概要
トゥアハ・デ・ダナーン(ダーナ神族)の太陽神で、「長腕のルー」や「サウィルダーナハ」の異名をとる。
武芸だけでなく、魔術などにも理解がある多芸な面を持っている。
キアンとエスリンとの子。父方の祖父はディアン・ケヒト、母方の祖父はバロール。
マグ・トゥレドの戦いでフォモール族の王にして自身の祖父であるバロールを退治した。
「侵略の書」によれば40年ほど統治を続けたが妻を害したカーメイド(ダグザの息子)を討伐するも、その3人の息子の報復に遭い生涯を終えたと言われてる。その一方「クアルンゲの牛捕り」などではミレー族にトゥアハ・デ・ダナーンが敗れた後はドルバンの墳丘に退いたと伝えられている。
アルスター・サイクル(アルスター伝説群)に登場する英雄クー・フーリンの父親でもある。
クーリーの牛争いでは彼の身代わりに3日間、コナハト陣営と死闘を繰り広げるなど度々息子のピンチを助けている。
所有する武器
槍
ルーの槍として文献に登場するのは四秘宝(四至宝)の一つと、「アッサルの槍」「アラドヴァル(アーラーワル)」「森一番のイチイの名木」「五尖槍」「叉分かれの投槍」である。
- 四秘宝のルーの槍
神話上ではルーは槍を持っていたとされ、その一つは、トゥアハ・デ・ダナーンの四秘宝(四至宝)の一つでもある。
これについて日本では「ブリューナク」という呼称がついているが、実はこの名称は文献には登場せず、日本国外では言及されない。
- アッサルの槍
ゲイ・アッサル、ガエ・アッサルとも。
父親を殺された賠償としてトゥリル・ビクレオから得たもの。投擲した際にイチイの木を意味する「イヴァル」の言葉を唱えれば必ず命中する。再イチイを意味する「アスィヴァル」を唱えることで槍を呼び出すことができる。
- アラドヴァル(アーラーワル)
ペルシャ王ピサルが持っていたとされる毒の槍で、トゥレンの息子たちから賠償として得た。穂先が熱を持っており、大釜に入れた氷につけておかないと都市すらも焼き尽くしてしまうという。
- 森一番のイチイの名木
アルスター・サイクルに登場する英雄ケルトハル・マク・ウテヒルが使う「ルイン(ルーンとも。槍の意)」と同一のものとして写本で言及されている。
ケルトハルのルーンも「大釜で穂先の熱を抑えられる槍」というアーラーワルと共通する特徴を持つ。
- 五尖槍
クアルンゲの牛捕りにおいて、疲労した息子クー・フーリンに替わって参加した際に携えていた得物の一つ。
五尖槍はルーのみならず様々な伝説や神話の英雄が使う武器の種類として登場している。
- 叉分かれの投槍(フォガ・フォガブラギ)
クアルンゲの牛捕りにおいて、疲労した息子クー・フーリンに替わって参加した際に携えていた得物の一つ。
元々持っていた槍がケルトハルに渡った後と考えるなら、三本以上は槍を持っていたことになる。
その他
- タスラム
投石。祖父であるバロールを倒した武器。
孫にあたるコンラも優れた投石技術を有していた。
フラガラック、アンサラーとも。マナナン・マクリルから授かった剣。
他作品でのルー
Fate/Grand Order
星3概念礼装にスタン耐性を向上させる「ルーの光輪」が存在するが、元ネタはケルト神話において影の国にある不幸の原野の沼地に足を取られたクー・フーリンを助けるために使わした輝く車輪。
その熱によって沼地は乾き、クー・フーリンは難を逃れたと言う。
女神転生シリーズ
『ソウルハッカーズ』から初登場した「魔神」に属する悪魔で、属性は「LIGHT-EX.LAW」。
金色の角を生やした鎧兜と緑色のマントに身を包んでおり、腰には手裏剣、背中には二本の槍を携えている。
投石の逸話からか、右腕は砲丸を投げるのに適した形状の籠手で武装している(『デビルチルドレン』シリーズではデザインが大きく変化しており、原型がない)。
初登場作では力、魔、速の三つのステータスが大きく伸びる。
斬撃や火炎属性を得意とするメディアが多いが、『ペルソナ2罰』では疾風属性と破魔属性、『デビルチルドレン』では炎に加え、氷と水属性を操る。
『DEVIL SURVIVOR 2 the ANIMATION』では邪鬼オーガ(CV:徳本英一郎)やキクリヒメに続く新田維緒の悪魔として登場するが(CV:遠藤広之)、第10話で彼女の体を乗っ取ってしまう。
ペルソナシリーズでは『ペルソナQ2』にて核熱属性を得意とするペルソナとして登場。対応アルカナは原典の神話に準じて「太陽」。
パズドラ
光属性のモンスターとして『偉才の日烈神ルー』が登場。