データ
身長 | 1.8~1.9m |
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体重 | 70kg |
出身地 | 不明 |
人間態 | 小笠原宙 |
概要
Episode.9「RED MOON」に登場。
100年ほど昔に地球を訪れた異星人の兄弟、その弟が水に触れた事で怪物化した姿。
普段は地球人と同じ姿をしているヒューマノイドタイプの異星人だが、彼らの種族は水に触れると体細胞が変化して凶暴な怪物に変身し、本人の意思に関わらず周囲の者を見境なく襲ってしまうため、水を非常に恐れている。
劇中での活動
100年前、諸国漫遊の途中で日本に滞在した際、兄は「朔(さく)」(演:高野八誠)、弟は「望(のぞむ)」と名乗り、鷺ノ宮という名家に居候していた。
皆既月食が起きたとされる日の事、鷺ノ宮家の令嬢「まひる」と恋仲だった望は、彼女の「池の中の睡蓮を摘んできてほしい」という願いを聞き、池に足を踏み入れたせいで怪物化してしまう。
理性を失った彼はまひるを殺害してしまい、彼女の命を奪った事実すらわからないまま行方を眩ました。
その後はどのような経緯があったかは不明だが、鷺沢邸の古い地下道で長い眠りに就いていた。
一方弟と別れた朔は、「尾形俊行(おがた・としゆき)」を名乗り、民俗学者として生活していた。
100年後、日本に来た時と同じ月食の時期に合わせ、地球が平定された時代に目覚めた望は、彼女に会いたい一心で、あの日まひるが着ていたのと同じ白いワンピースを着た若い女性を「渡し損ねた花を渡す」という目的で無差別に襲うという凶行を重ねていた。
エスによる囮捜査も虚しく取り逃したDEUSだったが、襲われた女性の証言と、ジンが捜査中に発見した不思議な双眼鏡の中に見た100年前の景色、そして識者としての立場から協力を申し出てきた朔の情報提供によって真実にたどり着き、鷺ノ宮邸にて尻尾を掴む事に成功する。
逃げ込んだ地下道で三人に銃撃され、満身創痍になりながらもまひるの事だけを思い続け、慟哭する望。
「撃て!!……どんなに探しても、もうまひるはいないんだ…!」
「……もう終わらせてやるんだ…!!」
セブンXに変身したジンは、ケイの叫びを聞き入れ、アイスラッガーを放つ。望は抵抗する事なく、望は抵抗する事なく、両手を広げてスラッガーの一撃を受け入れた。
倒れる寸前で朔に抱き止められると、彼に看取られながら静かに息を引き取り、消滅した。
「悪い夢を見ていたんだよ……望」
「さぁもう一度お休み。目が覚めたら、またまひるに会える」
その後、朔は双眼鏡──「グラスメモリア」と共に姿を消した。
望があれだけ恐れていた水に触れたのは「自分のまひるへの想いが宿命を超えてくれる」と強く願っていたから。
そして無関係な白いワンピースの女を襲っていたのも、渡せなかった睡蓮の花を届けたい一心での行動だった。
一連の事件は、その思いが届かなかったために起きた哀しい事故でしかなかった。
そしてまひるの願いも、好きだからこそ不安が尽きず、自分のために苦手な物の中へ飛び込む覚悟が彼にあるか、愛の証を確かめたかったが故のものだった。
グラスメモリア
年代物の双眼鏡そのものの形をしたアイテム。使用者がこれを通して見た風景を記録しておく機能があり、別の者が覗くとその記録を見る事ができる。
当時鷺沢邸を訪れ、これを望に貸してもらった客人は、異国の砂漠や城、そして輪郭を真っ赤に染めた黒い星を見たという。
朔の説明から、当初は望の所持品だと思われていたが、ジンが覗いた際にグラスメモリアを通して見ているはずのない獣化した望の手が映ったため、本来の持ち主は朔である事、そして朔は弟を手にかけるのを躊躇い、DEUSに介錯してもらうべくジンの前に置いていった事が発覚した。
ちなみに客人が見たという黒い星は明らかに日食の様子だが、地球からその光景を見た場合、輪郭のフレアが赤く見える事はない。
ジンはこの光景を、あの兄弟が100年前よりもはるか昔、100年前と同じように月食が起きた際、地球が太陽に重なる瞬間を月から眺めたものだと推測している。
余談
胴体部分は『ウルトラマンマックス』に登場したネリル星人の改造。
ちなみにまひる役の中村果生莉氏も『マックス』第38話にベース・タイタン一般隊員役で出演していた。
朔を演じた高野氏は『ウルトラマンガイア』で藤宮博也/ウルトラマンアグルを演じていた。かつて水=海の祝福を受けた地球の化身を演じた俳優が今度は水を嫌う異星人を演じるというのは、なんとも不思議な因果である。
関連項目
ジャミラ:こっちは水を浴びると冗談抜きで死んでしまう。
ワニゴドン:こちらは海水を嫌う。
狼男:キャラクター造形のモデル。
狂犬病:別名「恐水病」。どこか狼男モデルである獣人の特性を思わせる病名である。