概要
日天(日天子)、月天(月天子)、明星天(明星天子)からなる。
それぞれ太陽、月、金星の神で、インド神話でこの三人に対応するのはスーリヤ、チャンドラ、シュクラである。
『法華経』の冒頭で帝釈天の眷属として説法を聞きにきた二万の天子たちの筆頭の三人、名月天子、普光天子、宝光童子と同一視される。
中国で天台宗を興した天台大師・智ギの著作『法華文句』によると、名月天子は月天子で勢至菩薩の化身、普光天子は明星天子で虚空蔵菩薩の化身、宝光天子は日天子で観世音菩薩の化身である。
『法華経』には彼らの本地(本体)とである菩薩も同時に登場するが、インド系の神話観では、同じ存在とその化身が同時に存在したり、化身が複数同時に存在することはよくあることである。
例えば『ラーマーヤナ』に登場するラーマとラクシュマナの兄弟は両方ともヴィシュヌの化身である。
『法華経』において釈迦から教えを授かった三光天子は、法華経の守護神であるとされ、日蓮は題目曼荼羅に彼らの名を記した。また、彼が処刑されかかった(「竜の口の法難」)ところを生還したのはこの三神のうち、月天子の加護によるものとした。その数日前には明星天子が日蓮の前に現れたという。
このため日蓮宗の寺院には三光天子を祀った所がある。