概要
地球解放機構TLTの基地・フォートレスフリーダムの最深部「セクション・ゼロ」に存在するウルトラマンのエナジーコアを模した巨大物体。名前の由来はギリシア神話において「記憶を消去する水が流れる」と言われる冥府の川『レーテー』と思われる。
その正体は地球外知的生命体・来訪者が造り出したオーバーテクノロジーであり、ビースト・ザ・ワンに対する恐怖の記憶を量子情報体という形で実体化したものである。劇中では主に記憶消去装置として扱われ、「恐怖の記憶の貯蔵庫」「忘却の海」と呼ばれていたほか、同時にスペースビーストの発生を抑止するフィールド、ポテンシャルバリアの発生装置としても機能していた。
本編の5年前、来訪者たちは新宿で発生したウルトラマン・ザ・ネクストとビースト・ザ・ワンの戦いに関する記憶を世界中の人々から奪い、セクション・ゼロに封じ込めることでこのレーテを完成させた。その目的は関東地方全域を汚染したビースト因子を抑え込み、スペースビーストの発生を抑止することである。ただし、老朽化の影響により溜め込んだ恐怖心が漏洩し、それがビースト発生を促進するという弊害も起こしていた。
また、レーテの寿命は約5年であり、それが過ぎればポテンシャルバリアは崩壊。ビーストの大量発生によって地球は滅亡すると予測されていた。その為、来訪者と吉良沢参謀らはバリア崩壊までにレーテ内へデータを集積し、ビースト因子を消滅させる「抗体」の開発を急いでいた。
しかし、ビーストを操るアンノウンハンドの勢力は日を追う毎に増していき、青葉ニュータウンに出現したメガフラシとガルベロスのせいで多くの人間たちがビーストの存在を知ってしまう。TLT上層部はその記憶を消去するために再びレーテを起動することを決断するが、それはレーテの寿命をさらに削り、ポテンシャルバリアの出力を低下させるリスクを孕んでいた。
アンノウンハンドの正体・石堀光彦はそれをも予測しており、自らの正体を明かした後にバリア出力の低下したセクション・ゼロへ侵入。更にデュナミストとして選ばれた西条凪を挑発し、彼女をレーテ付近でウルトラマンネクサスに変身させた。ネクサスは石堀を殴り潰そうとしたが、凪の持つ憎悪の感情がレーテから漏れ出した恐怖の記憶とシンクロし、磔のような形でネクサスを拘束。更に彼女の持つ光の力を闇へと変換してしまう。
この闇のパワーを吸収した石堀は暗黒破壊神ダークザギとして復活。ザギの出現により人々の恐怖は制御不能となり、遂に全世界でスペースビーストが大量発生してしまう。しかし、レーテの闇の中に飛び込んだ孤門一輝は「諦めるな!」と叫びながら、凪(と時空の乱れによって遭遇した過去の自分自身)の手を掴み、彼女を救出。光を取り戻した凪は闇を振りほどき、レーテから脱出した。
ネクサスの脱出と同時にレーテは崩壊し、もはや人々の恐怖心を消す事は不可能となった。しかし、ダークザギは究極最終形態ウルトラマンノアへと覚醒した孤門によって撃破され、その戦いを目撃した人々の心には勇気と絆が生まれた。
こうして人類は恐怖を消すのではなく、恐怖と向き合い克服することでビーストを抑止するという、来訪者には到達しえなかった領域に達したのだった。
余談
ミニチュアはモネラシードの改造。
2018年10月に行われたイベント「ダークネスヒールズワールド」では、何故かダークザギの展示コーナーにザギ本人の着ぐるみではなく、レーテの新造ミニチュアが展示されていた。
関連タグ
リリス…アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』において基地の地下で秘匿・防衛されていた謎の存在。最終回で磔にされたネクサスからこれを連想する視聴者もいた。