概要
「楽屋で一緒にいる仲間には理解できるが、観客には通じないネタ」という意味の表現である。
転じて、その演者や製作スタッフ、業界の周辺事情を知っていないと笑えないオチのこと。「内輪受け(内輪ネタ)」とも呼ぶ。本来は落語での用語である。
演者やスタッフ・関係者にはウケるが、周辺事情を知らない観客・視聴者にとっては理解できず、総じて常連やマニア、熱心なファンを対象にした手法と言えよう。
1980~90年代は、漫画などにおいて「本編は映画やドラマなどのフィクションで、キャラクターたちはそれぞれ俳優が演じている」(劇中劇、俳優パロ)というパラレル設定のギャグが巻末などに収録されることが多かったが、これも一種の「楽屋」オチ、フィクションであることを理解しているファンに向けた作者によるセルフパロディといえる。
ちなみにマクロスシリーズはアニメ、漫画、小説等メディア展開の全てが史実を基にした後世の二次創作という、公式が楽屋オチ設定として制作されている。それぞれでストーリーやキャラクターの言動に差があるのも文字通り「メディアごとの解釈の違い」である。
現在は特定のシリーズを除き、あまりこのような表現は用いられなくなっている。
楽屋オチをネタにした作品
- まじっく快斗(巻末付録)
- 課長島耕作(最終巻オマケ)
- ふしぎの海のナディア(ドラマCD)
- こちら葛飾区亀有公園前派出所
- ひぐらしのなく頃に(ゲーム版)
- 鉄腕バーディー(巻末おまけ漫画)
- 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者(裏鋼)
- 戦星のバルジ(単行本最終巻オマケ)
- 北斗の拳(ギャグ外伝「世紀末ドラマ撮影伝」)
- 戦闘メカザブングル(劇場版「ザブングルグラフィティ」)
- キャノンボール(NGメイキング)
- クロノスの大逆襲(OVA「レイナの休日」)
- つよきす(TVアニメ「Cool×Sweet」)
- 鬼滅の刃(次回予告及び漫画最終回)
- 地獄先生ぬ~べ~(メイキング・オブ・ぬ~べ~)
非商業作品における楽屋落ちネタ
- 幽遊白書(作者の同人)
- BLACKLAGOON(作者の同人)
関連タグ
スーパーマリオっさん:ある意味では楽屋オチに当たる『スーパーマリオくん』の外伝漫画。
オフショット:ドラマや特撮などで、俳優たちが作中の配役を無視して撮影される作品。現在は公式サイトに掲載されていることも多い。