「この外道は粛清せねばなるまい…… コイツには地獄の炎すら生温い。人類史上最悪の拷問を……苦痛を与えようじゃないか」
「そうか…… 貴様はこの世にいる資格のない外道のようだな」
「犯罪だと? 貴様、どの口が言うんだ…」
「そうか……貴様はこの世にいる資格のない外道のようだな」
「黙れ…… 貴様は殺した家族の願いは聞いたのか?」
「どうせ……ロクなことじゃない」
「ダメだな。そのまま苦しんで死ね」
対象
被害者の妻と子供二人を殺害して、家に放火し、さらには大物政治家の父親から大金を脅し取っていた男に執行。
概要
古代ギリシャの暴君ファラリスが真鍮細工師のペリロスに命じて開発させたと伝えられる処刑装置。実物大の真鍮製の雄牛の模型の中に罪人を閉じ込め、下から火を燃やすことによって、模型の中の温度を数百度に上昇させ、じっくりと時間をかけて中の罪人を焼き殺す。その高熱によって生きながら焼かれる罪人の絶叫は、模型の外では本物の雄牛の鳴き声のように聞こえるという。
経過
罪人を絞め落として拷問室に連行した伊集院は罪人に悔恨の念はないかと問うが、当然ながらそんな殊勝なものがあるような相手ではなく、「俺の父親は政治家」「警察が黙っていない」とほざくばかり。罪人はこの世に居てはいけないと断じた伊集院は即座に拷問を開始。ファラリスの雄牛の中にぶち込み、炙り始めた。罪人は反省の言葉を吐くが、それを伊集院は「ダメだな。そのまま苦しんで死ね」と一蹴。結局罪人は黒焦げになった。
あとがき
ファラリスの雄牛の製作者ぺロリスは罠によって自身がその最初の犠牲者となった。
余談
文献によると、これで最初に処刑されたのはファラリスに騙されて実験台にされたペリロスであり、後にファラリス自身も反乱が発生して地位を追われた際にこれで処刑され、最後の犠牲者になったと伝えられる。しかしながら、歴史学者が金属工学や物理学の専門家を呼んで、本当に人を焼き殺せるのか検証した際、十分な火力が得られない事が判明。苦悩の梨と同じくただの脅しの道具だった可能性が考えられている。
因みに、英語圏では「Bull of Phalaris」ではなく、「Blazen Bull(灼熱の雄牛)」と呼ばれる事が多い。
尚、後のエピソードでは、この回の罪人の父親のように犯罪の隠蔽に加担した者は、たとえその経緯が脅迫によって渋々による場合であったとしても例外なく罪人と共に処罰されているが、この罪人の父親は伊集院から「親も親だな」と内心酷評されはしたものの息子と一緒に処刑されることはなかった。ただし厚木亮の父親等のようにマスコミに情報をリークされ社会的に失墜した可能性は高い。
なお、この回から拷問ソムリエシリーズの作画担当は松本宇豆氏固定となり、罪人の確保方法が絞め落としメインになった。
関連タグ
伊集院茂夫によるアドバンスドファラリスの雄牛 - パワーアップ版。
サツの不祥事回
ファラリスの雄牛→ウィッカーマン