最初に
この記事にはネタバレ要素が含まれているため、閲覧の際はご注意を。
概要
それぞれの識別名が書かれたアタッシュケースに入れられた状態で送られる謎の服。
一部を除き、ボンデージや水着のような極端に露出の多いデザインになっている。
このアイテムが恐ろしいのは身につけた女性の自制心(羞恥心)を無くし、欲望を解放する効果があるところ。
各リビドークロスには装着者の欲望に合わせた兵装も装備されているため、これ一着でただの変態だった女性が警察ですら取り押さえられない凶悪な性犯罪者と化してしまう。
ただし、あくまで欲望や自制心のみに作用するもののようで、たびたび比較される某メモリと違って悪意や破壊衝動の増幅はなし(欲望の内容に他人を傷つけることが含まれる場合は別だが)。身につけても欲望が少し高まるだけで一切迷惑行為に手を染めない場合もある。B級人妻たちは後にこの性質を活かし、バニシング排斥婦人会からの自衛の手段としてリビドークロスを活用していくことになる。
首元に「共振石」と呼ばれるクリスタルのようなものが取り付けられており、それを破壊すると機能が停止・装着者も意識を失う。
この共振石は生体電流に反応する性質を持ち、増強された生体電流を流せば過剰反応で自壊する。
また、共振石には装着者の性欲を操る効果もあり、対応するリモコンを使えば装着者の性欲を自在に操ることができる。
共振石は装着する人妻用にチューニングされており、一度装着すると中毒のような状態になってしまい、自分の意思では対応する共振石を手放せなくなる。そして共振石は何度でも複製が可能。
ならば、最初から着なければいいのでは、と思うかもしれないが共振石が対象となる人妻の脳にクロスを装着したくなるように働きかけるため、着ないという選択肢を取ることは不可能となっている。
これだけでも迷惑なのだが、稀に異常なせん妄症状を引き起こす事もあり、こうなると指数関数的に脳波に異常をきたして外部からのコントロールを受け付けなくなる。
尚、共振石の使用が許されているのは、基本的に人妻のみであり、人妻ではない者が共振石を使うと死に至るとされている(リビドークロス開発者であるS級人妻のライコウ曰く、「エナドリを一日10本以上飲むに等しい」)。
欲望を解放する効果がある一方、一度身につけてしまうと自分で手放すことが不可能になる上、一度負けてしまうとバニシング排斥婦人会の監視対象となり、自由な性欲の発散が不可能になる。
このため、欲望を解放する装備であると同時に人妻の自由を縛る拘束具であるという業の深いアイテム。
目の前に置かれると装着を回避できない上、破壊されても複製が可能で一度装着すると手放すことも不可能になる点も合わせると非常に悪辣なアイテムであると言えるだろう。
誰が何のためにばら撒いているかは不明だが、憂国商事という会社のセールスレディであるカンザキがリビドークロスを見て「他社製品」と発言したことからこれを製造、販売する企業が存在するようである。
バニシング排斥婦人会のメンバーの情報魔ハセガワが変態の素養がある人妻を至るところに設置した監視カメラで見つけて狂気脳波パターンを測定、計測、記録、整理して依頼主と呼ばれる存在に送信するとそのデータを元にクロスが作成され、「反社トンネル」と呼ばれる装置から報酬の500万(非課税)と共に送られ、それをバニシング排斥婦人会メンバーのシラカゲがターゲットに渡している。
20話の描写より、監視カメラで脳波パターンを測定するだけでなく制御も可能なようだが、先述したような暴走状態に陥るとそれも受け付けなくなる。
16話での描写を見ると常にクロスを装着しているわけではなく、変態人妻に変身する際にはその場でリビドークロスに着替える必要がある。
もっとも、変身と言っても当然ながら変身用の不思議空間が展開されるわけでもないため、屋外で「変身」するならば全裸になるという羞恥心に耐える必要がある。
しかしながら、A級人妻であるアイゼンが虚空からクロスの入ったケースを召喚していたり、S級人妻が(恐らくは)瞬間的に身に付けている事から、上位ランクのクロスはこの限りではないとも思われる。
他にも「性癖合体」という機能によりクロス同士の能力を組み合わせることも可能な模様。
A級人妻であるバニシング排斥婦人会が使用しているクロスは「プレミアムリビドークロス」という上位モデルであり、B級人妻たちが束になっても敵わない程の強さを誇る。
このプレミアムリビドークロスは、アタッシュケースを開ければすぐに装備可能な仕様になっている他、3日間オ××出来なくなる代わりに爆発的な変態力を発揮できる「性癖第二解放」という切り札がある。
