扇谷柊弾正
おうぎやがつひいらぎだんじょう
CV:田中正彦
扇谷柊弾正とは、アニメ『半妖の夜叉姫』の登場人物である。
関東地方に拠点をもち室町幕府に仕える有力武将であり、関東管領の重職にある。
が、何者かが屋敷に忍びこんだうえ、将軍・足利義輝から拝領した銘刀・菊十文字を盗み出す事件が勃発、弾正は茶人・宗久をはじめとする家臣に銘刀の奪還と盗み出した者の捜索を命じた。
結果、宗久らは菊十文字を理玖から譲り受けたばかりの異装の女性・とわを捕縛、管領の屋敷に連行した。
屋敷で弾正と宗久は十数年前に起きた妖怪退治の話をとわに話しはじめる。
退治されたのは根の首、退治したものは犬夜叉、かごめ、弥勒、珊瑚ら4人であった。
話の途中、妖怪退治屋2人が屋敷に乱入、とわの仲間2人は茶人・宗久が梟の妖怪・夜爪であることを見破ると、とわと(古ぼけた自転車のサドル)をもって屋敷から立ち去った。
また、娘の愛矢姫を甘やかしたからか、彼女の性格には手を焼いている節がある。
菊十文字盗難事件には娘の愛矢姫も巻きまれており、囚われのとわと、彼女を追ってきたせつな、もろはに着物を汚されたことに復讐しようと彼女は、ウソの仕官話と高額の賞金をエサに妖怪退治屋と賞金稼ぎを呼び、せつなともろはを対決させようとたくらんだが、とわと琥珀に邪魔されて失敗、弾正にきついお叱りを受けることとなった。
が、このとき愛矢姫はウソ泣きをしており、彼女のじゃじゃ馬な性格を見こしてか弾正は深いため息をついている。
令和での妖霊星活性化によって戦国時代にも異変が生じた際には、琥珀たち退治屋から避難を勧められるが、彼らに菊一文字を貸与する。
南北朝時代末期から室町時代、戦国時代後期に実在した室町幕府の役職である。
室町幕府初代将軍・足利尊氏は関東以北の支配をたしかにするために鎌倉に拠点を置き四男・基氏を関東公方とした。
しかし、関東公方に就いた基氏は若年であり、鎌倉幕府残党、南朝方豪族も健在であったことから補佐役として関東執事(後に関東管領)が置かれた。
当初、関東管領職は幕府執事・高師直の一族・師冬が就いたが、高一族が観応の擾乱に敗れ、師冬も討たれてからは有力御家人・上杉氏が世襲継承することとなった。
以後、関東の重職として勢力を保ちつづけるが、その間、関東公方との対立、同族である扇谷(おうぎやがつ)上杉氏と山内上杉氏の勢力争いが起き徐々に衰退、戦国時代には小田原・北条氏、甲斐・武田氏、越後・長尾氏らの戦国大名に圧迫され上杉氏最後の関東管領・上杉憲政は越後の長尾政虎(後の上杉謙信)に身を寄せ、彼を後継者として関東管領職を譲った。
これらの史実から、扇谷柊弾正のモデルは扇谷上杉氏と思われる。