概要
モノスとはベネズエラのタラ川において、1920年に油田調査に訪れていたスイス人の地質学者フランソワ・ド・ロワ率いる調査隊によって射殺されたという未知の霊長類。
この名はスペイン語で単に猿(複数形)という意味で、UMAとしてはモノ・グランデ(大きな猿)、ド・ロワの類人猿やロイスの猿とも呼ばれている。
ド・ロワらが調査を行っていたときに、突然森の中から二匹の大きな猿のような生き物が大声で咆哮を上げながら、手で物を拾って投げつけてきたとされ、危機感を抱いた調査隊は、すぐさま発砲して一匹を射殺したのだが、残った一匹は逃げていったのだという。
死んだ個体は雌で、身長は150㎝と成人ほどもあり、尾を持たない大猿としか言い様のない生き物だったとされる。
ド・ロワはこの未知の大猿の死体を保存すべきと主張したが、目的である油田調査を優先するため、顎を棒で支えた写真記録だけが残され、死体は解体されて食べられてしまった。
またたくさんあった写真や、残された頭蓋骨も現地でのトラブルで破損してしまったため残されていないとされる。
1929年になり、この生物の写真を見た人類学者ジョージ・モンタンドンによって、新種のアメリカ類人猿である、「ロワのアメリカ猿人」という意味の「Ameranthropoides loysi:アメラントロポイデス・ロイシ」という学名を付けて発表した。(アメリカの先住民はこの猿から進化した亜人種であるという、モンタンドン自身の白人至上主義が影響していたと考えられている)
UMA関連の書籍には、1954年にもエル・モノ・グランデ峡谷という場所でイギリス人のハンターが二匹に遭遇し掴みかかられたが、石で殴って退散させたという報告があると記述されるが、この地名自体が「大きな猿」という意味なので、翻訳ミスもしくは創作であると考えられている。
正体
その正体については、尾が無いことから未知の類人猿とされることも多いが証拠に乏しい。
また、探検に同行した者の告白によると、ド・ロワは病気のため尻尾を切った大きなクモザルをペットにしていたといい、おそらくペットの猿が亡くなってしまった際に冗談で写真を撮ったものと思われる。
写真の石油缶との比較により、正確な大きさは130㎝程度と分析されており、種類は大きさからクロクモザルとされることが多い(クロクモザルは極めて稀だが130㎝近くになるものもいる)。
※クモザル
なお数多くのUMAについての報告を行った、超常現象研究家であるアイヴァン・サンダーソンでさえ、モノスについては否定的な意見を述べているという。