水よけロープ
みずよけろーぷ
ドラえもんがスネ夫からの手紙を持ってくると、その封筒の重さから中身はどうせ自慢話や写真だから、のび太は見なくてもいいと言い出した。そして封筒を開けてみると、予想通り四丈半島での別荘の記念写真で、ジャイアンとしずかも一緒に映っていた。おまけに遠泳大会やボート遊び、海底に潜ってサザエやアワビを取って食べた写真や手紙も入っていたため、のび太は悔しさのあまり泣きながら破り捨ててしまった。
泣き付いてきたのび太を慰めた後、ドラえもんはどこでもドアですぐに行こうと言ってくれたが、のび太が自分が泳げないことをことを言い出したため止めることに。しかし美しい景色やとれたてのサザエ、アワビを言い出したため、行きたいのか行きたくないのか聞くと、海へ入らずに海底散歩したいと言い出した。
これにはドラえもんも頭にきて、よくそんなムチャクチャが言えると怒ったものの、そのムチャクチャを叶えようじゃないかと言ってくれた。そこで「水よけロープ」を出し、庭でこれで作った輪の中に入ってのび太にホースで水をかけてもらい実験を済ませると、今度こそどこでもドアで四丈半島のスネ夫の別荘近くに移動。
すると彼らの楽しそうな声が聞こえてきて、これからボート遊びをするようだったので、のび太は悔しさから怒り出すが、ドラえもんからこっちもしたくをしようと言われ手伝うことに。ドラえもんに言われるまま30mぐらいの輪を作り、一瞬電車ごっこかと思われたが、海に入ってみると自分達がいる輪の内部だけ海水が入って来ない状態になっていて、海に入らず海底に入ることができた。
そして面白がったのび太はロープの外に出て、ドラえもんに自分が泳いでいる写真を撮ってもらおうとしたが、溺れてしまい変な写真しか取れなかった。そこで今度は岩の上からジャンプし、その瞬間を撮影して泳いでいるような写真を取り、ついでに落ちた先にあったサザエやアワビも採取し、これをつぼ焼きにして堪能。
その後、小さくしたロープを使って鬼ごっこすることにしたが、その時先ほどの煙を発見しやって来たスネ夫達のボートが墜落しているのを発見。ボートは壊れ皆も気を失っている状態だったため、大きな紙の船を作って彼らを乗せることにしたが、目を覚ました彼らは訳が分からず驚いていた。
大山版は1980年9月25日に、水田版は2009年7月24日及び、2019年7月19日にそれぞれ放送している。
2009年版
- 冒頭のび太は「暑い暑い」と叫びながらうちわを仰いでいた。またのび太は、スネ夫のものまねをしながら手紙を読んでいて、最初に映った写真は浜辺で撮ったもので、サザエのつぼ焼きの写真も入っていた。
- ドラえもんはのび太に「神様、仏様、ドラえもん様」と手を合わせて頼まれたことで臨みを聞き入れることにした。またのび太に抱き着かれた勢いで、廊下まで飛び出していた。
- ドラえもんとのび太は森を通過して、スネ夫の別荘にたどり着いている。
- ボートに乗ろうとした際スネ夫が「のび太を乗せてあげられなくて残念」と言ったため、しずかはだったら誘えばよかったのにと言ったが、ジャイアンが海底散歩どころか溺れるのがせいぜいと言ったため、それじゃあかえって可哀そうだと納得した。
- のび太は海底に入った際、ナマコも指でつついている。
- スネ夫は自分にもボートを操縦させてとスネ吉に相談したが、この後雑誌社が取材に来るから傷をつけるわけにはいかないと断れた。
- ロープで鬼ごっこをしようと提案したのはドラえもんで、食後の運動にとのことだった。ちなみにこの2人に鮫が驚いて逃げている。
- ラストは、取材班を連れて来たスネ夫のパパはボートがなくなっていることに嘆き、スネ夫達は紙のボートから落ちてしまっていて、この光景をドラえもんとのび太が笑っているというオチだった。
2019年版
