演奏させた。ジャイアンはこの曲のできに感動し、これがどんな曲でも作れると分かると更に大喜びして世界的な歌手になるとまで言い出し、ドラえもんとのび太の手を取って心の友だ、親友だと感涙。
ドラえもんとのび太も人を喜ばせるのは気持ちいもんだと満足して帰っが、その数日後再び皆の動きが慌ただしくなり、果てには誰もいなくなってしまったのでドラえもんとのび太はジャイアンにリサイタルに誘われてしまった。これにのび太は「あんなもの貸すからだ」、ドラえもんは「何とかしろって言ったの、君だぞ」と取っ組み合いの喧嘩を始め、ジャイアンも「真面目に聞かないとぶん殴るぞ!」と顔を真っ赤にして怒り出した。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1996年11月15日に、水田版は2022年6月11日にそれぞれ放送している。
1996年版
- サブタイトルが「メロディーおたま」に変更
2022年版
- 冒頭のび太とスネ夫は、ジャイアンの歌を聞かなくてよくなったことで上機嫌になり、カラスやポストを見ながらこの世の平和を実感していていた。また、のび太が現状を台風の前に鳥や獣が逃げ出すみたいというシーンは、大勢の犬が逃げ出して来たり、安雄とはる夫がのび太とスネ夫を責める場面に変更されている。
- ジャイアンに首を絞められたのはスネ夫で、この流れからスネ夫ものびたと一緒にジャイアンの悩みを聞いている。また、ジャイアンがシンガーソングライターについて説明するシーンはカットされて、ドラえもんはこの場に通りかかっていて、のび太の「絞め殺されそうになった」は「可愛そうだよ」に変更されている。
- ドラえもんが笑った際、スネ夫は尻尾を引っ張っていて、ジャイアンが注文した曲は美しいものだった。
- 注文通りの曲ができた際、ジャイアンは実際に歌っていて、ドラえもんのセリフのうち、勇ましい曲は言われなかった。
- この後、ドラえもんとのび太はリサイタルのビラ配りを、スネ夫は自分のTシャツを作るよう命令されたので、遠写かがみを使ってリサイタルのTシャツデザイン募集の広告を全国に流した。
- ドラえもん達はジャイアンの様子をうかがいに透明マントで部屋に入っていて、この場で歌を聞かされることとなった。そしてスネ夫も一緒に来ていたため、最終的には3人で取っ組み合いになっていて、ドラえもんのことを「アホタヌキ」呼ばわりして、「それを言うなら青狸だ!」と反論されている。