概要
ラッキーマンと敵対している宇宙人。中年男性の風貌で口髭を生やし、左目にはモノクルのような機械を付けている。服装は黒いスーツにシルクハット、そして背中にマントを身に着けており、見た目は地球人と変わらない。本名・出身地・生年月日はいずれも不明。一人称は「我が輩」。
作品全体で見ると登場回数は少ないものの、初期からたびたび登場しており、アニメ版ではオリジナルエピソードも作られた。
かつて宇宙征服を企んでいるところを、元祖ラッキーマンが自宅と間違えて入ってきたためあえなく捕まり、反星にある宇宙刑務所に入れられた。その事を逆恨みしラッキーマンを倒すためにさまざまな機械を発明して彼に挑む。
メカ作りの才能自体は本物であり、追手内洋一を強制的に変身させるらっきょ食わせマシーンいっぱいくわせる君や宇宙刑務所からの脱走に使ったにげにげ君など、極めて効果的に働いたものも少なくない。中でも幸運の星を覆い隠すための雨雲発生装置雨雲どんどん君は回を重ねるごとに改良され、ラッキーマンを何度も大凶に追い込み、後に天才マンがラッキーマンを倒すための参考にする程の効果を見せた。
(アニメ版ではナレーターから「ラッキーマンにとって鬼門疫病神天敵人参玉葱ピーマン」とまで称されている)
しかし詰めの甘いところがあり、自らの間抜けやバトラーのミスで結局負けてしまう。ラッキーマンには「最低男爵」「最高裁判所男爵」などと呼ばれたことがあり、アニメで4回目に登場した時には努力マンやスーパースターマンからも「サイボーグ男爵」「サイフォン男爵」などと名前を何度も間違えられ、しまいには「最強…なわけないか」とまで言われている。
ラッキーマンを一方的にライバル視しており、彼が世直しマンに処刑されかけたり、大宇宙神に就任した際には、好敵手がいなくなる事を嘆いていた。あくまでもラッキーマンを自分の手で倒すことに執着しているため、変身前の追手内洋一を直接攻撃することは絶対にない。
さっちゃん編で登場した際には、ラッキーマンに変身できず窒息死しそうな洋一を無理矢理変身させ、結果的に彼の危機を救った。その後、世直しマンを一撃で倒した程の強敵である越谷太郎の顔にまともに発明品のパンチを当てたが、当人には全く効いておらず、直後にボコボコにやられて退散した。
バトラー
CV:桜井敏治
男爵が作った執事ロボットで、本名は「最強男爵作製M3型火炎放射機能付き執事ロボ」。だるま落としのだるまに手足が生えたような体形で、常に歯を剥き出しにしたような表情をしている。口癖は「ラジャ」。
男爵曰く「我が輩の最高傑作」とのことだが、男爵を迎えに来た際にUFOの下敷きにしたり、葉巻に火をつけようとして男爵を丸焼きにしたりと結構ドジをやらかしており、執事としてはあまり有能ではない。性格もかなり横着で、一応は大人しく男爵に従っているものの内心では彼を小馬鹿にしている。
しかし感情を持つほどの高機能メカを男爵が作ったことは事実であり、実際単行本にもこの事は特記されている。度を越した反抗を制御する回路があるため普段は小馬鹿にする域を出ないが、言い換えれば多少の反抗心を許容した設計がされていることがわかる。
よく男爵を怒らせてはお仕置きされているが、その理由が理不尽な事も少なくなく、一度、度重なる暴力で上記の制御回路が切れて彼に愛想を尽かしラッキーマンに寝返ったこともあるが、自らの誕生日を祝福された事で考えを改め彼の元に戻っている。
男爵と同じく登場回数はあまり多くないが、連載中に行われた人気投票では第1回で5位、第2回で9位にランクインし、第3回でも11位と健闘するなど、読者人気は結構高かった。
洋一に対しては親近感を抱いているらしく、彼がいっぱいくわせるさん(いっぱいくわせる君の女版)のミスで死にかけた際は「俺の親友を!」と激昂しており、大宇宙神就任時は男爵にツッコミを入れつつ「でも寂しいよな」とぼやいていた。
余談
- キャラクターソングに『最強男爵の歌』(作詩:阪口和久・作曲/編曲:本間勇輔)があり、CD『とっても!ラッキーマン』に収録された。
- 『バクマン。』の劇中劇『超ヒーロー伝説』のネーム・原稿には、バトラー星人というバトラー似の巨大宇宙人が登場する(アニメ版第3話より)。
- 2021年に上演された『「バクマン。」THE STAGE』でも、わずかではあるがステージ上に登場している。