概要
てんとう虫コミックス42巻及び、藤子・F・不二雄大全集16巻に収録。
ストーリー
ドラえもんは部屋の窓から外を外を眺め、のび太の帰りが遅いことを心配し、昨日宿題をやらなかったために残されているのかと予想。一方当ののび太は、学校の教室で宿題が終わらず困っていて、日が暮れてしまうと思い逃げ出すことにしたが先生に見つかり怒鳴られてしまい、そのまま逃げ切り早く帰って宿題を済ませ明日先生に謝ることに。
だがその時、頭に空地で野球をしていたジャイアン達のボールが当たり、投げ返すとそれが神成さんの家のガラスを割ってしまった。すぐにのび太は逃げ出したが、やってきた神成さんに犯人を捕まえるよう言われたため、ジャイアン達はのび太を捕まえるため後を追いかけて来たが、全速力でのび太が逃げてしまったため手配書を作製。スネ夫はこれの賞金として漫画10冊を出すことになってしまったが、女子達にも呼びかけを始めたため、のび太はこっそりと逃走。
一方家では帰りが遅いとママが怒っていたため、これを察したドラえもんは「コンビパトボール」を取りだし、これに急いでのび太を探すよう命令。そして裏山にいるのを見つけると経緯を聞き、どこでもドアやタケコプターで助けて欲しいと言われたが、どちらも修理中だったため、「コノ道トーリャンセチャート」を取りだして家から裏山までの地図を表示させると、「障害チップ」も取り出してこれを地図に貼り付けた。
すると町中が敵だらけだったため、のび太に指示通り逃げるよう言い、のび太は恐る恐る小川に沿って学校前の道へ移動。だがそこに黒チップが近づいてきたため、少し戻って左へ曲がるよう指示し、その後も指示を続けたことでのび太は敵に会わずに済んだが、塀を乗り越えた際に犬を下敷きにしてしまったことで、新たに敵を増やしてしまった。
そこでドラえもんは「チップストッパー」を使用して、犬の上に看板を落下させて足止めし、その後も指示を続けたが、遠回りばかりだったことでのび太の体力が限界になろうとしていた。これにドラえもんは「頑張れあと一息!!もうすぐ着くから」とはげまし、のび太も角を曲がり全速力でゴールインしようとしたが、そこに置いてあったゴミ置き場で箱の中にジャイアンが潜んでいたため捕まってしまった。
しかしそこに彼の母ちゃんが現れ、逆にジャイアンが母ちゃんに追われる羽目になったので何とか難を逃れ、更に他の黒チップも突然消えてしまったので、のび太は大喜びで帰宅。だがその時ドラえもんは家の中に黒チップが2つあることを発見し、急いでのび太のもとに向かったが、時既に遅く、のび太はママと先生から説教を受けていた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1984年10月19日に、水田版は2010年3月19日及び、2021年10月9日にそれぞれ放送している。
1984年版
- 冒頭ドラえもんはどら焼きを食べながら本を読んでいた。
- のび太が逃げ出したのはしずかを待たせていたからで、そわそわして出て来たため彼女にトイレと思われたが、これまた慌てて去ってしまったため彼女はムッさせてしまい、更にこの後のび太は車とも衝突しそうになっていた。ちなみに野球をしていた一同は皆私服で、描いた指名手配所ののび太の視点はちゃんと合っていた。
- ママは電話で先生からのび太が逃げ出したことを知らされている。
- 怒られるのび太を見てドラえもんは「もう面倒見きれない」と呆れていて、この後画面がだんだんズームアウトして町全体を上空から見た景色になり、のび太の「ごめんなさーい!」という情けない叫びで締めくくられている。
2010年版
- 冒頭ママは重い荷物を持ちながら買い物から帰ったところで、約束したにも拘わらず片付けができていないのび太の部屋を見て激怒していた。そしてのび太は、様子を見に来た先生に残りは家でやって来ると言い残して走って行ってしまった。ちなみにこの時黒板には「宿題はちゃんと家でやりましょう」と書かれていた。このため、ドラえもんがのび太の帰りを心配する描写は描かれていない。