- 原作の扉絵をオマージュしたサブタイトルでは、のび太は上半身を大きく前に倒し、より泳いでいるようなポーズをしていた。
- 冒頭のび太の横にはアイスクリームは置かれておらず、その代わり扇風機が回っていた。
- 映った写真はジャイアンとスネ夫が海で遊んでいるよこで、しずかがパラソルの下で休憩しているものや、夕日を見ながら楽しく食事をしているところを写したものだった。そして内容には海で泳いだりクルーザーに乗ったりキャンプファイヤーをしたりして毎日楽しいが、のび太も誘ってあげられなくて残念というものも追加されていて、おまけとして折り紙のクルーザーが入っていた。
- のび太は海底に入った際、エイやクマノミうを間近で見ている。
- スネ夫達もクルーザーの中で豪華な昼食を取っていた。またこの時スネ吉は、このクルーザーにシャワーやベットルームまで完備されていることについても話して、スネ夫はジャイアンに背中を叩かれたことで飲んでいた空き缶を海に落としてしまったが、これをのび太が投げ戻し、このことをスネ夫は皆に話したが信じてもらえなかった。ちなみにドラえもんとのび太がサザエやアワビを見つけたのはこの後のことだった。
- スネ夫達が乗った折り紙のボートには「ごうかクルーザー」と書かれていて、これを観光客がカメラで撮影していた。
ストーリー
スネ夫にドルフィンスイムの体験を自慢されたのび太は、初めは悔しくないと言っていたものの部屋に戻るとやっぱり羨ましくなり、ドラえもんにイルカと遊んでみたいと話すと海へ行こうと言ってくれた。これにのび太はやけに物分かりが言いと疑っていたものの、ドラえもんが「たまにはね」と言うと張り切って行こうとしたが、やって来たママに見つかって宿題をやってからと言われたので、水よけロープで海中で勉強することに。
海底に移動するとのび太は早速イルカを探しに行こうとしたが、ドラえもんがとりよせバッグで勉強机やランドセルを取り寄せたため、宿題を約束通り先にやることとなった。ドラえもんが潮干狩りをしに行っている間のび太は宿題に取り掛かったが、その時分からない感じの読みを「キュー」と鳴いて教えてくれた何かがいて、ボールを投げて遊んでいると一頭のシャチがやって来た。
のび太はこれをイルカと勘違いしながらも、ランドセルをパスし合って遊んだ後、「クロ」と名付けてジャンプなどの芸も指示。その後皆を招待し、スネ夫は「黒いイルカなんあているか!」と言って信じようとしなかった。だがのび太が名前を呼ぶと本当にやって来たものの、皆はこれがシャチだと分かると途端に怯えだし、海のギャングだと言って説明してものび太は信じようとせず、ランドセルでの芸やジャンプを披露させて見せた。
これを見てしずかとジャイアンはクロのことを信用した中、スネ夫だけはその気にならなかったが、えらチューブときせかえカメラで海中でも遊べるようにし、途中のび太の海パンが脱げるというアクシデントもあったが、皆でクロの背中に乗って海を満喫。そして海中キャンプファイヤーで昼食をしようとしたところ、スネ夫が持っていた魚をクロが食べたためこのことを皆に説明するが、シャチだから当たり前と取り合ってもらえなかった。
その後スネ夫は小便をしに一人遠くに行ったが、その時クロが何かの気配を感じて猛スピードでスネ夫の方に突進。皆はスネ夫が食べられてしまうと思ったが、本当はその後ろに鮫がいたからで、クロがこれから守ってくれたためスネ夫もようやく信用することとなり、その後夕日を見ていると家族と共に泳ぐクロの姿を見て、のび太達はお礼を言いながら彼らを見送った。
だが帰宅した際にママから宿題の件を聞かれ、まだ終わっていないことが分かるとすぐにやるよう怒鳴られたため、のび太はドラえもんと共に勉強机を海まで回収しに行くことになったが、机は海底にあるためどこにあるのか分からなくなってしまった。