概要
ありとあらゆる富と宝と福を自在にもたらす事が出来る「如意宝珠(チンターマニ)」を手に、片膝をついたリラックスしたポージングが特徴的な観音。
このポーズはいかにして衆生を救済するか思惟する様子を表すという。
他の手に輪宝(仏教を象徴する車輪)を持っており、如意宝珠と併せて如意輪観音の名の由来となっている。
仏像によって腕の数は二臂、四臂、六臂、十臂、十二臂とさまざま。
六観音がそれぞれ司るという六道のうち天道の衆生(神々など)を担当するとされるが、六本腕で造形される場合、それぞれの腕は六道に対応したものとされる。
『如意輪陀羅尼経』や『観世音菩薩秘密蔵如意輪陀羅尼神呪経』等で説かれる密教系の尊格で、真言宗や天台宗の寺院で祀られている。
顕教とは縁が薄いかというとそうでもなく、岩手県の正法寺は如意輪観音を本尊とする曹洞宗の寺院である。
親鸞が妻帯するきっかけとなった頂法寺六角堂での夢告を与えた「救世菩薩(救世観音)」は如意輪観音であるともされる。
実際、この六角堂の本尊は如意輪観音である。
化身・垂迹とされる神・人物
ウカノミタマ(稲荷明神)
荼枳尼天(稲荷信仰のうち、彼女と稲荷明神と同一視する流派の場合)
天羽槌雄神(少智大明神)
木花咲耶姫(白山七社・中宮の神)
キクリヒメ(白山比咩神社の祭神)もともとの祭神であるイザナミは十一面観音の垂迹とされる
オオナムチ(飛龍権現、那智権現)
織幡明神