- 1984年版と同じく、野球をしていたジャイアン達は完全に私服で、ボールが壊したのは神成さんの盆栽だった。また神成さんは塀から顔を出してジャイアン達と話していた。
- ママは先ほどのままのび太の部屋で怒って、ドラえもんはどら焼きを買って戻ってきた際に会っていた。そしてのび太が帰ってくるまでは、この部屋は片付けないように言われていた。ちなみにコンビパトボールを出す前に慌てて色々な胴部も出している。
- 手配書は風船にも付けられて飛ばされていたため、敵は格段に多くなっていた。
- のび太を挟み撃ちにしたのはジャイアンとスネ夫、その他大勢だった。
- 看板は犬の前に倒れたため、犬はこれに顔をぶつけてふらついていた。
- ジャイアンはゴミ置き場に隠れていたのではなく、角から出て来たのび太とぶつかってゴミ箱を頭から被ってしまった。
- 後半はのび太が素直に謝ったため神成さんには許してもらえ、罪滅ぼしに腰を痛めてしまった彼の代わりに盆栽を公民館まで届ける展開が描かれ、ジャイアンは公園で集めた皆にゲーム5本も商品に加えることを発表し全員自転車に乗ってのび太を追いかけていた。
- その後のび太は、道なき道を進み、途中しずかの風呂を覗いてしまったり、池に沈みかけてしまったが、何とか公民館まで行きつき、ドラえもんが待ち伏せしていたジャイアン達の注意を反らしている隙に会場に入り込んだ。そして母ちゃんはここで手伝いをしていたため、ジャイアンはここで懲らしめられていて、漫画やゲームが無事になったことに安心したスネ夫が皆にのび太を作戦中止を呼び掛けていた。
- のび太は神成さんに盆栽を送り届けたこと報告し、神成さんもシップを貼ったことで腰も良くなり、この時飛んできてガラスを割ったボールを見て、投げ込んだ子供達に怒鳴るまでに回復していたため、のび太は帰宅した。このため帰宅したのは夕方になっている。
2021年版
- 1984年版と同じくママは電話で先生から話を聞いていて、原作での冒頭からのび太が教室から逃げ出すまでの下りは描かれていなかった。ちなみにジャイアン達はこれまでと同じく完全に私服だった。
- のび太は一周間連続で宿題を忘れていて、そのため今日は早く帰宅してそれをやるつもりだった。
- のび太は犬と少年2人から追いかけられていて、ドラえもんがチップストッパーを使ったことで工事現場から鉄筋などが目の前に落ちて来た。
- この後黒チップが消えたことでドラえもんは安心し、どら焼きと茶で和みながらのび太を誘導していたが、スネ夫が助っ人として陸上部の3人を連れて来たためのび太は囲まれてしまったが、のび太は靴を囮にして3人を倉庫の中に閉じ込めることに成功した。
- それからも賞品にゲーム10本と豪華なおやつが追加されたことで参加した、体操部の3人の少年たちにのび太は追われ、逃げ込んだビルの屋上まで追いつめられたが、ドラえもんの指示で飛び降り辺りの物をクッションにして何とか着地できた。そしてそれからは漫画やゲームを守るために裏切ったスネ夫にケージに入れてもらって家まで運んでもらった。
- ジャイアンが待ち伏せしていたのは野比家の前で、剛田商店の空き箱の中に隠れていた。
- 野比家にやって来ていたのは先生ではなく神成さんで、2010年版のようにすぐに謝りに来ていれば許す気だったらしい。そしてラストは「結局怒られるのか」というのび太の台詞で締めくくられている。
今回登場した、ひみつ道具
コンビパトボール
アンテナが付いた目玉の機械で、空中を飛行し相手と連絡を取ることができる。
2010年版では、ドラえもんはマイク付きのヘッドホンも装着してのび太と会話しており、稼動式の椅子にも乗っていた。
ちなみにタイムパトロールもたまにこの道具を使用している。
コノ道トーリャンセチャート
大型のシートで、壁に設置した後、指定した地図を表示させることができる。
1984年版では「コノ道トーリャンセ」という名前になっていた。
障害チップ
オセロに似たチップで、地図にセットすると敵のいる位置が把握できる。
チップストッパー
障害チップに当てると、その者を足止めすることができる。