ただし通常のクロスとは異なり、共振石の複製は簡単ではなく、量産が難しいとされている(場合によっては、『依頼主』から賠償請求されることもある模様)。
更にS級人妻である未確認反社会人妻が使用しているクロスは「オメガリビドークロス」という「リビドークロスの究極系」と称されるほどの上位モデルである。
プレミアムリビドークロス同様、アタッシュケースを開ければすぐに装備可能な仕様になっている他、首元には黒い共振石が取り付けられている。
通常のクロス、並びにプレミアムリビドークロスのアタッシュケースには淫紋のようなシンボルが印され、各クロスごとにデザインが異なっているが、オメガリビドークロスはギリシャ文字のオメガ(Ω)によく似たシンボルが印された漆黒のアタッシュケースで統一されている。
なお、単行本ではそれぞれリビドークロスの兵装と装着した人妻の解説が一ページずつ記載されている(カバー下の表紙も含めて)。
作中に登場したリビドークロス
Kidnapper(誘拐魔)
装着者 | ワタナベ(ランクB) |
---|---|
レアリティ | B |
属性 | 拘束タイプ |
攻撃力 | ☆☆ |
防御力 | ☆ |
スピード | ☆☆ |
射程 | ☆☆☆ |
拘束力 | ☆☆☆☆ |
捕獲特化型のリビドークロスで、作中で初めて登場したリビドークロス。
手首に手錠付きワイヤーが仕込まれており、それを対象の首や手足に投射して捕縛する。最大射程は15m。
この手錠付きワイヤーは殴打、絞殺武器としても応用可能。
一度手錠で捕縛されると専用の鍵がないと解錠できず、ワイヤーも金属製で高い引張力があるが、細いため、ペンチなどを使えば切断して脱出することも可能。
夜に出歩いていた少年を誘拐しようとしていたところをヨシダと遭遇。
少年を逃がしたヨシダを手錠付きワイヤーで捕縛し、彼を慰みものにするも一瞬の隙を突かれてペンチでワイヤーを切断され、脱出を許す。
再度ヨシダの捕縛を狙うもヨシダが転んだことで狙いが外れ、手錠が電線に接触し、流れてきた高圧電流を受けて敗北した。
が、クロスの共振石は破壊されていなかったため、第7話で再登場。イチノセ、ミズタニと共にヨシダを襲撃、手錠で動きを封じ返り討ちにして自宅へと拉致して3人で逆レイプしてしまう。
クロス名の「Kidnapper(キッドナッパー)」はそのまま「誘拐犯」を意味する。
Scatter(ばら撒き魔)
装着者 | イチノセ(ランクB) |
---|---|
レアリティ | B |
属性 | 放出タイプ |
攻撃力 | ☆ |
防御力 | ☆ |
スピード | ☆☆☆ |
射程 | ☆☆☆ |
拘束力 | ☆☆☆☆ |
ばら撒き特化型のリビドークロス。
前腕に装着されたベルト給弾式のシューターから写真を射出する。連射速度は三段階から選択可能で、最大出力はサブマシンガンに匹敵する毎分600枚。
射出される写真の裏面は粘着性の高いシールになっており、簡単には剥がせない。これを応用して対象を拘束したり、呼吸器や視界を塞ぐこともできる。
クロスでエロ自撮り写真をばら撒いていたところをヨシダと遭遇。
出会い頭にヨシダを写真で拘束すると慰みものにして勝利し、団地の闇へと消えていった。
が、第7話で再登場。ボルタッククローを手に入れ自信を付けたヨシダが掲示板に「変態人妻見たら管理人室へ」という張り紙をしていたのを見て、それに対し自身の能力で大量の中傷ビラを撒き、ボルタッククローでリビドークロスの共振石を破壊しようとするヨシダをワタナベ、ミズタニの協力で返り討ちにして写真で拘束してワタナベ宅へ拉致、そのまま3人で逆レイプに及ぶのだった。
ちなみに16話での変身シーンから、コートのような部分も含めてクロスである。
クロス名の「Scatter(スキャッター)」はそのまま「ばら撒く」という意味。
Slimy(粘液魔)
装着者 | ミズタニ(ランクB) |
---|---|
レアリティ | B |
属性 | 放出タイプ |
攻撃力 | ☆ |
防御力 | ☆☆☆ |
スピード | ☆☆ |
射程 | ☆☆☆ |
拘束力 | ☆☆☆ |
粘液特化型リビドークロス。
背中に背負ったタンクの中のローションを付属の水鉄砲で射出する。射出するローションの粘度は三段階で弱なら対象を転ばせる、中でヌルヌルプレイ、強で相手を動けなくできる。
さらにヌルヌルの地面をうつぶせで移動可能になる。
その能力と外観のせいで読者からは汚いスプラトゥーンと呼ばれる。
団地の貯水槽にローションの素を混入し、団地内の水をローション化させてから共同浴場を襲撃。
住民たちをローションプレイに誘うが機転を利かせたヨシダにヌルヌル地獄から脱出されて水鉄砲を奪い取られ、粘度強のローションで拘束され、敗北した。
が、クロスの共振石は破壊されていなかったため、第7話で再登場。ワタナベ、イチノセと共に共にヨシダを襲撃、新技「ぬるぬる蟹バサミ」で奇襲して返り討ちにしてワタナベ宅へ拉致して3人で逆レイプしてしまう。
クロス名の「Slimy(スライミー)」は「ぬるぬるしている」という意味。
余談になるが、マンションなどの貯水槽にローションを混入するのは水道汚染罪ならびに水道損壊・閉塞罪に問われる可能性がある立派な犯罪である。
それに加えて管理者から損害賠償を請求された場合、数千万レベルの金額を請求される可能性があるので絶対にマネをしてはいけない。
Roly-poly(引き篭もり魔)
装着者 | サナモリ(ランクB) |
---|---|
レアリティ | B |
属性 | 防御タイプ |
攻撃力 | ☆ |
防御力 | ☆☆☆☆☆ |
スピード | ☆ |
射程 | ☆ |
拘束力 | ☆☆☆ |
防御特化型のリビドークロス。
ダンゴムシのような外装を持ち、その装甲は一度閉めるとあらゆる攻撃から身を守るシェルターになる。
また、相手を引きずりこむと脱出不可能な密室にもなる。
無敵の装甲に守られたまま、転がって攻撃することも可能。
内部に多数の電マがあるのが確認できるが、これが元からなのかサナモリが持ち込んだのかは不明。
登場当初のサナモリはその「閉所愛好(クラストロフィリア)」という性癖の元、夫との合意による平和的な利用法で用いていたことで狂気を発症しておらず、他者への害意もなかった。だがカンザキから逃走するヨシダを助けるために外装の中に匿い、(偶然とはいえ)2人きりになってしまったことでその欲望が開放された。
しかしサナモリは正気は失っておらず、カンザキからヨシダを守るため必死に抵抗するも、カンザキによって共振石を摘出、破壊され、機能を停止した。
他のクロスと異なり、外敵から身を守る能力はあっても他者に攻撃するような機能はないため、複製後の様子が描かれた単行本2巻収録のオマケ漫画でも団地の敷地内でコロコロ転がっているだけだったのだが、それを婦人会のハセガワに監視カメラによって発見され、本編において制裁対象にされてしまった。
クロス名の「Roly-Poly(ローリー・ポーリー)」は「ずんぐりした」という意味。由来はその見た目だろう。また、英語圏の子供が「ダンゴムシ」をこのように呼称する。
Pussy cat(寝取り魔)
装着者 | シキジョウ(ランクB+) |
---|---|
レアリティ | B+ |
属性 | 強化タイプ |
攻撃力 | ☆☆☆ |
防御力 | ☆ |
スピード | ☆☆☆☆☆ |
射程 | ☆☆ |
拘束力 | ☆ |
機動力特化型のリビドークロス。猫のようなデザインが特徴的。
共振石の効果で運動能力が強化され、腕のカギヅメと足のスパイクで地面を高速移動し、壁や屋根を縦横無尽に飛び回る。
カギヅメによる高速ひっかき攻撃は並の人妻では反応できない程のスピードを誇る。
身軽になった身体で団地を縦横無尽に移動し、拘束した妻の眼前で夫を犯すというあまりにも悪辣なNTR行為におよび、次の獲物を求めて団地の壁を登っていたところをヨシダに見つかり、逃走。
団地の屋上でヨシダに捕捉されるも、そこでヨシダを骨抜きにしようとする。しかしヨシダに防犯ブザーによって助っ人として呼ばれたゴウダと交戦する。
高い機動性で優位を取ったかに見えたがゴウダには通用せず、ゴウダの人妻堕としで共振石を破壊され、敗北。
クロス名の「Pussy cat(プッシー・キャット)」は直訳すると「猫ちゃん」という意味だが、同時に女性器を表す隠語でもある。肩書きの「寝取り魔」と併せると「泥棒猫」のニュアンスも含まれ、クロスの効果には両方の意味が反映されていると言えよう。
Bacchus(酒乱魔)
装着者 | サカクラ(ランクB+) |
---|---|
レアリティ | B+ |
属性 | 放出タイプ |
攻撃力 | ☆☆☆☆ |
防御力 | ☆ |
スピード | ☆ |
射程 | ☆☆☆☆☆ |
拘束力 | ☆ |
噴霧特化型のリビドークロス。
無数に取り付けられた超音波霧化装置にて度数の高い酒を直接蒸気に変え、周囲に散布し、無差別に人々を昏倒させる。自分でその霧を吸い込み、ハイな気分になることもできるが、いずれは酔い潰れてしまう諸刃の剣。
噴射の向きを調節すればジェットパックの要領で擬似的な飛行や高速ダッシュも可能。ちなみにネームの段階ではこの飛行能力は無かった。
気化アルコールでゴウダを無力化し、勝利寸前まで行くもカンザキから購入したボルタッククローを装備したヨシダに共振石を破壊され、敗北。
クロス名の「Bacchus」はローマ神話におけるワインの神バッカスの事であろう。ギリシャ神話のディオニュソスと同一視される神であり、酒を利用して戦うこのクロスにふさわしいネーミングと言えよう。
余談だが、『風都探偵』にもアルコールの力で戦う怪人が登場しており、そちらもかなりの強敵だったため、読者からは「アルコールを能力に利用する怪人は強い」という感想が寄せられた。
Tentacles(触手魔)
装着者 | イカヤマ(ランク外) |
---|---|
レアリティ | B |
属性 | 拘束タイプ |
攻撃力 | ☆☆ |
防御力 | ☆☆ |
スピード | ☆☆ |
射程 | ☆☆ |
拘束力 | ☆☆☆ |
触手特化型のリビドークロス。
背中と両腕、両足に取り付けられた装備より触手を出して他者を触手プレイに引きずり込む。
触手はイカヤマの指と連動して動くので生き物のように自由自在に操ることができる。
触手には人工筋肉が搭載されており、常人では脱出不可能な拘束力を持つ。しかも触手は四方八方から襲いかかってくるので回避は困難。
しかし、触手の動きは筋肉の電気信号を検知して制御しているのでより強い電気信号を流すと動きを乱すことが可能。
クロスの能力でカタギリと触手プレイをしていたところをヨシダに発見される。
一度はヨシダも触手プレイに引きずり込むも触手の弱点が生体電流であることを見抜かれ、ボルタッククローで触手を無力化され、そのまま共振石を破壊されて敗北した。
クロス名の「Tentacles(テンタクルス)」は触手を意味する「Tentacle(テンタクル)」の複数形。そのまんまである。
余談
名前の由来はラテン語で『欲望』を指す言葉であり、心理学用語としても使われている『リビドー』と『布』を意味する『クロス』と思われる。
『搾精病棟』の舞台であるペシミズム厭世病院(※)が『淫獄団地』に登場した事から両作品の世界観が共有されつつあり、アマミヤ先生が『搾精病棟』ノベライズ版でしていた研究と類似点があるが関係については不明。
※名前が明かされたのは「搾精病棟 全年齢版」から。
クロスをバニシング排斥婦人会に送るギミックである(物理的につながった)反社トンネルは『搾精病棟』にも登場している。
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24話でアイゼンを倒した後、彼女に破壊されたポロリのぬいぐるみを拾い上げたヨシダ。
無惨な姿に変えられた、幼い頃に母親から贈られた思い出の品の中から予想外のモノが零れ落ちた。
――それはなんと、共振石だった。
予想もしていない展開に困惑しているとヨシダ父が衝撃の事実を打ち明ける。
「お前が動揺すると思って…ずっと…言えなかった…」
「実は…『共振石』を開発したのは…母さん…なんだ…」
それはリビドークロスの要たる共振石を開発したのはヨシダの母・ヨシダリズだということ、そして真の敵はS級人妻だということも明らかになった…。
母が変態人妻であることを父は否定したが、共振石を開発した目的、それがリビドークロスに使用され、団地にばらまかれている理由は?
疑問を抱いたままヨシダは性癖第二解放を果たしたアイゼンとの再戦に突入し、さらにその混乱と記憶はS級人妻の正体を明かしたハイバラの持つオメガリビドークロス・ヒュプノスの力によって封印されてしまうのであった……。
また後にリビドークロスが団地にばらまかれた理由はある実験のためであり、また共振石の誕生の秘密も判明した。
それは高校生時代のリズがポロリ発作になってしまい、見舞いに来たネザコがお守りとして持ってきた、パワースポットで有名なある神社のパワーストーンを見て、思いついたのがこの共振石であった。
リズは情報洪水社会で自分の心をコントロールできない現代人の為に望みの精神状態を作って聖人のような神の精神に至れるようにこれの開発を開始した。その為にFランであるアンゴルモア憂国大学に進学し、当時は天才と言われていたライコウの協力を得て、研究を始めたものの共振石は少しでも適合しないと脳波が乱れて最悪昏睡してしまったりと開発が難航、しかもAIに演算させてもデータが足りないと言う始末。
そこで3人は教授に研究費を出してもらおうとするがリズが暴走してしまって3人は素行不良により退学にされ、研究は大失敗に終わった。
だが数年後にネザコは金や時間、睡眠をつぎ込んで共振石「イデア」を作り上げたのだが…。